TikTokとは、2016年に中国のByteDance社がリリースしたショートムービーに特化した動画投稿型SNSです。
10・20代の若者を中心に爆発的に広まり、世界のダウンロード数が20億人以上、国内の月間アクティブユーザー数が1,700万人を突破し注目を集めているアプリです。
そんな話題のTikTokですが、2018年に運用型広告のサービスが開始されビジネスでも利用されるケースが増加しています。
ビジネスでTikTok広告を活用していきたいと考える企業も多い中で、TikTok広告の入稿規定や入稿方法について知りたい方も多いのではないでしょうか?
本記事では、TikTokをビジネスで利用したい方に向けて、TikTok広告の入稿規定や入稿方法、また入稿に関する注意点についてもご紹介します。
代理店にアウトソースする場合は、株式会社UnionのTikTok運用代行サービスをご利用いただくことも可能です。
参考:『TikTok メディアガイド』
参考:『2024年|日本・世界のSNSの利用者数ランキングまとめ!SNS別のマーケティング成功事例も解説』
関連記事:『Z世代にリーチできる施策!TikTok動画広告における3つの成功事例を紹介』
Contents
TikTok広告とは
TikTok広告とは、TikTok内に配信できる短尺の動画広告です。
ユーザーの投稿の間に広告を配信するため、広告感がなく自然な形でユーザーにアプローチすることができます。
さらに縦型フルスクリーン表示であることから、ユーザーの印象に強く残り、インパクト効果を最大化することができます。
TikTokが実施した調査では、縦型フル画面は「広告認知度+63%」「購入・利用意欲+34%」の効果があることが分かりました。
参考:『TikTok For Business初のクリエイティブリサーチ 高い広告効果を生む、4つの法則とは!?』
関連記事:『5大SNS広告運用入門!適したターゲットや特徴を解説!』
TikTok広告の入稿規定
ここからはTikTok広告の入稿規定についてご紹介していきます。
アスペクト比
アスペクト比とは、画像および動画の縦横比率のことです。
TikTok広告で採用されているアスペクト比は以下の3種類です。
- 16:9(長方形)
- 9:16(縦長)
- 1:1(正方形)
動画の解像度
解像度とは、簡単にいうと画素数(ピクセル数)のことを指し、ピクセル数が高いほど高画質な動画であるということになります。
アスペクト比とは逆で、「横×縦」で表記するのが一般的です。
TikTok広告で使用できる動画の解像度は以下の3種類です。
- 540×960px
- 640×640px
- 960×540px
参考:『動画の解像度とは?代表的な動画サイズと解像度の選び方などを解説!』
動画の長さ
TikTok広告で使用できる動画の長さは、5~60秒までとされています。
中でも9~15秒の短い動画が推奨されており、これはTikTokユーザーは動画を縦にスクロールして次々と閲覧する傾向があるためです。
参考:『動画広告の規定|TikTokビジネスヘルプセンター』
関連記事:『TikTok検索連動型広告トグルとは?11個の特徴をわかりやすく解説』
ファイル形式
TikTok広告で使用できる動画のファイル形式は以下の5種類です。
- .mp4
- .mov
- .mpeg
- .3gp
- .avi
参考:『動画広告の規定|TikTokビジネスヘルプセンター』
ファイルサイズ
TikTok広告で使用できる動画のファイルサイズは、500MB以内とされています。
ファイルサイズは、動画の尺が長くなればなるほど大きくなります。
容量の目安としては約1秒あたり0.25MBだと言われているので、例えば60秒の動画だと約15MBとなり、そこからフィルター加工などするとさらに容量がかさまします。
TikTok広告では最大60秒までの動画しか出稿できないので、500MB以上の動画容量のものだと広告出稿時にアップロードできなくなってしまいます。
容量が大きい場合は圧縮ツールなどを活用して動画の容量を縮小しましょう。
参考:『動画のファイルサイズ(容量)というのは1秒で何MBくらいになるのか?』
参考:『動画広告の規定|TikTokビジネスヘルプセンター』
プロフィール画像
TikTok広告を出稿する際はプロフィール画像も設定しておくのがおすすめです。
企業のロゴや視認性のあるマークにすることでユーザーに覚えてもらいやすくなります。
プロフィール画像の入稿規定は以下の通りです。
- アスペクト比:1:1
