本記事はSNS広告についてまだ馴染みがなくこれから少しずつ学んでいきたいという方を対象にしています。
社内メンバーや取引先とSNS広告について議論していると、SNS広告で使用される用語が出てくることがあります。
SNS広告の用語を理解していると、このような議論の場でもスムーズに話を運ぶことができます。
また、SNS広告の効果検証の際に自ら意見を述べることができる等、様々なメリットがあります。
本記事を通じてSNS広告で使用される用語をしっかりと理解しておきましょう。
関連記事:『SNS広告の5つのメリットと4つのデメリット!成功事例までご紹介!』
Contents
SNS広告とは?
SNS広告とは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上に表示される有償広告のことを指します。
Twitter上のタイムラインを眺めていると、時々「プロモーション」と記載されているツイートを目にすることがあります。
これは自分がフォローしているTwitterアカウントによるツイートとは異なり、企業等のTwitterアカウントが宣伝やプロモーションの一環として有償で広告を出稿しているツイートになります。
参考:『Twitter』
LINEの場合、SNS広告は「AD」と明記されLINEアプリ上の様々な箇所にSNS広告として表示されます。
引用:『LINE』
Facebookのタイムライン上を縦にスクロールしていると、時々「広告」と表記された投稿を目にすることがあります。
引用:『Facebook』
このようにSNS広告は「プロモーション」や「AD」、「広告」のような表記と共にSNS上で表示されます。
SNS広告なのか、そうでないのかを見分けるには、このような表記があるかどうかで判断することができます。
SNS広告が表示される際の広告フォーマットはテキストや静止画だけではなく、動画やGIF動画等、様々なものがあります。
関連記事:『5大SNS広告運用入門!適したターゲットや特徴を解説!』
SNS広告の主要媒体
日本において特にユーザー数が多いSNSはTwitter、Facebook、Instagram、LINEです。
そのため、日本におけるSNS広告は、Twitter、Facebook、Instagram、LINEが主要な媒体です。
各SNSの特徴を下表にまとめました。
ユーザー数の規模やメインのユーザー層等、それぞれのSNSによって違いや特徴があります。
媒体名 | 月間アクティブユーザー数 | 特徴 |
4,500万人 | ①10代~30代の若年層がメインのユーザー ②匿名で利用することができる ③情報の拡散性が高く、バズると短期間で認知を広げることができる | |
2,600万人 | ①利用は実名制となる ②年齢や性別等の細かい属性を活用した細かいターゲティングができる ③Instagramへも広告を同時に出稿できる | |
3,300万人 | ①年齢や性別等の細かい属性を活用した細かいターゲティングができる ②没入感のある広告を演出できる ③10代~30代の女性がメインユーザー | |
LINE | 9,300万人 | ①幅広い年代層で活用されている ②LINE Pay、LINEクーポン等、多様なサービスを多角的に展開している |
参考:『2023年3月更新!性別・年齢別 SNSユーザー数(Twitter、Instagram、TikTokなど13媒体)』
参考:『【最新】4大SNSのユーザーについて学ぼう ― 目的・ターゲット別で効果的なPR戦略を!』
あ行のSNS広告用語
アトリビューション
アトリビューション(Attribution)とは、広告を閲覧してからコンバージョンに至るまでの経路において、各広告媒体がコンバージョンに対してどのように貢献しているかを示す考え方です。
広告を閲覧してからすぐにその広告をクリックしコンバージョンに至るというケースはコンバージョン全体から見ると一部です。
コンバージョンの中には、広告を見てもそこから離脱し後日Webサイトに直接流入するケースや、複数の広告を見て最後に閲覧した広告から流入するケースもあります。
現在のデジタル環境においては、デジタル広告、Webサイト、メール、動画サイト等、様々なタッチポイントを経由してコンバージョンに至るケースがあります。
アトリビューションは、このようなデジタルにおける多様なユーザー行動をトラッキングするために有効な考え方です。
アトリビューションモデル
アトリビューションモデルとは、広告を閲覧してからコンバージョンに至るまでの経路において、「各広告媒体のコンバージョンに対する貢献度をどのように割り振るかのルール」を表します。
