アクセス解析は、Webサイトの訪問者の行動を測定・分析することで、ユーザー体験とビジネス目標を最適化することを目的とした分析方法です。
具体的にはWebサイトの構造を理解し、トラッキングが正しく設定されているかを確認するとともにWebサイトのトラフィックやコンバージョンの量を把握後、最後に訪問者の属性や行動を理解することが重要です。
2022年にナイル株式会社がWebサイト担当者を対象に行った調査では、57.8%がGoogleアナリティクス4を導入している事が明らかになっています。
取得した情報を活用することで、Webサイトの改善に繋げることができます。
本記事では、アクセス解析の基本や必要なツールポイントを解説していきます。
参考:『GA4導入状況に関するアンケート調査【2022年7月実施】』
関連記事:『【初心者向け】アクセス解析の用語15選!マーケティングの基本を解説』
Contents
アクセス解析とは
アクセス解析とは、Webサイトにアクセスしてきたユーザーの情報や動向を取得して分析することです。
これにより、Webサイトやブログへの集客やコンバージョン数を最大化するための施策を立てることができます。
具体的には、以下の情報を把握することができます。
- どのページが多く閲覧されているか
- どのようなユーザーがアクセスしているか
- どのようなキーワードでアクセスされているか
- どのようなデバイスが使われているか
アクセス解析は、Webマーケティングにおいて成果を出すために重要な工程となっています。
サイト統計サービス「Built With」によると、サイトのトラフィック上位10,000件中では86.0%がアクセス解析ツール(Google Analytics)を導入している(2020年4月時点)ことがわかっています。
また株式会社サイクルハンターの場合、アクセス解析を行いサイトをリニューアルしたところ、毎月の問い合わせ件数が30件から約250件と9倍近く急増し、PVも3〜4倍に増加しました。
以上のように、アクセス解析によって得られた情報を分析することで、Webサイトやアプリの改善につなげることができます。
参考:『Google Analytics ってどれくらいのサイトで導入されているの? | アクセス解析あれこれ | Access Reporter™』
参考:『事例紹介 – アクセス解析でビジネスチャンスを創造、スポーツ自転車買取の「サイクルハンター」』
アクセス解析でできること
アクセス解析を行うことで主に以下の4つを把握し、施策に活かす事が可能です。
ユーザーの属性と行動を把握できる
アクセス解析では、訪問者の属性情報(年齢や性別、地域など)や行動情報(ページビュー数、滞在時間、訪問頻度、離脱率など)を把握することができます。
これにより、サイトに訪れるユーザーがどのようなニーズや関心を持っているかを知ることができ、それに合わせた施策やコンテンツの改善を行うことができます。
パナソニック株式会社の事例
引用:『パナソニック株式会社』
例えば、パナソニック株式会社は、アクセス解析ツールを使用して、購入意向の高いユーザーを分析し、似た特性を持つユーザーを見つけ出し、その情報をマーケティングに活用しました。
その結果、広告のクリック率が1年で3倍に増加し、サイトに訪れたユーザーの直帰率を半減させることができました。
参考:『Google マーケティング プラットフォーム 日本版 公式ブログ: 活用事例』
アクセス解析でユーザーの属性情報や行動情報を収集する場合は、主にCookieによるトラッキングを使用します。
Cookieによるトラッキングの仕組み
Cookieは、ユーザーがWebサイトを訪問した際にブラウザに保存される情報のことで、ユーザーが同じWebサイトに再度アクセスした際に、Webサイト側がクッキーを読み込むことで、ユーザーが以前に行った行動を記録することができます。
これにより、ユーザーの滞在時間、訪問ページ、離脱率、コンバージョン率などの情報や、属性情報の収集が可能です。
上記の画像のように、訪問先のWebサイトから発行されるCookie情報を「ファーストパーティクッキー」と呼びます。
ただ、Googleによると2024年後半にはCookieが段階的に廃止されるといわれています。
Cookieに代わる新たな技術の開発が進んでいるという情報もあるため、今後の動向を注視する必要があります。
Cookieについて詳しく知りたい方は以下記事も合わせてご覧ください。
関連記事:『Cookieは同意すべき?4つの種類とWebサイトへの影響とは』
