Google広告などのWeb広告では、現在AIや機械学習を活用した自動化運用が主流になりつつあります。
特にGoogle広告では、目標やキャンペーンタイプなど指示に従って入力を進めることで簡単に広告配信を開始することが可能です。
この際、多くの場合で自動的に自動入札が選択されています。
自動入札は、手間のかかる作業をAIに任せて運用することが可能であるため、使いこなすことができれば非常に有用な施策です。
しかし、入札戦略の種類が豊富であることからよくわからない方も多いのではないでしょうか。
また、指示に従ってキャンペーンを選択していく中で選択された自動入札が本当に最適なのか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
当記事では、Google広告の入札戦略や自らコントロールする必要がある手動入札と手間のかからない自動入札のそれぞれのメリットや注意点について紹介します。
関連記事:『リスティング広告運用で成果が出ない9つの原因とは?解決策まで解説』
Contents
入札戦略とは
入札戦略には、広告を出稿するための広告オークションに参加する際に、入札単価をどのように決定する役割があります。
Google広告をはじめとする多くのWeb広告では、広告オークションによって掲載する広告を決定しています。
広告オークションとは、その広告を掲載するか否か、さらには掲載する場合の掲載順位を決定するために検索が行われるたびに行われるプロセスのことです。
広告ランクという指標に従ってオークションは行われ、広告ランクが高いと判断された場合に掲載され、また広告ランクが高い広告から順に上位表示されます。
引用:『オークション|Google広告ヘルプ』
広告ランクは入札単価、オークション時の広告の品質、広告ランクの下限値、オークションにおける競争力、ユーザーが検索を行ったときの背景情報(ユーザーの所在地、デバイス、検索時間など)、および広告表示オプションなどの広告フォーマットの見込み効果を使って算出します。
広告の品質は以下の3つの要素を用いて算出されます。
- 推定クリック率
- 広告の関連性
- ランディングページの利便性
これらを用いて1~10の数値でスコアが決定されます。
引用:『広告ランク|Google広告ヘルプ』
引用:『品質スコアについて|Google広告』
この際、より効率的な広告運用をするために入札単価を調節することは非常に重要であり、それゆえに入札戦略を正しく選択する必要があります。
自動入札とは
自動入札では、手動入札を行うことと比較し、格段に手間のかかる作業を排除することが可能です。
自動入札のメリットを最大限に理解する必要があります。
引用:『自動入札機能について|Google広告』
手動入札とは
手動入札では、キーワードごと、もしくは広告グループごとに入札単価を手動で設定します。
全て人の手で管理することが可能です。
例えば、Google広告の「個別のクリック単価」と呼ばれる手動の入札戦略を選択することができます。
これにより、機械学習の介入で入札単価を上げられたことによる意図せぬコストパフォーマンスの悪化や、入札単価を下げられたことでの広告掲載の減少などの事象を避けることが可能です。
また、「拡張クリック単価」と呼ばれる入札単価は広告主が決定するものの、見込みの高いユーザーか見込みの低いユーザーかAIが判断し、入札単価を微調整する入札戦略もあります。
関連記事:『キーワードの入札単価とは?単価の決め方5種と設定方法を解説!』
自動入札の種類
自動入札では目標を設定することで、入札戦略を決定することが可能です。
目標は具体的に以下の6種類があります。
- サイトアクセスを増やす
- 視認性を高める
- 目標コンバージョン単価でコンバージョンを増やす
- 各コンバージョンの価値が異なる場合に、目標広告費用対効果(ROAS)を達成する
- 予算全体を使いながらコンバージョンを増やす
- 予算全体を使いながらコンバージョン値を増やす
引用:『自動入札機能について』
それぞれについて解説します。
サイトへのアクセスを増やす
予算内でクリック数を最大化できるように入札単価が自動的に調節されます。
視認性を高める
Google 検索結果ページの最上部、上部、または任意の場所に広告が表示されるように、自動的に入札単価が設定されます。
検索ネットワークでのみ利用可能である点に注意する必要があります。
目標コンバージョン単価でコンバージョンを増やす
指定した目標コンバージョン単価でコンバージョンを最大限に獲得できるように入札単価が自動的に設定されます。
実際の入札単価は、コンバージョンによって目標より上下する場合があります。
どれだけ広告が多く掲載され、コンバージョンを多く達成した場合であっても、広告費がかかり過ぎてしまい利益が減ってしまっては意味がありません。
そのため、コストを最小限に抑え、コンバージョンを増加させたい方にはこの入札戦略を推奨します。
各コンバージョンの価値が異なる場合に、目標広告費用対効果(ROAS)を達成する
ECサイトを運営している方におすすめの入札戦略です。
指定した目標広告費用対効果でコンバージョン値を最大化できるように、入札単価が自動的に調整されます。
一部のコンバージョンでは、実際の広告費用対効果が目標より高くなる、または低くなる場合があります。
ECサイトの場合、扱っている商品ごとに単価が異なります。
例えば、1,000円の商品と2,000円の商品を扱っている場合、そちらの商品が売れた場合であってもコンバージョン数は1件ですが、コンバージョンが企業にもたらす売上には大きな差異があります。
売上を配慮し費用対効果を最大化したい方はこの入札戦略を推奨します。
予算全体を使いながらコンバージョンを増やす
コンバージョン数を重視して最適化することができます。
利益や売上げなどを加味せず、とにかく多くのコンバージョンを獲得したい方にはこと入札戦略を推奨します。
また、目標広告費用対効果を同時に設定することが可能です。
目標費用対効果を維持しながら可能な範囲でコンバージョンを最適化したい場合、目標広告費用対効果を設定しましょう。
