細かいターゲットを設定して配信ができるInstagram広告。
狙い通りのユーザーに広告を見て貰いやすい事や、自社の商品・サービスがどんな層に響くのかを検証できるといったメリットがあります。
Instagramユーザーの多くは、実生活で興味があるトピックに関連するアカウントをフォローしています。
そのため、自社にマッチするユーザーに向けて的確なターゲティングができれば、広告に対する大きな反響も期待できます。
今回は、Instagramの広告を運用するにあたり、知っておきたいターゲティングの基礎知識について解説します。
これから広告を出稿しようと考えている方は必見です。
Contents
Instagram広告の特徴
Instagramを運営するMeta社の発表によると、2019年6月時点での日本国内のInstagramのアクティブユーザー数は3,300万人です。
ユーザーの割合は男性が約40%前後、女性が約60%前後と、やや女性が多いものの、大きな偏りはありません。
多くのアクティブユーザーを抱えるInstagramですが、2012年4月にMeta社(当時はFacebook社)に買収された経緯があります。
そのため広告機能も、Facebook広告と連携したサービスを提供しているのが特徴です。
Instagram広告は、通常の投稿と同じような形式で、ユーザーのタイムラインやストーリーズ、発見タブなどの画面に表示されます。
また、配信対象となるユーザーを細かくターゲティングできるところも大きな魅力です。
参考:『Meta 「Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破」』
参考:『2024年版!性別・年齢別SNSユーザー数(X(Twitter)、Instagram、TikTokなど13媒体)』
関連記事: 『Instagram広告とは?3つの特徴と広告配信のポイントを解説』
ターゲティングとは
ターゲティングとは、ユーザーの属性やインターネット上での行動などをもとに、ニーズに合った広告を配信するデジタルマーケティングの手法を指します。
2000年にアメリカで誕生し、2000年代中盤ごろに日本でも一般化しはじめました。
2007年には、Yahoo!JAPANが、ユーザーの行動をもとにした広告配信のサービスを開始しています。
Instagramではこのターゲティング機能を存分に活かし、自社の商品・サービスと親和性の高いユーザーに広告を見てもらうことができます。
試しに、Instagramのアプリを開いてみてください。
フィード画面やストーリーズに表示される広告は、自身がフォローしているアカウントの属性や、興味・関心のあるテーマに近いものが多いのではないでしょうか。
これは、ターゲティングの結果、アカウントが「広告の配信に適している」と判断されたことによります。
参考:『Webマーケティングの歴史』
関連記事:『ターゲティング広告とは?6種類と仕組みをわかりやすく解説!』
Instagram広告のターゲティング
Ingstaram広告でユーザーのターゲティングをするには、以下の3種類の方法が基本となります。
- コアオーディエンス
- カスタムオーディエンス
- 類似オーディエンス
これらを適切に選定することで、CV(コンバージョン)の見込みが高いユーザーに効率良く広告を配信できます。
ここでは、それぞれの特徴について解説します。
これらのターゲティングは、組み合わせることが可能です。
なお、作成したユーザー設定は「オーディエンス」と呼ばれます。
コアオーディエンス
コアオーディエンスには、「地域」と「利用者データ」「詳細ターゲット」の3つのターゲティング方法があります。
「地域」「利用者データ」で使用されるユーザー情報は、Instagramのアカウントと紐付けされているFacebookのデータが参照されます。
Facebookのアカウントを所有していなかったり、Instagramと連携していないユーザーの場合は、フォロー中のアカウントからユーザーの属性が推測されます。
地域
登録されている居住地や位置情報をもとに、そのエリアのユーザーに配信したり、対象から除外したりできます。
さらに、「この地域を旅行中の人」などで絞り込みをかけると、旅行客を配信対象にすることも可能です。
エリアは、国・都道府県・市区町村に加え、郵便番号でも指定できます。
美容室や飲食店など、地域のユーザーに向けてアピールが必要な業種に役立ちます。
利用者データ
利用者データでは、年齢、性別、言語といったユーザー情報をもとに、配信の対象を絞り込むことができます。
利用者データでは、以下の3つの属性から設定ができます。
年齢
13歳〜65歳以上まで、1歳単位で絞り込みができます(65歳以上はひとくくり)。
