2024年1月時点では、国内のTikTok利用者数は約2,600万人に上ります。
ユーザー数の増加によって、企業でのTikTokのビジネス利用も増えている中、認知度の向上やコンバージョンの向上を目的とする際に注目されているのが「ハッシュタグチャレンジ」です。
ハッシュタグチャレンジとは、企業の商品・サービスの特徴を「#」とともにキーワードとして配信をし、TikTokクリエイターなどにより情報拡散が期待できる広告です。
TikTokでは、ユーザーが企業の商品やサービスに関する投稿を行う(UGC) 動画が多く見られるため、ハッシュタグチャレンジを活用してユーザーを巻き込み自社の商品・サービスを拡散することができます。
本記事では、TikTok広告のハッシュタグチャレンジの3つのメリットや企画の種類、効果を出すポイントを事例とともにまとめて解説していきます。
参考:『インターネットの利用状況 2024年1月時点 ティックトック(TikTok)の利用者数が最も多い国 (単位:100万人)』
TikTok広告で得られる効果について詳しい内容は下記の記事をご覧ください。
関連記事:『TikTok広告の効果はどれくらい?4つの成功事例から分かる集客のコツ』
Contents
TikTok広告のハッシュタグチャレンジとは
引用:『図解でわかるTikTokの広告メニュー TikTok for Business』
TikTok広告のハッシュタグチャレンジでは、「#(ハッシュタグ)」に自社の商品やサービスをアピールする特定のキーワードを付けた動画を配信することができます。
企業側だけでなくTikTokクリエイターやTikTokユーザーがハッシュタグを利用した動画投稿を行うことができるため、情報拡散力の強い広告と言えます。
また、ハッシュタグチャレンジは参加型を軸としている広告のため、UGCによる情報拡散を促しやすく認知度向上に加えて、購入意欲の促進が期待できます。
TikTok広告のハッシュタグチャレンジのUGCによるメリット3つ
引用:『心を動かし、行動を喚起するUGCを生み出すTikTokの#Challenge、その成功法則を初公開 TikTok for Business』
ハッシュタグチャレンジは、ユーザーの興味を惹くことを軸としたコンテンツであることから、「共感」「参加」を促すことで、UGCが生まれやすい広告と言えます。
UGCとは「ユーザー生成コンテンツ」を意味し、一般のユーザーによって投稿された商品やサービスの感想、レビューなどを指します。
TikTok広告のハッシュタグチャレンジでは、UGCが生まれることで以下のようなメリットを得ることができます。
- 商品やサービスの認知度の向上
- エンゲージメントの向上
- コンバージョンの向上
UGCについて更に詳しい内容は下記の記事を参考にしてみて下さい。
関連記事:『マーケティングに欠かせないUGCとは?メリットや成功例3つを紹介』
商品やサービスの認知度向上
ハッシュタグチャレンジを行うことで、UGCによる自発的な情報拡散を促すことができます。
2022年にUGC活用ツールサービスを展開しているLetroは、生活者のUGCに対する意識調査を行いました。
参考:『生活者の64.6%が購買行動においてUGCを信頼、購入の意思決定に最も影響を与えるコンテンツ形式は、「テキスト」』
「商品・サービスを購入する際に、UGCを信頼しますか?」という質問では、64.6%の人が「信頼する」と回答しました。
このように、UGCによる情報はユーザーにとって信頼性があり、ブランド認知度の向上や商品やサービスへの理解を深める要因となると言えます。
参加型の広告であるハッシュタグチャレンジは、UGCを生みやすく強い情報拡散力を見込むことができるため、TikTokは公式動画やPR動画のみが拡散された場合とUGCによる情報拡散された場合を比較しました。
その結果、UGCによって情報拡散された投稿の方が動画の総再生回数は平均5倍、最大50倍まで向上したと述べています。
このように、UGCによる情報拡散はより多くのTikTokユーザーに閲覧されることで、商品・サービスの認知度の向上が期待できます。
参考:『生活者の64.6%が購買行動においてUGCを信頼、購入の意思決定に最も影響を与えるコンテンツ形式は、「テキスト」』
参考:『生活者のUGCに対する意識調査2022 ~生活者はUGCをどれくらい信頼している?商品カテゴリ別データを公開~』
参考:『心を動かし、行動を喚起するUGCを生み出すTikTokの#Challenge、その成功法則を初公開 TikTok for Business』
エンゲージメントの向上
前述では、UGCによる情報拡散の影響で認知度の向上を特徴として述べましたが、それと同時にエンゲージメントの向上も見込めます。
ここでのエンゲージメントとは、ユーザーによる反応を意味し、投稿されているコンテンツへの「いいね」や「シェア」「コメント」などが挙げられます。
