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Googleアナリティクス4の特徴は?設定と6つの注意点を解説

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Googleアナリティクス4の特徴は?設定と6つの注意点を解説

Googleアナリティクス4プロパティ(以下GA4)は、Googleの提供している測定ツールです。

基本機能が無料で使えることもあり、広く使用されています。

実際に、SEM Technologyが上場企業のコーポレートサイトを対象に行った調査では、2023年12月時点で84.07%のサイトでGA4が導入されていました。

Webページとアプリを横断的に計測できるなど様々な特徴があります。

当記事では、GA4の特徴と設定方法、注意点について解説します。

参考:『[GA4] 次世代のアナリティクス、Googleアナリティクス4のご紹介
参考:『GA4の導入状況調査 2023年12月

Googleアナリティクス4の特徴

Googleアナリティクス4プロパティ(GA4)の主な特徴は以下の通りです。

  • ユーザー中心のデータモデル
  • 機械学習による分析
  • モバイルアプリでの使用も可能

UAと異なる部分も多いため、きちんと把握し、特徴を活かした運用をしましょう。

ユーザー中心のデータモデル

データモデルは、あるサイト上のユーザーから収集した情報の管理方法をGoogleアナリティクスに指示する際に使用されます。

UAのデータモデルは、セッションとページビューを使用しており、これらは15年以上前、スマートフォンやタブレットがまだ主流でなかった時代に開発されました。

UAは、セッションベースのモデルに基づいており、一定期間内に発生したユーザーのインタラクションに基づいてデータを収集していました。

しかしこの方法では、1人のユーザーが1つのセッション中に複数のコンバージョンを達成する場合でも、1つのコンバージョンしかカウントされず、正確なデータが得られないという欠点がありました。

GA4ではページビューだけでなく、一連の主要ユーザー操作を自動的に取得するように変更され、クリック、表示、ダウンロードなど、さまざまなユーザーアクションを取得できるようになりました。

これにより、Webサイトやアプリの全体像がより正確に把握できます。

参考:『Google アナリティクス 4(GA4)徹底解剖

機械学習による分析

GA4では、Googleの専門知識をデータセット内に取り入れることでユーザーの今後の行動を予測することが可能です。

予測可能な指標については以下の通りです。

指標定義
購入の可能性過去28日間に操作を行ったユーザーによって、今後7日間以内に特定のコンバージョンイベントが記録される可能性を意味します。
離脱の可能性過去7日以内にアプリやWebサイトで操作を行ったユーザーが、今後7日以内に操作を行わない可能性を意味します。
予測収益過去28日間に操作を行ったユーザーが今後28日間に達成する全購入コンバージョンによって得られる総収益の予測を意味します。

機械学習による予測機能は今後の方針を決定する場合など様々なシーンで活躍できる可能性があります。

参考:『[GA4] 予測指標|アナリティクスヘルプ

モバイルアプリでの使用も可能

GA4は、Webサイトだけでなくモバイルアプリでも使用可能です。

モバイルアプリでのGA4の使用は、アプリ内のイベントの追跡やアプリの利用状況の分析が可能です。

GA4をモバイルアプリに統合することで、アプリ内のユーザー行動を把握することができます。

モバイルアプリのプッシュ通知や広告のパーソナライズにも利用でき、またiOS、AndroidそれぞれのOSのアプリについて対応しています。

参考:『アプリ版GA4の導入

GA4とUAの違い

GA4は、以前のGoogleアナリティクスであるユニバーサルアナリティクス(UA)ではできなかった計測方法で計測できるようになるなど大きく進化しました。

GA4とUAを比較した場合、主な違いは以下の通りです。

GA4UA
スマホアプリのデータ収集
Cookieの使用ファーストパーティサードパーティ
クロスデバイストラッキング
BigQueryの使用無料有料

参考:『GA4(Googleアナリティクス4)で何が変わる?移行のメリットやUAとの違いを解説

男性編集者A
男性編集者A

UAと比較し、GA4はスマホやタブレット、PCなど複数のデバイスを所有することが主流となった現代にマッチしたプロパティです。

スマホアプリのデータ収集

Firebase引用:『無料かつ無制限のアプリ解析 – Firebase – Google

UAの場合、スマホアプリについての計測を実施する場合は、アプリとWebは別々に計測されていました。

GA4では、Webページのデータとアプリのデータを一括で計測し、同じレポート上で分析できます。

同じプラットフォームで管理できることから、簡単にデータを管理できるようになりました。

計測には、FirebaseというGoogle提供の別プラットフォームを使用する必要があります。

Firebaseとは、アプリやゲームの構築と拡大を支援するアプリ開発プラットフォームです。

GA4とFirebaseを統合することでアプリについての分析を実施できるようになり、最大500種類のイベントに対応可能な無制限のレポート作成によってiOSやAndroidのアプリについてユーザー行動を分析することが可能です。

参考:『Firebase – Google
参考:『[GA4] アプリのデータ収集のセットアップ
参考:『「GA4でアプリ行動を計測する」というのはどういうことか?

