TikTokは、世界では10億人、国内では1,690万人に利用されているショートムービーに特化したSNSです。
以前はZ世代がメインユーザーでしたが、現在は幅広い世代が利用しています。
ショートムービーのため動画を視聴してもらいやすかったりすることがTikTokの大きな特徴です。
2023年8月22日に米国にて、検索連動型広告トグル(別名: Search Ads Toggle)の提供が開始しました。
この記事では、検索連動型広告トグルついてわかりやすく解説します。
関連記事:『TikTok広告の費用はいくら?課金形態や配信手順を解説』
Contents
[はじめに]TikTok広告とは
検索連動型広告トグルを理解するためにも、まずはTikTok広告についておさらいをしておきましょう。
TikTok広告とは、TikTok上に配信できる動画広告をいいます。
日本で利用できるTikTok広告には、運用型広告の他に、3D技術を搭載した最新のエフェクトを使用できるBranded Effectや、TikTokクリエイターを起用した広告配信ができるBranded Missonなどがあります。
運用型広告では、広告予算や配信期間、ターゲットなどを手動で設定した上で配信ができ、低予算から始めることが可能です。
TikTokについて詳しく知りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『 TikTokとは?成功事例からわかる伸びる動画広告の7つの特徴を解説!』
TikTok検索連動型広告トグルとは
引用:『TikTok ビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルについて』
TikTokの運営会社は、2023年8月22日に検索連動型広告トグル(別名:Sewarch Ads Toggle)を提供開始しました。
現在は米国のみ提供されている広告サービスです。
TikTok検索連動型広告トグルとは、TikTokの検索結果ページの広告枠にインフィード広告を配信できるというものです。
例えば、化粧品を取り扱っているメーカーがあるとします。
化粧品に興味・関心のあるユーザーがTikTokを利用して「美白 美容液」「シミ対策」「日焼け防止」と検索すると、検索結果ページに化粧品店のTikTok広告が配信されるのです。
Googleリスティング広告と仕組みが似ていて、自社に興味を持ってくれそうな潜在顧客にアプローチできるためコンバージョンが獲得しやすくなります。
参考:『TikTok ビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルについて』
TikTok検索連動型広告トグルのメリット
TikTok検索連動型広告トグルには以下のようなメリットがあります。
- 購買意欲が高いユーザーに広告が配信できる
- ビジュアルで商品の魅力を伝えられる
- 認知度向上が見込める
- 見込み顧客の育成ができる
- コンバージョンが獲得しやすい
- 競合優位性が得られる
- ネガティブキーワードを指定できる
購買意欲が高いユーザーに広告が配信できる
TikTok検索連動型広告トグルは、検索結果ページに広告が配信できます。
例えば、化粧品メーカーが自社商品を売るためには「美白 美容液」「美白 化粧水」などのキーワード検索結果ページに広告を配信すると良いでしょう。
「シミを薄くしたい」「白い肌を手に入れたい」などの特定のユーザーに対して、ピンポイントで広告を配信できることが、TikTok検索連動型トグルのメリットです。
参考:『TikTok ビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルについて』
ビジュアルで商品の魅力を伝えられる
TikTok検索連動型広告トグルはGoogleやYahoo!Japanのリスティング広告の仕組みに似ています。
しかし、大きな違いはビジュアルで商品の魅力を伝えられることです。
TikTok検索連動型広告トグルでは、結果画面に出たサムネイルをタップすることで動画が流れます。
動画は静止画と比較すると、一度に大量の情報が伝えられ、印象を残すことができます。
15枚の動画を1枚1枚の静止画に分解すると約450万もの情報量に相当していると言われており、伝えられる情報量は圧倒的です。
つまり、購買意欲が高いユーザーに、商品の魅力を伝えやすくなります。