引用:『心を動かし、行動を喚起するUGCを生み出すTikTokの#Challenge、その成功法則を初公開 TikTok for Business』
ハッシュタグチャレンジは、公式動画やPR動画に限らずUGCによる情報拡散が期待できます。
そこでTikTokは、公式動画・PR動画のみのを活用した際と、UGCによる情報拡散を比較した結果、UGCによって情報拡散された投稿の方が、総エンゲージメント数は平均20倍、最大450倍まで向上したという結果が出ています。
そのため、ハッシュタグチャレンジをUGCによって拡散されることで、より多くのユーザーに興味関心を惹きつけることが期待できます。
参考:『心を動かし、行動を喚起するUGCを生み出すTikTokの#Challenge、その成功法則を初公開 TikTok for Business』
コンバージョンの向上
ハッシュタグチャレンジは、ユーザーの購買意欲を促進させることにも有効なアプローチ方法となります。
実際に、動画を投稿しているユーザーの方が、TikTokで主に閲覧を行うユーザーと比べて購買行動や比較検討が平均2~3倍高いというデータがあります。
またTikTokは、「TikTok内で紹介された商品・サービスを購入したことがある」と回答したユーザーの割合を調査しました。
その結果、動画投稿の経験のあるユーザーの割合は全体の約2倍以上となりました。
参考:『心を動かし、行動を喚起するUGCを生み出すTikTokの#Challenge、その成功法則を初公開 TikTok for Business』
引用:『心を動かし、行動を喚起するUGCを生み出すTikTokの#Challenge、その成功法則を初公開 TikTok for Business』
また、飲食チェーンA社を対象としUGC投稿者とUGC非接触者の来店リフト率を比較した結果、UGC投稿者はUGC非接触者に比べて85%も高い結果となりました。
そして、UGC視聴者とUGC投稿者を比較しても、UGC投稿者の方が来店リフト率が高いことが分かります。
このように、視聴するだけでなく、自らハッシュタグチャレンジを含めた動画投稿を行うことでよりユーザーの購買意欲や行動変容の促進が期待できます。
参考:『心を動かし、行動を喚起するUGCを生み出すTikTokの#Challenge、その成功法則を初公開 TikTok for Business』
参考:『リフト値とは? 計算方法・目安とマーケティングにおける考え方をわかりやすく解説』
TikTok広告のハッシュタグチャレンジ4つの企画の種類
TikTok for Businessは、広告代理店がより効果的にハッシュタグチャレンジを使用および広告主へ企画するために、ガイドブックにて下記の4つの企画に分類しました。
- コンテスト企画
- バトル企画
- ランキング企画
- デジタルサンプリング企画
それでは、順番に解説していきます。
参考:『TikTokハッシュタグチャレンジ広告の提案に活用できる、広告代理店向け「クリエイティブアイデアブック」を初公開 TikTok for Business』
コンテスト企画
引用:『CREATIVE IDEA BOOK 2021 TikTok for Business』
ハッシュタグチャレンジにおける「コンテスト企画」とは、TikTokクリエイターが企業の商品やサービスに沿ったコンテンツを作成し投稿する企画を指します。
コンテスト企画の例
- クリエイティブ(動画)コンテスト
- 楽曲作成コンテスト
- レシピコンテスト
引用:『TikTokハッシュタグチャレンジ広告の提案に活用できる、広告代理店向け「クリエイティブアイデアブック」を初公開 TikTok for Business』
また、コンテスト企画では、優秀作品に選抜された際は企業のCM出演などの特典を獲得することができるため、ハッシュタグチャレンジへの参加度の向上も期待できます。
参考:『TikTokハッシュタグチャレンジ広告の提案に活用できる、広告代理店向け「クリエイティブアイデアブック」を初公開 TikTok for Business』
バトル企画
引用:『CREATIVE IDEA BOOK 2021 TikTok for Business』
ハッシュタグチャレンジにおける「バトル企画」とは、TikTokクリエイターが企業の商品やサービスを2つ比較した内容を作成し投稿する企画を指します。
バトル企画の例
- 商品A vs 商品B
- 自慢バトル→ご当地
- ペットボトルフリップ
引用:『TikTokハッシュタグチャレンジ広告の提案に活用できる、広告代理店向け「クリエイティブアイデアブック」を初公開 TikTok for Business』
2つの商品・サービスをバトルとしてハッシュタグチャレンジを行うことで、商品の優位性を伝えることができます。
参考:『TikTokハッシュタグチャレンジ広告の提案に活用できる、広告代理店向け「クリエイティブアイデアブック」を初公開 TikTok for Business』
ランキング企画
引用:『CREATIVE IDEA BOOK 2021 TikTok for Business』
