Instagram広告の審査対策とは？4つのポイントを解説

ソーシャルメディアマーケティング市場は、2023年には1兆899億円、2027年には2023年比約1.7倍の1兆8,868億円に達すると予測されています。

引用：『【市場動向調査】2023年のソーシャルメディアマーケティング市場は1兆899億円、前年比117%の見通し。2027年には2023年比約1.7倍、1兆8,868億円に』

この成長の背景には、企業のソーシャルメディア全般への積極的な投資が挙げられます。

中でもInstagramは全世界で20億人以上の月間アクティブユーザーを持つ巨大なSNSであり、その広告効果は絶大です。

特に20代から30代のユーザーに強く支持されており、男女ともに40%以上の利用率を誇っています。

しかし、Instagramを使用するためには広告審査を通過することが必須となります。

参考：『【最新Excel配布中】日本・世界のSNSユーザー数まとめ(Facebook,Twitter,Instagram,YouTube,LINE,TikTok)』

この記事では、Instagram広告審査の基本から審査を通過するための具体的なステップまで、詳しく解説します。

Instagram広告の審査対策について理解を深め、効果的な広告運用を行うための知識を身につけましょう。

関連記事：『Instagram広告の運用代行に強い！おすすめ代理店9社を紹介！』

Instagram広告の重要性

引用：『Instagram広告の可能性を探る』

Instagram広告を使用することで幅広いユーザーに対して、最適化されたアプローチで訴求することが可能です。

Instagramのユーザー基盤

Instagramは、国内で3,300万人以上の月間アクティブユーザーを持つ巨大なプラットフォームであり、そのユーザー層は多様です。

Instagramのユーザーは男性が43%、女性が57%と、性別においてもバランスが取れています。

また、年齢層においても、15～19歳で72.3%、20代で78.6%、30代で57.1%、40代で50.3%、50代で38.7%と、幅広い年齢層がInstagramを利用しています。

Instagram広告を活用することで幅広いユーザーに対して、商品やサービスを発信することが可能です。

引用：『令和３年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査｜報告書』

Instagram広告の種類と特性

Instagram広告にはいくつかの種類があり、それぞれが異なる特性と効果を持っています。

例えば、フィード広告はユーザーのフィードに自然に表示され、ストーリーズ広告はフルスクリーンのフォーマットでユーザーのストーリーズ間に表示されます。

また、エクスプローラ広告はユーザーが新しいコンテンツを探しているエクスプローラページに表示され、ショッピング広告は商品の購入を直接促すことができます。

自社にマッチした広告方式を選択することで商品やサービスの魅力を効果的にアピールすることが可能です。

参考：『Instagram広告の可能性を探る』
関連記事：『Instagram広告の4つのセグメントと活用のポイントを解説』

Instagram広告の効果的な活用例

Instagram広告は、その視覚的な特性とユーザーのエンゲージメントの高さを活かすことで、多大な効果を発揮します。

Instagramは視覚的なコンテンツが中心のプラットフォームであり、ユーザーは鮮やかな画像や動画に引き寄せられます。

また、Instagramのユーザーは他のSNSに比べてブランドとのエンゲージメントが高い傾向にあります。

Instagramのブランドとのエンゲージメント率は3.21%と言われており、同じMeta社が運用しているFacebookのエンゲージメント率がおよそ0.07%であることを加味すると圧倒的に高い数値です。

これらの特性を活かすことで、Instagram広告はユーザーとの強いコネクションを築き、深い関係性を構築することが可能です。

例えば、鮮やかな画像や動画を用いて商品の魅力を伝えたり、ユーザーとのインタラクションを促すCTA（Call To Action）を設定したりすることで、広告の効果を最大化することが可能です。

また、正確なターゲティングと効果測定のためのツールを活用することで、広告のROI（Return On Investment）を向上させることも可能です。

参考：『【2023年版】Instagramユーザー実態が分かる！調査データまとめ』
参考：『Instagramでビジネスを始める』

BOSSの活用事例

引用：『BOSS：Instagramの成功事例』

BOSSは、Instagram LiveとReels広告を活用して、ミラノファッションウィークでの最新コレクションの発表をカバーしました。

これにより、イギリスでのブランド好意度が約6.4%向上しました。

この成功は、Instagramの視覚的な特性とリアルタイムのエンゲージメント力を最大限に活用した結果です。

BOSSは、2021年秋にカジュアルスポーツウェアブランドのRussell Athleticとのコラボレーションに基づいた2つ目のコレクションをリリースしました。

