一般的には「範囲」や「規模」を指すことが多いリーチですが、Web広告に関しては「広告が表示されたユーザーの数」を示します。
より多くの人にアプローチすることが重要視されるリーチですが、正確な意味やその指標としての評価基準を理解している人は少ないかもしれません。
本記事では、Web広告におけるリーチについてご紹介します。
また、混同しやすい4つの用語との違いやリーチが重要である理由、リーチを向上させる方法などについても解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
Contents
Web広告におけるリーチとは
Web広告におけるリーチとは、「広告に接触したユーザー数」とも言えます。
基本的には、同じユーザーが同じ広告を何度も見た場合でもリーチ数のカウントは1とされますが、具体的な定義は広告の出稿媒体によって微妙に異なります。
参考:『リーチとは? 混同しやすい用語との違いやリーチを高める方法を解説』
参考:『Web 広告における「リーチ」とは?広告媒体ごとの定義や似ている用語との違いを解説』
広告媒体ごとのリーチの定義
リーチに関して説明しましたが、定義の詳細については媒体ごとに異なります。
ここでは、広告出稿の各媒体におけるリーチの定義をご紹介します。
媒体 | 詳細な定義 | 定義の説明 |
ユーザーに広告が表示された総数 | 異なる端末であってもユーザーが同一である場合にはリーチ数は1となる | |
Yahoo! | 期間内で1回以上ビューアブルインプレッション*があったユニークユーザーの端末数 | 各端末で計測されるため、同一ユーザーでも端末が異なればリーチ数はカウントされる |
Instagram | 画面に広告が表示されたアカウントの数 | ユーザーの保持しているアカウント数や連携状態でリーチ数は異なる |
LINE | ユニークユーザーのうちクリエイティブを100%表示した数 | 期間内における新規リーチ数を推定しカウントする |
X(Twitter) | ユーザーのうちタイムライン上で広告表示が行われた数 | あくまで推定データとなる |
広告の50%以上が1秒以上連続して表示された場合にカウントされます。
例えば、Google広告では異なる端末間であっても同一のユーザーとして認識し、同一のリーチとしてカウントします。
一方でYahoo!広告の場合は、異なる端末間では同一のユーザーとして認識されないので、リーチは端末ごとにカウントされます。
そのため、1人のユーザーが複数の端末を使用する場合、リーチ数とユーザー数は異なります。
つまり、同じユーザーがスマートフォンとパソコンでそれぞれ1回ずつ同じ広告を見た場合、正しいユーザー数は1ですが、リーチは2とカウントされます。
参考:『Web広告における「リーチ」とは?広告媒体ごとの定義や似ている用語との違いを解説』
参考:『リーチとフリークエンシーを測定する』
参考:『リーチとは?混同しやすい用語との違いやリーチを高める方法を解説』
参考:『リーチ』
参考:『管理画面の「リーチ(推定)」や、レポートの「Reach(Estimated)」はどのようにカウントされますか?』
参考:『リーチキャンペーンを作成する』
参考:『ビューアブルインプレッションとは』
リーチと混同しやすい4つの用語
「リーチ」と混同されやすい用語には下記のようなものがあります。
- インプレッション
- PV
- エンゲージメント
- フリークエンシー
用語 | 内容 |
リーチ | 広告を目にしたユーザー |
インプレッション | 広告の掲載された回数 |
PV | 広告に限らず、Webページ自体が見られた回数 |
エンゲージメント | 広告に対してユーザーがアクションをした回数 |
フリークエンシー | 特定のユーザーに対して広告を表示した回数 |
以下でそれぞれ解説します。
インプレッション
インプレッションは、広告や記事などのコンテンツが表示された総回数を指します。
ユーザー数に関係なく、広告やコンテンツが表示されるごとにカウントされます。
例えば、1人のユーザーに対して5回広告が表示された場合、リーチ数は1回ですが、インプレッションは5回となります。
また、FacebookやX(旧Twitter)などの SNSでは、広告の表示回数だけでなく、オーガニック投稿の表示回数もインプレッションとしてカウントされます。
参考:『「インプレッション」と「リーチ」の違いとは?ややこしい広告用語を分かりやすく解説!』
参考:『Web 広告における「リーチ」とは?広告媒体ごとの定義や似ている用語との違いを解説』
関連記事:『検索広告のインプレッションシェアとは?損失率を改善する4つの施策』
PV
PV(Page View:ページビュー)は、Webページ自体が表示され閲覧された回数をカウントしています。
広告ではなくページの表示回数をカウントするため、実際に広告がページ上に掲載されていなかったとしても、1回のページ表示でPVは1カウントされます。