Cookieの使用

cookie2

UAの場合サードパーティCookieを使用してのトラッキングであったため、精度やセキュリティ面で限界がありました。

サードパーティCookieとは、あるドメインで生成され、異なるドメインに所属するサイトで使用されるCookieのことを指します。

具体的には、広告主が自社サイト以外のサイトに広告を出稿する際に、広告表示回数やクリック数などのデータを収集するために使用されます。

このように、広告主以外の第三者によって生成されたクッキーのため、サードパーティCookieと呼ばれます。

ブラウザのプライバシー保護機能の強化や、*1GDPRや*2CCPAなどのプライバシーに関する法律の改正などにより、サードパーティCookieの使用に制限がかかるようになりました。

これにより、広告主は、Cookieを使用したターゲティングや広告パーソナライゼーションなどのデータ活用が難しくなり、広告配信の効果測定やユーザーの行動解析の精度が落ちるなど問題が発生する可能性があります。

*1GDPR:EU一般データ保護規則の略称であり、個人データ保護やその取り扱いについて詳細に定められたEU域内の各国に適用される法令のこと
*2CCPA:カリフォルニア州消費者プライバシー法の略称であり、2020年1月から適用開始されたプライバシー法のこと

参考:『GDPR(EU一般データ保護規則)とは?日本企業が対応すべきポイントを考える
参考:『カリフォルニア州 消費者プライバシー法(CCPA)の概要
参考:『サードパーティーCookieとは?仕組み・問題点を分かりやすく解説

サードパーティCookieの問題点

サードパーティCookieはユーザーのプライバシー問題も引き起こしています。

なぜなら、ユーザーのコンピュータにサードパーティCookieを忍び込ませることによって、別のWebサイトの運営者が勝手にオンラインでのユーザーの行動を追跡することができてしまうからです。

参考:『Cookieレス時代─サードパーティCookieの廃止に備えよう

サードパーティCookieの代替技術

そのためGA4では、ファーストパーティCookieを利用したトラッキング方法を採用しています。

ファーストパーティCookieは、ユーザーが訪問したWebサイトのドメインから直接発行されているCookieのことで、第三者による追跡を防ぐことが可能です。

さらに、ユーザーIDによるトラッキングやプライバシーサンドボックスの採用を進めています。

プライバシーサンドボックスとは、サードパーティCookieに代替されるターゲティングの識別子です。

サードパーティCookieではサイトの閲覧履歴などを解析し、個人に対してターゲティングしていましたが、プライバシーサンドボックスの場合は個人を特定するわけではなく、コホート(郡)と言われる集団に対してターゲティングをしていく仕組みです。

GA4では個人のプライバシーを保護し、セキュリティ的な問題を回避しながら情報を収集できます。

参考:『ウェブ向けプライバシーサンドボックスの新しいアプローチ
関連記事:『【初心者向け】アクセス解析の用語15選!マーケティングの基本を解説

クロスデバイストラッキング

クロスデバイストラッキング

クロスデバイストラッキングとは、複数のデバイスを使用して同じユーザーを追跡するための技術です。

クロストラッキングを活用することで同じ人がスマートフォン、タブレット、パソコンなど、異なるデバイスを使ってWebサイトを訪問した場合でも、そのユーザーを識別し、同じ人物であることを把握することができます。

たとえば、スマホで最初Webページにアクセスし、のちにPCを使用し購入した場合もその流れについて様子を確認可能です。

「Googleシグナル」設定を変更することで、Googleアカウントから収集されたユーザー情報に基づき、自動的にデバイスを跨いでユーザーを識別するという仕組みになっています。

GA4では、このGoogleシグナルが強化され、より精密なデータを得ることができるようになりました。

参考:『Google シグナルを有効にする|アナリティクスヘルプ
参考:『GAの機能、クロスデバイストラッキングについて説明
参考:『ユニバーサルアナリティクスとGA4の計測の違い(第2回)
参考:『【2024年版】GA4(Googleアナリティクス4)とは?UAとの違いなどを解説!