目標広告費用対効果を設定しない場合、コンバージョン値の最大化を図るという目的が重視されます。
予算全体を使いながらコンバージョン値を増やす
コンバージョン値とは、コンバージョン1件あたりの売上のことを指します。
ECサイトであれば、可能な限り売上が増えるように広告を配信することが可能です。
予算内で最大限の売上を獲得したい方にはこの入札戦略を推奨します。
このように自動入札では、配信するタイミングで月々の予算など限られた項目を入力するだけで効率的な広告運用を行うことが可能です。
どれが最適な入札戦略か広告運用を開始するタイミングで把握することは難しいため、様々な入札戦略で運用していく中で自社とマッチする戦略はどれか把握していくことも1つの手です。
関連記事:『Google広告の予算設定方法を紹介!コスパを高めるのための3点』
自動入札の3つのメリット
自動入札機能には以下の3つのメリットがあります。
- 手間を省くことが可能
- 機械学習による最適化
- 目標に応じた広告戦略が可能
手間を省くことが可能
手動入札では、ケースバイケースで入札単価を調節する必要がありました。
これに対し、自動入札では、広告配信開始時に設定を行うだけで自動的に入札単価が調整されます。
手間がほとんどかからないため、誰でも簡単に広告運用を行うことが可能です。
関連記事:『広告の機械学習促進施策5選!教師ありAIで広告最適化!』
機械学習による最適化
自動入札では、機械学習によって適切な入札単価を設定することが可能です。
機械学習はさまざまな分析に基づいているため精度が高く、より高いパフォーマンスで効率的に目標を達成することができます。
また、機械学習を使用し配信する場合、所在地や検索時間帯など様々なユーザー情報に基づいて入札単価を変更することが可能です。
そえぞれの目標によって細かく入札戦略が設定されているため、高い確率でユーザーのニーズを満たすことが可能です。
手動入札ではユーザーによって単価を変更することはできないため、柔軟に入札単価を変更できる点で自動入札は優れています。
目標に応じた広告戦略が可能
自動入札では、以下の6種類の目標の中から自社の目標とマッチするものを選択し広告配信を行うことが可能です。
目標 | 入札戦略 |
サイトアクセスを増やす | クリック数の最大化 |
視認性を高める | 目標インプレッションシェア |
目標コンバージョン単価でコンバージョンを増やす | 目標コンバージョン単価(CPA) |
各コンバージョンの価値が異なる場合に、目標広告費用対効果(ROAS)を達成する | 指定した目標広告費用対効果でコンバージョン値を最大化 |
予算全体を使いながらコンバージョンを増やす | コンバージョン数の最大化 |
予算全体を使いながらコンバージョン値を増やす | コンバージョン値の最大化 |
そえぞれの目標によって細かく入札戦略が設定されているため、高い確率でユーザーのニーズを満たすことが可能です。
参考:『Google広告の自動入札とは?メリットやデメリット、活用のポイントも紹介』
関連記事:『11種類の入札戦略!正しい選択でGoogle広告の費用対効果を高める』
自動配信の注意点
- 十分なデータを集積する必要がある
- パフォーマンスが必ず上がるわけではない
以上が自動配信を行う際の注意点です。
十分なデータを集積する必要がある
機械学習が十分に機能するためには十分なデータを集積する必要があります。
十分なコンバージョン数を獲得することが重要です。
Googleは1ヶ月あたり30以上のコンバージョンを獲得しておくことを推奨しています。
コンバージョンを多く獲得すること、ユーザー情報などを十分に獲得することが可能で、さらに高度で効率的な広告配信を行うことが可能です。
引用:『Googleの自動入札機能とは?スマート自動入札との違いやメリット・デメリットを徹底解説』
パフォーマンスが必ず上がるわけではない
いくら機械学習とはいえ、必ずパフォーマンスが上がるとは限りません。
特に、クリック数やインプレッション数、コンバージョン数など数を最大化することを目標とし自動配信を行う場合、目標を達成するために想定よりも高い単価で入札する可能性が考えられます。
手間がかからない点が自動入札の魅力とはいえ、定期的に広告を管理しパフォーマンスを確認するようにしましょう。
関連記事:『【3段階で分析】ボトルネック別・リスティング広告運用改善9案』
広告戦略の設定方法
Google広告の指示に従って広告設定を行なった場合、基本的にコンバージョン数の最大化を目標とした入札戦略が選択されます。
それ以外の入札戦略を選択したい場合、自ら広告設定を変更する必要があります。
Google広告にログインをし、「+新しいキャンペーンを作成」をクリックし、設定を進めます。
単価設定で「または、入札戦略を直接選択します(非推奨)」をクリックし、自社に合った入札戦略を選択しましょう。
引用:『Google広告』
関連記事:『リスティング広告の審査対策5選【Google広告・Yahoo!広告】 』
まとめ
Google広告の入札戦略について紹介しました。
最適な入札戦略を選択することで効率的な広告運用を行うことが可能です。
入札戦略を選択する際に、自動入札を選択することで手間をかけず効率的な広告運用を行うことが可能です。
また、手動入札を導入することで、手間はかかるものの、望んだ通りのコストで狙った通りの広告オークションに参加することが可能です。
自動入札には6種類の入札戦略があり、自社のニーズにマッチする入札戦略を選択することが可能です。
種類が豊富であるため、様々な戦略を試す中で最適な戦略を見つけ出しましょう。
また、Google広告で入札戦略を決定し広告運用することが難しいと感じた方は、広告代理店に相談することも手段の1つです。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。
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