広告の品質を高めて、広告のパフォーマンスを向上させたい場合、「品質スコア」の改善を検討してみましょう。
品質スコアは、広告の品質とユーザーエクスペリエンスを評価する指標であり、ユーザーにとって広告が有用であるかを測る数値とも言えます。
高い品質スコアを維持することは、掲載順位の向上や広告費用の削減に影響を与える可能性があり、効果的な広告キャンペーンの運用に繋がります。
この記事では、品質スコアの説明と確認方法、改善方法を詳しく解説していきます。
品質スコアの理解を深め、広告のパフォーマンス向上に繋げましょう。
関連記事:『Googleリスティング広告で効果を上げるための10のポイント|Union Media』
Contents
品質スコアとは
引用:『Google広告トレーニング:Google広告オークションの仕組み|YouTube』
品質スコアとは、広告の品質を1~10段階の数値で表す指標です。
指定したキーワードごとにスコアを確認できます。
Google広告では「品質スコア」、Yahoo!広告では「品質インデックス」と言われています。

品質スコアの高さは、競合他社と比較して、自社の広告が検索ユーザーにとって有用であることを示しています。
品質スコアを目安に、広告の品質を高めることで、広告の掲載順位が上がったり、費用を抑えられる可能性があります。
ただし、品質スコアの数値自体が、広告オークションの評価要素にはならないため注意が必要です。
参考:『広告の品質について|Google広告ヘルプ』
参考:『品質スコアについて|Google広告ヘルプ』
参考:『品質インデックス|Yahoo!広告ヘルプ』
広告オークション
引用:『Yahoo!広告の料金・費用』
インターネット広告では、ユーザーが検索やサイトを訪問する度に、広告オークションが行われ、表示する広告と掲載順位が決定します。
広告オークションでは、「入札単価」や「広告の品質」などの要素が考慮されて、どの広告を表示するかが決まります。
参考:『Google広告のオークションの仕組み|Google広告ヘルプ』
参考:『掲載順位の決定方法|Yahoo!広告』
「広告の品質」は複数の要素によって評価され、その参考値として品質スコアがあります。
品質スコアの数値が、広告オークションに直接影響を与えることはありませんが、ユーザーエクスペリエンスが平均以下の広告や、改善すべき要素の特定に役立ちます。
参考:『広告の品質について|Google広告ヘルプ』
参考:『広告の品質について|Yahoo!広告ヘルプ』
キーワードの入札単価について詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
関連記事:『キーワードの入札単価とは?単価の決め方5種と設定方法を解説!|Union Media』
品質スコアの算出方法
品質スコアは、以下の3要素によって決まります。
- 推定クリック率:ユーザーが広告をクリックする可能性の高さ
- 広告の関連性:ユーザーの検索意図と広告の関連性の高さ
- ランディングページの利便性:ユーザーにとってランディングページの利便性と関連性の高さ
各要素は、自社と同じキーワードで広告表示される他社との比較により、「平均より上」「平均的」「平均より下」と評価されます。
この評価によって、品質スコアを下げている要因や、広告と関連性が低いキーワードを特定することができます。
参考:『品質スコアについて|Google広告ヘルプ』
参考:『品質インデックス|Yahoo!広告ヘルプ』
参考:『Google広告の推定クリック率について|Search Ads 360 (new experience) ヘルプ』
品質スコアを改善するメリット
品質スコアを改善して広告の品質を高めることで、以下のメリットがあります。
- 広告の掲載順位が上がる
- 広告表示オプションが表示される
- クリック単価を抑えられる
それぞれ詳しく解説していきます。
広告の掲載順位が上がる
広告の掲載順位は、「入札単価」や「広告の品質」などの要素が考慮された広告オークションによって決定します。
つまり、広告の品質を高めることで、広告の掲載順位が上がる可能性があります。
Google公式ページとYahoo!公式ページでは、広告の品質が掲載順位に与える影響について、次のように記載されています。
Google広告ヘルプ
検索結果ページのどの部分に広告が表示されるか: 高品質な広告を検索結果ページの先頭に近い位置に表示するため、Google が広告ランクを決定する際には広告の品質が考慮されています。
Yahoo!広告ヘルプ
広告の掲載順位は、オークションランクに基づいて決定します。
オークションランクは、広告グループやキーワードに設定した入札価格、および「広告の品質」を基に決定するため、「広告の品質」を向上させることで、広告の掲載順位が上がる可能性があります。
広告オークション、オークションランク、広告の掲載順位の決定方法については、「掲載順位の決定方法」を参照してください。
また、検索結果の上位に表示される広告は、目に留まりやすく、クリック率が高くなる傾向があります。
実際に、Search Engine Watchのデータでは、平均掲載順位1位のクリック率が12.2%、2位が1.5%、3位が0.2%と上位に表示されるほどクリック率が高くなっています。
