Instagramは2010年にリリースされて以降、圧倒的な人気を誇るSNSプラットフォームです。
総務省の調査結果によると、Instagramは全世代のうち約半数の人が利用しています。
特に10代~20代では70%以上のユーザーが利用していることから、若者に人気の高いSNSであると言えます。引用:『総務省|令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
2019年には国内月間アクティブアカウント数が3,300万を超え、日本国内における利用者も年々増加傾向にあります。
そんなInstagramの人気度合いからも、Instagram広告をビジネスに有効活用している方も多いのではないでしょうか?
Instagram広告の形式の一つに、カルーセル広告があります。
カルーセル広告では、複数の画像や動画を表示できることから、一般的な広告と比較し多くの情報をユーザーに提供することが可能です。
2019年に開催された「Instagram Day Tokyo 2019」に登壇したInstagram製品部門の責任者であるヴィシャル・シャー氏は、Instagramが特に注力する新機能としてカルーセル広告について言及しました。
カルーセル広告はダイレクトレスポンス広告として使用する時だけでなく、ブランディング広告として使用する場合でも、クリエイティブに富んだ配信を実現できます。
今回はそんなカルーセル広告についてご紹介します。
「Instagramのカルーセル広告についてよく分からない」「どんな活用方法があるの?」といった疑問をお持ちの方はぜひこの記事を読んで参考にしてみてください。
当記事では、Instagramカルーセル広告のメリット、活用事例ついて解説します。
参考:『Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破』
参考:『資生堂がInstagramを中心としたブランディング戦略を公開 ストーリーズ広告の新常識とは?』
関連記事:『Instagram広告とFacebook広告の違いと特徴!成果を出す4つのポイント』
Contents
Instagram広告とは
Instagram広告は、Meta社(旧Facebook社)が提供するSNS広告の一つで、Instagram上での配信を目的とした広告です。
2012年にMeta社がInstagramを買収したことから、Facebook広告との連携が可能になりました。
広告フォーマットとしては、カルーセルのほかに画像、動画、ストーリーズ、リール、Instagramショップがあります。
Instagramの特性上、写真や動画などのビジュアル面に特化したSNSであるため、広告配信をする際にもユーザーに視覚的訴求をしやすいといった特徴があります。
そのためInstagram広告では、クリエイティブのデザインやクオリティが非常に重要になってきます。
Instagramの独自調査によると、ビジネスアカウントをフォローしているユーザーは全体の90%となっています。
Instagramに表示される広告については、「好ましくない」「気にならない」と回答したユーザーは70%でした。
このことから、Instagram広告はユーザーに不快を感じさせにくく、自然な流れで広告を配信することができる媒体といえるでしょう。
参考:『Instagramの広告フォーマットについて』
参考:『インスタアカウントには種類がある!』
関連記事:『Instagram広告とは?3つの特徴と広告配信のポイントを解説』
カルーセル広告とは
そもそもカルーセル(Carousel)とは、メリーゴーランドや回転台を意味します。
引用:『カルーセルを活用しよう|Xビジネス』
カルーセル広告とは、1つの広告枠に複数の画像や動画を横並びに配置できる広告フォーマットのことです。
ぐるぐると画像や動画を表示することから、カルーセル広告と名付けられました。
ユーザー自身がスワイプすることで画像や動画が次々と表示されるため、一つの広告コンテンツ内で多くの情報を伝えることができます。
引用:『Instagramでブランドを構築しましょう。|Meta for Business』
関連記事:『Instagram広告運用の鍵!3種類のターゲティングを解説』
他媒体のカルーセル広告との違い
カルーセル広告は、Instagram以外でも以下の媒体で配信可能です。
- Google広告
- Facebook広告
- Twitter広告
- LINE広告
基本的な広告形式は他の媒体と同じですが、Instagramのカルーセル広告の特徴としては以下の点が挙げられます。
