近年SNSをマーケティングに活用する企業が増加しています。
1,700社の企業のWebマーケティングを支援する株式会社Faber Companyが2021年に行った、企業のマーケティング担当者465名を対象とした調査によると、7割以上の企業が何らかのSNSをマーケティングで利用していることが判明しました。
引用:『7割以上の企業がSNSをマーケに活用、最も活用されているのは「Youtube」』
同調査によると、企業が利用しているSNSのうちTwitterの利用率はYouTubeに次いで2番目に高く、また業態をBtoCに限った分析ではTwitterの利用割合が最も高いです。
なぜTwitterは多くの企業によって導入されているのでしょうか。
最も大きな理由として、「いいね」や「リツイート」機能により、拡散力があり、商品やサービスのPRに役立つ点が挙げられます。
2019年1月1日から12月31日までフォロワー管理やツイートの予約管理ツールであるSocialDogを使用しているユーザーがツイートした1億5,000万以上の日本語ツイートを対象とした分析では、平均「いいね」数は2~3回程度、平均リツイート数は2~4回程度でした。
引用:『1.5億のツイート分析からみる「Twitterのベストな投稿時間」とは。』
自社のフォロワーに対し、直接情報発信ができるだけでなく、発信した情報が間接的に「いいね」や「リツイート」したユーザーのフォロワーのタイムラインに表示され、フォロワー数が同程度と仮定した場合、直接発信したユーザー数の2~3倍のユーザーに対し、間接的に情報を伝えられます。
Twitterと同様、タイムラインにフォローしているユーザーの投稿が表示されるSNSにInstagramやFacebookがあります。
InstagramにはTwitterの「いいね」や「リツイート」に該当する情報拡散機能が存在しないため、拡散力の面ではTwitterのほうが優れています。
また、Facebookには情報拡散機能は存在していますが、総務省情報通信政策研究所の調査では、令和3年度におけるFacebookの利用率は32.6%であるのに対し、Twitterの利用率は46.2%で、Twitterのほうがより多くのユーザーに対しリーチすることができます。
引用:『令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
Twitterの拡散力は情報拡散機能とユーザー数に下支えされています。
この拡散力を最大限活用するためにはフォロワーを増やす必要があります。
当記事では、企業が運営するTwitterのフォロワーを増やすメリットと、フォロワーを増やすにあたり押さえておくべきポイントについて解説します。
関連記事:『Twitterの動画を保存する方法7個!PC /Android/iPhoneそれぞれ解説』
Contents
企業が運営するTwitterのフォロワー数を増やすメリット
Twitterのフォロワー数を増やすことにより、
- 商品やサービスの広告力の向上
- 会社自体を身近に感じる顧客数の増加
の2点のメリットを獲得することができます。
商品やサービスの広告力の向上
上述した通り、Twitterは拡散力に優れたSNSです。
「いいね」機能や「リツイート」機能により、多くのユーザーにリーチすることができます。
それを裏付けるデータとして以下のようなものがあります。
ある国際的なスポーツイベントでは、同イベントに関連するツイートが24万8,807件確認されました。
これらのツイートはTwitter内で拡散され、そのリーチは最大で542万1,625ユーザーに到達した可能性があると株式会社電通が過去に発表しています。
また、ユーザー1人当たり平均4.3回、そのイベントに関する情報がタイムラインに表示されたそうです。
引用:『Twitter上での話題の拡散力を測る新たな指標、電通が開発』
フォロワー数の増加は、直接商品やサービスをPRできるユーザー数を増やすだけでなく、より多くのユーザーが「いいね」や「リツイート」することにつながり、間接的に情報を伝えられる確率も向上します。
拡散力はフォロワー数に応じて上昇します。
関連記事:『Instagramのフォローとは?基本の使い方と増やす3つのコツ』
会社自体を身近に感じる顧客数を増やせる