特定の年代に向けた広告や、新卒者、新入生に向けた広告などでとくに効果を発揮します。
ただし、前述のようにFacebookとの連携がないアカウントについては推測の年齢となるため、多少のずれが発生することを覚えておきましょう。
性別
男性・女性・または両方で絞り込みが可能です。
属性
属性では、下記の項目でターゲティングを行います。
- 学歴
- ファイナンス
- ライフイベント
- 子供がいる人
- 交際
- 仕事
「こういうライフスタイルのユーザーに訴求したい」という像がある場合に有効活用できます。
たとえば「小さい子どもがいるママ」など、特定の層にアプローチするなら、ぜひ役立てたい機能です。
参考:『Instagram広告のターゲティングって何がある?種類や使い方を徹底解説!』
詳細ターゲット
詳細ターゲットでは、ユーザーの興味関心やSNS上での行動履歴をもとに配信対象を絞り込むことができます。
関連記事:『Instagramのフォローとは?基本の使い方と増やす3つのコツ』
興味・関心
特定の分野を設定し、それに関連する投稿に「いいね!」をしたユーザーに向けて広告を配信します。
下記の分野で設定が可能です。
- スポーツ・アウトドア
- テクノロジー
- ビジネス・業界
- フィットネス・ウェルネス
- レジャー施設
- 家族と交友関係
- 食品・飲料品
興味・関心の項目はここからさらに細分化しています。
「スポーツ・アウトドア」なら、「スポーツ」と「アウトドア」に分かれ、アウトドアのなかでも「キャンプ」「サーフィン」「マウンテンバイク」などが選択できます。
特定の分野に特化した商品・サービスの広告を出稿する場合、ニーズがあるユーザーに効率良く閲覧してもらえるのがメリットです。
行動
ユーザーの行動履歴から絞り込みをかけます。
以下のような分野で設定が可能です。
- 購入行動
- 記念日
- 消費者の分類
- 旅行
- デジタルアクティビティ
- デバイスの使用時間
- モバイルデバイスユーザー
SNS上でのアクションや購買行動、デジタルデバイスの使用状況などをもとに、特定の行動を起こしたユーザーにアプローチができます。
参考:『広告のターゲット設定 | Meta 』
参考:『新規オーディエンスへのリーチについて | Metaビジネスヘルプセンター』
参考:『詳細ターゲットの設定 | Metaビジネスヘルプセンター』
参考:『Instagram広告のターゲティングって何がある?種類や使い方を徹底解説!』
関連記事:『Instagramのハッシュタグ分析とは?分析方法と5つのツールを紹介!』
カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスは、すでに問い合わせや購入履歴がある、サイトの訪問歴があるなど、自社との接点を持つユーザーに向けて配信するターゲティングの手法です。
また、それらのユーザーを配信の対象外にもできます。
カスタマーリストのカスタムオーディエンス
すでに自社と接点のある顧客へのアプローチを行う場合に有効です。
ターゲティングに使用できる顧客情報は、電話番号やメールアドレスのほか、FacebookアカウントのIDやAppleの広告用IDなどがあります。
なお、この方法はユーザーがFacebookに登録しており、アップロードした情報がFacebookアカウントと紐付けされていなければ実施できません。
ウェブサイトカスタムオーディエンス
自社のサイトなどにFacebookピクセルと呼ばれるコードを設置し、訪れたユーザーに対してアプローチをするターゲティング方法です。
リターゲティング(一度ページを訪問したユーザーに広告を再配信すること)にも活用できます。
エンゲージメントカスタムオーディエンス
自社Instagramアカウントに対して、投稿のシェアやコメント、動画再生といった特定の行動をとったユーザーに広告を配信するターゲティングの方法です。
関連記事:『Instagramの発見タブとは?3つの効果とメリットを解説』
アプリアクティビティカスタムオーディエンス
自社のアプリをインストールしたユーザーに対して広告を配信できます。
Facebook SDKというツールによってアプリ内での行動を計測し、特定のアクションを起こしたユーザーに対してアプローチを行います。
また、インストールしてはいるものの一定期間アプリを利用していないユーザーに広告を配信するといった使い方もされています。
類似オーディエンス
類似オーディエンスは、Instagram広告を運用し、成果があったユーザーと類似する特徴を持つアカウントに対して広告を配信するターゲティングの方法です。
類似の度合いを、広告主が設定できるのも特徴の一つ。