- 画像や動画ごとに設定できる項目
- 画像や動画の順番が最適化される
画像や動画ごとに設定できる項目
Instagramのカルーセル広告では、画像や動画に対してそれぞれの広告見出し、説明文、ランディングページのURL、CTA(Call To Action:行動喚起)を設定できます。
例えば、ユーザーがスワイプするごとに異なる商品画像を表示し、それぞれのランディングページのURLを設定することで、ユーザーは広告閲覧中に気になった商品のサイトに直接遷移することができます。
このように、広告内で複数の遷移先ページを用意しておくことでユーザーの選択肢が増え、クリックスルー率の向上につながります。
さらに、画像ごとに違う遷移先のURLを設定することで、一つの広告内で複数の商品を紹介することが可能になります。
CTAは広告内容や目的に応じて選択できるので、画像や動画にそれぞれマッチしたものを選ぶ必要があります。
主なCTAボタンには以下があります。
- 詳しくはこちら
- お問い合わせ
- リンクを開く
- 予約する
- 申し込む
- ダウンロードする
参考:『カルーセル広告について|Metaビジネスヘルプセンター』
参考:『InstagramのCTAの成功事例を解説!CTAボタンの種類は?Instagram広告の配信面とCTAの対応もご紹介!』
画像や動画の順番が最適化される
Instagramのカルーセル広告では、広告を配信する際、複数枚ある画像や動画の中で一番パフォーマンスが高いものを最初に表示して最適化することができます。
この最適化は、カルーセル広告を見たユーザーからのパフォーマンスに基づいてデフォルトで並べ替えられます。
順番の最適化機能は、LINEやTwitterには搭載されていないため、それぞれの順番を指定しなければいけません。
以下に各媒体のカルーセル広告を比較しましたので、参考にしてみてください。
配信可能枚数 | 配信場所 | 設定必須項目 | |
Instagram広告 | 2-10枚 | Instagramストーリーズ Instagramフィード | メインテキスト ランディングページのURL ※配信面による |
Google広告 | 2-10枚 | Discovery Feed YouTubeのホームフィード Gmail | 広告見出し 説明文 お店やサービス名 最終ページURL 行動を促すフレーズ |
Facebook広告 | 2-10枚 | Facebookフィード Facebook右側広告 Facebookインスタント記事 Facebookインストリーム広告 Facebook Marketplace Facebookストーリーズ Facebook上の検索結果 | メインテキスト 広告見出し 説明文 ランディングページのURL |
Twitter広告 | 2-6枚 ※4枚以上を推奨 | Twitterホームタイムライン Twitter検索結果画面 Twitterプロフィール Twitterオーディエンスプラットフォーム | メインテキスト カード名 タイトル ランディングページのURL |
LINE広告 | 最大10枚 | LINE Dynamic Ads LINE VOOM LINE NEWS LINE BLOG LINEポイントクラブ | メインテキスト 広告見出し 説明文 ランディングページのURL |
参考:『カルーセルを活用しよう|Xビジネス』
参考:『デマンドジェネレーションキャンペーンのアセットの仕様とベストプラクティス | Google広告ヘルプ』
参考:『カルーセル Facebookフィード|Facebook広告ガイド』
参考:『カルーセル Instagramフィード|Facebook広告ガイド』
参考:『入稿規定 | LINEヤフーfor Business』
参考:『カルーセル広告で一番パフォーマンスが高いカードを最初に表示する | Metaビジネスヘルプセンター』
カルーセル広告のメリット3選
Instagramのカルーセル広告を活用するメリットとしては、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
- 他の広告よりも多くの情報を伝えられる
- 画像と動画を組み合わせられる
- 掲載コストを抑えられる
他の広告よりも多くの情報を伝えられる
カルーセル広告は画像や動画を複数枚組み合わせて広告配信できるため、ユーザーに伝えられる情報量が多いといった特徴があります。
上述したように、Instagramのカルーセル広告では最大10枚まで画像と動画が掲載できます。