アトリビューションモデルは主に6種類あります。
自社が提供する商品やサービスの市場における状況に応じて、どのアトリビューションモデルを採用するのかを選択します。
名称 | 内容 |
ラストクリック | コンバージョン経路の最後の広告インタラクション(クリック)のみに貢献度を割り当てます。 |
ファーストクリック | コンバージョン経路の最初の広告インタラクション(クリック)のみに貢献度を割り当てます。ラストクリックとは正反対のモデルです。 |
線型 | コンバージョン経路で発生した全ての広告インタラクションに対して均等に貢献度を割り振ります。 |
減衰 | コンバージョン経路で発生した複数の広告インタラクションにおいて、コンバージョンに近い広告インタラクションに貢献を多く割り振ります。 |
接点ベース | コンバージョン経路における最初と最後の広告インタラクションに対して40%の貢献度を割り振ります。残りの20%をその他の広告インタラクションに対して均等に割り振ります。 |
データドリブン | Google広告で利用できるアトリビューションモデルです。デフォルトで設定されています。蓄積された過去のデータに基づき各広告インタラクションに対して貢献度を割り振ります。 |
参考:『アトリビューション モデルについて』
アロケーション
アロケーションとは配置を意味する英語の「allocation」から来ている用語です。
略称として「アロケ」と言うこともあります。
SNS広告におけるアロケーションとは、「予算を配分する」ことを意味します。
例として、予算が1,000万円ある場合、700万円をTwitter広告、300万円をInstagram広告にアロケーションする、というように言います。
広告を配信しているとかけている予算に対して効果が望ましくない場合があります。
そのような場合に、例えばTwitter広告で使用している予算を別の媒体であるInstagram広告に再配置することにより全体予算に対する広告効果を最適化することがあります。
予算を再配置することを「アロケーションの見直し」と言います。
予算に対する目標数値が未達の際にアロケーションの見直しを実施することは限られた予算で目標を達成する上で重要な考え方です。
インスタントエクスペリエンス広告
引用:『Meta | Facebookインスタントエクスペリエンス』
インスタントエクスペリエンス広告はFacebookとInstagram広告で使用することのできるモバイル端末に配信される広告フォーマットです。
2018年9月まで「キャンパス広告」と称されていました。
ユーザーが画像、動画、カルーセル、スライドショーのいずれかで表示される広告をタップすると自社Webサイト等に遷移させることなくフルスクリーンで広告が表示されます。
フルスクリーンの広告内ではフルスクリーン表示前で紹介のできなかった商品一覧や機能の詳細な説明、ブランドストーリー等を、モバイル端末を全面に活用することで訴求することができます。
インプレッション
引用:『Twitter広告管理画面』
インプレッション(英語名:Impression)とは、広告が何回表示されたかを示す指標です。
広告が2ユーザーにそれぞれ2回表示された場合リーチは2となりますが、インプレッションは2ユーザー×2回で4となります。
リーチとインプレッションは混同されやすいので注意が必要です。
ユーザーが広告を見ても興味を持たずそのまま無視してしまってもインプレッションはカウントされます。
しかし、インプレッションはどれぐらい広告が表示されているかの重要な指標となります。
SNS広告の課金方式によってはインプレッション数に基づいて広告料が発生するケースもあります。
なお、LINE広告においては、静止画広告で静止画像の領域がユーザーの端末に100%表示された時、動画広告では動画の再生有無に限らず動画の領域がユーザーの端末に100%表示された時をインプレッションとしてカウントします。
関連記事:『おすすめの広告効果測定ツール5種類!分析可能な項目もご紹介』
エンゲージメント
エンゲージメントは英語の「Engagement」から来ている用語です。
エンゲージメントは、「絆」、「繋がり」等と日本語に訳されます。
SNS広告におけるエンゲージメントは、「広告を見たユーザーがどれくらい広告に反応しているのか」を意味します。
エンゲージメントを定量化した時の数値が「エンゲージメント率」と呼ばれます。
