一般ユーザーにとってInstagramは、友人や知人とのコミュニケーションや情報収集に役立つツールです。
日本国内で6,600万人以上ものアクティブユーザー数(2023年12月時点)を誇り、企業ではマーケティングの手段として活用されています。
この記事をご覧の方の中にも、自社でInstagramのアカウントを運用しているという方がいるのではないでしょうか。
Instagramマーケティングを成功させるためには、その特徴やメリット・デメリットを理解することが大切です。
今回は、企業がInstagramを運用する際のポイントをご紹介します。
商品・サービスの内容に適した形でInstagramを使いこなしましょう。
参考:『「5大SNS」とは?役割やユーザー数、特徴ごとの使い分けを解説』
Contents
Instagramマーケティングとは?
まずは、Instagramマーケティングの特徴についてみておきましょう。
Instagramを利用するユーザー層や、マーケティングの方法をご紹介します。
Instagramを活用したSNSマーケティング
「Instagramマーケティング」とは、名前の通りInstagramを活用して自社の商品・サービスのプロモーションを行うマーケティング活動を指します。
Instagramが誕生したのは2010年のことです。
当初は写真や画像を共有・加工するアプリケーションとしてスタートし、ストーリーズやリールといった機能の追加、Instagram広告のサービス提供開始など、アップデートを繰り返して現在に至ります。
開発当初は少人数の企業による運営でしたが、2012年にMeta社(当時はFacebook社)に買収されています。
こういった背景から、Instagram広告ではFacebookのユーザーデータを活用した広告配信ができるという特徴があります。
なお、『Meta Business Suite』というツールを使用すれば、Meta社が提供するプラットフォーム(Facebook、Instagram、Messenger)の一括管理が可能です。
参考:『Instagramの歴史を解説!機能の変化・今後の動向を解説』
関連記事:『Meta Business Suiteとは?5つの基本的な使い方を紹介!』
Instagramユーザーの特徴とは?
2023年には、日本国内のInstagramアクティブユーザー数は6,600万人であるとMeta社によって公表されています。
ユーザーの内訳は、男性が48.8%、女性が63.6%と、女性がやや多めの割合です。
また 、2024年に公表された総務省の調査によると、年代別のInstagram利用率は、10代72.9%、20代78.8%、30代68.0%、40代57.2%、50代51.7%、60代22.6%という結果がでした。
この調査から、10〜20代の若年層の7割以上がInstagramユーザーであることがわかります。
参考:『「5大SNS」とは?役割やユーザー数、特徴ごとの使い分けを解説』
参考:『令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 | 総務省』
関連記事:『Instagram広告運用の鍵!7種類のターゲティングを解説』
Instagramマーケティング2つの方法
Instagramマーケティングは、大きく分けると以下の2つの方法があります。
- アカウントの運用
- Instagram広告への出稿
それぞれ、マーケティングにどのような形で活かせるのかを解説します。
アカウントの運用
Instagramの企業アカウントや、商品・サービスのアカウントを作成し、運用します。
広告の出稿やインサイト(数値管理)といった機能を利用するには、ビジネスアカウントに切り替える必要があります。
なお、Instagramアカウントの登録や運用には料金はかかりません。
Instagramは、写真や動画の投稿がメインのプラットフォームです。
企業のアカウントにおいても、ビジュアルでユーザーへの訴求を行うことで反響を獲得できます。
投稿する写真や画像のフォーマットを統一する、テーマカラーを決めてクリエイティブを作成したりするといった取り組みによって、ブランドの世界観やイメージを確立しブランディングにつなげられます。
また、商品の情報や使用方法などのユーザーに役立つ情報、有益なコンテンツを発信することでフォロワーが増え、認知度の向上が期待できます。
参考:『インスタグラムマーケティングとは?マーケット状況、成功事例から学ぶ成果の出し方』
参考:『インスタグラムマーケティングとは?戦略の立て方から手法、参考になる企業の好例までご紹介』
1.Instagram投稿の種類
Instagram投稿は、フィードやストーリーズをはじめ、さまざまな種類があります。
フ ィード投稿
引用:『Instagram』
Instagramのホームボタンをクリックすると表示されるタイムラインへの投稿を指します。
投稿のフォーマットには、画像(最大10枚)、動画があります。
また、一つの投稿で動画・画像の両方の掲載も可能です。
