新規の顧客を獲得する際の有用な施策の1つにGoogle広告があります。
Google広告は簡単に導入でき、かつ広告掲載者の様々なニーズに対し柔軟に対応できる施策であるため、導入を検討している方も多いのではないでしょうか。
その一方で、導入する際、次のような不安をお持ちではありませんか。
- 予算は具体的にいくらぐらいに設定すればいいの?
- 広告費ってどのように計算されるの?
チラシや看板などと比較し、一件設定や料金体系が複雑に見えるGoogle広告に不安を感じ、導入ハードルが高いと思う方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、Google広告は上手く使えば強力なサービスであり、また予算の調節をしやすい施策です。
当記事では、コストパフォーマンスに優れたGoogle広告の予算設定方法と、予算を最大限活用するためのチェックポイントを3点紹介します。
関連記事:『Googleリスティング広告で効果を上げるための10のポイント』
Contents
Google広告とは
Google広告とは、検索エンジンやアプリ、YouTubeなどにオンライン広告を掲載するサービスです。
- Webサイトへのアクセスを促進
- お問い合わせ電話件数の増加
- 実店舗の来店数を増加
これらの広告掲載者の様々な目的に対しアプローチすることができます。
Google 検索では、沢山の人達が自分の必要なものを検索しています。Google 広告は、お客様の商品やサービス等に関連する検索が行われた時に広告を表示することができます。
Google広告の特徴
Google広告は低価格で広告を掲載できることや、広告の管理ページが使いやすい点など様々な特徴がありますが、最大の特徴は掲載元サービスのユーザー数が他の広告と比較し圧倒的に多い点です。
Google広告はGoogle検索をした際のリスティング広告や、YouTubeを視聴する際に動画の最初や途中に組み込まれるTrueViewインストリーム広告など様々な方法で掲載されます。
Google検索を使用するユーザー数やYouTubeで動画視聴をするユーザー数はそれぞれの類似サービスと比較しシェア率が高く、Google広告は多くのユーザーに対しアプローチすることができます。
検索エンジンシェアでGoogleはトップ
参考:『Desktop Search Engine Market Share Japan』
statcounter GlobalStatusの調査によると、2022年6月から2023年5月までのPCにおける検索エンジンの国内シェア率はGoogleが72.33%で、4分の3以上のユーザーがGoogle検索を使用していることが分かります。
2位のbingが16.76%、3位のYahoo!が9.86%であることからGoogleは他の検索エンジンの追随を許さないシェア率を誇っていることが分かります。
関連記事:『Google広告6種類を解説!特徴に合わせて配信を最適化』
YouTubeの認知度・利用率も競合に比べて優位
参考:『YouTube認知率96.5% 利用率約7割:投稿は10~20代で1割程度』
また、NTTドコモモバイル社会研究所が2022年にスマホ・ケータイを所有している15歳から79歳を対象に行った無料動画サービスに関するアンケートでは、YouTubeは認知度96.5%とほとんど全員が認知しているという結果になりました。
また利用率に関しても65.2%と高い水準にあることが分かりました。
利用率に関しては2位のTVerが16.4%であることから、無料動画サービスの中で認知、利用率、両方においてYouTubeが優位であることがわかります。
Google検索に広告を掲載する場合であっても、YouTubeに広告を掲載する場合であっても、双方とも国民の半分以上がユーザーであるサービスであるため、多くのユーザーに情報を伝えることができます。
ただ、ユーザー数が多いからこそ年齢や性別、地域などで細かくターゲティングを行い、広告を表示する効果の高いユーザーを絞り込む必要があります。
関連記事:『ターゲティング広告とは?6種類と仕組みをわかりやすく解説!』
課金方式
それでは、Google広告において広告にかかる費用はどのようにして決められるのでしょうか。
Google広告ではユーザーが検索エンジンに入力したキーワードに対し、それに関連した広告が掲載される仕組みになっています。
そのため、広告を掲載する際に、キーワードとマッチタイプを設定する必要があります。
マッチタイプとは
引用:『キーワードのマッチタイプについて』
マッチタイプとは、広告掲載者がキーワードに対し、どの程度の関連性で広告を表示するかを選択できる設定です。
具体的には、
