リスティング広告などのWeb広告をクリックすると遷移する、1ページ構成のサイトであるLP(ランティングページ)。
リスティング広告で効率良く成果を獲得するには、 LPとの連動性を高める施策が有効です。
LPの利便性を高める、広告の内容と連動させるなどの改善によって、ユーザーの直帰率を下げたり、Web広告の品質スコア向上ができます。
結果的に、顧客の増加へと繋がることが期待できます。
参考:『Google『ランディング ページとは』』
今回は、リスティング広告運用の効果を最大化するためのLP制作のポイントについて解説します。
基礎からしっかり説明するので、Web広告運用の初心者も方も必見です。
Contents
リスティング広告にはLPが必須?
LP(ランディングページ)とは
LPとは、ランディングページの略称です。
Web広告やSNS広告などをクリックした際に最初に表示されるWebページのことを指します。
最初に閲覧するページであれば形式を問わずLPに当てはまりますが、Web広告の運用においては、1ペジ構成で縦長の申し込み専用のサイトを指すのが一般的です。
LPは企業サイトやECサイトと異なり、1ページで一つの商品・サービスを紹介するシンプルな作りであることが特徴です 。
コンバージョン(申し込みや問い合わせなどの成果)の獲得に特化しているので、多くの情報を盛り込みすぎず、外部ページへのリンクも最小限に絞られています。
Web広告には必須といわれることが多いLPですが、導入すること多くのメリットが得られます。
Google広告においては、下記が示されています。
直帰率の減少
LPを自社のユーザー層に合わせて最適化することで、離脱や直帰の防止策になります。
広告の掲載順位の上昇
Googleでは、ユーザーが特定のLPを「他と比べて自分のニーズと関連性が高い」と感じたタイミングを検知します。広告のクリック率が高くなるほど広告の掲載順位が上昇し、より多くの流入が獲得できます。
品質スコアの改善
キーワードに対するLPの関連性を高めると品質スコアが改善につながり、広告の掲載順位も期待できます。
リンクの増加と知名度の向上
LPで提供するコンテンツの関連性が高く、ユーザーの興味を引くものであるほど、ユーザーが他の人とコンテンツを共有する可能性が高まります。その結果、コストをかけずに流入を増やせます。
参考:『Google広告『ランディング ページの最適化と運用ガイド』』
関連記事:『ランディングページで漫画を活用しよう! 2つの方法をレクチャー』
リスティング広告とは
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、特定のキーワードを検索したユーザーに表示される広告です。
「検索」というユーザーのアクションが起点であるため、購買意欲が高い層に広告を配信できる点が魅力。
多くの企業が、有効なWeb施策として導入しています。
キーワードの指定のみならず、配信する地域や時間、ユーザーの属性などもコントロールできるため、自社の商品・サービスにマッチする層に効率良くアプローチしたい場合に適しています。
リスティング広告の仕組みや詳細については、こちらの記事で解説しています。
関連記事: 『検索連動型広告とは?仕組みと運用開始までの12のステップを解説』
関連記事:『リスティング広告の審査対策5選【Google広告・Yahoo!広告】』
LP向きの商材と不向きの商材がある
LPは一つの商品・サービスの魅力やメリットを深掘りして訴求できるという特性があります。
LPのコンバージョン(CV)の例
- 健康食品の定期購入
- 新築マンションの資料請求
- スポーツジムの体験レッスン申し込み
- 転職サイトの会員登録
一方、LPではなく通常のWebページやECサイトなどにリンクさせた方が有効なケースもあります。
一つのサイトで複数の商品やサービスを比較検討するケースが多いアパレル商材や賃貸マンションの紹介サービスなどは、こちらに当てはまります。
自社の特性やユーザーのニーズを理解した上で、LPを制作するのか、通常のWebページやECサイトにリンクさせるのかを選びましょう。
なお、リスティング広告において防止すべきトラブルについては、こちらの記事で解説しています。
関連記事:『リスティング広告運用で競合名は使用OK?防止すべきトラブル3選』
LPを制作するメリットとは