過去の投稿は、プロフィール画面に一覧で表示されます。
SNSでの見せ方にこだわる企業やブランドのなかには、プロフィール画面での並びにも規則性を持たせる、トンマナを統一するといった工夫をしているところもみられます。
参考:『Instagramの投稿の種類について覚えておこう(Instagram-第9回)』
参考:『インスタグラムマーケティングとは?マーケット状況、成功事例から学ぶ成果の出し方』
ストーリーズ投稿
引用:『Instagramストーリーズ』
Instagramには、24時間で投稿が消える「ストーリーズ」という機能があります。
画像、動画のいずれの形式でも投稿が可能で、縦長のフルスクリーン(16:9)で表示されるのが特徴です。
ストーリーズの投稿では、文字やスタンプ、音楽、Webサイトへのリンクなどの追加が可能であるほか、閲覧者に向けたアンケートを行ったり、質問を募集したりと、コミュニケーションをはかることができます。
なお、投稿から24時間経過した画像は、「ハイライト」に追加すると、ユーザーがいつでも見られるようになります。
「よくある質問(Q&A)」や「新作商品」「商品の使用方法」などをハイライトにまとめておくと良いでしょう。
参考:『Instagramの投稿の種類について覚えておこう(Instagram-第9回)』
関連記事:『Instagramのストーリーズ広告とは?9つの作成ポイントを徹底解説!』
リール投稿
引用:『Instagramリール』
リールでは、短尺の動画を投稿できます。
動画の表示はストーリーズと同様で、縦長のフルスクリーン(16:9)です。
他のアカウントが投稿したリール動画は、プロフィールの下部に表示される動画のアイコンをタップすると閲覧できます。
また、虫眼鏡のアイコンのおすすめタブにもリール用の枠があります。
いずれかに掲載されると、自社の商品・サービスを知らないユーザーにも動画を見てもらえるのが魅力です。
また、自社アカウントが投稿したリール動画は、自社のプロフィール画面のリールタブにも表示されます。
参考:『Instagramの投稿の種類について覚えておこう(Instagram-第9回)』
関連記事:『Instagramのリール広告とは?設定方法と成果を出すポイント3選!』
ライブ配信
Instagramにはライブ配信機能があり、最大60分の動画配信が可能です。
新商品の紹介や自社製品の使い方のレクチャーなどに活用されることも多く、ユーザーのコメントやリアクションを受けながら双方向的なコミュニケーションをとれます。
終了後は、配信した動画をアーカイブとして残すこともできます。
企業のInstagram投稿は、広告機能を使って多くのユーザーに自社の商品やサービス内容を届けることができます。
効果的に訴求するためにも、まずは、アカウントを継続的に運用し、ユーザーが閲覧した際に「どんな商品・サービスを扱っているのか」を知ってもらえるような投稿を心がけましょう。
参考:『Instagramの投稿の種類について覚えておこう(Instagram-第9回)』
参考:『インスタグラムマーケティングとは?マーケット状況、成功事例から学ぶ成果の出し方』
以下の記事でも、企業アカウントの作り方や運用のポイントについて触れているので、あわせてご覧ください。
関連記事:『Instagramの企業アカウント開設7ステップ&運用マニュアル!』
投稿のフォーマットの仕様
画像や動画を投稿する際は、元の解像度を保持できるようサイズに注意しましょう。
以下が推奨されているサイズです。
投稿の種類 | 投稿の形式 | 推奨されるサイズ |
フィード | 画像 | フィードの画像投稿では、アスペクト比が1.91:1〜4:5のものがサポートされていますが、この範囲に当てはまらない場合はトリミングされます。
|
動画 |
| |
ストーリーズ | 画像 | フルスクリーンで画像を表示するには以下を基準としましょう。
|
動画 | フルスクリーンで動画を表示するには以下を基準としましょう。
| |
リール | 動画 | フルスクリーンで動画を表示するには以下を基準としましょう。
|
参考:『Instagramでシェアする写真画 像解像度』
参考:『動画 Instagramフィード』
参考:『画像 Instagramストーリーズ』
参考:『Instagramストーリーズ広告のデザイン要件』
参考:『動画 Instagramリール』
参考:『Instagram投稿に最適な画像サイズとは?ストーリーズ、リール、動画もご紹介!』
Instagram広告への出稿
Instagram広告は、フィードやストーリーズ、リールなどの投稿に並ぶ形で商品・サービスの広告を配信できるのが特徴です。
フォーマットが一般ユーザーの投稿に近い形式であるため、一目でみて広告だとわかるような訴求を避けたい場合に適しています。
また、配信面の種類が豊富なため、目的に合わせて使い分けることが可能です。
精度の高いターゲティングができる点も特徴の一つで、ユーザーの属性や興味・関心に基づいた絞り込みや、自社が保有する顧客データなどに基づいた絞り込みなどができます。