- インテントマッチ
- フレーズ一致
- 完全一致
から選択することができます。
掲載順はオークションで決定
引用:『Google広告ヘルプ オークション』
ユーザーが検索をした際、広告オークションが行われ、設定したキーワード、マッチタイプに該当した広告の中で、入札単価、広告の品質、ユーザーの検索状況などを加味し、算出された広告ランクが高い順番で広告が表示されます。
Google広告には、大きく2種類の課金方式があります。
- クリック(CPC)課金型
- インプレッション(CPM)課金型
上記した2種類の課金方式について解説します。
クリック(CPC)課金型
クリック課金型では、ユーザーが広告をクリックするごとに広告費が発生します。
そのため、広告掲載者が支払う金額は、以下の式に数値を代入することで算出することができます。
クリック課金型はリスティング広告で多く用いられる課金方式です。
広告における1クリックあたりの広告単価は、設定した入札単価とは異なることがあります。
なぜなら、広告単価は掲載順位が1つ下の競合相手の広告単価を最低限上回る金額のみが請求されるからです。
Googleの広告オークションにおける入札単位は1クリックあたりの予算限度額を意味し、それを用いて競合相手とオークションをするイメージです。
相手が限度額より1単位(日本なら1円)でも大きな金額を提示すれば競り落とすことができるため、こういった金額請求になります。
例えば、広告ランクにおける、入札単価以外の条件が全く同じ競合相手がいる場合を想定します。
自社の入札単価が100円、競合相手の入札単価が10円だった場合、自社が1クリックに対し支払う金額は11円になります。
引用:『Google広告ヘルプ 実際のクリック単価(CPC)』
また、入札単価を設定する際に役立つツールにGoogle広告のキーワードプランナーがあります。
キーワードプランナーを参考に入札単価を決定
引用:『Google広告』
赤枠で囲んだ部分がキーワードにおけるページ上部に表示された広告の入札単価のうち高額帯と低格帯を示しています。
もちろんこれに準じて金額を設定すればうまくいくというわけではありませんが、金額設定をする際の判断基準の1つとして使用してください。
また、Google広告には、1日の平均目標予算を設定することで、その予算内で最大限のクリックを獲得できるように、入札単価を自動的に調整する機能があります。
さらに、キーワードごとに入札単価を設定するだけでなく、キーワードを複数集めて構成した広告グループごとに入札単価を設定することもできます。
引用:『上限クリック単価』
これらの機能を活用することは、より効果的な広告運用につながります。
関連記事:『リスティング広告のクリック単価改善方法【CPCの相場についても紹介】』
インプレッション(CPM)課金型
インプレッション課金型とは、広告が1,000回表示されるごとに課金される仕組みです。
そのため、広告掲載者が支払う金額は、以下の式に数値を代入することで算出することができます。
ディスプレイ広告でよく使用される課金方式です。
関連記事:『ディスプレイ広告とは?GDNとYDAの5つの違いを解説』
クリック型とインプレッション型による入札競合が生じた場合
クリック型とインプレッション型で入札競合が生じた場合、同一条件で比較する必要があるため、1,000回視認された場合のクリック数をGoogle側で推定し、掲載順位を判断します。
そのクリック数におけるクリック広告の入札単価と、インプレッション型広告における1,000回視認された場合の入札単価を比較し、高いほうの広告掲載順位が上になります。
引用:『Google広告ヘルプ インプレッションに基づく入札について』
Google広告を使用する際の注意点
Google広告は掲載元であるGoogleやYouTubeなどのユーザー数が多く、かつ課金方式も複数ある非常に魅力的なサービスです。
しかしながら、魅力的であるがゆえに競合相手が多い点に注意しなければなりません。
運用型広告費の約半分がGoogleへの出稿
参考:『インターネット運用型広告の出稿先50%がGoogle、年間で広告費400億円分』
広告運用のデータ収集を支援するサービス「HARBEST(ハーベスト)」を提供する株式会社EVERRISEの2018年の調査によると、インターネット広告媒体費の多くを占める「運用型広告費」計801億円分のうち、約50%に当たる、401億7,000万円がGoogleへの支払いであったことが明らかになっています。
順位 | 企業名 | 広告費 | 割合 |
1 | 401億7000万円 | 50.0% | |
2 | Yahoo! | 174億3000万円 | 21.7% |