参考:『GoogleによるCookieの利用方法–ポリシーと規約–Google』
参考:『Google Japan Blog: Web向けプライバシー サンドボックスのテスト期間延長について』
参考:『Webトラッキングとは?仕組みや活用事例をわかりやすく紹介!』
サイトの問題点を把握できる
アクセス解析を行うことで、サイトの問題点を把握することができます。
例えば、滞在時間が短いページや離脱率が高いページ、コンバージョン率が低いページなどは、改善が必要なポイントとなります。
また、アクセス解析を継続的に行うことで、サイトの変化や改善の効果を把握することもできます。
APMEXの事例
引用:『APMEX』
例えば、金や貨幣をオンラインで購入できる貴金属小売店「APMEX」は、アクセス解析ツールを使用して、バッファロー銀貨を入れたままショッピングカートを放棄したユーザーのリストを作り、サイトに再訪問した場合には最初にバッファロー銀貨を表示するようにしました。
その結果、バッファロー銀貨のコンバージョン率が2倍になりました。
参考:『アナリティクスのテクノロジーと連携機能 – アナリティクス』
参考:『Google マーケティング プラットフォーム 日本版 公式ブログ: 活用事例』
PDCAを回せる
アクセス解析は、PDCA(Plan,Do,Check,Act)サイクルの中で、計画(Plan)とチェック(Check)に当たります。
PDCAとは、業務遂行時により良い結果を得るため、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)を繰り返すサイクルのことです。
【Plan】
アクセス解析を用いることで、どのページがアクセスされ、どのようなページを設置する必要があるかという情報を収集することができます。
さらに、ユーザーがどのような行動を取るのか、どのような検索ワードでアクセスしているのかなど、ユーザーの行動に関するデータを基に、今後の計画を立てることができます。
例えば、ページビューが多いページに広告を掲載する、ユーザーの嗜好に合わせたコンテンツを制作するなど、より効果的なWebサイト運営の計画を立てることができます。
【Do】
計画に基づいて、Webサイトに変更を加えます。
具体的には、Webサイトのレイアウトの変更、コンテンツの追加、広告の掲載などです。
この時にも、アクセス解析を利用し、どのような変更が効果的であるかを判断することができます。
【Check】
アクセス解析によって得られるデータを基に、変更がどのように影響したかをチェックします。
例えば、ページビュー数やコンバージョン率が増えたかどうかを確認することができます。
【Action】
チェックの結果、効果的でなかった変更については、再度計画を立てて改善します。
また、効果的であった変更については、さらに改善を加えたり、他のページにも同じような変更を加えたりすることで、より効果的なWebサイト運営を目指します。
以上のようにアクセス解析によって得られたデータを元に、改善施策を計画し実行して、再度アクセス解析を行うことで効果をチェックし、PDCAサイクルを回すことができます。
このように、アクセス解析を通じて、PDCAサイクルを回すことで、サイトの改善や効果の最大化を図ることができます。
参考:『PDCAサイクル(ピーディシーエー)|グロービス経営大学院 創造と変革のMBA』
参考:『Googleマーケティングプラットフォーム日本版公式ブログ:事例紹介–Webサイトのリニューアルを成功へ導いた「WWFJapan」のアクセス解析への取り組み』
アクセス解析の代表的な指標
またアクセス解析を行う際は、以下の指標を分析することでWebサイトの改善点やユーザーのニーズを把握することができます。
- ページビュー数(PV):サイトの特定ページが閲覧された合計回数。
- セッション数:ユーザーがサイト内で行う一連のアクションを含む一定期間の訪問数。
- ユニークユーザー数(UU):サイトに訪れた異なるユーザーの数。
- 回遊率:サイト内で複数のページを閲覧するユーザーの割合。
- 離脱率:ユーザーがサイトを離れる前にアクションを起こさずに離脱する割合。
- 直帰率:サイトの1ページ目を閲覧した後に離脱するユーザーの割合。
- コンバージョン率(CVR):特定の目的(例えば商品購入)を達成するために必要なアクションを起こしたユーザーの割合。
関連記事:『おすすめの広告効果測定ツール5種類!分析可能な項目もご紹介』
アクセス解析に必要なツール
ここからはアクセス解析に必要なツールを紹介します。