エンゲージメント率が高いほどユーザーが高い頻度で広告に反応していることになり、効果の高い広告配信していることを意味します。
エンゲージメント率の算出方法はSNS広告によって異なります。
以下が各SNS広告におけるエンゲージメント率の算出方法です。
※なお、2022年11月現在、LINE広告はエンゲージメント率という指標を提供しておりません。
エンゲージメント数の内訳 | エンゲージメント率の算出方法 | |
Twitter広告 | クリック数、リツイート数、いいね数、フォロー数、返信数 | エンゲージメント数÷インプレッション数×100 |
Facebook広告 | いいね数、シェア数、クリック数、コメント数 | エンゲージメント数÷リーチ数×100 |
Instagram広告 | いいね数、シェア数、クリック数、コメント数 | エンゲージメント数÷リーチ数×100 |
関連記事:『【初心者向け】Twitterアナリティクスの20個の指標と活用法を紹介』
オーディエンス
「オーディエンス」とは英語のAudienceから来ている用語で、広告を見て欲しいターゲットとなるユーザーを意味します。
なお、「オーディエンス」はLINE広告のように別名で「デモグラフィックターゲティング」と呼ぶケースもあります。
SNS上では、年齢、性別、居住地、興味関心、言語等が異なる様々なユーザーが利用しています。
SNSで広告を出稿する際はこれらの属性を指定することで広告配信のターゲットとなるオーディエンスを指定します。
引用:『Facebook広告』
関連記事:『LINE広告の地域ターゲティング設定方法!3つの集客成功事例まで紹介』
か行のSNS広告用語
カスタムオーディエンス
「カスタムオーディエンス」とは、広告を配信する際のターゲティング方法の一つです。
自社アプリのインストールや自社Webサイトへの訪問、ECサイトにおける商品購入等の過去に発生したイベントデータに基づきオーディエンスを作成し、そのオーディエンスに対して広告を配信します。
全くの新規ユーザーをターゲティングするケースとは異なり、過去に何らかのアクションを取ったユーザーがカスタムオーディエンスとなります。
なお、LINE広告では同名のターゲティング機能はありませんが、IDFA/AAID(モバイル端末の広告ID)アップロードや電話番号アップロード、メールアドレスアップロードによってターゲティングする方法があります。
関連記事:『Facebook広告のカスタムオーディエンスとは?4タイプの設定方法を解説』
画像広告
引用:『Meta | ストーリーの伝え方』
画像広告は本稿で取り上げている全てのSNS媒体で活用できる広告フォーマットです。
静止画像、テキスト、リンク先のURL等によって構成されます。
商品やサービスの特徴やメリットを静止画像によって視覚的に伝えることができます。
テキスト広告と比較すると制作工数がかかりますが、画像による表現の幅が広がるため、訴求力という点ではテキスト広告よりも優れています。
LINE広告では画像広告のフォーマットとして、Card、Square、Vertical、カルーセル、Small Image(画像小)の5つを提供しています。
フォーマットにより画像のサイズ規定や配信先が異なります。
カルーセル広告
カルーセル広告とは一つの広告に複数の静止画や動画を横一列に並べるようにして表示させるフォーマットです。
モバイル端末でカルーセル広告を見る際は左右にスライドするようにして広告を見るため、他の広告フォーマットと比較すると閲覧の仕方が独特とも言えます。
カルーセル広告の活用方法として、画像毎に商品やサービスの異なる機能を訴求する仕方や一枚の横長の写真を複数の画像を用いることでその広告スペースを最大限に活かす方法があります。
メリットとして、静止画像一枚よりも多くの情報量を伝達することが可能です。
引用:『Twitter広告ヘルプセンター』
関連記事:『Instagramのカルーセル広告とは?2つの活用事例を紹介』
クリエイティブ
クリエイティブとは広告に使用する素材のことを指します。
クリエイティブには、テキスト、静止画像、GIF画像、動画があります。
更にクリエイティブはピクセル数やファイル容量、掲載可能なコンテンツ内容など、細かいレギュレーションが媒体によって異なります。
クリエイティブは自社内に体制があればインハウスで制作するケースやそのような体制が自社内にない場合、広告代理店に制作を依頼するケースがあります。
関連記事:『【Instagram広告】クリエイティブデザインで意識するべき11のコツ』
コレクション広告
引用:『Meta | コレクション広告』
