Webマーケティングを行う際に「潜在層」というキーワードを見かけることがあるのではないでしょうか。
本記事では、そんな潜在層について、潜在層がどのようなユーザーを示すかを明らかにした後に、なぜ潜在層が重要であるのか、潜在層へのアプローチ法や実際に潜在層へ向けたWebマーケティングを行う際のポイントについて解説しています。
この記事を読み、マーケティングの最適化に活用していただけたら幸いです。
参考:『潜在層と顕在層とは?ターゲット層別のWeb広告の有効な手法を解説』
参考:『潜在層と顕在層の違いとは?潜在層に効果的なWeb広告とその手法を解説』
Contents
潜在層とは
潜在層は、商品やサービスに対する興味・関心の度合いによって割り振られるユーザー層の1つです。
引用:『潜在層と顕在層とは?ターゲット層別のWeb広告の有効な手法を解説』
上記の図より、潜在層はピラミッドの最下層にあり、ユーザーの関心度に関しては最も低い層であると同時に、最も存在するユーザー数が多い層となっています。
潜在層は別名で潜在顧客とも呼ばれており、ユーザーは何らかの悩みや要望があり、特定のジャンルに対する漠然とした目的やニーズは持っていますが、明確な商品やサービスを決定できていない状態です。
企業目線では、自社の商品やサービスに漠然と興味関心を示していますが、明確で具体的なアクションが取れていないユーザー層を指します。
具体的には以下4点のようなユーザーが潜在層に当てはまります。
- 抱えているニーズや不満に関して、明確になっていない
- 大まかに自身の不満、目的を持っているが具体的な解決策をもっていない
- 特定のジャンルに対して興味関心を抱いているが、具体にそれに見合った商品、サービス、ブランドを知らない
- 特定のブランドや商品、サービスに対してある程度興味を持っているが、実際に検討段階には至っていない
参考:『転職潜在層とは?【採用のポイントやアプローチの方法も紹介します】』
参考:『潜在層と顕在層とは?ターゲット層別のWeb広告の有効な手法を解説』
参考:『顕在層と潜在層の違いとは?それぞれにアプローチできるWeb施策も紹介』
参考:『潜在層と顕在層の違いとは?マーケティングに活きる効果的なアプローチ』
参考:『潜在層へアプローチが重要な理由|顕在層との違いや獲得のポイントを解説』
なぜ潜在層が重要であるのか
マーケティングの対象となるユーザーを階層ごとに分ける理由として、マーケティングの最適化を行い、最大限の効果を期待することが挙げられます。
中でも潜在層が重要である理由は以下の2点が考えられます。
- 認知度を拡大できる
- ユーザーの数が多く、育成することで顕在層になる
引用:『企業の販促課題、1位は潜在顧客の把握/Webの広告に関連する課題が上位に【DEECH調査】』
実際にエリアマーケティングシステムを提供するDEECHの調査では、自社の販促課題について最も多い回答が「潜在顧客がどこにいるかを知りたい」と発表され、潜在顧客の獲得が企業でも重視されていることが分かります。
認知度を拡大できる
漠然とした問題意識を持っているが、具体的な解決案を持っていない潜在層に対して、自社の商品やサービスを宣伝することで事業の認知拡大を期待できます。
潜在層は、購入や契約といった意思決定の段階からは離れているものの、解決するためのアイデアが明確でない状態です。
この状態で、競合他社からアプローチを受けていないこのタイミングで自社の情報を認知してもらうことで、実際に意思決定をする際に、第一想起で自社の商品やサービスを検討してくれる可能性が高まります。
実際に潜在層における広告接触、非接触で比較した際の第一想起を比較したところ、潜在層の広告接触により第一想起検索率が2.3%向上した結果があります。
引用:『「第一想起分析」実際の検証例をご紹介(日産セレナ)』
第一想起とは、ユーザーが商品やサービスを思い浮かべた際に、最も最初に自社の商品やサービスが思い浮かぶことを指します。
参考:『顕在層と潜在層の違いとは?それぞれにアプローチできるWeb施策も紹介』
参考:『よく分かる「第一想起」~ Yahoo! JAPAN第一想起分析 』
ユーザーの数が多く、育成することで顕在層になる
潜在層の1つの特徴として、圧倒的に多いユーザーがこの層に存在していることが挙げられます。
その潜在層にアプローチすることで、より多くのユーザーに対して自社をアピールすることが可能です。
母数が大きい分、競合することが多少あっても認知の獲得を期待できます。
そして潜在層に対してアプローチし、商品・サービスを紹介することで、既にもっているニーズを高めて、よりユーザーの関心度が高まった顕在層へ育成することを期待できます。
その際、繰り返し広告などを通して接触することで、顕在層への移行後も数ある競合の中で、自社の優先度を確立しておくことができます。