3 | 135億6000万円 | 16.9% | |
4 | 58億3000万円 | 7.3% | |
5 | Criteo | 10億7000万円 | 1.3% |
Google広告を導入する際は、このように競合相手が多いことに留意し、競合の少ないキーワードを設定したり、入札単価を引き上げるなどして対応する必要があります。
一方で、Googleには競合相手が多い状況でも広告効果を出せる様々な機能があります。
例えば、GoogleのAIがコンバージョンを達成する可能性が高いと判断したときに、入札単価を引き上げる拡張クリック単価や、時間や方法などに応じて広告の表示頻度を調整する入札単価調整などがあります。
引用:『拡張クリック単価(eCPC)について』
引用:『入札単価について』
これらの機能を効率よく使用し、Google広告の広告効果を高めましょう。
関連記事①:『スマホ向けリスティング広告の特徴と成果を出す10の方法!』
関連記事②:『6種類の主要媒体の広告費用の目安!広告予算の決め方まで徹底解説!』
予算の決定方法
設定した広告単位で広告を運用する際、広告の月ごとの予算はどのように決めればいいのでしょうか。
広告の予算を決定する方法は大きく3種類あります。
- 目標から逆算することで決定する方法
- クリック数や視認数を基準に算出する方法
- おおよその予算をもとに代理店に相談し決定する方法
目標から逆算することで決定する方法
先述した通り、Google広告を使用する目的は様々です。
明確な数値目標をもってGoogle広告を使用しようと考えている場合、そこから逆算して達成しうる予算を計算することができます。
例えば売上の増加が目標である場合、クリック型課金を用いて広告運用をするときの計算式は以下のようになります。
売上目標が月30万円、クリック単価100円、成約率5%、客単価2000円のビジネスをしている場合、「100÷0.05×(300,000÷2000)=30万円」となり、設定する月次予算額は30万円になります。
また、問い合わせ件数の増加が目標である場合であれば、以下のような計算式になります。
目標件数が月50件、クリック単価100円、成約率5%のビジネスをしている場合、「100÷0.05×50=10万円」となり、設定する予算額は10万円になります。
このように、目標としている数値が具体的である場合、そこから逆算して月ごとの広告費を算出することができます。
関連記事:『リスティング広告のCPA改善方法7選!【業種別の平均CPAを徹底解説】』
目標とするクリック数を基準に算出する方法
クリック数を基準に算出する方法は、目標から逆算し算出する方法と比べ、簡単に取り入れることができます。
上でも述べた通り、Google広告のキーワードプランナーを用いることでクリック広告のおおよその相場を把握することができます。
Google広告の運用をスタートする前に1ヶ月間でどれくらいクリックしてほしいのか決定し、それに基づいて予算を設定します。
例えば、月間100クリックを目標とし、キーワードプランナーで確認したおおよその相場が100円だった場合、「100クリック×100円=1万円」となるため、予算額は1万円と設定すればよいということになります。
こちらは導入が簡単ではあるものの、目標としている新規顧客の獲得やユーザーからの問い合わせを1件獲得するためのCVRなど、本来考慮する必要のある部分を省略している側面があります。
スタート時の予算設定としては有用かもしれませんが、長期的に考えた際に、知見が蓄積され、各数値が把握できている場合は、目標から逆算する算出方法にシフトすることが望ましいです。
関連記事:『リスティング広告のクリック率が向上するキーワード選定方法5選!』
おおよその予算をもとに代理店に相談し決定する方法
ここまで読んで、Google広告の運用は難しいと感じた方や、工数がかかると感じた方は、おおよその予算を設定したのち代理店に相談することをおすすめします。
上で説明した予算面での設定以外にもGoogle広告の運用するには以下のような工数がかかります。
- 広告アカウント、広告グループの作成
- 広告のキーワード選定
- 広告目標、予算の設定
- 遷移先のWebサイト、広告素材の準備
- 広告入稿、配信
- 広告の分析、予算調整
- 広告クリエイティブの改善、LPO
自社で広告運用をすることと比べ、コストはかかってしまいますが、データと経験に基づいた適切な広告運用で自ら広告運用をすることと比べ失敗のリスクを格段に抑えることができます。
一般的にリスティング広告を代理店に委託し運用する場合にかかるコストは20万円から50万円と言われており、中には最低出稿金額が110万円と設定している代理店も存在します。