類似度は1%〜10%の範囲で指定します。
数字が小さくなるほどより類似度が上昇するため、1%に設定した場合にターゲティングの精度が最も高くなります。
ただし類似度を絞るほど配信ボリュームは減りますので、十分ご注意ください。
参考:『Facebook広告マネージャで類似オーディエンスを作成する方法 | Meta』
なお混同しやすいFacebook広告との違いについては、以下の記事で解説しております。
関連記事:『Instagram広告とFacebook広告の違いと特徴!成果を出す4つのポイント』
オーディエンスの自動化ツール(Meta Advantage)を使用する
前項で解説したターゲティング方法に加え、2022年から提供が開始されたオーディエンスの自動化ツール(Meta Advantage)を使用する方法もあります。
Meta Advantageは、AIの活用により自社にとって見込みのある顧客を発見した場合、オーディエンスを自動的に拡大し、広告のパフォーマンスを向上させます。
オーディエンスの自動化ツールには以下の4つがあります。
- Advantage+オーディエンス
- Advantageカスタムオーディエンス
- Advantage類似オーディエンス
- Advantage詳細ターゲット設定
Advantage+オーディエンス
Advantage+オーディエンスは、以下の大量な情報を利用して、自社と関連性の高いオーディエンスを探し、リーチします。
- 過去のコンバージョン
- ピクセルデータ
- 過去に配信した広告に対するアクション
また、オーディエンスを探し出すだけでなく、リーチしたいオーディエンスに関する情報を「オーディエンスの提案」として追加することも可能です。
広告のパフォーマンスが向上する可能性がある幅広いユーザーを検索対象とするため、他のAdvantageオーディエンス機能よりAIの力を引き出し、効果を得ることが期待できます。
参考:『Advantage+オーディエンスについて | Metaビジネスヘルプセンター』
Advantageカスタムオーディエンス
Advantageカスタムオーディエンスは、設定した目標達成が見込めた場合に、カスタムオーディエンスを配信の基準として、自社と接点を持つ顧客リスト内のオーディエンスを拡大し、リーチを増やします。
そのため、Advantageカスタムオーディエンスでは、自社の商品やサービスを比較検討しているより多くのユーザーへアプローチすることができます。
参考:『Advantageカスタムオーディエンスについて | Metaビジネスヘルプセンター』
参考:『エンゲージメントカスタムオーディエンスについて | Metaビジネスヘルプセンター』
Advantage類似オーディエンス
Advantage類似オーディエンスは、既に設定してある類似オーディエンスの類似度以外に広告効果が見込めた場合に、設定したオーディエンスの割合を拡大して、リーチを増やします。
より多くの既存顧客と類似するユーザーへリーチすることで、取り逃していた新しい見込み顧客や、コンバージョンに繋がりやすい顧客にアプローチすることができます。
参考:『Advantage類似オーディエンスについて | Metaビジネスヘルプセンター』
参考:『Facebookの類似オーディエンスについて解説』
Advantage詳細ターゲット設定
Advantage詳細ターゲット設定は、既に設定している興味関心・ユーザーの行動を拡大して、高い費用対効果を見込めるオーディエンスへリーチします。
これにより、今までリーチしていなかった新規顧客などへのアプローチが期待できます。
参考:『Advantage詳細ターゲット設定について | Metaビジネスヘルプセンター』
参考:『広告自動化ツールセット「Meta Advantage」でパフォーマンスをパワーアップ | Meta』
ターゲティングで広告運用を成功させるポイント
Instagram広告は、ターゲティングの設定によって成果が大きく左右されます。
ここでは、自社に合ったターゲティングの方法で効率良くユーザーに広告配信するためのポイントについて解説します。
推定オーディエンスサイズを活用する
推定オーディエンスサイズとは、作成したオーディエンスの設定と、広告の配信条件を掛け合わせて、どれぐらいのユーザーが対象になるのかを推定した人数を指します。
対象者を絞りすぎると必然的に配信数が少なくなり、範囲を広げすぎると成果につながりにくいユーザーにも配信されるためコストが大きくなります。
広告の配信時には必ず推定オーディエンスサイズをチェックし、対象人数と広告の成果の検証を行いましょう。