実際に広告に関する認知科学を扱ったある研究論文では、特定の刺激に接触し続けた場合、刺激に対する知覚情報処理レベルの処理効率が上昇する他、警戒心が薄れて親近性が高まり、刺激に対して良い印象を持つ場合があるとされています。
このように、まだ購入活動をしていない見込み顧客の購買意欲をかき立てる事を目的に、顧客の興味度合いに応じて段階的に商品の情報提供を行う手法をナーチャリングと呼びます。
参考:『マーケティングにおける潜在層と顕在層の違いとは?潜在層マーケティングのメリットと意識すべき3つのポイントに迫る』
参考:『潜在層へアプローチが重要な理由|顕在層との違いや獲得のポイントを解説』
参考:『マーケティングにおける潜在層と顕在層の違いとは?潜在層マーケティングのメリットと意識すべき3つのポイントに迫る』
参考:『潜在層と顕在層の違いとは?マーケティングに活きる効果的なアプローチ』
参考:『潜在層へアプローチが重要な理由|顕在層との違いや獲得のポイントを解説』
参考:『バナー広告への単純接触が商品評価と購買意図に及ぼす効果』
参考:『ナーチャリングで顧客を育成するマーケティングを有利に導くには』
潜在層へのアプローチ法
潜在層に向けたアプローチ法では、広告コンテンツへの興味関心を喚起した後に、自社のサイトへのアクセスへ繋げることを意識します。
効果的なアプローチによって、潜在層が顕在層へと遷移し、最終的には商品の購入やサービスへの申し込みといった意思決定につながることが期待できます。
潜在層に有効なアプローチ法としては以下のような方法が挙げられます。
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- 記事広告
- コンテンツマーケティング
ディスプレイ広告
ポータルサイト、ニュースサイトなどの各種WebサイトやSNSにおけるコンテンツで表示区画に掲載される広告のことを指します。
ディスプレイ広告は、Webサイト画面の広告枠に、画像や動画、テキストによって構成されているWeb広告であり、サイトに訪れたユーザーの目に入りやすく、認知拡大が見込まれます。
Google ではディスプレイ広告に期待できる認知効果を以下のようにまとめています。
ブランド認知度の向上を目指す場合は、Googleディスプレイネットワークを利用すると、世界中の数千ものウェブサイトで最適な場所に適切なタイミングで広告を掲載してユーザーにアピールできます。
また、属性やデータをもとに配信するユーザーをターゲティングすることも可能です。
広告で訴求するコンテンツと関連性の高いサイトに広告掲載をすることができるため、特定のジャンルに対して興味関心を持っている潜在層へ向け、商品・サービスの情報を届けて、認知を拡大することが見込めます。
参考:『潜在層と顕在層とは?ターゲット層別のWeb広告の有効な手法を解説』
参考:『マーケティングにおける潜在層と顕在層の違いとは?潜在層マーケティングのメリットと意識すべき3つのポイントに迫る』
参考:『認知広告とは?効果的な手法や運用のポイントを解説』
SNS広告
SNS広告は、名前の通りFacebookやTwitter、InstagramなどのSNSに配信される広告のことを指します。
SNSのタイムラインやストーリーズに表示することが可能で、普段目にする投稿と変わらないスタイルで広告掲載します。
SNS広告では、ユーザーが登録したアカウント情報(性別や年齢、住所、趣味)、投稿の傾向や、SNS内での行動情報をもとに、ユーザーの属性、興味関心を判断し、それに合わせた広告配信を行うことが可能になります。
この特徴を活かして高い精度のターゲティングができることが大きな強みです。
詳細に配信ターゲットを選定して広告の配信を行い、潜在層の中でもより自社の商品やサービスを購入してくれる可能性が高いユーザーにアプローチできるのです。
また、SNSの強みの1つに、拡散力の大きさがあります。
SNSでは他のユーザーとのシェアや拡散することが容易であるので、配信した広告が意図していたより多くのユーザーの目に留まる可能性を秘めています。
そのため、潜在層のユーザー間での認知拡大を狙うことができます。
関連記事:『5大SNS広告運用入門!適したターゲットや特徴を解説!』
参考:『顕在層と潜在層の違いとは?それぞれにアプローチできるWeb施策も紹介』
参考:『マーケティングにおける潜在層と顕在層の違いとは?潜在層マーケティングのメリットと意識すべき3つのポイントに迫る』
参考:『潜在層へアプローチが重要な理由|顕在層との違いや獲得のポイントを解説』
記事広告
引用:『「技能」で勝負!ダイキン支える137人の熱闘AI時代だからこそ追い続ける、匠の技』
記事広告は画像と文章によって構成される広告です。
第三者の目線での口コミや意見、商品の利点や利用法について記述された記事広告は、ユーザーの抱えるニーズや悩みに寄り添った広告だと言えます。