BigQueryの使用

BigQuery

引用:『データドリブンのイノベーションを推進するクラウドデータウェアハウス

BigQueryは、Googleが提供するフルマネージドのクラウドベースのデータウェアハウスです。

ビッグデータ処理やデータ分析のための高速のクエリエンジンを備えており、大量のデータをリアルタイムで処理することができます。

データウェアハウスとは、様々なデータソースから大量のデータを収集し、それらのデータを分析やレポート作成などの目的で保存し、全体最適化されたデータの集合体です。

データ運用についてデータ連携の基盤と位置付けることも可能です。

また、フルマネージドとは、ユーザーがデータベース管理やインフラストラクチャの運用を行う必要がなく、プロバイダーが全ての管理を行ってくれることを意味します。

UAではBigQueryと呼ばれるGoogleのクラウドデータサービスにデータをエクスポートする場合、無料で使用することはできず、BigQueryを使用する場合は課金する必要がありました。

一方でGA4では無料でBigQueryにデータをエクスポートし保存可能です。

そのためBigQueryを使用することで大量のデータをコスト効率よく処理することが可能です。

参考:『[GA4] BigQuery Export|アナリティクスヘルプ
参考:『DWH(データウェアハウス)とは?データベースとの違いや特徴も解説!

 

Googleアナリティクス4の導入方法

Googleアナリティクス4での計測は以下のステップで開始可能です。

  1. プロパティの作成
  2. 計測記述の追加

プロパティの作成

GA4の導入方法は、UAの計測タグが入っている場合と入っていない場合で異なります。

UAの計測タグが既に入っている場合

GA4設定アシスタントをクリック

GA4設定

Googleアナリティクスの管理ページから、「GA4設定アシスタント」をクリックします。

次に「Googleアナリティクス4プロパティを作成する」内の「ようこそ」をクリックします。

プロパティを作成

GA4設定

表示された画面の「プロパティを作成」をクリックします。

従来使用していたUAからプロパティ名や業種などの情報がコピーされるため、スムーズに設定を完了できます。

UAの計測タグが入っていない場合

プロパティを作成

GA4設定

Googleアナリティクスの管理画面から「プロパティを作成」をクリックします。

タイムゾーン、通貨などの情報を設定

GA4設定

表示された画面で、プロパティ名やタイムゾーン、通貨などの情報を設定します。

さらに自身のWebサイトのURLについて設定します。

ビジネス情報を設定して作成

GA4設定

次にビジネス情報について設定をします。

最後に作成ボタンを押して完了です。

計測記述の追加

計測記述の追加する一般的な方法は以下の2つです。

  • Googleタグを追加する方法
  • Google Tag Managerを使用し追加する方法

Googleタグを追加する方法

GA4設定

Googleアナリティクス管理画面から「データストリーム」を選択し、使用するプロパティを選択します。

計測記述部分をコピーし、WebページのHTML内の<head>内にペーストします。

WordPressをはじめとしたCMSを使用している場合はプラグインなどを活用し、HTMLに関する操作なしでコーディングを完了することも可能です。

Google Tag Managerを使用し追加する方法

GA4設定

Google Tag Managerのアカウントを作成し、ログインします。

次に「変数」→「ユーザー変数定義」内の「新規」をクリックます。

「定数」を選択します。

測定IDを追加、保存

GA4設定

Googleアナリティクスのプロパティから測定IDを確認し、追加した上で「保存」を選択します。

Google Tag Managerの管理画面に戻り、「タグ」をクリック、「Googleアナリティクス:GA4設定」を選択し、先ほど設定した測定IDを選択することで設定は完了です。

上のステップで、GA4を活用した計測を開始可能です。

引用:『Google Analytics 4 ガイド
関連記事:『Google広告のコンバージョンタグをタグマネージャーで設定する5ステップ

Googleアナリティクス4の注意点

イベントベースのモデルに変更されたことを意識する必要がある

GA4では従来のUAとは異なるイベントベースのモデルが採用されており、データの収集方法や分析手法が変わっています。

そのため、プロパティの設定やイベントの設計については、従来のUAとは異なるアプローチが必要となります。

例えば、GA4とUAではセッションの考え方が異なります。

セッションとはWebサイトへの訪問数を意味します。

UAでは、操作が行われず30秒経過した場合や日付が変わった場合、参照元が変わった場合にセッションが終了していましたが、日付や参照元が変わった場合にもセッションが終了しないように変更されました。

そのため、セッション数はGA4の方が少なく表示されます。

参考:『【GA4対応】セッション数とは?PVとの違い・計測ルール・活用方法まで解説

UAでは1セッションに行われた行動データを分析することに最適化されていましたが、GA4ではイベント単位でのデータを見るようになり、レポート構成にも変更が発生しています。