参考:『PPC Click-Through Rate by Position: Does Rank Matter? [Data]|Search Engine Watch』
リスティング広告のクリック率について詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
関連記事:『リスティング広告でクリック率(CTR)を上げる7つのポイント|Union Media』
広告表示オプションが表示される
広告表示オプション(アセット)の表示は、広告の掲載順位などによって決定します。
つまり、広告の品質を高めて掲載順位を上げることで、広告表示オプションが表示される可能性があります。
Google公式ページとYahoo!公式ページでは、広告の品質が広告表示オプションの表示に与える影響について、次のように記載されています。
Google広告ヘルプ
アセットが表示されるかどうか: たとえば一部のアセットは、検索結果の上にしか表示されません。
こういった上位の掲載枠を獲得するためには、広告の品質も十分に高い必要があります。
Yahoo!広告ヘルプ
広告表示オプションの有無や表示方法は、「広告の品質」や広告の掲載順位を考慮して決定します。
そのため、「広告の品質」が低い場合、広告表示オプションを設定したにも関わらず配信時に表示されない場合があります。
広告表示オプションについては、「広告表示オプションとは」を参照してください。
Googleが提供する「広告プレビューと診断ツール」では、インプレッションを増やさずに、特定のキーワードに対する広告の表示状況や掲載順位を確認できます。
参考:『検索結果のどこに広告が表示されるのかを確認する|Google広告ヘルプ』
Google広告・Yahoo!広告の広告表示オプションについて詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
関連記事:『Google広告の広告表示オプションとは?12種類の機能と入稿STEPを紹介|Union Media』
関連記事:『Yahoo!広告の広告表示オプション4種類!使い方と違いを解説|Union Media』
クリック単価を抑えられる
広告のクリック単価(CPC)は、「入札単価」や「広告の品質」などの要素が考慮された広告オークションによって決定します。
つまり、広告の品質を高めることで、入札単価が低くても広告が表示される可能性があり、クリック単価(広告1クリックあたりの費用)を抑えられます。
参考:『リスティング広告のクリック率(CTR)の平均値や改善ポイントを解説』
Google公式ページとYahoo!公式ページでは、広告の品質がクリック単価に与える影響について、次のように記載されています。
Google広告ヘルプ
クリック 1 回あたりの費用: 一般に、広告の品質が高いほうが、クリック 1 回あたりの費用は安くなります。
広告の品質が低いと、表示のトリガーとなった検索語句の獲得競争がさほど激しくなくても、実際に発生するクリック単価が、ご指定の上限クリック単価に近い額になることがあります。
なお、広告の品質がどれだけ低くても、クリック 1 回あたりのご請求額がご指定の上限クリック単価を上回ることは(自動入札をご利用の場合を除き)一切ありません。
Yahoo!広告ヘルプ
広告のクリック単価(CPC)は、広告グループやキーワードに設定した入札価格を基に、「広告の品質」を考慮して決定します。
そのため、「広告の品質」が高い状態の場合は、クリック単価をより抑えて運用することが可能です。
リスティング広告のクリック単価について詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
関連記事:『リスティング広告のクリック単価改善方法【CPCの相場についても紹介】|Union Media』
品質スコアの確認方法
品質スコアは、管理画面のデータ表示項目の設定を変更することで、確認できるようになります。
ここでは、Google広告とYahoo!広告の品質スコアの確認方法を解説していきます。
Google広告
Google広告にログインして、以下の手順に沿って設定を行います。
「キーワード」≫「検索キーワード」をクリック
まずは、管理画面左メニューの「キーワード」から「検索キーワード」をクリックします。
「表示項目」≫「表示項目を変更」をクリック
次に、データ表右上の「表示項目」から「表示項目を変更」をクリックします。
品質スコアと各要素を選択
次に、[キーワードの表示項目を変更]の「品質スコア」から、品質スコアや各要素を選択します。
「~(履歴)」を選択すると、過去の品質スコアと各要素も確認できます。
各ステータスの表示を確認
最後に、「適用」をクリックして、品質スコアと各要素のステータスが、データ表に表示されたことを確認して完了です。
Yahoo!広告
Yahoo!広告にログインして、以下の手順に沿って設定を行います。
今回は、検索広告を例にしています。
「キーワード」をクリック
まずは、管理画面左メニューから「キーワード」をクリックします。
「表示項目」≫「表示項目を編集」をクリック
次に、データ表右上の「表示項目」から「表示項目を編集」をクリックします。
各要素を選択
次に、[キーワード一覧の表示項目を編集]の「品質」から、品質インデックスや各要素を選択します。