コレクション広告はFacebookとInstagramで使用することもできる、モバイル端末向けに配信される広告フォーマットです。
広告のファーストビューではメインとなる画像または動画が一つ大きく表示され、その下に小さな画像が3枚~4枚グリッド形式で表示されます。
広告をクリックするとインスタントエクスペリエンスによってフルスクリーンで広告が表示されます。
複数の商品をカタログ形式で紹介するケースや商品の様々な機能や活用シーンを紹介する際にコレクション広告が活用されます。
関連記事:『Instagram広告の活用方法とは?企業の成功事例5つを紹介!』
さ行のSNS広告用語
スライドショー広告
引用:『Meta | スライドショー広告』
スライドショー広告はFacebookとInstagramで使用することのできる広告フォーマットです。
スライドショー広告では2枚~15枚の画像を紙芝居のようにスライドさせるように数秒で次の画像が表示されるため、動画広告のように演出することができます。
動画広告を制作する場合は絵コンテから編集まで工数がかかりますが、スライドショー広告は画像さえあれば気軽に出稿できるメリットがあります。
ストーリー性のある広告を画像で表現したいという方に適しています。
た行のSNS広告用語
テキスト広告
引用:『Twitter広告ヘルプセンター』
テキスト広告はTwitter広告で活用される広告フォーマットです。
テキスト広告はテキストのみで構成されるため、画像や動画で構成される広告と比較すると、クリエイティブの準備はテキストのみで済みます。
そのため、テキスト広告は気軽に広告を出稿できるメリットがあります。
また、画像や動画は広告代理店に制作依頼すると予算がかかりますが、テキストであれば自社内で制作も可能ですのでコストも最小限で済みます。
その一方で、テキストのみでは伝えることのできない、商品の外観や機能を伝えることがテキスト広告では難しいです。
関連記事:『SNS広告運用お任せガイド!おすすめの広告代理店11社を紹介』
動画広告
引用:『Twitter広告ヘルプセンター』
動画広告は文字通り動画を広告フォーマットとして活用した広告です。
動画以外にテキストやリンク先のURL等をクリエイティブ要素として含む場合もあります。
動画による表現が可能であるため、テキスト広告や画像広告と比較すると、表現できる幅や一度に伝達できる情報量の多さという点で優れています。
一方で制作費用や工数という点ではそれらの広告フォーマットと比較すると広告出稿者にとって負担がかかります。
関連記事:『【初心者向け】動画広告8つの種類とポイントを事例付きで解説』
は行のSNS広告用語
フリークエンシー
フリークエンシーとは英語で「Frequency」と書きます。
一人のユーザーが同一の広告を一定期間の間に何回まで閲覧するのかという接触頻度を意味します。
同一ユーザーが同じ広告を何度も閲覧してしまうと、ユーザーはそのような広告をしつこいと感じ、かえって広告としての効果を失ってしまう可能性があります。
そのようなことを避けるために、SNS広告ではフリークエンシーを設定することができます。
関連記事:『Facebook広告の計測タグ設置方法4STEP【成果アップのコツも紹介】』
フリークエンシーキャップ
フリークエンシーキャップとは、「一人のユーザーに対して同じ広告を表示する回数の上限を示す数値」です。
フリークエンシーキャップを設定するメリットとして、同一ユーザーが同じ広告を何度見ることによって発生する広告嫌いの防止や、同一ユーザーに複数回広告を配信することによって、広告を一回配信するよりも高いCVRを期待できます。
Twitter広告では「フリークエンシー上限」という名称でこの機能が提供されています。
Twitter広告においてフリークエンシー上限を活用することによって広告配信が適正化されるため、リーチの最大化や広告キャンペーンの成果を高めることが期待できます。
プレイアブル広告
引用:『Meta | 広告フォーマット』
プレイアブル広告はFacebookが提供している広告フォーマットです。
プレイアブル(playable=遊ぶことができる)が意味するように、広告を通じてユーザーが遊ぶことができる体験型の広告です。
主にモバイルゲームの広告プロモーションとして活用され、ユーザーはモバイルアプリをインストールすることなくプレイアブル広告内でゲームを体験することができます。
見たり聴いたりするだけの広告ではゲームの楽しさを伝達するには限界があります。