Instagram広告は、Instagramのプラットフォーム内にある「広告ツール」のほか、Meta Business Suiteでも管理ができます。
参考:『インスタグラムマーケティングとは?マーケット状況、成功事例から学ぶ成果の出し方』
参考:『Meta Business Suiteとは?5つの基本的な使い方を紹介!』
配信面について詳しい内容は以下の記事を併あわせてご覧ください。
関連記事:『Instagram広告の4つのセグメントと活用のポイントを解説』
Instagramマーケティングを行うメリット
Instagramマーケティングを行うメリットとして以下の3つが挙げられます。
- 商品やサービスの購入・利用を促しやすい
- 認知度の拡大が期待できる
- 商品やサービスを視覚的にアプローチすることができる
商品やサービスの購入・利用を促しやすい
Instagramの機能の1つに「ショッピング機能」があります。
引用:『Instagramのショッピング機能が決済にも対応 | Instagram』
この機能では、投稿しているコンテンツに商品タグをつけることで、ユーザーがタグをタップした際に、ECサイトに直接遷移させることが可能となります。
従来であれば、ユーザーは、Instagram内で見つけた商品を商品を検索エンジンなどで購入場所を探すといった手間があり、購入ページに到達するまでに、購買確度が低下し離脱してしまう可能性がありました。
しかし、ショッピング機能により、購入意欲を保っている間に直接購入ページや申込ページまで誘導し、ユーザーの行動を促すことが期待できます。
参考:『インスタグラムマーケティングとは?マーケット状況、成功事例から学ぶ成果の出し方』
参考:『Instagramマーケティングとは?成功事例から学ぶ戦略の立て方』
認知度の向上が期待できる
引用:『ステップバイステップガイド:統一感のあるコンテンツのプランニングと制作 | Meta』
Instagramマーケティングによって、効果的にブランディングすることができれば、自社の商品やサービスの認知の拡大が可能となります。
例えば、投稿の色やデザインを統一感を持たせることで、ブランドイメージを定着しやすくなります。
「○○の色=○○のブランド」といった印象を残すことで、ブランドの認知拡大が期待できます。
参考:『Instagramマーケティングとは?成功事例から学ぶ戦略の立て方』
関連記事:『【Instagram広告】クリエイティブデザインで意識するべき11のコツ』
商品やサービスを視覚的にアプローチすることができる
引用:『Meta』
Instagramでは、画像や動画を利用して、視覚的なアプローチが可能となります。
商品の使用方法などを画像や動画で紹介するこで、ユーザーは実際に使用しているイメージを持ちやすくなります。
また、テキストのアプローチより画像や動画で視覚的に訴求することでユーザーの目を惹き、潜在層へも自社の商品やサービスに興味を持たせることが期待できます。
参考:『インスタグラムマーケティングとは?マーケット状況、成功事例から学ぶ成果の出し方』
参考:『Instagramマーケティングとは?成功事例から学ぶ戦略の立て方』
Instagramマーケティングを成功させるポイント
企業がInstagramをマーケティングで活用するにあたり、押さえておきたいポイントをご紹介します。
手探りの運用ではなく、方向性をしっかりと定めましょう。
- ターゲット像を明確にする
- 適切なKPIを設定する
- インフルエンサーマーケティングを行う
- ショッピング機能を活用する
ターゲット像を明確にする
どのようなユーザーにアプローチをするのかを明確にすることが大切です。
具体的には、ペルソナの設定を行います。
ペルソナとは、自社の商品・サービスを利用する典型的なユーザー像のことを指します。
年齢や職業、性別、居住地などの基本情報はもちろん、趣味やよく閲覧するWebサイト、最近の悩みなど、「実際にいそう」 と思えるほどにリアルな人物像を作りこみましょう。
ペルソナの例
- 年齢:30代
- 性別:女性
- 職業:Webマーケティング関連
- 休日の過ごし方:インドア(基本外出しない)
- 趣味:自宅で映画鑑賞(好きなジャンル:ホラー、サスペンス、スリラー)
Instagramの投稿や広告のクリエイティブ、ターゲティングの設定などに、ペルソナのニーズや好みを反映させます。
参考:『Instagramマーケティングとは?成功事例から学ぶ戦略の立て方』
ペルソナの設定方法は、以下を参考にしてみてください。
関連記事:『ペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイント3選!』
適切なKPIを設定する
KPIとは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略語で、組織としての目標を達成するために設定する定量的な指標を指します。
たとえば「ブランドの認知度を向上する」が目標の場合、多くのユーザーに投稿を見てもらう必要があります。