最後に、「適用」をクリックして、品質スコアと各要素のステータスが、データ表に表示されたことを確認して完了です。
参考:『品質インデックス|Yahoo!広告ヘルプ』
品質スコアの改善方法3つ
まずは、品質スコアの3要素のステータスを確認して改善点を特定します。
- 推定クリック率:ユーザーが広告をクリックする可能性の高さ
- 広告の関連性:ユーザーの検索意図と広告の関連性の高さ
- ランディングページの利便性:ユーザーにとってランディングページの利便性と関連性が高いか

特にステータスが「平均より下」の場合や、以前より低下している場合は、広告文、キーワード、ランディングページの改善を検討しましょう。
ここからは、各要素の具体的な改善方法について解説していきます。
参考:『品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める5つの方法Google広告ヘルプ』
参考:『品質インデックスを上げるには』
推定クリック率を改善する
引用:『リスティング広告とは?初心者でもわかる仕組みや費用、やり方・運用方法を解説|Yahoo!広告』
ステータスが「平均より下」である場合は、主要キーワードとの関連性が高まるように広告文を変更することをおすすめします。
引用:『Google広告の推定クリック率について|Search Ads 360 (new experience) ヘルプ』
推定クリック率を改善するには、次のポイントに留意して広告文を作成しましょう。
- ターゲット層や検索意図に合わせた情報を含める
- 具体的な商品名やサービス名、概要を含める
- 説得力のある数字を含める
- 季節や流行に合わせた表現を含める
- 自社の独自性を強調する
(例:返金保証、無料相談、オーガニック素材など) - 特殊記号を使って重要な部分を強調する
(例:【公式】《最大〇%OFF》) - ランディングページでの行動を促すフレーズを含める
(例:購入、申し込み、見積もり)
さらに、色々なパターンの広告文を作成し、その成果を比較することも重要です。
ただし、誤解を招く表現は避け、法律やガイドラインなどに従って広告文を作成する必要があります。
参考:『品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める5つの方法|Google広告ヘルプ』
参考:『品質インデックスを上げるには』
広告文の作成について詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
関連記事:『【リスティング広告】クリック率が向上する広告文の作成ポイント8選 | Union Media』
広告の関連性を改善する
引用:『品質インデックスを上げるには』
広告の関連性を改善するには、次のポイントに留意して広告文と広告グループを作成しましょう。
広告文にキーワードを含める
キーワードが広告文に含まれていると、検索ユーザーのニーズと広告の関連性が高まる可能性があります。
Google公式ページでは、広告文とキーワードについて、次のように記載されています。
広告文にキーワードを含めることで、ユーザーが探している情報に関する広告であることをアピールできます。
たとえば、「デジタルカメラ」というキーワードを使う場合は、「デジタルカメラを購入」などの広告見出しを作成します。
詳しくは、効果的なキーワードの選び方をご覧ください。
参考:『品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める5つの方法|Google広告ヘルプ』
広告グループを明確かつシンプルに分ける
訴求軸が異なるキーワードが一つの広告グループに混在している場合は、広告グループを分けることで、検索ユーザーのニーズと広告の関連性が高まる可能性があります。
Yahoo!公式ページでは、広告グループ分けと広告効果について次のように記載されています。
アカウント構成が複雑だと広告効果が下がる恐れがあります。その要因として、「キャンペーンや広告グループなどでのグループ分けが適切ではない」という点が挙げられます。
商材やテーマごとにキャンペーンを分ける、ユーザーやニーズごとに広告グループを分けるなど、明確な枠組みを決めましょう。シンプルで管理しやすいグループ分けが重要です。
以下は、広告グループの分類方法の一例です。
- 商品やサービスごとに分ける
(例:ネックレス、ブレスレット、イヤリング) - キーワードが似ている語句ごとに分ける
(例:美容院とヘアサロン、お手頃と格安) - ターゲットユーザー層ごとに分ける
(例:男性、女性、学生、家族) - 遷移先のページ内容ごとに分ける
(東京観光ページ、京都観光ページ、沖縄観光ページ)
参考:『品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める5つの方法|Google広告ヘルプ』
ランディングページの利便性を改善する
ユーザーをサイトまで連れてくることだけがオンラインマーケティングではありません。
サイトを訪れたユーザーに優れたエクスペリエンスを提供することも重要です。
ランディングページの利便性を改善するには、次のポイントに留意してページを構築しましょう。
ユーザーが求める情報を提供する
ランディングページでは、広告との整合性を保ちつつ、検索ユーザーが求める情報を的確に提供することが重要です。