なお、この時のリーチやインプレッションは0となります。
これに対して、リーチやインプレッション、フリークエンシーは広告の表示に対してカウントされる指標です。
このように、PVは広告の掲載有無に関わらずカウントされるため、自社のWebページやオウンドメディアなどの解析に利用されることが多いです。
参考:『「インプレッション」と「リーチ」の違いとは?ややこしい広告用語を分かりやすく解説!』
参考:『Web 広告における「リーチ」とは?広告媒体ごとの定義や似ている用語との違いを解説』
関連記事:『 Webページの回遊率とは?サイト回遊率を上げるメリットと6つの施策』
エンゲージメント
エンゲージメントは、SNSにおける広告や投稿に対するユーザーのアクション数を指します。
具体的には「いいね!」やシェア、コメント、クリックなどが該当します。
えンゲージメントは、ユーザーが広告や投稿に積極的に反応したことを示す重要な指標です。
そのため、TwitterやInstagramなどのSNSでの投稿においてユーザーの関心や興味を把握するために利用されることが多いです。
エンゲージメントはユーザーによるアクションの有無で計測されるため、ユーザーがどれほど関心を抱いているかを評価するのに向いています。
仮に広告が掲載されていても、ユーザーのアクションがなくてはエンゲージメントとしてはカウントされません。
参考:『「インプレッション」と「リーチ」の違いとは?ややこしい広告用語を分かりやすく解説!』
参考:『Web 広告における「リーチ」とは?広告媒体ごとの定義や似ている用語との違いを解説』
関連記事:『 Twitter広告のエンゲージメントとは?4つの活用ポイントを徹底解説!』
フリークエンシー
フリークエンシーは、一人のユーザーに対して広告が表示される「回数」を指します。
同じ広告が何度も同じユーザーに表示された場合には、その分の回数を示します。
例として、1人のユーザーに5回同じ広告が表示された場合、リーチ数は1回となりますが、フリークエンシーは5回とカウントされます。
参考:『Web 広告における「リーチ」とは?広告媒体ごとの定義や似ている用語との違いを解説』
参考:『リーチとは? 混同しやすい用語との違いやリーチを高める方法を解説』
Webマーケティングにおいてなぜリーチが重要なのか
ここでは、リーチが重要な役割を持つ理由について解説します。
認知の拡大につながる
リーチが増えることで、ユーザーの広告やコンテンツへの関心が高まり、顧客数の増加が期待できます。
SNSアカウントの認知拡大にも利用されます。
SNSの普及に伴い、ビジネス用のSNSアカウントを開設する企業が増えてきています。
SNSアカウントが広く認知されれば、商品やサービスの宣伝が容易になり、企業の利益にもつなげやすくなるでしょう。
このようにリーチ数を把握することで、SNSアカウントの認知度や投稿への反応を評価し、効果的に顧客を増やすことが可能になります。
参考:『リーチとは?インプレッションとの違いやおすすめ施策まとめ』
広告効果を最大化できる
リーチは、広告効果を最大化するためにも頻繁に活用されます。
特にインターネット上に掲載するWeb広告では、過去のデータを分析して効果的な戦略を立てやすいのが特徴です。
リーチ数を把握することで、よりユーザーに受け入れられやすい広告がどういったものかを分析することもできるでしょう。
逆にリーチ数が低い場合は、改善を重ねて広告の露出を増やし、効果を向上させる必要があります。
また、リーチが増えているにも関わらず、コンバージョン率が低い場合、広告に対する顧客の反応が課題である可能性があります。
参考:『リーチとは?インプレッションとの違いやおすすめ施策まとめ』
参考:『マーケティングリーチとは? 広告主向けガイド』
関連記事:『 CTAを改善する方法とは?コンバージョンを高める4つの簡単な方法』
フォロワーを増やすことができる
リーチ数の増加は、見込み客の範囲が広がることを意味します。
特にSNSに関して言えば、リーチを増やすことでより多くの人が投稿に触れる機会が増え、その結果、自社に興味を持ってもらうことでフォローしてくれる可能性が高まるでしょう。
このように、リーチを増やすことでフォロワーの増加に繋げることができ、商品やサービスの認知はもちろん、自社の認知を広げることができます。
以下記事では、SNSの企業アカウントでフォロワーを増やす方法について詳しく解説しています。
関連記事:『 TikTok企業アカウントのフォロワー数を増やす16の方法とは?』
関連記事:『【企業向け】Twitterのフォロワー数を増やすためのポイント9選』
参考:『マーケティングにおけるリーチとは?メリットや増やす方法を解説』
参考:『インスタの「リーチ」は投稿を見た人数!リーチを増やす9つの方法を大公開!』
リーチを高めるための4つの方法