記事広告は広告であるにも関わらず、ユーザーがニュースやまとめ記事を読むような感覚で訴求できます。
さらに、広告コンテンツと関連性のあるWebサイトやメディアに広告掲載をすることができるので、効率よくそのコンテンツに興味がありそうなユーザーにアプローチし情報を届けることができます。
記事広告を有効に活用することで潜在層のユーザーに対して、悩みの解決やニーズに応えることができる情報を届けることができます。
また、記事広告のコンテンツによってこれまで知らなかった解決策を提示することで、購買意欲を高めることが期待されます。
関連記事:『売れる記事LPとは?制作テンプレートと事例3選をご紹介』
参考:『マーケティングにおける潜在層と顕在層の違いとは?潜在層マーケティングのメリットと意識すべき3つのポイントに迫る』
参考:『潜在層へアプローチが重要な理由|顕在層との違いや獲得のポイントを解説』
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、ブログやコラムなどのオウンドメディアを用いることで、広告ではない価値ある情報を提供するマーケティング手法です。
コンテンツを定期的に更新することでユーザーのサイトへの流入を図ります。
コンテンツマーケティングでは即効性は期待できませんが、長いスパンでの効果を見据えてマーケティングを行っていく必要があります。
この手段で、潜在層のユーザーに向けて価値あるコンテンツを提示し、自社への興味関心を抱いてもらうとともに、定期的に目を向けてもらうことで潜在層から顕在層への移行も見込むことができます。
コンテンツマーケティングに用いられる媒体は以下の種類があります。
- ブログ
- メールマガジン
- YouTube動画
- 無料講座
- オンラインセミナー
自社の商品やサービスに合ったコンテンツを選択しましょう。
関連記事:『オウンドメディアでコンテンツを資産に! 目的と6つのメリットを紹介』
参考:『潜在層へアプローチが重要な理由|顕在層との違いや獲得のポイントを解説』
参考:『顕在層と潜在層の違いとは?それぞれにアプローチできるWeb施策も紹介』
潜在層へ向けたWebマーケティングの5つのポイント
潜在層へ向けたWebマーケティングでのアプローチで重要なのは、「ユーザーのニーズを明らかにして引き出す」ということです。
ニーズを明らかにすることで潜在層は顕在層に育っていきます。
その際に意識するとよいポイントは5点あります。
- 自社の商品、サービスの潜在層を把握する
- 潜在層のニーズを気付かせて、興味を引く
- 潜在層のニーズに共感する
- 潜在層のニーズに応える解決案の提示とメリットを伝える
- マンガ広告でストーリー仕立てに訴求する
自社の商品、サービスの潜在層を把握する
まずは、マーケティングのターゲットとなる潜在層のユーザーがどのような人たちで、どのような特徴があるかを把握する必要があります。
商品やサービスの特徴によってユーザーの性質は異なります。
そのため、最初はすでに自社の顧客や、商品やサービスを利用したことがあるユーザーや、自社のSNS、ブログ、Webサイトへ訪問しているユーザーの特徴や傾向について分析を行います。
それによって、自社の商品やサービスに興味を持っているユーザーはどのような特徴を持つ人たちであるのかを明らかにし、実際にどのようなキーワードで検索行動をしているかを把握することで、自社における潜在層を絞り込んでいきます。
その際に、競合他社のサイトに流入しているキーワードをGoogle キーワードプランナーで調査するのも有効です。
参考:『潜在層と顕在層の違いとは?潜在層に効果的なWeb広告とその手法を解説』
潜在層のニーズを気付かせて、興味を引く
潜在層のユーザーは漠然とした問題を抱えており、具体的なニーズまでは明らかにできていないまま、検索行動を行っています。
そのような潜在層のユーザーに向けたWebページの施策として重要なのは、一目見てメリットがわかるようにし、ユーザーのニーズに気付かせることです。
また、潜在層のユーザーは最初、自社への興味関心が高くありません。
そのため、以下のような方法でユーザーの興味を高めることが大切です。
- ファーストビューで目を引くような工夫をする(芸能人を利用して親近感を持たせる、実績で権威付けをする、具体的なメリットを伝えるなど)
- 商品やサービスの利用法をわかりやすく提示し、利用している場面を想像させる
引用:『株式会社Union』
実際に弊社のWeb広告のLP(ランディングページ)でも、実績やキャッチコピー、笑顔の人物などの要素でユーザーを引き付ける工夫をしています。
興味を引いた後は、潜在層のユーザーが抱えている悩みを改めて確認することができるようなメッセージの配置によって、ニーズを明らかにします。