ハッシュタグチャレンジにおける「ランキング企画」とは、TikTokクリエイターがお気に入りの企業の商品・サービスや、人気商品を紹介する内容を作成し投稿する企画を指します。
ランキング企画の例
- 機能性ランキング
- 人気ランキング
- ・好きなものランキング→コスメ
引用:『TikTokハッシュタグチャレンジ広告の提案に活用できる、広告代理店向け「クリエイティブアイデアブック」を初公開 TikTok for Business』
商品・サービスの良い部分をTikTokクリエイターによって投稿されることで、購買意欲を促進させることが期待できます。
参考:『TikTokハッシュタグチャレンジ広告の提案に活用できる、広告代理店向け「クリエイティブアイデアブック」を初公開 TikTok for Business』
デジタルサンプリング企画
引用:『CREATIVE IDEA BOOK 2021 TikTok for Business』
ハッシュタグチャレンジによる「デジタルサンプリング企画」とは、TikTokの最先端技術を使用して、企業の商品やサービス・ブランドを体験することのできるツールを配信する企画を指します。
デジタルサンプリング企画の例
- AR特典商品
- ミニゲーム・クイズ
- デジタルテスター
引用:『TikTokハッシュタグチャレンジ広告の提案に活用できる、広告代理店向け「クリエイティブアイデアブック」を初公開 TikTok for Business』
デジタルサンプリング企画によって、実際にブランド体験をさせることで、利用イメージをしやすくなります。
参考:『TikTokハッシュタグチャレンジ広告の提案に活用できる、広告代理店向け「クリエイティブアイデアブック」を初公開 TikTok for Business』
関連記事:『TikTok広告の料金相場はいくら?5つの広告メニュー別に徹底解説』
TikTok広告ハッシュタグチャレンジで効果を出すためのポイント
TikTokは、TikTok広告のハッシュタグチャレンジで成果を出すためのポイントとして下記の5つがあると述べています。
- 印象的な楽曲を使用する
- 真似しやすいコンテンツを作成する
- ブランドエフェクトを使用する
- 参加者に対して特典となる企画を行う
- TikTokクリエイターやタレントを起用する
それでは、事例とともに順番に解説していきます。
参考:『TikTokのハッシュタグチャレンジで成果を出す5つのポイントと活用事例 TikTok for Business』
印象的な楽曲を使用する
引用:『TikTokのハッシュタグチャレンジで成果を出す5つのポイントと活用事例 TikTok for Business』
ユーザーの印象に残る楽曲を利用することで、ハッシュタグチャレンジへの参加を促進させるとともに、ユーザーの記憶にも残りやすくなります。
また、ブランド独自で楽曲を作成することで、よりブランドイメージを持たせやすくなります。
ブックオフの事例
引用:『企業側から “楽しくいじらせる”コンテンツを提供 TikTok for Business』
ブックオフは、本だけでなく家電や洋服の買取なども行っていますが「ブックオフ=本」というイメージが浸透しています。
そこで「#ブックオフなのに本ねーじゃん」というセリフを入れ、TikTokクリエイターが楽曲と振付をしハッシュタグチャレンジを行った結果、わずか10日で通常の1.5倍となる6,000万回の再生回数まで伸びました。
このように、印象的なフレーズのある楽曲を使用することで、ユーザーの記憶に残り、ブランド認知度の向上も期待できます。
参考:『企業側から “楽しくいじらせる”コンテンツを提供 TikTok for Business』
真似しやすいコンテンツを作成する
ユーザーの興味関心を促進や、自発的に情報拡散をしてもらうためには、簡単に真似できるようなコンテンツ作成が重要となります。
薬用せっけんミューズの事例
引用:『薬用石けんミューズによる「#手洗いチャレンジ」実施。4ステップで正しい手洗い方法を啓発 TikTok for Business』
薬用せっけんミューズの事例では、正しい手洗い方法や衛生管理を伝えるために「#手洗いチャレンジ」で手洗いの4ステップを紹介するコンテンツを作成しました。
このように、ブランドや商品と関連付けた真似しやすい振付を作成することで、ユーザーによる情報拡散を促し、視聴者もコンテンツ内容を理解しやすくなります。
参考:『TikTokのハッシュタグチャレンジで成果を出す5つのポイントと活用事例 TikTok for Business』
ブランドエフェクトを使用する
ブランドエフェクトを使用することで、ユーザーは商品やサービスを疑似体験ができ、実際に購入した際のイメージを持ちやすくなります。
参考:『図解でわかるTikTokの広告メニュー TikTok for Business』
実際に、ハッシュタグチャレンジとブランドエフェクトを併用した場合と、ハッシュタグチャレンジのみを利用した場合を比較すると、以下の結果が出ました。