参考:『データから見る動画広告の効果とは?成功事例と戦略を解説』
認知度向上が見込める
自社商品で売上を計上するためには、お客様に認知してもらわなければいけません。
「どのような企業で、どのような商品を販売していて、どのような効果が得られるのか?」を知ってもらわないと商品を購入してもらえません。
TikTok検索連動型広告トグルは、自社商品の認知拡大に役立ちます。
ユーザーが興味・関心のあるキーワードで動画を検索した際に、広告が表示されるため「このような商品があるんだ」と知ってもらえるようになります。
調査会社Meterial社の調査レポートでは「TikTokユーザーの58%がTikTok上で新しいブランドや商品を発見」「新しいブランドや商品を発見する割合は他プラットフォームユーザーの1.5倍」と発表しました。
つまり、TikTok検索連動型トグルを上手く活用すれば、自社商品の認知度を上げやすくなります。
関連記事:『TikTok広告、検索広告を配信する機能Search Ads Toggleの提供を発表』
見込み顧客の育成ができる
近年、お客様は欲しい商品の情報を自ら収集することで商品を比較・検討できるようになりました。
そのため、お客様に押し売りをするのではなく、有益な情報を提供し、関係を構築していくことが大切になってきました。
TikTok検索連動型広告トグルを利用すれば、見込み顧客がTikTokで興味・関心のあるキーワードを検索した結果ページに広告を配信できます。
例えば「紫外線対策」というキーワードで、紫外線対策のやり方をわかりやすく解説した動画を紹介すれば、動画視聴者にファンになってもらえる可能性があります。
TikTokでフォロワーを増やし、動画を見てもらえる関係を作れば、顧客と良好な関係を築いていけます。
関連記事:『顧客育成(ナーチャリング)とは?基礎知識から優良顧客の育成方法まで解説』
コンバージョンが獲得しやすい
近年、TikTok売れが話題になっています。
2021年のTikTok流行語大賞には「TikTok売れ」がノミネートしました。
TikTok売れとは、お菓子やコスメ、書籍などTikTok動画の投稿を機会に爆売れする現象をいいます。
TikTok売れの事例には、以下のようなものがあります。
- 1989年に発売された小説「残像に口紅を」が11万部の増刷になった
- コンビニに置かれている栄養ドリンク「ファイブミニ」の売上が2倍に伸びた
Z世代を中心にTikTokで欲しい商品の情報を収集し購入する人が増えてきているため、TikTok検索連動型広告トグルを活用すれば、コンバージョンが獲得しやすくなります。
関連記事:『TikTok売れとは?Z世代がTikTok経由でモノを買う仕組みを徹底解説』
競合優位性が得られる
TikTok検索連動型広告トグルを利用すれば、競合優位性が得られます。
GoogleやYahoo!JAPANと比較すると、TikTokのビジネスアカウントを立ち上げて、TikTok広告を運用している企業は少ないためです。
また、TikTok広告運用ができる代理店も少ないです。
FacebookやInstagram、TwitterなどのSNS広告は広く利用されるようになってきましたが、TikTok広告に参入している企業は依然と少ないため、TikTok広告運用していけば、競合他社より1歩先をいったマーケティングが行えます。
関連記事:『【TikTok】企業アカウントのメリットと作成方法を解説!』
ネガティブキーワードを指定できる
引用:『TikTok ビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルについて』
TikTok検索連動型広告トグルは、ネガティブキーワードを設定することができます。
ネガティブキーワードを設定すれば、検索結果のページに広告が配信されなくなります。
例えば、美白化粧品を強みにしている化粧品メーカーの場合、「ニキビ 化粧品」「エイジングケア」などの美白要素の薄いキーワードで広告が配信されると、広告費がムダになってしまうでしょう。
TikTok検索連動型広告トグルでキーワードを指定することで、関連性のないキーワードを排除することができるため、このようなムダな広告配信を止めることができます。
参考:『TikTok ビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルについて』
広告運用の効果検証ができる