そのため、1つの商品情報をより詳細に伝えるために使用するだけでなく、複数の商品を同じ情報量でPRすることも可能です。
SNS広告はスマホで表示される広告を前提としており、クリエイティブサイズやテキスト文量が限られてしまうことから伝えられる情報量に限りがあります。
しかし、カルーセル広告であれば1つの広告に掲載できるクリエイティブの多さから、ユーザーに届けられる情報量も圧倒的に多く、効率的に広告を配信することができます。
関連記事:『Instagram広告の運用代行に強い!企業向けおすすめ代理店9社を紹介!』
画像と動画を組み合わせられる
カルーセル広告は、画像や動画を複数枚組み合わせることができる自由度の高い広告です。
そのカスタマイズ性から、他の広告と比較してもクリエイティブに富んだ広告を作成することができます。
Tyme Hair社の事例
引用:『カルーセル広告の7つの活用法|Meta for Business』
例えば、ヘアアイロンを販売しているTyme Hairは自社のヘアアイロンの使用方法を伝えるためにカルーセル広告を活用しました。
文字だけで伝えることと比べて分かりやすく、画像4枚で伝わるほど簡単に綺麗なカールを作れることをユーザーにアピールしました。
このようにカルーセル広告は、商品やサービスの使い方のプロセスを説明したり、企業のストーリーを通じてユーザーにアクションを促すストーリーマーケティングにも有効です。
関連記事:『FacebookとInstagram連携方法!設定と3つのメリットを解説』
掲載コストを抑えられる
広告掲載のコストパフォーマンスが良い点もメリットの一つです。
Instagramの場合、広告費用に対して掲載できる情報量が多いため、使い方次第ではコストを抑えた広告配信が可能です。
視認性を意識したクリエイティブやメッセージなど、ユーザーの目に留まりやすいデザインに工夫することで、興味を持ったユーザーにアクションを起こしてもらいやすくなります。
Instagram内のカルーセル広告だけでなく、遷移先のランディングページのCTAやファーストビューなども抜かりなく対策することで、コンバージョン単価やクリック単価を抑えた費用対効果の高い広告を実現できます。
自由度が高く、使用方法に制限が少ないカルーセル広告のメリットを最大限に活かした広告を作成しましょう。
参考:『インスタのカルーセル広告とは?特徴や配信方法を解説』
関連記事:『【Instagram広告】クリエイティブデザインで意識するべき11のコツ』
カルーセル広告の配信面
ここではInstagram上に掲載できる3つの配信面についてご紹介します。
- Instagramフィード
- Instagram発見タブ
- Instagramストーリーズ
Instagramフィード
引用:『Meta広告マネージャの目的のアップデート|Facebook広告ガイド』
Instagramフィードは、ホームメニュー内のタイムライン上に表示されます。
タイムラインには、ユーザーがフォローしているアカウントの投稿だけでなく、ユーザーの興味関心に基づいたInstagram独自のアルゴリズムに則って選出された広告が表示されます。
画像ごとに「詳しくはこちら」などのCTAが表示され、ユーザーがこれをクリックすると商品やサービスのランディングページへと遷移する仕組みです。
クリエイティブの推奨事項
- 画像のファイルタイプ:JPGまたはPNG
- 動画のファイルタイプ:MP4、MOVまたはGIF
- アスペクト比:1:1
- 解像度:1,080×1,080ピクセル以上引用:『Meta広告マネージャの目的のアップデート』
Instagram発見タブ
引用:『Instagram発見タブの広告について | Metaビジネスヘルプセンター』
Instagram発見タブは、アプリ下部にあるメニューのうち虫眼鏡マークをクリックすると表示されます。
発見タブには、ユーザーそれぞれの閲覧履歴などから興味・関心に合ったコンテンツが表示されるようになっています。
ユーザーは、気になった投稿をクリックすると詳細が閲覧でき、さらにスクロールすることでユーザーの好みに近い投稿が次々と表示される仕組みです。
発見タブ広告は、ユーザーのクリック先の詳細画面に表示されます。
クリエイティブサイズはフィード広告と同じなので、フィードで使用したものを発見タブ広告でも再利用することができます。
クリエイティブの推奨事項
- 画像のファイルタイプ:JPGまたはPNG
- 動画のファイルタイプ:MP4、MOVまたはGIF
- アスペクト比:1:1または4:5