Googleアナリティクス4
引用:『お客様のビジネスに適した分析ツールとソリューション-Googleアナリティクス』
Googleアナリティクス4は、Googleが提供するアクセス解析ツールで、自社のWebサイトやアプリに訪れたユーザーのトラフィックデータを分析し、レポートやダッシュボードを生成することができます。
Googleアナリティクス4を利用することで、主に以下のような情報を収集することができます。
- Webサイト、アプリのトラフィック情報(イベント数、スクロール数、離脱クリックなど)
- 検索エンジンからのトラフィック情報(Google、Bingなど)
- ユーザーの行動情報(イベント数、平均エンゲージメント時間、維持率など)
- ユーザーのデモグラフィック情報(年齢、性別、言語、地域、インタレストカテゴリなど)
- ユーザーの環境情報(デバイス、ブラウザ、OS、画面の解像度など)
- 機械学習によるユーザーの行動履歴や行動予測
Googleアナリティクス4は無料で利用できますが、高度な機能を利用する場合は有料のアップグレードが必要となります。
参考:『アナリティクスのテクノロジーと連携機能 – アナリティクス』
参考:『[GA4] 次世代のアナリティクス、Google アナリティクス 4 のご紹介』
シミラーWeb
引用:『競合、市場、マーケティングチャネルの分析プラットフォーム | シミラーWeb』
シミラーWebは、自社や競合他社のWebサイトのトラフィックやコンテンツの傾向、キーワードなどの情報を分析し、自社のWebサイトやマーケティング戦略の改善に役立てることができます。
シミラーWebを利用することで、主に以下のような情報を収集することができます。
- Webサイトのトラフィック情報(セッション数、ユーザー数、ページビュー数など)
- SNSからのトラフィック情報(Facebook、Twitter、Instagramなど)
- 検索エンジンからのトラフィック情報(Google、Bingなど)
- 競合サイトのトラフィック情報
- 競合サイトのSEO情報(トップキーワード、ランキング、バックリンクなど)
- 競合サイトの広告情報(AdWords、Display、Videoなど)
これらの情報は、シミラーWebの無料バージョンでも取得できますが、プレミアムプランではより詳細なデータが提供されます。
参考:『Web サイトのトラフィック – Web サイトのチェックと分析 | 類似Web』
ヒートマップツール
引用:『User Insight | ヒートマップ機能を搭載したアクセス解析ツール(ユーザーインサイト)』
ヒートマップツールは、Webページ上でのユーザーの行動を視覚的に表現するツールです。
ユーザーのクリック、スクローラー、マウスの移動などの情報を収集し、それらの情報をヒートマップとして表示することができます。
ユーザーの行動パターンを把握することで、Webページの改善点を見つけることができます。
ヒートマップツールを使用することで、主に以下の情報を取得することができます。
- クリック情報(ユーザーがどの箇所をクリックしたか、何回クリックしたか)
- スクロール情報(ユーザーがどの程度スクロールしたか、どの箇所までスクロールしたか)
- マウスの動き情報(ユーザーがマウスをどのように動かしたか、どの箇所にカーソルを合わせたか)
- コンバージョン率(特定のページやコンテンツがどれだけのコンバージョン率を持っているか)
- 離脱率(どのページから離脱する割合が高いか)
- ユーザーのデバイス情報(デバイスごとのクリック数やスクロール深度などの違い)
参考:『ヒートマップとは? | 無料ヒートマップ解析ツール User Heat』
関連記事:『ヒートマップを用いた分析手法は?4つのポイントとツールを解説』
Webクローラーツール
引用:『スクレイピング | Webクローラー | Octoparse』
Webクローラーツールは、インターネット上のWebページを自動的に巡回し、情報を収集するツールで、Webサイトの改善や競合分析、SEO対策などに使用されます。
キーワードやURLを指定して、関連するWebページを収集することができます。
Webクローラーツールを使用することで、主に以下の情報を取得できます。
- ページタイトルやメタデータ(説明文、キーワードなど)
- テキストや画像、PDFファイルなどのコンテンツ
- HTMLタグの属性(href、src、class、idなど)
- リンク先URLやページタイトル
- テーブルのデータやCSVファイルの内容