参考:『【2022年5月追記】GA4とは?Google Analytics 4の基本と設定方法を解説

データの保存期間の変更

UAでは、26ヶ月間データを保存していましたが、GA4ではデータ保持期間が初期設定では2ヶ月間、設定を変更した場合でも最長14ヶ月までとなっているため、データの保存期間については注意が必要です。

女性編集者B
女性編集者B

必要に応じて、データのエクスポートやバックアップを行うことが重要です。

参考:『データの保持|アナリティクスヘルプ

管理画面が変更される可能性がある

GA4は2020年のリリースからしばしばUIが変更されています。

時間をかけて使い方を覚えた場合でも、デザインが刷新されてしまい、台無しになってしまうリスクがある点に注意しましょう。

参考:『GA4(Google Analytics4)とは|UAとの違い、導入方法を図解で解説

AMPページの計測に制限がある

AMP

引用:『AMPとは|Google検索セントラル

AMP(Accelerated Mobile Pages)とは、モバイルユーザー向けにWebページを高速で表示するためのフレームワークです。

AMPの技術を用いてWebページをAMP化すると、従来よりも表示速度が平均して約4倍速くなり、使用データ量を1/10程度に抑えることが可能といったデータがあるなどWebサイトを改善する施策のうちの1つです。

2023年6月に、GA4ではAMPページの計測を実施できるようになりました。

ただし、ユーザーがデータ収集を無効化できるようGoogleプライバシーポリシーと利用規約へのリンクを提供したり、用途を開示したりと、前提となる要件があるので導入前に確認が必要です。

機能面でも、下記の機能がサポートされていないため、商材によっては注意しましょう。

  • 同意モード設定の管理
  • UIベースの動的な設定(Googleシグナル、拡張コンバージョン)
  • eコマースイベント

参考:『AMPとは|Google検索セントラル
参考:『AMPページへのGA4実装
参考:『[GA4] Accelerated Mobile Pages(AMP)の測定

関連記事:『【初心者向け】AMPページとは?2つのメリットと作成方法を解説!

機械学習による予測機能を使用するためには条件を満たす必要がある

予測機能の導入には3つの条件を満たす必要があります。

具体的には以下の通りです。

1. 購入ユーザーおよび離脱ユーザーのポジティブサンプルとネガティブサンプルの最小数。過去28日の間の7日間で、対象の予測条件(購入または離脱)をトリガーしたリピーターが1,000人以上、トリガーしていないリピーターが1,000人以上必要です。

2. モデルの品質が一定期間維持されていることが要件になります(プロパティが予測指標の対象となる可能性を最大限に高める方法については、こちらをご覧ください)。

3. 購入の可能性と予測収益の各指標の両方を対象とするには、プロパティはpurchase(収集が推奨されるイベント)とin_app_purchase(自動的に収集されるイベント)、またはそのどちらかを送信する必要があります。purchaseイベントを収集する場合、そのイベントのvalueとcurrencyのパラメータも収集する必要があります。

引用:『[GA4] 予測指標|アナリティクスヘルプ』

これらの条件を満たす必要がある点を理解した上で、機械学習を活用を検討するようにしましょう。

しきい値が適用されると、データ除外が起きる

GA4では、プライバシー保護を意識した機能が豊富にあります。

その中の一つが、しきい値です。

これは、データ数があまりにも少ないときにユーザー属性などから個人の特定を避けるために適用される基準の値を指します。

しきい値を下回った場合、GA4からデータ除外が起きます。

データ除外をされると正確な計測に影響が出る場合がありますので、可能な限り対策しましょう。

具体的には、計測期間を長めに設定する、レポート項目にユーザー属性情報を含めないようにするなどがあります。

参考:『GA4のしきい値とは?適用される条件や回避する4つの方法を解説
参考:『GA4の探索レポートはこう使う!ニーズ別の使い方や注意点を徹底解説

まとめ

GA4は、Webサイトとアプリを一元分析できる点やBigQueryが無料で連携できる点など様々な面で優れていることから、Webサイト運用にUA以上に貢献するポテンシャルのあるツールです。

機械学習や設定の簡易化などもあり、初心者でも運用しやすいツールになっていることから、様々な機能を試して自身にとって有用な機能を探すことを推奨します。

またGA4を使用する際はUAからデータの保存期間が変更されている点や、AMPサイトに制限がある点などに注意して運用するようにしましょう。

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監修者

UnionMedia編集部

2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。

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