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データドリブンアトリビューションとは?3つのメリットを解説

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データドリブンアトリビューションとは?3つのメリットを解説

インターネットが一般的になった現代において、Web広告の需要は高まっています。

経済産業省が発表している『特定サービス産業動態統計調査』の結果によると、2023年の4月から6月までのWeb広告の売り上げは357,724(単位:百万円)となっており、広告業全体の売り上げの約30%を占めています。

参考:『経済産業省 特定サービス産業動態統計調査

そんなWeb広告において重要なのが、コンバージョンの計測です。

広告のコンバージョンを計測することは、広告が売り上げや知名度の向上にどれほど貢献しているかを確認できる点でメリットがあります。

今回は、コンバージョンに至る過程でクリックされた広告に関して、データをもとに広告への貢献度を測るデータドリブンアトリビューションについてご紹介します。

本記事ではデータドリブンアトリビューションについてどのような仕組みであるのか、またデータ要件がどのようなものであるのかに加えて、利用することで得られるメリットや設定方法についても解説しています。

参考:『データドリブンアトリビューション(DDA)とは?活用のメリット・ポイントを解説
参考:『コンバージョン測定とは
関連記事:『データマーケティングのポイント2選!導入事例と注意点も解説

Web広告のプロ集団「Union」

データドリブンアトリビューション(DDA)について

アトリビューションとは

アトリビューション(Attribution)とは、ユーザーがコンバージョンに至るまでに大きく影響を与えたチャネルやクリックのことをいいます。

多くのコンバージョン計測では、基本的にコンバージョンに至った直前のクリック(ラストクリック)が評価の対象になります。

しかし実際には、コンバージョンの獲得に至るまでに、ユーザーは様々な検索行動を行い、複数の広告を閲覧している場合があります。

その際に、数あるクリック数の中から最終的にコンバージョンに大きく貢献したとされるクリックを正当に評価する枠組みがアトリビューションです。

アトリビューションによりどの広告がコンバージョンに貢献しているかの把握ができ、広告戦略やコンバージョンまでの経路の見直しが可能になります。

参考:『データドリブンアトリビューション(DDA)とは?徹底解説!

Googleのアトリビューションモデルについて

Google広告では、現在以下の2つのアトリビューションモデルを使用することができます。

Google公式では各アトリビューションモデルを以下の様に説明しています。

ラストクリック: コンバージョン経路で最後にクリックされた広告とそれに対応するキーワードだけに貢献度を割り当てます。

データドリブン: このコンバージョン アクションの過去のデータに基づいてコンバージョンの貢献度を割り当てます。他のモデルとは異なり、アカウントのデータを利用して、コンバージョン経路全体における各広告インタラクションの実際の貢献度が計算されます。ほとんどのコンバージョン アクションのデフォルトのアトリビューション モデルは、「データドリブン」モデルです。

引用:『アトリビューション モデルについて』

男性編集者A
男性編集者A

なお、「ファースト クリック」「線形」「減衰」「接点ベース」の各アトリビューションモデルは2023年7月にサービスを終了しました。

参考:『アトリビューション モデル「ファースト クリック」、「線形」、「減衰」、「接点ベース」のサポートは終了します
参考:『アトリビューション モデルについて

データドリブンアトリビューションとは

DDA

データドリブンアトリビューション(DDA)は、ユーザーのアカウントに蓄積された過去のコンバージョンデータをもとに、どのキーワード、キャンペーン、広告がコンバージョンに至るのに貢献したかを判断できます。

以下の図はデータドリブンアトリビューションの仕組みを図にしたものです。

データドリブンアトリビューション

この例では、ユーザーはコンバージョンに至るまでの過程で、YouTube広告→ディスプレイ広告→検索広告の順番で遷移しました。

この場合、データドリブンアトリビューションではそれぞれのフェーズの広告1件ごとに対してコンバージョンの貢献度を割り振っています。

これにより、具体的に影響力の大きなポイントがどこであるかを明確にします。

データドリブンアトリビューション(ラストクリックのみの場合)

一方ラストクリックのみで判断を試みると、コンバージョン直前の検索広告にのみ貢献度がつき、それ以前のYouTube広告やディスプレイ広告には対応していないため経路の評価を適切に行うことができません。

また、アトリビューションだけではラストクリックやファーストクリック、線形などの設定したルールに沿ってコンバージョンの貢献度を分析するため、結果として分析結果が同じになってしまうことがありますが、データドリブンアトリビューションでは蓄積されたユーザーのデータを判断に利用するので、ユーザーのアカウントごとに貢献度の結果は大きく異なるという特徴があります。

Googleでも、データドリブンアトリビューションについて以下のように記載しています。

データドリブンアトリビューションは、他のアトリビューションモデルとは異なり、広告主様のコンバージョンデータを利用して、コンバージョン経路全体における各広告インタラクションの実際の貢献度を計算します。