ハッシュタグとブランドエフェクトを利用した場合
- ページのPV数:146%増加
- 動画の再生回数:80%増加
- 動画投稿数:109%増加
- 参加者数:91%増加
- エンゲージメント:137%増加
参考:『TikTokのハッシュタグチャレンジで成果を出す5つのポイントと活用事例 TikTok for Business』
引用:『TikTokのハッシュタグチャレンジで成果を出す5つのポイントと活用事例 TikTok for Business』
加えて、投稿数や再生回数の増加により以下の効果を得ることもできました。
- 広告記憶度:67.16%増加
- ブランド認知度:779.55%増加
- 購買意欲:314.29%増加
- 好意度:547.06%増加
参考:『TikTokのハッシュタグチャレンジで成果を出す5つのポイントと活用事例 TikTok for Business』
メイベリンニューヨークの事例
引用:『メイベリンがアジア地域でのハッシュタグチャレンジを実施、メッセージ想起82%のブランドリフトに成功! TikTok for Business』
化粧品を販売するメイベリン・ニューヨークの事例では、「#落ちないリップチャレンジ」のハッシュタグチャレンジに加えて、リップの色や質感をエフェクトで体験することのできるブランドエフェクトを掛け合わせました。
その結果「#落ちないリップチャレンジ」をつけた投稿数はわずか6日で4,402本、投稿の再生数は約1,000万回にも上りました。
また、ブランドエフェクトの利用回数は合計で約15万回となり、同様のハッシュタグチャレンジと比較すると約4倍となりました。
このように、ハッシュタグチャレンジだけでなく、ブランドエフェクトによる「体験型」の要素を組み込むことで、購買意欲の促進が期待できます。
参考:『メイベリンがアジア地域でのハッシュタグチャレンジを実施、メッセージ想起82%のブランドリフトに成功! TikTok for Business』
参加者に対して特典となる企画を行う
ハッシュタグチャレンジに参加したユーザーに対して、商品プレゼントやCM出演などの特典を付けることで、ユーザーの参加意欲を促進することができます。
SUNTORYの事例
引用:『サントリー「クラフトボス TEAシリーズ」、ユーザー参加によるクリエイティブコンテストを開催 TikTok for Business』
サントリー食品インターナショナル株式会社は、「クラフトボスTEAシリーズ」を題材としクリエイティブコンテストを開催しました。
優秀作品を受賞したTikTokクリエイターは、サントリー公式の広告動画を作成できる特典を付けたことで、応募総数は802点、応募された作品の総再生回数は1.3億回を超える結果となりました。
参考:『サントリー「クラフトボス TEAシリーズ」、ユーザー参加によるクリエイティブコンテストを開催 TikTok for Business』
TikTokクリエイターやタレントを起用する
ハッシュタグチャレンジにTikTokクリエイターやタレントを起用することで、より効果的な情報拡散で広告の接触頻度や認知度の向上が期待できます。
TikTokクリエイターやタレントを起用した事例
引用:『TikTokのハッシュタグチャレンジで成果を出す5つのポイントと活用事例 TikTok for Business』
実際に、ハッシュタグチャレンジにTikTokクリエイター・TV番組などに出演しているタレントを起用した場合、以下のような効果を得ることができました。
TikTokクリエイター | タレント | |
広告認知度 | 62% | 49% |
ブランド認知度 | 22% | 15% |
購入・利用意欲度 | 39% | 19% |
参考:『TikTokのハッシュタグチャレンジで成果を出す5つのポイントと活用事例 TikTok for Business』
TikTokクリエイターは、タレントよりも親近感を感じやすいことからそれぞれの効果も高いと考えられます。
まとめ
今回の記事では、TikTok広告のハッシュタグチャレンジについて3つのメリットと企画の種類、ハッシュタグチャレンジで効果を出すためのポイントまでまとめて解説をしました。
TikTok広告のハッシュタグチャレンジを行うことで、能動的にUGCによる情報発信を促し、自社の商品・サービスの認知度の向上や、購入意欲の促進が期待できます。
この記事を読んで、自身でTikTok広告を運用することが少しでも難しいと感じた方は、広告代理店に依頼するのも1つの方法です。
弊社ではTikTok広告運用代行というサービスを展開しております。
TikTok広告の運用経験を豊富に蓄積している他、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店としても認定されています。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。