- ファイル形式:.jpg/.jpeg/.png
- ファイルサイズ:50KB未満
参考:『動画広告の規定|TikTokビジネスヘルプセンター』
テキストの規定
TikTok広告でのテキストの入稿規定は以下の通りです。
なお、入稿時テキストの改行はできないので注意しましょう。
広告の説明文
TikTok広告の説明文は、以下の規定内の文字数で作成しましょう。
- 半角の場合:1~100文字
- 全角の場合:1~50文字
句読点やスペースも文字数として換算され、絵文字や特殊文字の使用はできません。
特殊文字とは、一般的に表記される「英字」「数字」「カナ」「かな」「漢字」に含まれない文字のことを指します。
TikTok広告では具体的に「{}」や「#」の特殊文字には対応していません。
アプリ名
- 半角の場合:4~40文字
- 全角の場合:2~20文字
なお、句読点やスペースも文字数として換算され、絵文字の使用はできません。
ブランド名
- 半角の場合:2~20文字
- 全角の場合:1~10文字
なお、句読点やスペースも文字数として換算され、絵文字の使用はできません。
参考:『動画広告の規定|TikTokビジネスヘルプセンター』
関連記事:『広告動画制作に使えるAfterEffectsプラグイン/スクリプト18選』
TikTok広告の入稿手順7ステップ
ここからはTikTok広告の入稿方法について解説していきます。
TikTok広告を入稿する際は、まずは以下のものをあらかじめ準備しておきましょう。
準備するもの
- 広告で使用する動画や画像など
- 遷移先ランディングページとそのURL
決めておくこと
- 出稿目的
- ターゲット
広告アカウントを開設する
広告を入稿するには、あらかじめTikTok広告のアカウント登録が必要です。
アカウントは『TikTok For Business』から開設できます。
また、広告アカウントの開設には以下の情報が必要です。
- メールアドレス
- 電話番号
- パスワード
- 会社の所在地
- ビジネス名
- 業種
- 会社のWebサイト
- お支払い情報(後で入力可能)
お支払情報を入力する
請求先住所・税務情報を入力後、支払いタイプを選択します。
なお、支払いタイプには「手動決済」と「自動決済」があり、一度設定すると後から変更ができないので注意してください。
キャンペーン目標を設定
まずは、TikTok広告マネージャーのホーム画面(概要ページ)にある「広告を作成」をクリックします。
広告マネージャーモードを選択する
引用:『TikTok For Business』
上記のように広告マネージャーモードの選択画面が表示されるので、どちらかを選択します。
「簡易モード」は広告キャンペーンの作成や管理を簡易的に進めたい方向け、「カスタムモード」は広告の目的などに合わせて自動でカスタマイズしたい方向けのモードになります。
広告マネージャーモードは後からでも変更可能です。
ここではカスタムモードを選択して進めます。
広告の目的を設定する
引用:『TikTok For Business』
次にキャンペーンの目的を選択します。
目的は以下の7つから選択可能です。
キャンペーン目標 | 目的 | 詳細 |
ブランド認知 | リーチ | より多くのユーザーに広告を見てもらいたい場合 |
購買意向 | トラフィック | Webサイトやアプリストアへの誘導数を増やしたい場合 |
コミュニティインタラクション | ページのフォロー数とプロフィール訪問数を増やたい場合 | |
動画視聴数 | 動画広告の視聴数とエンゲージメントを増やしたい場合 | |
コンバージョン | アプリプロモーション | アプリインストール数を増やしたい場合 |
リード生成 | ビジネスやブランドに対する見込み顧客を獲得します | |
ウェブサイトのコンバージョン数 | ウェブサイトでの価値のあるアクションを推進します |
参考:『TikTok For Business』
ここでは「トラフィック」を選択して解説します。
キャンペーン名を設定する
引用:『TikTok For Business』
次にキャンペーン名を設定し、必要に応じて「スプリットテスト」「キャンペーン予算最適化」「キャンペーン予算」の設定を行います。
スプリットテストとは
スプリットテスト(A/Bテストとも呼ばれる)は、TikTok広告マネージャーのツールであり、2つの異なるバージョンの広告をテストして、どちらがより効果的か判断し、将来のキャンペーンを最適化することができます。引用:『スプリットテストの紹介』