引用:『データドリブン アトリビューションについて』

データドリブンアトリビューションで着目する指標としては以下のコンバージョンが挙げられます。

  • 検索(ショッピングを含む)広告のWebサイト
  • YouTube広告のWebサイト
  • ディスプレイ広告のWebサイト
  • デマンドジェネレーション広告(旧ファインド広告)のWebサイト
  • 来店
  • Googleアナリティクス

なおアトリビュージョン分析はGoogle広告の機能として活用が可能です。

女性編集者A
女性編集者A

Google広告のアップデートにより、2024年1月~3月で従来のファインド広告はデマンドジェネレーション広告に自動的にアップグレードされます。

来店コンバージョンについて詳しく知りたい方は以下の記事も合わせてご覧ください。
関連記事:『Google広告の来店コンバージョンとは?計測する2つのメリットを紹介

参考:『データドリブン アトリビューションについて
参考:『データドリブンアトリビューション(DDA)とは?徹底解説!
参考:『コンバージョン測定に!データドリブンアトリビューション(DDA)の仕組みを分かりやすく解説
参考:『間近に迫るファインド広告からデマンド ジェネレーションへのアップグレード

データドリブンアトリビューションの仕組み

データドリブンアトリビューションでは、発生したクリックや動画エンゲージメントのインタラクションを分析の対象として、ユーザーの中でコンバージョンに至った経路であるコンバージョン経路と、至らなかったユーザーの経路である非コンバージョン経路をそれぞれ評価します。

これらの評価を比較をすることで実際にコンバージョンの獲得パターンを明確にします。

なお、Googleではインタラクションについて以下のように定義しています。

広告で発生する主要なユーザー行動を指します。

テキスト広告やショッピング広告のクリックやスワイプ、動画広告の視聴、電話番号アセットでの通話などが該当します。

引用:『操作(インタラクション): 定義』

このモデルで利用される要素には以下のようなものがあります。

  • コンバージョンからの経過時間
  • 利用されたデバイスの種類
  • 広告インタラクション数
  • 広告表示の順番
  • クリエイティブアセットの種類

クリエイティブアセットとは、広告コンテンツの提供を行うためにアップロードされるファイルを指しています。

クリエイティブアセットの例としては、画像ファイルやHTML5ファイル、リッチメディアファイルなどが挙げられ、広告内の素材はこれらのファイルをもとに作成されます。

Google公式のヘルプでは下記のような例を紹介しています。

札幌のツアー会社がコンバージョントラッキングを使用して、札幌雪まつりツアーのチケット購入につながった広告を計測しているとします。

チケット購入前にユーザーはいくつかの広告をクリックしていると考えられます。

このモデルを使うことで、まず「北海道ツアー」の広告をクリックした後に「札幌雪まつりツアー」をクリックした人の方が、「札幌雪まつりツアー」だけをクリックした人より購入の可能性が高いことがわかったとします。

その場合、「北海道ツアー」の広告やキーワード、広告グループ、キャンペーンにより多くの貢献度が割り当てられます。

引用:『データドリブン アトリビューションについて』

参考:『データドリブン アトリビューションについて
参考:『データドリブンアトリビューション(DDA)とは?活用のメリット・ポイントを解説
参考:『クリエイティブを管理する クリエイティブ アセットについて

データドリブンアトリビューションのデータ要件

データドリブンアトリビューションで扱うデータは1つではなく、貢献度を正確に把握するために過去データを利用します。

そのため、データドリブンアトリビューションの利用には以下のようなデータ要件が必要になります。

  • サポート対象のネットワーク内で30日以内で300回以上のコンバージョンと3,000回以上の広告インタラクションを獲得していること
  • 過去30日間でGoogle検索で15,000回以上クリックされていること

サポート対象ネットワーク内における過去30日間の広告インタラクション数が2,000回未満になったり、あるいはコンバージョンが200回未満になってしまうと、データ量の減少を知らせるアラートが表示されます。

アラート表示後に加えて30日間データ量が引き続き少ない場合には、データドリブンアトリビューションの利用ができなくなり、該当するコンバージョンアクションはラストクリックアトリビューションに切り替わってしまうので注意しましょう。

もしも予想以上にデータ量が減少していると感じた際には、以下の指標を改めて確認してみることが勧められます。

  • コンバージョントラッキングタグ
  • 「コンバージョンアクション」ページのステータス
  • コンバージョンアクションの設定
  • アカウントその他の設定

参考:『データドリブン アトリビューションについて
参考:『データドリブンアトリビューション(DDA)とは?徹底解説!
参考:『データドリブンアトリビューション(DDA)とは?活用のメリット・ポイントを解説

データドリブンアトリビューションの3つのメリット

  • 成果に繋がりやすい広告やキーワードを把握できる
  • アカウントのデータに基づいた分析による入札単価の最適化
  • 複数のデバイスをまたいで効果分析が可能

上記のそれぞれのメリットについて解説します。

成果に繋がりやすい広告やキーワードを把握できる

データドリブンアトリビューションを利用することで、Googl広告の機械学習によって効果の高いキャンペーンや広告、キーワードを把握することができます。

Google広告の検索キャンペーンとディスプレイキャンペーンでデータドリブンアトリビューションを利用したところ、コンバージョンが8%増加して、広告運用コストが8%低下したという事例があります。