広告とページの内容が違ったり、広告の情報がページ内で見つけられないと、ユーザーが離脱してしまう可能性がありあす。
離脱率やコンバージョン率などを目安に、ランディングページの利便性を測りましょう。
参考:『品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める5つの方法|Google広告ヘルプ』
参考:『LPOは、「広告とランディングページのメッセージの一致」から』
コンバージョン測定ついて詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
関連記事:『コンバージョン測定とは?確認方法や計測できる9種のCVを解説!|Union Media』
モバイルフレンドリーにする
引用:『ウェブサイトをモバイル向けに最適化する|Google広告ヘルプ』
ユーザーの利便性を考慮して、ランディングページをモバイルフレンドリーにすることも重要です。
モバイルフレンドリーとは、スマホやタブレットなどのモバイル端末に合わせて、Webページが使いやすいように最適化されることを意味します。
Google広告の調査によると、モバイル向けのサイトは、検索順位が上がりやすく、ユーザーの直帰する確率が5倍以上低下することが分っています。
参考:『ウェブサイトをモバイル向けに最適化する|Search Ads 360 (new experience) ヘルプ』
Googleが提供する「モバイルフレンドリーテスト」では、ページがモバイル端末で使いやすいかどうかを確認することができます。
参考:『モバイルフレンドリーテスト|Google Search Console』
参考:『品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める5つの方法|Google広告ヘルプ』
スマホ向けLPについて詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
関連記事:『読まれるLPを作るためのコツ6選!スマホを意識した作成でCVRアップ!|Union Media』
ページ表示速度を改善する
参考:『モバイルページ速度に関する業界の新しいベンチマーク|Think With Google』
ページの表示速度を改善することも、ランディングページの利便性の向上には欠かせません。
Googleが公開した情報によると、ページ表示速度が1秒から3秒に増加すると、モバイルサイト訪問ユーザーの直帰率が32%高まることが分っています。(Google/SOASTA リサーチ、2017年)
Googleが提供する「PageSpeed Insights」では、デバイスごとにページの表示速度を計測することができます。
参考:『PageSpeed Insights』
参考:『品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める5つの方法|Google広告ヘルプ』
Webサイトの表示速度について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
関連記事:『Webページの表示速度を上げる改善策7選!計測方法も紹介|Union Media』
注意点
品質スコアに影響しないもの
広告の品質に評価要素であっても、品質スコアに影響しないものもあります。
例えば、デバイス、場所、時間帯、広告表示オプション(アセット)が当てはまります。
また、広告主のキーワードと検索クエリが一致する検索が少ない場合は、品質スコアは「―」と表示されます。
参考:『品質スコアについて|Google広告ヘルプ』
参考:『品質インデックス|Yahoo!広告ヘルプ』
品質スコアの数値に固執しすぎない
品質スコアの数値を向上させることだけにとらわれず、長期的な目標を立てて、ユーザーエクスペリエンスの向上を図りましょう。
ユーザーのニーズを満たせているか、ビジネスの本質的な価値を提供できているかを評価する目安として品質スコアがあります。
参考:『品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める5つの方法|Google広告ヘルプ』
参考:『広告品質を掲載結果の改善につなげる|Google広告ヘルプ』
まとめ
この記事を読んで、品質スコアの改善が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
弊社ではリスティング広告運用代行というサービスを展開しております。
リスティング広告の運用経験を豊富に蓄積している他、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。
蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。
また、薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
お客様のあらゆるニーズに対し 分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談下さい。
監修者
2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。