リーチについての理解が深まったところで、ここからはリーチを高めるためのポイントについて解説していきます。
より多くのユーザーに広告を届け、効果的な運用を行うためにも、以下のポイントをぜひ実践してみてください。
- 曜日や時間帯の設定をして広告の配信を行う
- 配信対象のターゲットを広げる
- ユーザーの興味をひくようにタイトルをつける
- ユーザーの目に留まるクリエイティブな画像を利用する
曜日や時間帯の設定をして広告の配信を行う
リーチを拡大するためには、ターゲット層が広告を見る可能性の高いタイミングで広告を掲載することが効果的です。
ユーザーの世代や職業に応じて、インターネット利用の傾向が高い時間帯や曜日を考慮して広告を配信します。
例として、会社員をメインターゲットにする場合は平日の朝方から夜間、土日に配信し、主婦層ならば平日の昼間が効果的です。
また、狙いたいターゲット層がBtoB*なのかBtoC*なのかによっても効果的な配信時間は異なります。
BtoBであれば、勤務中に情報収集することが多いので平日の9時から18時の間が目につきやすく、BtoCであれば、勤務時間外でインターネットの利用が増えるので、仕事が終わる時間帯や休日である週末などに目につきやすい傾向があります。
参考:『リーチとは? 混同しやすい用語との違いやリーチを高める方法を解説』
参考:『WEB広告やインスタの「リーチ数」とは?類語との違いや増やし方を解説』
参考:『BtoBとBtoCの違いとは?営業・マーケティング手法や企業例をわかりやすく解説』
以下記事ではBtoBマーケティングについて解説しています。
関連記事:『 BtoBマーケティング7つの成功事例から学ぶデジタルマーケティング戦略』
配信対象のターゲットを広げる
地域やユーザーの年齢などにおいて配信対象範囲を広げることで、リーチを増やしやすくなります。
現在の設定を基にして類似したターゲット層を徐々に拡大することで、無関係なユーザーへの配信リスクを最小限に抑えつつ、多くのユーザーへの広告表示が可能になるでしょう。
さらに、ユーザーの興味関心項目を追加することも配信対象のユーザーを拡大し、リーチを増やす手段として有効です。
参考:『Web 広告における「リーチ」とは?広告媒体ごとの定義や似ている用語との違いを解説』
関連記事:『リスティング広告、地域ターゲティングで気を付けるべき4つのポイント!』
ユーザーの興味関心を引くタイトルをつける
ユーザーは1日の中で様々なWeb広告を目にしています。
そのなかで他社との差別化を図り、自社の広告に目を止めてもらうには、ユーザーの関心を引くようにタイトルを工夫する必要があります。
タイトルにはユーザーが反応しやすいキーワードや「【】」などの強調記号を使うことが注意をひくのに有効です。
また、Web広告のタイトルは、広告の品質や掲載にも大きく影響します。
ユーザーの興味を引くタイトルをつけることで推定クリック率が上がり、広告の掲載確率が高まります。
これにより、リーチの向上が期待できるのです。
参考:『リーチとは? 混同しやすい用語との違いやリーチを高める方法を解説』
クリエイティブのクオリティに配慮する
Web広告でリーチを高めるには、広告に使用するクリエイティブにも気を配るのが不可欠です。
例えば画像や写真を用いたバナー広告が掲載できるディスプレイ広告では、魅力的な広告クリエイティブを作成することで広告効果を高め、リーチを向上させることができます。
バナー広告は視覚的にユーザーの目を引き、認知度を高めると同時に好印象を与えます。
ユーザーの目を引くことでクリック率が向上し、広告の掲載確率が増えるのはもちろん、リーチの拡大も可能となります。
関連記事:『広告クリエイティブとは【クリック率向上の制作ポイントを5つ紹介】』
参考:『人は情報の80%を視覚から得ている。五感を活かす知覚のデザイン。』
実際に、人間の五感に関する調査では、人間の五感による知覚のうち83%が視覚情報から判断されているという結果が出ています。
このことからも、人間が情報処理するうえで目からの情報がより重要であることが分かるでしょう。
ユーザーにとって視覚的に見やすいバナー広告は、リーチだけでなくコンバージョンの獲得にも貢献します。
参考:『リーチとは? 混同しやすい用語との違いやリーチを高める方法を解説』
まとめ
本記事では、主にWeb広告におけるリーチに関して解説しました。
この記事を読んで、リーチの最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionでは、 Web広告運用のご相談を承っております。
複数の自社メディアを運用しており、具体的な数値と仮説に基づいた改善を続けており、蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。
お客様のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。