キャンペーン予算最適化とは
キャンペーン予算の最適化(CBO)は、広告セット単位ではなくキャンペーン単位での予算の最適化を可能にする機能です。この機能により、広告セットの予算を個別に設定することなく、キャンペーンに属するすべての広告セットに対して予算の最適化を適用することができます。
引用:『キャンペーン予算最適化』
ロケーションとプレースメントを設定する
引用:『TikTok For Business』
最適化を行う場所として、「ウェブサイト」か「アプリ」のどちらかを選択します。
引用:『TikTok For Business』
次にプレースメント(広告を配信したい場所)を選択します。
キャンペーン作成後の変更は不可能なので慎重に選択しましょう。
特定の場所に配信したい場合は「手動プレースメント」、より多くのユーザーに配信したい場合は「自動プレースメント」を選択しましょう。
手動の場合、配信先は『TikTok』の他に『Pangle』『グローバルアプリバンドル』から選択可能です。
Pangle
Pangleは、Tiktok for Businessが運営するスマホアプリ向けの広告プラットフォームです。
Pangleでは以下の3つのアプローチによってアプリ収益の最大化が可能です。
- 需要につながる競争力の向上
- 先進的な広告テクノロジー
- 専任エキスパートによる無料サポート
参考:『Pangle』
グローバルアプリバンドル
グローバルアプリバンドルは、高品質なアプリおよび広告枠に表示することを目的としたトラフィックソリューションです。
以下のキャンペーン目的でのみ使用できます。
- トラフィック
- ウェブサイトのコンバージョン数
- アプリプロモーション
クリエイティブタイプではダイナミック広告の設定もできます。
ダイナミック広告とは、最大10個の画像/動画、5個の広告テキストを入力することで素材を自動で組み合わせ、複数のクリエイティブを生成し最適化を図れる機能です。
また、素材の組み合わせ毎の評価を継続的に実行してくれます。
参考:『ダイナミック広告』
ターゲットを設定する
プレースメント設定が終わったら、ターゲティング設定に移ります。
TikTok広告では大きく分けて以下のような項目でターゲティングが可能です。
- 地域(国/地域・地方/県・市など)
- 言語
- 性別(男女)
- 年齢(13-17/18-24/25-34/35-44/45-54/55+)
- 世帯収入
- 購買力
- 興味&行動&購買意向
- ハッシュタグ
- 通信環境(Wi-Fi、2G、3G、4G、5G)
- デバイスモデル
- OS(iOS/Android)
- インターネットサービスプロバイダー(ISP)
- デバイス価格(無制限/特定の価格) など
参考:『広告ターゲティングについて』
関連記事①:『ターゲティング広告とは?6種類と仕組みをわかりやすく解説!』
関連記事②:『TikTok広告のセグメントとは?広告運用で成果を出すコツ10選!』
予算と配信スケジュールを設定する
引用:『TikTok For Business』
次に、予算と配信スケジュールを設定します。
予算は日予算または通算予算から選択可能で、配信スケジュールは配信開始日時と終了日時をそれぞれ決めましょう。
最適化目標と入札タイプ
引用:『TikTok For Business』
次に「最適化の目標」と「入札タイプ」を設定します。
広告を作成する
引用:『TikTok For Business』
最後に配信する広告のフォーマットを作成します。
広告名、表示名、テキスト、誘導先URLなども設定します。
「確認」をクリックすると設定が完了し、ここから広告審査が開始されます。
なお、Pangleとグローバルアプリバンドルの動画規定に関しては以下の表を参考にしてみてください。
配信場所 | アスペクト比 | 解像度 | ファイル形式 | ファイルサイズ |
Pangle | 9:16 1:1 16:9 | 制限なし (推奨解像度) 720×1280px 640×640px 1280×720px | .mp4/.mov/ .mpeg/.avi | 500MB以内 |
グローバルアプリバンドル | 9:16 | 720×1280 | .mp4/.mov/ .mpeg/.avi | 500MB以内 |
参考:『動画規定』
参考:『pangle広告の始め方!アカウント開設から入稿規定・配信方法・審査・タグ・ターゲティングを完全網羅【2023年7月最新版】』
TikTok広告の入稿における注意点