参考:『 The future of attribution is data-driven

また、Google広告は高度な機械学習機能を搭載しているため、ユーザーのプライバシー保護を行いつつもタッチポイント(ユーザーと企業の接触がある場面や場所)がコンバージョンに影響を与えたかどうかを正確に判断することが可能です。

参考:『データドリブンアトリビューション(DDA)とは?活用のメリット・ポイントを解説
参考:『データドリブンアトリビューションとは?メリット・デメリットと概要を解説

アカウントのデータに基づいた分析による入札単価の最適化

データドリブンアトリビューションの利用によって特定のデータを判断材料として分析することで、広告入札単価の最適化を行うことができます。

データドリブンアトリビューションで扱われるデータは、ユーザーの行動に関する客観的データなので、高い精度かつ信憑性の高い情報であるとされています。

このデータから分析した広告効果の高いキーワードやキャンペーン情報をもとに、見込みの高い広告に関しては入札単価を上げて、逆に見込みの少ないものに関しては入札単価を下げるといった判断に活用することができます。

入札単価を最適化することでWeb広告運用における無駄なコストを削減し、高い費用対効果を見込めます。

実際にデータドリブンアトリビューションを利用し、ユーザーのタッチポイントに適切な貢献度を割り振り、自動入札機能を合わせて利用したところラストクリックと比較して売り上げ原価を18%削減したという事例もあります。

参考:『 The future of attribution is data-driven
参考:『データドリブンアトリビューション(DDA)とは?活用のメリット・ポイントを解説
参考:『データドリブンアトリビューションとは?メリット・デメリットと概要を解説

複数のデバイスをまたいで効果分析が可能

データドリブンアトリビューションでは、PCやスマホなど複数のデバイスをまたいだ計測が可能です。

近年のインターネットの普及に伴うユーザー行動の多様化によって、ユーザーはPCやスマホ、タブレットなど複数のデバイスを利用し企業やサービス、商品にアクセスできるようになりました。

こういった変化から、企業はデバイスごとのタッチポイントを作成することが求められます。

タッチポイントとは、ユーザーと企業の接触がある場所のことをいいます。

データドリブンアトリビューションでは複数のデバイスをまたいで計測を行うことが可能なので、ユーザーがどのようなデバイスを利用していたとしてもタッチポイントを正確に把握することができ、広告に関する貢献度の評価をデバイスに依存するはないといえます。

例として、仮にラストクリックを行ったデバイスがPCだとしても、その過程でスマートフォンやタブレット上のタッチポイントを介してそれぞれの貢献度を明確にすることができます。

参考:『データドリブンアトリビューション(DDA)とは?活用のメリット・ポイントを解説
参考:『インターネットの歴史とは?年表から見るネット社会の普及を分かりやすく解説
参考:『顧客接点(タッチポイント)とは?必要性と強化方法

データドリブンアトリビューションの設定方法

Google広告におけるデータドリブンアトリビューションの設定方法は以下の通りです。

①「ツールと設定」をクリック

 Google 広告アカウントで、右上のツールアイコン Google 広告 | ツール [アイコン] をクリックします。

Google広告アカウントで、右上のツールメニューから「ツールと設定」をクリックします。

② [コンバージョン] を選択

[測定] の下の [コンバージョン] を選択

[測定] の下の [コンバージョン] を選択します。

③該当するコンバージョンアクションをクリック

表内で、編集するコンバージョン アクションをクリックしてから、[設定を編集] をクリック

概要が表示されるので、表内から編集したいコンバージョンアクションをクリックします。

④[設定を編集] をクリック

表内で、編集するコンバージョン アクションをクリックしてから、[設定を編集] をクリック

詳細が表示されるため、[設定を編集] をクリックします。

⑤ [データドリブン] を選択

データドリブンアトリビューション設定方法④

[アトリビューション モデル] プルダウンメニューで [データドリブン] を選択します。

⑥ [保存]、[完了] の順にクリック

データドリブンアトリビューション設定方法④

[保存]、[完了] の順にクリックして完了です。

補足として「概要」にあるアトリビューションレポートからアトリビューションモデルの更新を行うことも可能です。

手順としては、ページ上部の「データドリブンアトリビューションへのアップグレード」と表示されたバナーを選択した後に、指示に従い操作してください。

詳しく知りたい方は、こちらの公式の情報「アトリビューション モデルの変更を管理するためのおすすめの方法」をご覧ください。

参考:『データドリブン アトリビューションについて

まとめ

本記事では、データドリブンアトリビューションについてどのような仕組みであるのか、データ要件がどのようなものであるのかに加えて、利用することで得られるメリットや設定方法について解説しました。

この記事を読んで、データドリブンアトリビューション利用による貢献度の把握の最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。

株式会社Unionは、複数の自社メディアを運用しており、具体的な数値と仮説に基づいた改善を続けています。

Web広告運用のご相談と併せてLPの制作・改善相談も承っております。

蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。

お客様のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談ください。

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監修者

UnionMedia編集部

2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。

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