- 解像度:1,080×1,080ピクセル以上引用:『Meta広告マネージャの目的のアップデート』
Instagramストーリーズ
引用:『Meta広告マネージャの目的のアップデート|Facebook広告ガイド』
フォロー中のアカウントがInstagramストーリーズを投稿すると、ホームメニューの上部にネオンカラーで囲まれたアカウントアイコンが表示されます。
それぞれのアカウントアイコンをクリックすると、ストーリーズの投稿がスマホのスクリーン画面にフルで表示され、次のアカウントのストーリーズへ進む間に広告が表示される仕組みになっています。
ストーリーズ広告は最大15秒までですが、ユーザーの任意で広告表示中に一時停止することも可能です。
また、画像および動画の最上部から約14%(250ピクセル)と最下部から約20%(340ピクセル)の範囲は、アカウント情報やCTAが設置されます。
クリエイティブ作成時には、この範囲にロゴやテキストを配置しないようにしましょう。
クリエイティブの推奨事項
- 画像のファイルタイプ:JPGまたはPNG
- 動画のファイルタイプ:MP4、MOVまたはGIF
- アスペクト比:9:16
- 解像度:1,080×1,920ピクセル以上引用:『Meta広告マネージャの目的のアップデート』
参考:『カルーセル広告で利用できる目的と配置のオプション:エラーコード2490153|Metaビジネスヘルプセンター』
関連記事:『Instagramストーリーズ広告とは?9つの作成ポイントを徹底解説! 』
カルーセル広告の活用事例
では、実際にカルーセル広告をビジネスで活用した事例としてはどのようなものがあるのでしょうか?
Instagramのカルーセル広告を導入した企業事例をご紹介します。
ストーリーズ広告でクリック率63%向上
引用:『ZWEI|結婚相談所ならツヴァイ』
株式会社ZWEI(ツヴァイ)は、結婚を希望している方の婚活サポートをしている国内最大手の結婚相手紹介サービス会社です。
創業39年の信頼と手頃な価格から、効率的かつ満足度の高い婚活を提供しています。
同社は、結婚相手紹介サービスに対する「怪しい」「モテない人が利用するもの」といったユーザーのネガティブなイメージ改善に加えて、会員数のさらなる増加を目標にInstagram広告の配信を検討しました。
新規会員数拡大に向けた施策としては、資料請求を促進するキャンペーンを実施しました。
特にメインターゲットである若年女性へリーチしやすいストーリーズ広告の活用を決めました。
そして、ストーリーズでもサービスの世界観やブランドストーリーを訴求するためにカルーセル広告の活用を試みました。
カルーセル広告の活用方法
株式会社ツヴァイは、カルーセル広告を活用するにあたり、まずユーザーの年齢や結婚歴などに合わせてターゲティングを行いました。
それぞれの属性ごとに細かくターゲティングをすることで、一人ひとりのユーザーに合わせた最適なメッセージ訴求が実現できると考えたからです。
フォーマットとしては、あえて広告感を出さずオーガニックのストーリーズ投稿に馴染むように、一般のユーザーが使うようなテキストやステッカーなどを使い自然な演出を意識しました。
さらに、ユーザーが視聴選択できるよう左右にタップを促したり、3枚のチャプターに分けて投稿するなどカルーセル広告の機能を最大限生かしました。
その結果、ストーリーズ広告はユーザーに抵抗なく受け入れてもらえたことでユーザーのアクション向上へと繋がりました。
主な施策の結果
- クリック率が63%向上
- クリック単価を41%抑制
参考:『株式会社ツヴァイ|Instagram成功事例』
関連記事:『SNS広告運用お任せガイド!おすすめの広告代理店11社を紹介』
まとめ
この記事では、カルーセル広告の目的と使用するメリットについて解説しました。
カルーセル広告は商品やサービスについて訴求するダイレクトレスポンス広告としての役割だけでなく、ブランドを形作るブランディング広告としても活用できます。
非常に汎用性の高い広告であることから、広告を配信する際のあらゆるニーズに対応可能です。
自由度が高く、自身の想像力を活かした広告配信ができます。
やり方次第では大きな効果を期待できるため採用を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事を読んで、カルーセル広告の活用は難しいと感じた方や、想像力に富んだ広告の制作ができるか不安に感じた方は広告代理店に任せるのも1つの手です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。