リスティング広告の運用にLPを導入する前に、メリットを理解しておくことをおすすめします。
なぜリスティング広告とLPが好相性なのかがわかれば、より効果的に活用できるでしょう。
制作にかかる時間やコストが少ない
LPは1ページ構成で作りがシンプルなので、Webサイトを一から構築する場合と比べて、制作にかかる時間や費用が少ない点がメリットです。
自社のホームページを持たない企業であっても、LPを有効活用すればWeb広告の出稿が可能になります。
また、 低コストであるため、複数の種類を用意できるところも大きな利点です。
商品の種類、リスティング広告の検索キーワード、シーズン、キャンペーン内容などに合わせて数種類のLPを制作し、訴求する内容を変えるといった戦略も可能です。
リスティング広告自体がキャンペーン予算や入札単価のコントロールが可能な点も見逃せません。
月ごとに広告予算を決め、範囲内で運用していきたいといったニーズにもマッチします。
参考:『 「予算による制限」に関する入札単価調整のトラブルシューティングを行う』
CVの獲得率を高められる
CVの獲得に特化した内容で制作できるところも、LPの大きな魅力です。
デザインや掲載する内容の自由度が高く、商品・サービスの魅力を端的に伝えられます。
キャッチフレーズやビジュアル、CTA(「申し込む」ボタンなどの行動を促す画像・テキスト)を作り込み、ユーザーが購買や申し込みへの気持ちを高められる設計にすれば、CV率の向上も期待できます。
自社サイトと異なり、トンマナ(デザインの統一感)を合わせすぎる必要もないため、「期間限定のキャンペーン用にインパクトのあるデザインで制作する」「検索ユーザーの年代ごとに異なるテイストのページを用意する」といった施策にも使えます。
関連記事:『CTAを改善する方法とは?コンバージョンを高める4つの簡単な方法』
LPの改善でCVR事例が向上した事例
マーケティングメディア『LISKUL』で、下記の事例が紹介されています。
脱毛サロンのLPで、競合と同様の「低価格・部分脱毛」で訴求していたため、打ち出しを「美肌脱毛」に変更しました。
CVに誘導するボタンが背景と同系色であったため、反対色に変更して視認性をアップ。
同時に、LPのデザインをターゲット層の年齢(25〜34歳女性)にマッチするテイストに改善しています。
結果として、コンバージョン率(CVR)が170%向上する結果になりました。
参考:『LISKUL『ランディングページ最適化(LPO)とは?たった一つの工夫で問い合わせを10倍にした事例』』
A/Bテストでより効果的な訴求方法が探れる
リスティング広告では、複数あるLPの効果を検証するA/Bテストが可能です。
例えば、転職サイトのLPを制作する際に「未経験者の〇%が異業種転職に成功」と「有名企業の非公開求人が充実」という2つのキャッチコピーのどちらを採用するか迷ったとします。
このようなケースでも、キャッチコピーを変えた2つのLPを用意してA/Bテストを実施することで、より効果の高いものが明らかになります。
A/Bテストを重ねるうちに、自社のユーザーに好まれるLPの傾向や勝ちパターンが見えてくるでしょう。
リスティング広告では、Google広告やYahoo!広告の管理画面によってリアルタイムで広告の効果を観測できます。
「このLPはあまり効果が見込めない」という結論になれば、管理画面で広告のリンク先を変更するだけですぐに差し替えができる手軽さもメリットの一つ。
キャンペーン用の期間限定のLPなども同様に変えられるので、自社サイトのメンテナンスと比較しても少ない手間で運用可能です。
A/Bテストの成功事例
アメリカの大統領選挙で、当時候補者であったオバマ氏が実施したA/Bテストは、世界的に有名な事例として知られています。
オバマ氏の支援サイトのメール会員を獲得するため、サイトのメイン画像とCVに誘導するボタンの組み合わせを合計24パターン用意し、一番成果が良かったものを固定のデザインにするという試みでした。
結果的に、はじめに採用していたデザインと比較し、CV率は約140%向上しました。
参考:『ログリー株式会社『あの大統領も140%の成果改善。アメリカ大統領とA/Bテストの意外な関係』』
リスティング広告の効果を高めるLP制作のポイント
ここからは、リスティング広告の遷移先としてLPを導入する際に、運用の効果をあげるためのポイントを解説します。