このショーはライブの野球ゲームとして開催され、新しいBOSS x Russell Athleticの製品を200人のクリエーターが紹介しました。

このような独自のプロモーション方法は、視聴者に新鮮な印象を与え、エンゲージメントを高めました。

さらに、クリエーターとビデオグラファーのFred Staufferは、16人のクリエーターがそれぞれのユニークでエンターテイニングな方法で自分の服装を紹介する一連のInstagram Reels広告を監督しました。

この全体のプロダクションはわずか3日間で実現され、撮影から編集、最終広告作成、キャンペーン開始までが行われました。

この迅速なプロダクションとリアルタイムのエンゲージメントは、広告の成功に貢献しました。

参考：『BOSS：Instagramの成功事例』

Onの活用事例

引用：『On：Instagramの広告事例』

アスレチックシューズとパフォーマンススポーツウェア会社のOnは、Advantage+ショッピングキャンペーンを採用した後、日本でのコンバージョンコストを60％削減しました。

これは、Advantage+ショッピングキャンペーンが広告クリエイティブ、ターゲティング、配置、予算などの複数のキャンペーン要素を最適化することで、コンバージョンを向上させる最良の機会を見つけることができたからです。

また、Onのキャンペーンは、新製品（例えば、Cloudmonsterシューズ）やアパレルラインなど、Onの最新の製品のミックスを示す、強い製品焦点を持つモバイルファーストの広告クリエイティブを使用しました。

自動化されたキャンペーンは、Instagram、Facebook、Messenger、Audience Networkの日本全体で実行され、Instagramが約72％のインプレッションを占めました。

これにより、広告は最も関連性の高いユーザーに表示され、広告の効果を最大化することができました。
関連記事：『FacebookとInstagram連携方法！設定と3つのメリットを解説』

Instagram広告の審査

広告審査のプロセスと期間

引用：『広告規定の紹介』

Instagram広告の審査プロセスは、広告の作成から審査の開始、審査の結果の通知までの一連の流れを指します。

通常、広告の審査は24時間以内に完了することが多いですが、一部の広告では審査期間が長くなることもあります。

参考：『【Instagram広告】広告配信がNGになるケースとは？』
参考：『広告規定の紹介』

審査基準の概要

Instagram広告の審査基準は、広告がInstagramのコミュニティガイドラインと広告ポリシーを遵守しているかを確認するためのものです。

これらのガイドラインとポリシーは、ユーザーの安全を保護し、信頼性の高い広告環境を維持するために設けられています。

広告審査は、広告がこれらのガイドラインとポリシーに従って作成されていることを確認する重要なプロセスです。

審査を通過することで広告はInstagram上で配信され、ターゲットとなるユーザーに表示されます。

審査を通過しない広告は配信されないため、広告の効果を発揮するためには審査の通過が必須となります。

参考：『コミュニティガイドライン｜Instagramヘルプセンター』
参考：『テキストオーバーレイとセーフゾーンについて｜Meta ビジネスヘルプセンター』

Instagram広告審査のポイント

Instagram広告でスムーズに審査を通過するためには以下のポイントを押さえることが重要です。

広告コンテンツのガイドラインをクリアする

Instagram広告の審査では、広告コンテンツがInstagramの広告ポリシーとコミュニティガイドラインに適合しているかが確認されます。

これらのガイドラインは、ユーザーの安全を保護し、信頼性の高い広告環境を維持するために設けられています。

Instagramのガイドラインの概要は以下のとおりです。

禁止されているコンテンツ

Instagramの広告ポリシーでは、以下のようなコンテンツが禁止されています。

安全性や差別的な行為に関する規定

広告主は自身の管轄地域の法律を遵守し、差別的な行為を行わず、違法または安全でない物質を販売しないことが求められます。

これは、人々を保護し、公平な広告環境を維持するための重要な要素です。

詐欺やスキャムからの保護

詐欺的な商品、サービス、スキーム、オファーを宣伝する広告は禁止されています。

これには、人々から金銭や個人情報を騙し取るための欺瞞的または誤解を招く行為が含まれます。

これは、ユーザーの信頼を保つため、そしてユーザーが安心してInstagramを利用できるようにするための重要な規定です。

ユーザーエクスペリエンスの向上

ユーザーがフォローしていないページやアカウントからフィードに広告が配信される場合、衝撃的、感動的、過度に暴力的なコンテンツ、一部の成人向けコンテンツと汚言語を含む広告は禁止されています。