一方でプレイアブル広告では、ユーザー自身が能動的に遊ぶことによってゲームの面白さを直に体験できるという点がこの広告形態の大きな特徴です。
ら行のSNS広告用語
リーチ
引用:『Meta | Facebook広告は予算に合わせた購入が可能』
「リーチ」とは、どれくらいのユニークユーザー数が広告を閲覧するかの指標です。
一人のユーザーが2回、1つの広告を閲覧した場合、それは2ではなく1としてリーチがカウントされます。
広告出稿時にリーチを確認することで、どれくらいのユーザーが広告を見る可能性があるのかを知ることができます。
リーチは設定するオーディエンスによって変わってきます。
例えばオーディエンスに20代男性を設定するのと30代男性を設定するのではユーザー数がそれぞれ異なるため、リーチの数も変わってきます。
リターゲティング
リターゲティングとは広告配信する際のターゲティング方法の一つです。
「リタゲ」とも呼ばれています。過去に広告のクリックやアプリインストール、商品の閲覧や購入等の特定の行動を取ったユーザーを対象に広告を配信することがリターゲティングです。
このようなユーザーは自社に対してなんらかの行動を取っていることから、新規ユーザーとは異なり自社に対して関連性が高いとも言えます。
リターゲティングの活用方法として、過去に自社製品を購入した履歴のあるユーザーに対してその製品と関連のある新規商品に関して広告を通じてプロモーションする方法や、過去に自社が出稿した広告をクリックし高い購入意欲を期待できるユーザーに対して割引商品を訴求する方法等があります。
過去のデータを活用しポテンシャルの高いユーザーをターゲティングすることで高い広告成果を出すことがリターゲティングの目的です。
類似オーディエンス
引用:『LINE for Business | 類似オーディエンス』
類似オーディテンスとは、過去になんらかの行動を取ったことのあるオーディエンスと特徴が類似しているユーザーをターゲットとする機能のことを意味します。
類似オーディエンスの例として、過去に自社Webサイトへ訪問したことのあるオーディエンスを基準として、まだ自社Webサイトへ訪問していないが、そのオーディエンスと特徴が似ているユーザーをターゲットにするという方法があります。
類似オーディエンスはターゲットを拡張し新たなユーザーを獲得する際に利用される機能です。
SNSプラットフォームは年齢、性別、興味関心等の様々な顧客データを蓄積しています。
そのような顧客データをSNSプラットフォーム側で自動的に抽出し分類することによって類似オーディエンスを生成しています。
関連記事:『LINE広告のオーディエンスセグメントとは?5つの種類を紹介』
英字のSNS広告用語
CPA
CPAはCost Per Acquisition(コスト・パー・アクイジション)の略です。
1件のコンバージョンを獲得するためにかけた広告費用を意味し「顧客獲得単価」とも呼ばれます。
ここで言う「獲得」は広告を出稿する際の目的によって異なります。
例として、アプリインストール、会員登録、資料請求、お問い合わせ等が「獲得」に該当します。
100,000円の広告費用をかけてアプリインストール500を達成した場合、1アプリインストールあたりのCPAは100,000円/500インストールで200円となります。
CPAはクリエイティブフォーマットだけではなくオーディエンスや媒体等、様々な要素によって変化します。
CPM
CPMとはCost Per Milleの略名で、Milleはラテン語で1,000を意味する単語です。
CPMは1,000インプレッションあたりにどれくらいの費用がかかるかを意味する広告指標です。
換言すると、広告がユーザーに視認されたか否かを問わず広告が1,000回表示された際の費用がCPMとなります。
広告を出稿する際の管理画面にCPMが表示されている場合、CPMはどれくらいの費用で広告表示が何回できるかの目安となります。
CPMは広告を掲載するSNSの媒体や媒体における広告の表示方法(静止画、動画など)によって変動します。
CPMはSNS広告を出稿する際の課金方式の一つとしても利用されます。
この場合、広告が表示されたインプレッション数に応じて広告費用が発生します。
関連記事:『LINE広告の自動入札とは?4種類の入札戦略で効率よく配信する方法』
CTA
引用:『Metaビジネスヘルプセンター』
CTAとはCall To Action(コールトゥーアクション)の略称です。
広告を視認したユーザーを次の具体的な行動へと誘導することを意味します。