引用:『TikTok ビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルについて』
TikTok検索連動型広告トグルは広告運用の効果測定ができます。
どのようなキーワードで広告がクリックされているのか、お問い合わせはどれぐらいなのかを把握できます。
TikTok Ads Managerで確認できる内容は以下の通りです。
- Total cost:総費用
- Impressions:表示回数
- Clicks:クリック数
- CPC:クリック単価
- CPM:1,000回表示させる上での単価
- CTR:広告表示回数÷クリック数
そのため、どのような検索キーワードの結果に広告を表示するか広告運用の戦略を立てることができます。
参考:『TikTok ビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルについて』
TikTok検索連動型広告トグルのデメリット
TikTok検索連動型広告トグルには、デメリットも3つあります。
最低出稿金額が高め
TikTok検索連動型広告トグルを利用するためには、インフィード広告を利用しなければいけません。
インフィード広告キャンペーンの「Include seach reasult」をオンにすることで、おすすめ枠だけでなく、検索結果ページに広告が配信されるようになります。
インフィード広告には大きく分けて3種類あり、1日当たりの最低出稿金額の目安としてはおよそ40~600万円が必要になってきます。
- TopView
- OneDayMax
- Brand Premium
参考:『 TikTok広告の費用はいくら?課金形態や配信手順を解説』
そのため、低予算で広告運用したいとお考えの方には向いていません。
ある程度の広告予算が必要になります。
参考:『TikTok ビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルについて』
広告が表示されるという保証はない
TikTokのインフィード広告キャンペーンの「Include seach result」をオンにすると、検索結果ページに広告が配信されると説明しました。
しかし、検索結果ページに必ず広告が表示されるという保証はされていません。
TikTokのシステムが、広告の関連性から検索クエリ・メタデータ・予算・競合他社まで、さまざまな要素を考慮して、どの広告を検索結果ページに表示させるかを決めています。
システムのオークションで負けてしまうと広告は表示されません。
これらの仕組みを理解しておきましょう。
参考:『TikTok ビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルについて』
日本ではサービス提供が開始されていない
検索連動型広告トグルは2023年8月22日に米国限定でサービスが提供開始となりました。
2023年11月時点では日本で本サービスは提供されていません。
そのため、リスティング広告のように顕在ユーザーにアプローチをしたいと考えていても現在はサービスは利用できません。
今後、日本で検索連動型広告トグルが利用できるようになる可能性も大いにあるので、気になる方はBytedanceの動向をチェックしておくことをおすすめします。
参考:『TikTok ビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルについて』
TikTok検索連動型広告トグルの使い方
参考:『TikTok ビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルについて』
TikTok検索連動型広告トグルを使用するには、まずインフィード広告を作成します。
その際に、Include search resultsをオンにするとサービスが利用できるようになります。
検索結果に表示させたくないキーワードがある場合は、ネガティブキーワードとして登録すれば、表示されることはありません。
参考:『TikTok ビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルについて』
TikTok検索連動型広告トグルの成功事例
実際にTikTok検索連動型広告トグルを活用している米国企業では、どのような効果が見込めているのでしょうか?