これは、Instagramが提供するコンテンツがユーザーにとって快適であることを保証するための規定です。

参考：『広告規定の紹介｜Meta Transparency Center』

広告の透明性

引用：『広告規定の紹介｜Meta Transparency Center』

Instagramでは、広告の透明性を重視しており、透明性を担保するために、Meta広告ライブラリーを提供しています。

現在アプリやサービス全体で実行されているすべての広告を確認することができます。

特に社会的問題、選挙、政治に関する広告については、支出の範囲、広告を見た人々、広告の責任を負うエンティティについての追加情報も提供されます。

ここでいう「エンティティ」は、広告の責任を負う主体を指します。

これは企業、団体、個人など、広告の作成や配信を行った実体を指すもので、Instagramではこれらのエンティティについての情報を公開することで、広告の透明性を高めています。

これにより、ユーザーは広告の背後にある情報を理解し、その信頼性を判断することができます。

参考：『エンティティとは』

これらの情報は、広告がアクティブかどうかに関わらず公開され、広告ライブラリに7年間保存されます。

さらに、広告ライブラリでは、特定の国や地域の指定した期間における、社会問題、選挙または政治に関連する広告を集計した総合的なビューを提供する広告ライブラリレポートや、広告ライブラリに保存されている広告を深く分析するためのAPIにもアクセスできます。

広告ライブラリは誰でも利用でき、任意の語句、名称、ページで検索することができます。

また、広告ライブラリには複数のトラッカーがあり、広告主の消化金額や地域別の消化金額などのデータが提供されます。これらの情報は、広告の透明性を一層高めるためのものです。