- フォームデータやボタンのクリックイベント
- JavaScriptを含むコンテンツ
参考:『Webスクレイピングツール – 機能一覧 | Octoparse』
アクセス解析4つのポイント
KGIとKPIを設定する
アクセス解析をマーケティングに活用するには、最初にビジネスの目的や指標を明確化する必要があります。
例えば、ECサイトの売上を伸ばしたいのであれば、どの数値を伸ばす必要があるかなどです。
目的に応じて、追うべき指標も異なるため、ただアクセス解析をするのではなく、自社サイトの課題は何かを見つける必要があります。
KGIとKPIとは
ビジネスの目的や指標を明確化する上で重要となるのが「KGI」と「KPI」の設定です。
それぞれを簡単に説明すると、KGI(Key Goal Indicator)はビジネスの最終目標であり、KPI(Key Performance Indicator)はその目標を達成するための指標です。
例えば、ECサイトのKGIとして「商品購入率を20%増やす」という目標を設定した場合、その目標を達成するためにKPIとして「コンバージョン率10%向上」「月間サイト訪問者数1万人以上」などの指標を設定します。
KGIとKPIの設定方法
KGIとKPIを設定する際には、以下の手順を実施します。
①ビジネス目的を明確にする
まず、ビジネスの目的やビジョンを明確にします。
②KGIを設定する
ビジネス目的を達成するために必要な目標(KGI)を設定します。
以下にKGIの具体例を挙げます。
- 売上を増やす
- 認知度を高める
- リード獲得数を増やす
- 広告収入を増やす
③KPIを設定する
KGIを達成するために必要な目標(KPI)を設定します。
以下にKPIの具体例を挙げます。
- 売上を増やす→「コンバージョン率を向上させる」「カート到達率」
- 認知度を高める→「サイト訪問者数を増やす」「検索上位表示回数を増やす」
- リード獲得数を増やす→「詳細ページ閲覧数を増やす」「フォーム送信数を増やす
- 広告収入を増やす→「クリック率を向上させる」「ページビュー数を増やす」
④達成度の測定と改善
アクセス解析ツールを使用して設定したKGIやKPIの達成状況を定期的に測定し、情報を収集します。
達成されていない場合は、改善策を検討・実行しPDCAサイクルを回します。
例えば、コンバージョン率を向上させるために、商品の表示方法や手続きの工程を改善するなどの施策を行うことができます。
KGIとKPIを設定することで、マーケティング目標の達成度を明確に把握し、ビジネスの成果を最大化するためのマーケティング施策を実行することができます。
注意点
KGIやKPIを設定する際は、「SMARTの法則」を意識しましょう。
SMARTとは以下の5つの単語の頭文字を取った、目標設定に役立つフレームワークです。
- Specific(具体的):具体的な目標であること
- Measurable(計測可能):計測可能な数値目標であること
- Achievable(達成可能):現実的かつ達成可能であること
- Relevant(関連性がある):ビジネス目的・KGI・KPIの間に関連性があること
- Time-bound(期限がある):目標を達成する期限を設定すること
SMARTの法則を意識してKGIやKPIを設定することで、目標がより具体的になり達成度を把握しやすくなります。
参考:『KPIとは?設定方法や手順、KGIとの違いを具体例つきでわかりやすく解説 | ビジネスチャットならChatwork』
ユーザーの行動プロセスを分析する
引用:『Google マーケティング プラットフォーム – 広告と分析の統合』
アクセス解析を行うことで、自社のWebサイトにアクセスしたユーザーの行動プロセスを分析することができます。
例えば、以下のような仮説が立てられます。
- 訪問者数やPV数が少ない→SEOや広告宣伝に問題がある
- 直帰率が高い→ユーザーのニーズを十分に満たせていない
- 購入手続きページの離脱率が高い→購入手続きが複雑でわかりにくい
ただし、Webサイトの種類によっては、PV数や滞在時間が少なくても問題がない場合もあります。
最も重要なのは、自社サイトにアクセスしたユーザーの行動が意図したものに近いかどうかです。
もしユーザーが意図しない行動をとっている場合は、Webサイトに何かしらの改善点がある可能性があります。
関連記事:『Webページの表示速度を上げる改善策7選!計測方法も紹介』
目標の達成につながる場所を改善する