なお、推定オーディエンスサイズは、下記の要素で人数が決まり、リアルタイムで変動します。
- 広告のターゲット設定基準と配置。
- 過去30日間にFacebookアプリとサービスで広告を見た利用者の数。
- 利用者がFacebookアプリとサービス上で「いいね!」などのアクションを実行したコンテンツ。
- 年齢、性別など利用者が自己申告した利用者データ。
- 広告が表示される場所(例: Facebookフィード、Instagramストーリーズなど)。
参考:『推定オーディエンスサイズについて | Metaビジネスヘルプセンター 』
ペルソナを作り込む
ペルソナとは、商品・サービスを利用するユーザー像のことを指します。
自社のターゲットを象徴するような架空の人物を設定します。
年齢や性別、地域だけでなく趣味や志向、行動といった細かいところまで絞り込みができるInstagramの広告において、ペルソナの設定は必須です。
ペルソナに必要な要素の一例
- 名前
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 職業
- 通勤エリア
- 生活スタイル
- 学歴
- 家族構成
- 恋人・友人関係
- 趣味
- 収入
- 金銭感覚
- 悩み
上記を参考にリアルな人物像を作り込み、オーディエンスを作成する際の目安にしましょう。
たとえばペルソナの年齢設定が30歳なら、広告配信の対象年齢を前後5歳の25歳〜34歳にするといった活用ができます。
ペルソナは、「実在しそう」と思えるほど現実的な人物設定をすることが大切です。
ターゲティングだけでなく、広告のクリエイティブなどもその人物の気持ちを動かせるかどうかを基準にします。
ペルソナの作り方については、ぜひこちらの記事もぜひ参考にしてください。
関連記事: 『ペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイント3選!』
複数のターゲット設定を試してみる
Instagram広告では複数のオーディエンスを作成し、保存できます。
たとえば同じ広告でも、複数のパターンで配信を試してみることで、より自社にマッチしたターゲティング設定が把握できるようになるでしょう。
ユーザーの属性や興味・関心などで絞り込めるため、つい細かく設定してしまいますが、あまり範囲を狭めすぎないようにしましょう。
たとえば、キャンプ用品の広告を配信する際、興味・関心で「キャンプ」を設定するのではなく、あえて一段階前の「アウトドア」に留めておくことで、アウトドアに興味があるなかから購入の見込みが高いユーザーにリーチする可能性があります。
また、対象となるユーザーの母数が少ないと、運用の自動最適化機能の精度を高めるための学習データが収集できない、入札の競争率が上がりクリック単価やインプレッション単価が高騰するといったデメリットもあります。
ターゲティング成功事例
引用:『株式会社ツヴァイ | Meta』
結婚相手紹介サービスの「ツヴァイ」では、新規会員獲得を目的に資料請求を促すキャンペーンを実施しました。
ツヴァイの重要なターゲットとなる若年女性へアプローチするためInstagramストーリーズ広告を活用しました。
年齢や結婚歴に応じたターゲティングにより、ユーザーに合わせて最適なメッセージの訴求を行いました。
加えて、ストーリーズ広告・ストーリーズカルーセル広告を活用して、サービスの世界観を伝えコンバージョン効率の向上を目指しました。
その結果、クリック率は63%向上、クリック単価は43%抑制させることができました。
参考:『株式会社ツヴァイ | Meta』
まとめ
Instagram広告は、細かなターゲティングが可能だからこそ、上手に使いこなせばコストを抑えながら自社にマッチしたユーザーに配信することが可能です。
また、広告の形式も、フィード広告をはじめ、ストーリーズ広告、リール広告、発見タブ広告など種類が豊富です。
自社のリソースで運用が難しい場合は、Web広告の代理店に相談するのもひとつの方法です。
この記事を読んで、Instagram広告の最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
弊社ではInstagram広告運用代行というサービスを展開しております。
Instagram広告の運用経験を豊富に蓄積している他、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。
蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。
また、薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。