ここを押さえておくだけで、ユーザーの購買や申し込みに対するモチベーションを高めるLPを作ることができます。
なお、初めてLP制作に取り組む方はこちらの記事もぜひご参考にしてください。
関連記事:『WordPressで簡単!すぐできるLP(ランディングページ)入門!6種類のテーマ紹介』
魅力的なファーストビューを作る
LPのデザインでは、ユーザーのCVへのモチベーションを上げる魅力的なファーストビューを作ることが重要です。
ファーストビューとは、LPなどのWebページを開いた際に、最初に表示される範囲を指します。
つまり、LPの第一印象を決める部分です。
ファーストビューを閲覧したユーザーに「期待していた商品・サービスとは違いそう」だと思われてしまうと、そのままページから離脱し、CVの機会損失につながります。
期待通りだと印象付けるためには、ファーストビューのキャッチフレーズ・メインビジュアルで商品の魅力を端的に伝えることが大切です。
ユーザーの年齢や性別などをふまえて、共感されやすい文言や写真を選びましょう。ユーザー層に合わせて複数のパターンを用意する方法も有効です。
また、「予約する」「資料請求する」などのボタンを目に留まりやすい場所に配置し、興味を持ったユーザーがすぐに行動を起こせるように設計する工夫も欠かせません。
ファーストビューを作る際は、ユーザーの離脱を回避するためにあれもこれもと情報を詰め込みたくなるものです。
しかし、訴求するポイントが多すぎるとかえって読みづらくなり、離脱を促してしまいます。
簡潔な内容を心がけ、スクロールして続きの情報を読みたくなるような作りにしましょう。
LPのファーストビューの設計については、下記の記事で詳しく取り上げています。
関連記事: 『ファーストビューとは?LPの直帰率を改善する6つのポイントとは』
リスティング広告文とLPの内容を一致させる
リスティング広告の文を読んで期待を持ってクリックしたにもかかわらず、LPで異なる内容が訴求されていたら、多くのユーザーはファーストビューだけでページから離脱します。
ユーザーの検索キーワードやリスティング広告で表示される文言と、LPで訴求する内容は一致させましょう。
例えば、リスティング広告で「入会キャンペーン実施中」と記載しているなら、リンクさせるLPにも同様のキャッチコピーを入れます。
ユーザーの検索意図とLPの内容が合致しているかどうかは、リスティング広告の表示順位を決定づける「広告の品質スコア」に影響をもたらします。
GoogleやYahoo!では、広告の品質スコアが算出される要素として、推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性を示しています。
LPの利便性については、Googleのガイドラインでは「ランディングページが、広告をクリックしたユーザーにとってどの程度関連性があり有用であるかを示す」と言及されています。
つまり、CVだけでなく広告の評価も左右するのです。
参考:『Google『品質スコアについて』 』
ストレスなくCVできる設計にする
LPを制作する際は、商品・サービスを魅力的に見せるデザインだけでなく、ユーザーがストレスなく閲覧できる設計も重要な要素です。
有効な取り組みとしては、ページの読み込み速度を上げる・EFO(入力フォーム最適化)・ユーザーの不安を解消する情報の提示が挙げられます。
ページの読み込み速度を上げる
Google社によって、ページの読み込み速度が遅いほど、ユーザーがページを離れる確率が上昇するというデータが発表されています。
表示速度1秒と比べると、3秒の場合は32%、5秒の場合は90%、6秒の場合は106%、10秒の場合は123%と、それぞれ直帰率が高くなります。
データ引用:『Google『Find out how you stack up to new industry benchmarks for mobile page speed』』
そのためには、画像のサイズを圧縮したり、画像を必要に応じて表示させる「遅延読み込み」を設定するといった方法があります。
関連記事:『Webページの表示速度を上げる改善策7選!計測方法も紹介』
EFO(入力フォーム最適化)
商品・サービスに興味を持ち、いざ申し込みとなった段階で、入力フォームの項目の多さからページを離脱した経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