入稿が禁止されている業種
TikTok広告では以下のような業種の広告配信が禁止されています。
自社の業種が該当しないかご確認ください。
- 先物、外国為替、P2P関連商品を宣伝する広告。
- 海外の機関が提供するクレジットカードのキャッシュアウトサービスと金融サービスを宣伝する広告。
- 処方薬、医療機器、オンライン薬局を宣伝する広告。
- 避妊用具または避妊薬を宣伝する広告。
- 海外の不動産取引を宣伝する広告。
- キャッシュ可能なゲーム、リアルマネートレード、ゲーム内の有料ガチャを宣伝する広告。
- ホストバーやクラブ、メイド喫茶などの風俗を宣伝する広告。
- 国内の美容整形における乳房増強、ホルモン療法、性器治療を宣伝する広告。
- 給与前払い(ファクタリング)サービスを宣伝する広告。
- 海外の医療機関や医療サービス、国内外のオンライン薬局や処方薬を宣伝する広告。
- 高齢者向けの臨床試験を宣伝する広告。
- 基準を満たさない出会い系ビデオチャットサービスを宣伝する広告。
- 生きている動物の販売または養子縁組を宣伝する広告。
- 公共のギャンブル、パチンコ店、パチンコ機を宣伝する広告。
- 根拠のない出所/情報に基づいて商品/サービスを宣伝する広告、または多くの場合に正当な根拠がないのに少ないリスク、スキル、努力、時間で高いリターンや成功を得られるかのような印象を与える広告(例:Get-rich-quickスキーム、work-at-homeスキームなど)。引用:『TikTok広告ポリシー』
関連記事:『SNS広告運用お任せガイド!おすすめの広告代理店11社を紹介』
一度申し込むとキャンセルができない
TikTok広告では、一度申し込みが成立するとキャンセルができません。
TikTok広告は申し込みの先着順で出稿が割り当てられるため、一切キャンセルができない仕組みになっています。
そのため、例えば何かしらのトラブルで制作が間に合わず、出稿期限を過ぎてしまった場合でも、全額費用が発生します。
また、配信を中断することはできますが、その場合も費用の返金はありませんので注意が必要です。
配信タイミングにずれが生じる可能性がある
TikTok広告は入稿時審査があります。
配信予定直前に審査を受けて落ちてしまうと、配信が間に合わなくなってしまう恐れがあります。
特に1日1社限定の広告は審査が厳しいので、事前に審査基準を確認し、仮入稿をして審査を先に通しておきましょう。
広告審査チェックリストは以下から確認できます。
参考:『広告審査チェックリスト|TikTokビジネスヘルプセンター』
使用できる音声素材かを事前に確認する
TikTokは一般社団法人JASRAC(日本音楽著作権協会)と提携を持っているため、TikTokが提供する公式音源であれば無料で使用することができます。
しかし、一部海外の楽曲や替え歌、アニメやドラマで使用されているオリジナル曲などはJASRACの管理下に入っていないため、これらを無断で使用すると著作権侵害に当たる恐れがあります。
また、CDやカラオケの音源などをそのまま使用することも著作権とは別の「原盤権」という権利侵害につながる危険性があるため注意が必要です。
TikTok広告の音声素材やBGM選びに不安な方は、まずはTikTokの公式音源から使用してみるのがおすすめです。
参考:『TikTokで著作権に引っかからない方法は?楽曲が著作権違反になるケースを解説』
関連記事:『TikTok広告に強い広告代理店!おすすめ10社を徹底比較』
まとめ
今回はTikTok広告の入稿規定や入稿ステップ、注意点をご紹介しました。
利用者数の増加や年齢層の拡大によって注目を集めているTikTokですが、申し込み後のキャンセルができない、最低出稿料が高いなどのデメリットもあるので、TikTok広告を初めて利用する場合は、専門のスタッフがいる代理店に任せることをおすすめします。
弊社ではTikTok広告運用代行というサービスを展開しております。
TikTok広告の運用経験を豊富に蓄積している他、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。
また、薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能。
お客様のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談ください。
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。