CTAにより「アプリをインストールする」、「Webサイトで詳細を見る」、「資料を請求する」等、具体的な行動を取るようにユーザーに促し、広告目標を達成できるようにします。
CTAはテキストやボタンによって表示されます。
CTC
CTCはClick Through Conversion(クリック・スルー・コンバージョン)の略です。
CTCは広告をユーザーがクリックしてコンバージョンすることを意味します。
媒体よっては広告に対する「いいね」や「シェアする」、「投稿する」もクリックとしてカウントされる場合があります。
広告をクリックし後にユーザーが離脱してしまった場合、リターゲティングによって再度広告をユーザーに表示しアプローチする方法があります。
CTR
CTRはClick Through Rate(クリック・スルー・レイト)の略でクリック率を意味します。
CTRは広告のクリック数÷インプレッション数で算出します。例えば、広告のクリック数100回でインプレッション数が5,000回の場合、100/5,000でCTRは2%となります。
クリエイティブの内容やフォーマット、広告を掲載する媒体によってCTRは変化していきます。
CTRはどれくらいのユーザー数が広告に対して興味関心を持ちクリックしたかの指標となりますので、クリエイティブの質によっても大きく左右される可能性があります。
そのため、制作したクリエイティブがユーザーの興味を喚起し次の行動となるクリックへ促しているのかどうかという点でCTRは重要視されます。
関連記事:『【初心者向け】LINE広告と配信効果を高める6つのポイント!』
CV
CVはConversion(コンバージョン)の略です。
CVはユーザーが広告主にとって価値のある特定の行動に至ることを意味し広告目標でもあります。
ここにおける広告目標は実施するマーケティング施策の目的に応じて様々なものがあります。
CVの例として、アプリインストール、資料請求、フォームからのお問い合わせ、商品購入、会員登録等があります。
CVは最終的な広告目標がどれくらい達成されたかの広告指標となるため、何をCVとして設定するのかは大変重要です。
CV数やCV値の数値が高ければ広告出稿による運用成果が高い数値で出ていることを意味します。
CV数の例として、広告費用をSNS広告A媒体に10万円、SNS広告B媒体に10万円出稿した際に、AのCV数が100、BのCV数が50であれば、CV数においてAの方が高い広告運用成果を出していることを意味します。
CVR
CVRはConversion Rate(コンバージョン・レイト)の略です。
CVRはCV数を広告インタラクションの合計数で割った数値となります。
例えば、広告インタラクション数が1,000回でCV数が50回の場合、50回÷1,000回でCVRは5%と算出します。
ただし、複数種類のCV数を測定しており同一ユーザーが複数のCVに至る場合、CVRは100%を超える場合もあります。
CVRもCV数やCV値(購入額等)と同様に広告出稿による成果を見る際の重要な指標となります。
CVRが低い場合、クリエイティブ自体の品質が悪くユーザーに上手く訴求できていないのか、或いは、ターゲットとしているオーディエンスがプロモーションしている商品やサービスにマッチしていないか等、様々な分析が必要となります。
関連記事:『広告効果測定はWebマーケに必須!9 つの指標を徹底解説』
eCPM
eCPMはeffective Cost Per Mille(エフェクティブ・コスト・パー・ミル)の略です。
1,000インプレッションで換算した際に事実上どれくらいの広告費用が発生したかを計測する指標です。
広告媒体や広告フォーマットによって広告の課金方式が異なります。
そのような場合にインプレッションに換算することによりCPMを比較できるようにするのがeCPMです。
下表にeCPMの例を紹介します。
媒体名 | 広告費用 | 課金方式 | 発生したインプレッション | eCPM |
Twitter広告 | 35,000円 | CPA | 240,000インプレッション | (35,000/240,000) x 1,000=145円 |
Facebook広告 | 25,000円 | CPC | 150,000インプレッション | (25,000/150,000) x 1,000=166円 |
LINE広告 | 50,000円 | CPM | 450,000インプレッション | (50,000/450,000) x 1,000=111円 |
この表ではTwitter広告とFacebook広告がインプレッションに基づかない課金方式となっています。