そこで、月や半期などの特定の期間内で投稿の回数を計画し、「リーチ数」をKPIにすることで、「認知度向上」という目標を効率よく追いかけられます。
ほかにも、ブランドのファンを増やすなら「獲得フォロワー数」など、目標と噛み合ったKPIを設定することが大切です。
参考:『インスタグラムマーケティングとは?マーケット状況、成功事例から学ぶ成果の出し方』
関連記事:『WebマーケティングにおけるKPIの重要性を4つのポイントで解説』
インフルエンサーマーケティングを行う
ペルソナとなるユーザー層から人気を集めるインフルエンサーの起用には、以下のメリットがあります。
- ユーザーに近い目線で商品・サービスの魅力を伝えられる
- 起用したインフルエンサーのフォロワーに自社のことを知ってもらえる
ただし、社外の第三者に商品のPRを依頼するため、投稿内に表記をして「広告である」ということを明示しなければなりません。
広告表記がないと、ステルスマーケティングに該当してしまい、景品表示法に抵触するため注意が必要です。
トラブルを避けるためには、インフルエンサーの投稿を企業の広告として配信する「ブランドコンテンツ広告」の機能を使用するのがおすすめです。
参考:『インスタマーケティングとは|効果的なやり方とInstagramマーケティングの成功事例』
ブランドコンテンツ広告については、以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:『Instagramのブランドコンテンツ広告とは?5つのメリットを解説』
ショッピング機能を活用する
引用:『Instagramショッピング』
先程の触れたように、Instagramのショッピング機能では、商品の画像にショッピングタグを付け、Instagram内の商品ページに誘導するのが特徴です。
少ないステップ数で購入へと促すことができます。
- 商品のタグをタップ
- Inst agram内の商品ページに遷移
- 「ウェブサイトで見る」をタップして自社のECサイト(Instagram外)の商品ページに遷移
ユーザーにとっては、商品画像の投稿をカタログのような感覚で閲覧しながら、気に入ったものがあればすぐに購入できるのがメリットです。
企業側にとっては、スムーズに自社のページへと誘導できるため、購買数の向上が期待できます。
そのため、ECサイトがある場合はショッピング機能を活用しましょう。
参考:『インスタマーケティングとは|効果的なやり方とInstagramマーケティングの成功事例』
参考:『インスタショッピング機能とは?導入メリットや設定手順、事例をわかりやすく解説』
関連記事:『Instagram商品タグ付き広告のメリット5つと投稿方法を解説!』
企業のInstagramマーケティングの成功事例
Instagramを有効活用している企業の事例をご紹介します。
ぜひ自社の運用の参考にしてください。
無印良品
引用:『「無印良品」Instagramアカウント』
生活雑貨や食品、アパレルなどを取り扱う「無印良品」のInstagramアカウントには、ブランドイメージを体現した、ナチュラルなトーンの投稿が並びます。
投稿の内容は無印良品アイテムの使用シーンの画像や動画がメインで、ユーザーは商品の機能や使い勝手などを知ることができます。
商品画像にショッピングタグが付けられているため、気になる商品があればすぐに購入が可能です。
参考:『「無印良品」Instagramアカウント』
参考:『【業種別】インスタグラム(Instagram)の企業アカウント成功事例22選!成功のコツや注意点を紹介!』
DouDou
株式会社パルが運営するアパレルブランド「DouDou(ドゥドゥ)」のInstagramアカウントは、商品の着用をイメージしやすいリール動画をメインに投稿しています。
サムネイルには「会社で褒められる服」「話題のマイナス3kgに見えるタックワイドパンツ」といった、思わずクリックしたくなるキャッチコピーが使用されているのが特徴。
頻繁にライブ配信を行い、商品やコーディネートに関する疑問に答えるなど、ユーザーとのコミュニケーションも活発です。
まとめ
この記事を読んで、Instagramマーケティングの最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
弊社ではInstagram広告運用代行というサービスを展開しております。
Instagram広告の運用経験を豊富に蓄積している他、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。
蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。
また、薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
お客様のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談下さい。
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。