そうすることで、自社の商品やサービスによる解決策の存在を意識してもらい、さらにアクションすることを促します。
関連記事:『ファーストビューとは?LPの直帰率を改善する6つのポイントとは』
参考:『マーケティングにおける潜在層と顕在層の違いとは?潜在層マーケティングのメリットと意識すべき3つのポイントに迫る』
参考:『潜在層と顕在層の違いとは?潜在層に効果的なWeb広告とその手法を解説』
潜在層のニーズに共感する
自社の潜在層ユーザーのニーズを明確にした後は、そのニーズに共感することがポイントです。
共感を呼ぶには、アンケートコンテンツやお客様の声といったユーザーの声を取り入れることでユーザーの抱えるニーズに寄り添うことが有効です。
このポイントを抑えることで、潜在層のユーザーに自社への安心感を与え、潜在層の信頼を獲得することが期待できます。
参考:『ペルソナの決め方|設定するメリットと具体的な手順を解説』
参考:『マーケティングにおける潜在層と顕在層の違いとは?潜在層マーケティングのメリットと意識すべき3つのポイントに迫る』
潜在層のニーズに応える解決案の提示とメリットを伝える
潜在層ユーザーのニーズを顕在化させたら、具体的にそのニーズに応えることのできる改善策を提示します。
自社の商品やサービスを紹介し、利用することで得られるメリットを説明します。
この段階のユーザーは、商品やサービスを購入して、その先にある得ることのできるメリットを期待しています。
分かりやすくメリットを伝え、ユーザーが抱えるニーズに応え、問題解決することができるということを理解してもらうことができれば、自社商品、サービスを購入するというアクションにつながりやすくなります。
その他には、「よくある質問」の項目を用意して、基本的な疑問に対して回答を準備しおくことも効果的です。
関連記事:『リスティング広告のよくある質問5つ!広告代理店のプロが回答』
参考:『ペルソナの決め方|設定するメリットと具体的な手順を解説』
参考:『マーケティングにおける潜在層と顕在層の違いとは?潜在層マーケティングのメリットと意識すべき3つのポイントに迫る』
マンガ広告でストーリー仕立てに訴求する
引用:『進研ゼミ 中学講座』
加えて、マンガ広告を用いてストーリー仕立てに訴求することで、ユーザーに対して自然と問題提起から解決までを紹介する方法も有効です。
マンガ広告は名前にある通り、マンガを用いて広告配信を行います。
近年注目を集めており、YouTubeやInstagramなどにも掲載されていて、マンガ形式で商品やサービスの紹介をしています。
マンガ広告では、商品やサービスに関してイラストと吹き出しを用いてストーリー仕立てに訴求します。
マンガ内の登場人物が商品やサービスを活用しているストーリーを紹介することで、マンガを見ているユーザーが自分も利用している具体的なシーンを想像することができます。
没入感のあるストーリーによって疑似体験ができるので、商品やサービスを身近に感じることができるというメリットがあります。
具体的な問題の提起や解決策をもっていない潜在層に対して配信をすることで明確な案を与える効果があります。
関連記事:『無料ツールだけでビジネスマンガ広告を作る5つのステップ!』
参考:『漫画動画広告の効果を高めるコツ|成功事例やおすすめの動画制作会社を紹介』
参考:『漫画広告とは?強力な訴求力を持つイマドキのマーケティング手法を解説!』
まとめ
本記事では、潜在層についてどのようなユーザーが当てはまり、どうしてこの層に対するマーケティングが重要であるのかを説明し、効果的なアプローチ方法とポイントについて解説しました。
この記事によって、潜在層への適切なアプローチで、自社の商品、サービスを認知してもらい、最終的には、購買してもらうというアクションを獲得できれば幸いです。
この記事を読んで、潜在層に対するアプローチの最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionは、複数の自社メディアを運用しており、具体的な数値と仮説に基づいた改善を続けています。
蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。
広告運用のご相談と併せてLPの改善相談も承っております。
弊社の広告運用担当者はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保有者であり、知識のアップデートを行っております。
また、薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能。
お客様のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談ください。
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。