しかしながら、インプレッションベースで広告費用を換算することにより、異なる媒体でも広告の費用対効果を比較することができます。
Instagramストーリーズ広告
Instagramストーリーズ広告はその名の通りInstagramで使用される広告フォーマットです。
モバイル端末画面の全面に動画広告が表示され、広告表示時は広告以外の要素が表示されないのが大きな特徴です。
フルスクリーンで広告が表示されるため、没入感のあるストーリーやブランドストーリーを伝えるのに効果的な広告フォーマットです。
通常の広告は広告が表示されている時点で広告以外のコンテンツも表示されています。
しかし、この広告フォーマットでは広告以外の要素が表示されないため、訴求力の高い広告演出が可能となります。
引用:『Instagram | ストーリーズ』
関連記事:『Instagramストーリーズ広告とは?9つの作成ポイントを徹底解説!』
ROAS
ROAS(ロアス)とはReturn On Advertising Spendの略で広告費用対効果を意味します。
ROASは投資した広告費用に対してどれだけの「売上」を達成できているかの指標となります。
ROASが高いほど、広告の成果が出ていることになります。
ROASの算出方法は、「売上÷広告費用×100%」になります。
例えば、広告経由での売上が1,000万円で出稿した広告費用が500万円であれば、ROASは200%(1,000万円÷500万円×100%)となります。
ROASが100%以上であれば広告費用を回収できており、適切な広告運用ができていることになります。
ROASが100%を下回っている場合、クリエイティブやターゲットが悪いのか等、広告パフォーマンスを分析していく必要があります。
ROI
ROI(アール・オー・アイ)とはReturn On Investmentの略で投資対効果を意味します。
ROIは投資した広告費用に対してどれだけの「利益」を達成したかの指標となります。
ここで言う利益とは広告経由での売上から運営費、人件費などのその他の費用を差し引いた金額となります。
どんなに広告経由での売上が良くても利益を担保できなければ赤字運営になってしまいます。
その意味で、ROIは経営視点に沿った指標であると言えます。
ROIの算出方法は、「利益÷広告費用×100%」になります。
例えば、利益が150万円で広告費用が100万円であれば、ROIは150%(150万円÷100万円×100%)となります。
VTC
VTCはView Through Conversion(ビュー・スルー・コンバージョン)の略です。
VTCはユーザーが広告を閲覧してもその場では広告をクリックせずにその後コンバージョンに至ることを意味します。
広告をクリックしなくても広告を閲覧することによってユーザーの記憶に残り、その後、検索サイトや別の経路から自社Webサイト等に流入しコンバージョンに至るケースがあります。
広告クリック以外のユーザーの全体的な行動ファネルを捉えるのがVTCの考え方です。
VTCを広告出稿時に設定する際は、1日、7日、14日間等の期間を設定します。
まとめ
SNS広告を取り扱う上で本記事において取り上げた用語以外にも様々な用語があります。
SNS広告を業務の一環として担当するには、各用語が意味する内容を理解し自ら他のメンバーにも説明できるようにしておくことが理想です。
SNS広告では日々新しい広告フォーマットや配信方法が追加される等、進化しています。
そのような新しい情報を自ら常にキャッチアップしておくこともSNS広告を運用する上で重要です。
SNS広告の運用はそれを専門とする広告代理店に任せるのも一つの手段です。
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参考資料
アトリビューション
参考:『アトリビューション分析とは?広告運用の精度を高める効果的な手法』
アトリビューションモデル
参考:『ニーズに適したアトリビューション モデルを選択する』
参考:『アトリビューションモデルとは?各モデルの特徴と迷ったときの選び方をわかりやすく解説』
アロケーション
参考:『意味と使い方をしっかりと理解して使いこなそう!広告業界で飛び交うカタカナのビジネス用語』
インスタントエクスペリエンス広告
参考:『インスタントエクスペリエンス広告: 高速かつフルスクリーンのリンク先を作成する』
インプレッション
参考:『インプレッションの意味とは?計算方法やSNSでの概念を解説』