ここからは、TikTok検索連動型広告トグルを活用した企業の成功事例を覗いてみましょう。
CLINIQUE
引用:『TikTok for Business Success stories Clinique UK』
CLINIQUE (クリニーク)は、アメリカのニューヨークで誕生した化粧品ブランドです。
「美しい肌は創り出すことができる」をテーマに、自分の肌の状態に関心がある女性たちに向けて、低刺激なスキンケアを販売しています。
同社はクリニークのファンデーションをPRするためにTikTok広告を利用しました。
著名な美容家を起用して動画を作成。
そして「製品」「ブランド」「競合他社」「関連キーワード」で動画広告を配信することで、検索インプレッションは74000回。
コンバージョン率を441%、クリックスルー率を51%上昇させることに成功しました。
参考:『TikTok for Business Success stories Clinique UK』
DIBS Beauty
引用:『TikTok for Business DIBS Beauty』
DIBS Beautyはアメリカのテキサスにある化粧品ブランドです。
女性の気分を高揚させて、1人1人に見合うものを提供するという信念でメイクアップ商品を販売しています。
同社は、オンラインでの商品販売が売上に多く貢献しているため、ブラックフライデーやサイバーマンデーなどのショッピング期間中に広告の配信を強化したいと考えていました。
そこで、施策としてTikTok検索連動型広告トグルの活用を採用し、自社商品と関連の高いキーワードを検索しているユーザーに広告を配信することに決めたのです。
その結果、コンバージョン数が8%増加して、コンバージョン率は6倍高くなりました。
また、CPAが22%減少と費用対効果が高くなりました。
とても良い効果が見込めたので、同社はTikTok検索連動型広告トグルを利用し続けると述べています。
参考:『TikTok for Business DIBS Beauty』
TikTok検索連動型広告トグルに関してよくある質問
最後にTikTok検索連動型広告トグルに関してよくある質問をご紹介します。
Q. TikTok広告サービスに関する情報はどこで見れますか?
引用:『TikTok ニュースルーム』
TikTok検索連動型トグルが、国内でサービス提供されるかどうか動向をチェックしたいという方は、TikTokのニュースルームを見ることをおすすめします。
とくに、製品ニュースでは、新しくリリースしたサービスの情報が発信されます。
例えば、2023年8月29日には、Creativity Program Betaというサービスの提供を開始したと報告されました。
TikTok検索連動型トグルが日本で提供開始となれば、TikTokニュースルームで発表されるでしょう。
参考:『TikTok ニュースルーム』
Q.TikTok検索連動型広告トグルを利用する際の注意点はありますか?
TikTok検索連動型広告トグルを利用する際の注意点は2つあります。
1つ目が、検索結果ページに必ず広告が配信されるという保証がされていないことです。
繰り返しになりますが、TikTokのシステムが、広告の関連性から検索クエリ・メタデータ・予算・競合他社まで、さまざまな要素を考慮して、どの広告を検索結果ページに表示させるかを決めています。
システムのオークションで負けてしまうと広告は表示されません。
2つ目が、インフィードの広告のキャンペーンの「Include seach result」をオンにすると、検索結果ページに広告が配信されますが、オンからオフに切り替えることができません。
これらを踏まえてサービスを利用するようにしましょう。
参考:『TikTokビジネスヘルプセンター 検索連動型広告トグルに関するよくある質問』
Q.広告運用方法がわからない場合の対処法はありますか?
TikTokビジネスアカウントの作成方法やTikTok動画の作成方法、広告運用方法がわからない場合は、書籍や動画で学習するようにしましょう。
TikTok広告運用者が知識、経験を積むことで、広告成果が見込めるようになります。
その一方で、TikTokの広告運用に関するリソースがないため、外部に委託したいと思う方もいるでしょう。
このような場合はTikTok広告運用を得意とする広告代理店にご相談をしてみてください。
TikTok広告運用を得意とする広告代理店をお探しの方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『TikTok広告に強い広告代理店!おすすめ11社を徹底比較』
関連記事:『 SNS広告運用お任せガイド!おすすめの広告代理店11社を紹介』
参考:『【2022年最新】TikTokマーケティングおすすめ本3選』
まとめ
TikTok検索連動型広告トグルはTikTokの新たな広告サービスです。
インフィード広告のIncrude resultをオンにすると、ユーザーが関連キーワードを検索した際の結果ページに広告が掲載されるようになります。
つまり、顕在顧客に自社商品をアピールすることができて、商品の販売促進ができます。
TikTok検索連動型広告トグルを利用している米国企業では高い効果が見込めているため、日本でサービスがリリースされるのを待ち遠しにしておきましょう。
この記事を読んで、TikTok広告運用が少しでも難しいと感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
弊社ではTikTok広告運用代行というサービスを展開しております。
TikTok広告の運用経験を豊富に蓄積している他、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。
また、薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業のWeb広告代理店、株式会社Unionが運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。