さらに広告ライブラリでは、アクティブなすべての広告を閲覧することができます。

誤って分類された広告や、免責情報が必要だと考えられるのに表示されていない広告、その他のMeta広告規定に違反している広告を報告することもできます。

広告ライブラリは、広告の透明性を向上させ、ユーザーが広告の背後にある情報を理解するのを助けるための重要なツールです。

参考：『Meta広告ライブラリについて｜Metaビジネスヘルプセンター』
参考：『広告規定の紹介｜Meta Transparency Center』

ランディングページ

引用：『Facebookコミュニティ規定』

Instagram広告では配信する広告の遷移先であるランディングページについても審査が行われます。

ランディングページは、広告の品質とユーザーエクスペリエンスに大きく影響します。

そのため、ユーザーが広告からランディングページに移動したときに予想外の体験をするような内容は禁止されています。

具体的には、配信している広告とLPの内容が大きくかけ離れている事例などが挙げられます。

これは、ユーザーが安心して広告をクリックできるようにするための重要な規定です。

参考：『広告規定の紹介｜Meta Transparency Center』

データの使用とプライバシー

Instagramでは、ユーザーのデータの使用とプライバシーを重視しています。

広告主は、ユーザーの個人情報を適切に扱い、ユーザーのプライバシーを尊重する必要があります。

また、広告主は、ユーザーの個人情報を不適切に収集、共有、または使用することは禁止されています。

これは、ユーザーのプライバシーを保護し、データの不適切な使用からユーザーを守るための重要な規定です。

参考：『広告規定の紹介｜Meta Transparency Center』

以上のガイドラインを整理すると以下の通りです。

ターゲティングと広告配信を注意する

広告のターゲティング設定も審査の重要なポイントです。

InstagramはFacebookの広告システムを利用しているため、詳細なターゲティングが可能です。

しかし、特定の個人を特定したり、特定の属性（例えば、健康状態や政治的な見解など）に基づいてターゲティングを行うことは禁止されています。

参考：『広告規定の紹介｜Meta Transparency Center』
関連記事：『Instagram広告運用の鍵！3種類のターゲティングを解説』

広告のクリエイティブ要素の透明性を確保する

広告のクリエイティブ要素、つまり広告のビジュアルやテキストも審査の対象となります。

これらの要素がユーザーにとって誤解を招かないよう、明確で真実性のある情報を提供することが求められます。

また、ビジュアルは品質が高く、テキストは誤字脱字がないことが重要です。

参考：『広告規定の紹介｜Meta Transparency Center』

Instagram広告を作成する際にはクリックベイドに注意することも重要です。

引用：『クリックベイトの凶悪化 ― ダマシへと導くクリックからIDや組織を守るには』

クリックベイトは、Web上の広告や記事などでよく見られる手法で、ユーザーの興味や好奇心を引きつけ、クリックを促すために用いられます。

この手法は、煽情的なタイトルや誇張された表現、ユーザーが抗しきれないような魅力的なビジュアルなどを用いて、ユーザーの注意を引きます。

しかし、クリックベイトの問題点は、その内容がしばしば誤解を招くものであること、または実際の内容がタイトルやビジュアルと一致しないことです。

これはユーザーを誤導し、結果的にはユーザーの信頼を失う可能性があります。

さらに、クリックベイトは広告の審査を通過するのが難しくなります。

なぜなら、多くのプラットフォームはユーザー体験を重視し、誤解を招くような広告を排除しようとしているからです。

したがって、広告を作成する際には、クリックベイトの手法を避け、ユーザーに対して明確で真実性のある情報を提供することが重要です。

これにより、ユーザーの信頼を獲得し、広告の審査を通過する可能性を高めることができます。

参考：『クリックベイトとは・意味』

感情を煽るような表現を使用しない

広告の効果を最大化するためには、視覚的な魅力だけでなく、言葉選びも重要です。

しかし、感情を煽るような表現を使用することは、特にInstagramの広告審査では避けるべきです。

また、個人的な特徴（人種、年齢、障がい、名前など）を直接的、間接的に断定するような表現も禁止されています。

例えば、「18～24歳の方向けの○○」「あなたは○○ですか？」「他の○○の人と会いましょう。」のような表現は禁止です。

これらのルールは、ユーザーの感情を不必要に煽ることなく、公平で健全な広告環境を保つために設けられています。

広告を作成する際は、これらの点を十分に考慮し、ユーザーにとって有益で誤解を招かない情報を提供することが求められます。

参考：『【Instagram広告】広告配信がNGになるケースとは？』

審査落ちした時の対処方法

Instagram広告の審査が不合格となった場合、その対処方法は大きく分けて2つあります。

1つは広告を編集または新しい広告を作成すること、もう一つは広告の再審査をリクエストすることです。

広告の編集または新しい広告の作成

引用：『テキストオーバーレイとセーフゾーンについて｜Metaビジネスフルぷセンター』

広告がInstagramの広告ポリシーに準拠していないために審査が不合格となった場合、その違反の内容に応じて広告を修正することが求められます。

具体的には、ポリシーに違反している広告の構成要素（画像、動画、テキスト、ターゲット設定、ランディングページなど）を更新することで問題を修正します。

一部の広告タイプは編集できない場合がありますが、その場合や編集を選択しない場合は、新しい広告を作成することも可能です。

いずれの場合も、広告は新規の広告として扱われ、掲載前に再度Instagramの広告審査が行われます。

また、広告の編集は広告マネージャーから行うことができ、編集後の広告は再度審査のプロセスを経ることになります。

参考：『Instagram広告の編集と削除を行う｜Meta Business Help Center』

広告の再審査をリクエスト

引用：『Facebook広告の「アカウントのクオリティ」とは？見るべきポイントと対処法について』

広告が不当に審査不合格となったと思われる場合、再審査をリクエストすることができます。

具体的には、「アカウントのクオリティ」ページから審査をリクエストし、その結果をトラッキングすることができます。

再審査の結果、Instagramが当初の決定を変更した場合、広告は再度配信されます。

Instagram広告では、審査落ちした際に、なぜ審査を通過できなかったかに関する詳細を伝えるメールが届きます。

内容を確認し、解決することでスムーズに審査を通過可能です。

参考：『インスタグラム広告の審査を通過するコツ』

ただし、広告が再度不合格となった場合、同じ広告の再審査をリクエストすることはできません。

再審査のリクエストは、広告マネージャーの「アカウントのクオリティ」セクションから行うことができます。

参考：『投稿を宣伝できないのはなぜですか。｜Meta Business Help Center』

広告ポリシーの確認

広告が審査に通らない場合、その原因は多くの場合、広告がInstagramの広告ポリシーに違反していることにあります。

そのため、広告を作成する前や審査に不合格となった後には、必ず広告ポリシーを確認し、広告がポリシーに適合していることを確認することが重要です。

Instagramの広告ポリシーは定期的に更新されるため、最新のポリシーを確認することが重要です。

参考：『広告規定の紹介｜Meta Transparency Center』

まとめ

今回の記事では、Instagram広告審査の基本から審査を通過するための具体的なステップ、そして審査に不合格となった場合の対処方法について解説しました。

Instagram広告はその広大なユーザーベースと高いエンゲージメントを活かすことで、ブランドや商品のプロモーションに大きな効果を発揮します。

その効果を最大限に引き出すためには、広告審査を通過することが必須となります。

審査に通過するためには、広告の目的を明確にし、適切なターゲティングを行い、Instagramの広告ガイドラインを理解し遵守することが重要です。

また、広告が審査に不合格となった場合でも、その理由を理解し、広告を修正または新しい広告を作成することで再審査を申請することが可能です。

この記事を読んでInstagram広告の審査をクリアすることや、Instagram広告の運用を開始することが難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。

株式会社Unionは、Instagram広告運用のご相談を承っております。

Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。

また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。

薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。

お客様のあらゆるニーズに対し 分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談下さい。