参考:『LINE広告ではどのような基準で「インプレッション」がカウントされますか?』
エンゲージメント
参考:『エンゲージメント率とは?SNS広告の効果を上げるためのポイント』
参考:『Twitter広告の効果を最大化するためにはエンゲージメント率がポイント?運用のコツを解説』
参考:『Facebook広告のエンゲージメントとは?エンゲージメント率の計算方法や確認方法について』
参考:『インスタグラム広告の効果測定方法マスターガイド!注目すべき指標から便利な測定ツールまでまとめて解説』
オーディエンス
参考:『オーディエンスの基本 – Meta広告の仕組みについて』
参考:『SNS広告のターゲティングと効果をわかりやすく解説します』
カスタムオーディエンス
参考:『カスタムオーディエンスについて | Metaビジネスヘルプセンター』
参考:『SNS広告のターゲティングと効果をわかりやすく解説します』
画像広告
参考:『写真広告について|Metaビジネスヘルプセンター』
参考:『LINE広告のクリエイティブサイズ 入稿規程と制作ポイントを解説』
カルーセル広告
参考:『広告クリエイティブの仕様 – Twitter for Business』
クリエイティブ
参考:『運用型広告の「クリエイティブ」とは? 効果を高めるクリエイティブの考え方・制作方法を解説』
コレクション広告
参考:『Facebookコレクション広告: 広告を作成して購入を増やす』
スライドショー広告
参考:『Facebookスライドショー広告のしくみ | Meta for Business』
テキスト広告
参考:『広告クリエイティブの仕様 – Twitter for Business』
動画広告
参考:『広告クリエイティブの仕様 – Twitter for Business』
参考:『動画広告について|Metaビジネスヘルプセンター』
フリークエンシー
参考:『Facebookのフリークエンシーの管理』
参考:『Facebook広告のフリークエンシー完全ガイド!』
フリークエンシーキャップ
参考:『Facebook広告のフリークエンシー完全ガイド!最適な上限設定方法と運用のポイントをまとめて解説』
参考:『フリークエンシー上限』
プレイアブル広告
参考:『プレイアブル広告で、アプリのインタラクティブなプレビューを提供しましょう。』
リーチ
参考:『リーチ | Metaビジネスヘルプセンター – Facebook』
リターゲティング
参考:『リターゲティング広告とは?仕組みと効果的な活用方法を解説』
類似オーディエンス
参考:『類似オーディエンスについて | Metaビジネスヘルプセンター』
参考:『LINE広告(LINE Ads) 類似オーディエンスマニュアル』
CPA
参考:『CPAを正しく知る! CPAを意識したプロモーション手法』
CPM
参考:『【Facebook広告】CPMを分析・改善してみました!』
CTA
参考:『「CTA」とは? | マーケティング用語集 | シナジーマーケティング株式会社』
参考:『【Facebook】コールトゥアクションとは?事例をもとに成果の違いも紹介!』
CTC
参考:『コンバージョン(CV)とは?用語の意味や種類、流れを理解して成果を最大化する』
参考:『Metaビジネスヘルプセンター|「クリック(すべて)」と「リンクのクリック」の違いを理解する』
CTR
参考:『今さら聞けないCTR(クリック率)とは?リスティング・SNS広告の平均CTRと改善のための7つのチェックポイント』
CV
参考:『【SNS広告】知っておくべき効果測定方法とポイントを徹底解説!』
参考:『コンバージョンとは』
CVR
参考:『【SNS広告】知っておくべき効果測定方法とポイントを徹底解説!』
参考:『コンバージョン率』
eCPM
参考:『eCPMとは? CPMやRPMとの違い、計算方法を具体例を交えて解説』
Instagramストーリーズ広告
参考:『Instagramストーリーズ広告 – ストーリー広告の仕組みについて』
ROAS
参考:『ROIとROASって何が違うの?広告運用の成果を測る重要な指標について』
ROI
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VTC
参考:『コンバージョン(CV)とは?用語の意味や種類、流れを理解して成果を最大化する』
参考:『ビュースルーコンバージョンの評価方法とは?媒体別確認方法や正しく評価する方法を詳しく解説』
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。