Webサイトの改善においては、設定した目標(KPI)の達成につながるページを中心に改善することが重要です。
例えば、コンバージョン率を向上させたい場合は、ページビュー数が多いページや検索結果上位に表示されるページの改善を検討しましょう。
細かい数値やサイト訪問者数が少ないページを改善しても、KPIを達成することは難しいです。
Webサイトを改善する際は、KPIを念頭において最も効果的な箇所を改善していきましょう。
参考:『アクセス解析でわかることを解説!マーケティングでアクセス解析を行う目的は?アクセス解析を有効活用するポイントも紹介します』
過去のデータとの比較・分析
アクセス解析結果を過去のデータと比較してみましょう。
日々のアクセス数を常に追っていると数値の小さな増減に一喜一憂して、長期的な動向や変化を見逃してしまう恐れがあるからです。
例えば、1日あたりのアクセス数が増えているのはいいことですが、それが単なる一時的な流入だけで、実際にコンバージョンにつながっていない場合は、目標のKPI達成にはつながらないかもしれません。
過去のデータと比較することで、アクセス数やコンバージョン率の傾向を把握し、その変化が何によって引き起こされたのかを考えることができます。
また、ある期間のデータを分析することで、特定のキャンペーンや施策の効果を把握することができます。
参考:『期間を選択して比較する – アナリティクス ヘルプ』
アクセス解析の成功事例
引用:『WWFジャパン』
WWFJapanは、自然保護や地球環境の保全を支援する世界的な団体で2009年に大規模なWebサイトのリニューアルを行いました。
このリニューアル前後で、Google Analyticsによるアクセス解析が徹底的に行われ、会員の入会数や寄付の申し込み数が、リニューアル前の半年間と比較して約2倍に増加しました。
その間、セッション数やユニークユーザーの増加はほとんどなかったとのことです。
以下は主な指標の変化です。
コンバージョン
- コンバージョン数(会員の入会)+105.20%
- コンバージョン数(寄付+79.41%
- コンバージョン数(キャンペーン)+129.71%
訪問数
- セッション数+7.58%
- ユニークユーザー数+8.15%
コンテンツ利用状況
- ページビュー+3.77%
- 平均ページビュー-3.55%
- サイト滞在時間-0.73%
- 直帰率-1.38%
アクセス分析は、以下の3つの手順で行われました。
参考:『WWFジャパン』
①改善の方針
まず、サイト全体を分析したところ、サイト訪問者数が多いのにコンバージョンが少ないということが判明しました。
そこで、新しい新規ユーザーを呼び込むのではなく、現在のサイト訪問者を維持しながらコンバージョン率を向上させる必要があるという判断になりました。
②アクセス方法の分析
次に、閲覧開始ページの分析を行い、サイトのアクセス方法とユーザータイプが2つに分かれていることが分りました。
1つ目のタイプは、「WWF」というキーワードで検索してサイトトップページにアクセスする訪問者で、2つ目のタイプは、ニュースサイトなどのリンクからアクセスする動物や地球環境に関心のあるユーザーです。
③サイト内遷移の分析
次に、それぞれのアクセス方法のサイトページからのボトルネックを調査しました。
トップページからアクセスしたユーザーは、寄付の説明ページまでは進むが、その先の申し込みに進む数が極端に少ないことがわかりました。
一方、ニュースサイトなどのリンクからアクセスしたユーザーは、直帰率が高いということがわかりました。
以上の分析結果から、以下の3つの改善ポイントが見つかりました。
- トップページのラベリングの改善を行う
- 寄付の説明ページのわかりやすくする
- 他サイトから、サイト内へ誘導するリンクの関連性を強化する
これらを改善した結果、前述したように会員の入会数や寄付の申し込み数が倍増し、コンバージョン率が向上しました。
参考::『Googleマーケティングプラットフォーム日本版公式ブログ:事例紹介–Webサイトのリニューアルを成功へ導いた「WWFJapan」のアクセス解析への取り組み』
まとめ
この記事を読んで、アクセス解析が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionは、複数の自社メディアを運用しており、具体的な数値と仮説に基づいた改善を続けています。
Web広告運用のご相談と併せてLPの制作・改善相談も承っております。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。