コストはかかってしまいますが、安心して広告運用を行うためには有用な施策です。
また、予算面でそこまで大きなコストをかけられない方は、当社Unionにご相談ください。
リスティング広告の最低出向額は11万円からと相場と比べ、かなり低予算から始められます。
広告効果に関するレポートも1日1回から送らせていただくことが可能です。
またSNSをはじめ各種オンライン広告にも精通しているため、目標達成に向けた最適な運用方法を提案します。下のリンクから是非1度ご相談ください。
参考:『リスティング広告運用代行【Uniteo】継続率95%』
関連記事:『成果報酬型リスティングサービスとは?4つの特徴を徹底解剖』
コストパフォーマンスを高めるために注意すべき3点
決められた予算を最大限活用するために、無駄な費用をカットし、より効果の高い広告になるようにPDCAサイクルを回す必要があります。
その際、特に注意しなければならないポイントについて解説します。
除外キーワードを設定すること
引用:『Google広告』
除外キーワードを設定すると、特定の検索語句を広告の表示対象から除外し、商品やサービスに関連する重要なキーワードを検索したユーザーにのみ広告を表示することができるようになります。
例えば、食器の「グラス」を販売している場合、「サングラス」や「グラスファイバー」といった食器と関連性のないフレーズは除外キーワードとして追加しておく必要があります。
引用:『Google広告 除外キーワードについて』
また、関連性のあるキーワードであっても、目的としている、Webサイトへのアクセスや電話件数などにつながっていない場合、除外キーワードとして設定することで効果アップにつながることもあります。
関連記事:『検索連動型広告とは?仕組みと運用開始までの12のステップを解説』
ユーザー属性などでターゲティングを行う
引用:『Google広告』
Google広告の魅力の1つにユーザーの性別や年齢、地域などで細かくターゲティングできる点があります。
例えば化粧品など女性をターゲットとした商品の広告を男性に表示したり、飲食店などであまりにも店舗と距離が離れているユーザーに対し広告を表示しても効果は期待できず、無駄なクリックによる余計なコストがかかってしまいます。
先述した通り、Google広告の掲載策であるGoogle検索やYouTubeなどはユーザー数が多く1つのターゲティングミスが大きな出費につながってしまうことも考えられます。
余計なコストを抑えるために、適切なターゲティングは意識して行うようにしましょう。
その際、効果が期待できる層をターゲットから外さないように注意する必要があります。
Googleアナリティクス等を活用し、顧客となるユーザー層を確認したうえでターゲティングを行うようにしましょう。
GoogleアナリティクスとGoogle広告をリンクさせる方法については以下のサイトを参考にしてください。
参考:『Google 広告とアナリティクスをリンク / リンク解除する』
関連記事:『Looker Studioでアナリティクスレポートを作る3つのメリット』
広告の品質を高める
上述した通り、Google広告の掲載順位は入札単価だけでなく広告の品質やユーザーの所在地などを加味して算出された広告ランクによって決定されます。
つまり、広告の品質が高いほど費用が抑えられ、広告の掲載順位が高くなり、広告効果が高まります。
引用:『広告の掲載順位とランクの仕組み』
関連記事:『CTRを高める施策!レスポンシブ検索広告を使用するメリット2選』
まとめ
Google広告はすぐに始められる有用な施策です。
月ごとの予算設定ができることや、ターゲティングにより対象ユーザーを厳選することができるなど、コスト削減を実現するための手段が豊富に揃っています。
大企業はもちろん、中小企業や個人でやっている店舗など、ビジネスをしている方ならだれでも導入を検討する価値のある広告です。
ただし、Google広告は導入すれば間違いなく効果が出る施策ではありません。
正しい予算、入札単価を設定し、キーワード、ターゲット、広告自体のクオリティに注意しながら分析を行い、運用歴が延びれば延びるほど効果が高まるような広告を目指して運用に取り組むようにしましょう。
弊社ではリスティング広告運用代行というサービスを展開しております。
リスティング広告の運用経験を豊富に蓄積している他、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。
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また、薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。