精度の高い情報収集よりもCVを優先するために、入力フォームにかかる手間を減らすことをおすすめします。
CV率を高めるために入力フォームを最適化する手法は、EFOと呼ばれています。
下記は、EFOの取り組みの一例です。
- 入力項目の数を必要最小限にする
- 郵便番号検索で住所が入力できるように設定する
- プルダウンやチェックボックスを活用して入力の工数を減らす
- 未入力の項目をセルの色で判断できるようにする
- 残りのボリュームを目視できるよう入力ステップを表示する
EFOを実施する際のポイントについては、下記の記事でより詳しくご紹介しています。
関連記事: 『EFO(入力フォーム最適化)とは?CVRを改善する6つのポイントとは』
ユーザーの不安を解消する情報の提示
リスティング広告を経由して初めて知る商品・サービスについて不安を感じるユーザーも少なくありません。
安心して「予約する」「資料請求する」ボタンをクリックしてもらうためにも、想定されるユーザーの不安や疑問点を先回りで解消しておきましょう。
具体的には、申込後のプロセスを明記してどのようなステップがあるのかを示したり、ユーザーからの問い合わせの多い内容をFAQにまとめるといった方法があります。
また、LP内に問い合わせの電話番号を掲載してボタンひとつでかけられるように設定したり、チャットボットのCTAを設置してユーザーが気軽に相談できる導線を作っておくのも有効です。
商品・サービスのメリットや権威性をアピールする
商品・サービスの魅力を伝えるためには、ただ機能性などのハード面をアピールするだけでなく、購入したり申し込んだりすることでユーザーにとってどんなメリットがあるのかを明示することが大切です。
そのためには、「お客様の声」のような共感性の高いコンテンツを掲載し、「自分の悩みも解決しそう」だと感じてもらう手法が有効です。
また、キャッチコピーなどで、「〇カ月で効果を実感」「累計ユーザー数〇万人を突破」など、具体的な数値で権威性や有益性を示すのも一つです。
なお、「売上No.1」や「顧客満足度第1位」といった優位性を示す広告表現については注意が必要です。
景品表示法に抵触しないよう、ガイドラインにも目を通しておきましょう。
参考:『消費者庁「比較広告」』
商品の権威性を訴求するには、専門家によるコメントや解説を掲載したり、「雑誌〇〇に掲載」など、メディアで取り上げられた実績をアピールする方法もあります。
関連記事:『LPのキャッチコピーで簡単にユーザーを惹きつける5つのポイントとは』
今すぐ申し込むメリットを示す
LPで商品やサービスに興味を持っても、多くのユーザーは「もう少し検討しよう」と考えます。
「今すぐに申し込むとこんなメリットがある」と訴求することによって、早い段階でCVを獲得できます。
ファーストビューをはじめ、ページの随所に下記の文言をちりばめておくと効果的です。
- 〇月末まで入会金無料
- 今申し込むと受講料が〇%OFF
- 今なら初月の会費がかかりません
- 返金保証制度あり
社内でキャンペーンを企画し、リスティング広告やLPに反映させましょう。
LPの効果を高める施策はLPO(ランディングページ最適化)と呼ばれます。LPOについては、こちらの記事でも説明しています。
関連記事:『LPO(ランディングページ最適化)とは?基礎知識と改善ポイント5選!』
まとめ
リスティング広告とLPは相性が良く、上手く連動させればCVの獲得数を効率的に上げることができます。
また、LPは制作にかかるコストが比較的低いため、複数の種類を用意したり、シーズンやキャンペーンに合わせて内容を変えるなど、フレキシブルに運用できる点も大きなメリットです。
自社の商品・サービスの魅力を引き立てるLPを用意し、効果測定を重ねながらブラッシュアップを行いましょう。
なお、LPはリスティング広告だけでなく、ディスプレイ広告やSNS広告の遷移先としても活用できるので、まだ用意していない企業はすぐに制作することをおすすめします。
株式会社Unionは、リスティング広告運用のプロ集団です。
広告管理に加え、LPの制作も承っています。
リスティング広告の効果を最大化するLP設計のノウハウを熟知しているので、LPの制作やリニューアルを検討されているなら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。