フォロワー数の増加はユーザーとのコミュニケーションを取る機会の増加につながります。
Twitterでは商品やサービスのPRツイートだけでなく、ユーザーとの心理的な距離を縮めるためのユーザーの興味を引くようなツイートを発信することもできます。
弊社のTwitterでも記事紹介のツイートとは別に、定期的に今日は何の日かを紹介するツイートを投稿しています。
今日の天気は☁
本日10/12は #豆乳の日
豆乳市場がより盛り上がることを目的として、2008年に制定💡本日もよろしくお願いいたします🖊#企業公式相互フォロー #企業公式秋のフォロー祭り#企業公式が地元の天気を言い合う pic.twitter.com/qA7YuDHBP0
— UnionMedia【公式】最新のWebマーケティング情報をお届け (@Union__Media) October 12, 2022
会社自体を面白いと感じるユーザー数を増やすことにより、会社を身近に感じるユーザー数を増加させることができ、商品やサービスを見かけた際に積極的に利用するファンの獲得につながります。
フォロワーが多ければ多いほど、より多くのユーザーとつながれるためファン獲得の確率も向上します。
それでは、フォロワー数を増加させるためには、どのような施策を取ればよいのでしょうか。
関連記事:『Twitterプロモ広告(プロモツイート)とは?4つのメリットと始め方』
企業が運営するTwitterのフォロワー数を増やす方法
Twitterのフォロワー数を増やすためには、ユーザーの興味を引くような情報を発信する必要があります。
興味を引くようなツイートが「いいね」や「リツイート」などによって拡散されることにより、多くのTwitterユーザーにツイートが届き、新たにフォローされる絶好の機会になります。
参考:『フォロワーを増やす本当の意味とは Twitterビジネス』
多くのユーザーに興味深いツイート、アカウントであると伝えるための方法を9個紹介します。
ターゲットの設定
まずはターゲットの設定を明確に行いましょう。
なぜなら年齢や性別、住んでいる地域などによって興味関心を持つジャンルや価値観が大きく異なるからです。
参考:『ゆとり世代VSオーバー30 愛憎のギャップ抗争42連発』
例えば、リクナビNEXTが行った20代前半の若手エンジニア150名と30代前半の中堅エンジニア150名の合計300名を対象としたアンケートの結果を見ると、ジェネレーションギャップを感じたことがあると答えた割合は過半数を超え55%でした。
具体的な意見としては、楽なツールを利用し、効率性を重視する傾向がある若手に対し、人との付き合いをはじめとするアナログ的なものを重視したい中堅といった構図でした。
考えの差が顕著に表れたアンケートとなっており、同じ業種で、たった10歳程度年が離れているだけでも、これだけ価値観に差が出ていることがわかります。
この場合、若手向けのTwitterアカウントでは、効率の重要性を説くツイートが興味を引く可能性が高く、中堅向けのアカウントでは、人付き合いやアナログな面の重要性を説くツイートが興味を引く可能性が高いと考えられます。
自社の商品やサービスのターゲットはどの層なのか細かいところまで検証したうえでTwitterを始める必要があります。
関連記事①:『ターゲティング広告とは?6種類と仕組みをわかりやすく解説!』
関連記事②:『Twitter広告で活用可能な18種類のターゲティング設定を解説!』
プロフィールにこだわる
自社のターゲットがどの層なのか把握できた場合、次のステップとして、その層にアカウントの価値が伝わるプロフィールの作成をする必要があります。
具体的には、
- どんな商品やサービスを取り扱っているのか
- どんな情報を発信しているのか
- フォローするメリットは何なのか
これらが一目で伝わるように工夫する必要があります。
引用:『SHARP シャープ株式会社 Twitterアカウント』
上の画像はシャープ株式会社の公式Twitterアカウントです。
- 家電から家電とは言い切れない商品まで取り扱っていること
- 製品や企業活動などについて発信していること
- フォローするメリットは人によりますが、例えば、製品について詳しくなれる
といったフォローする価値が簡潔に伝わるプロフィールとなっています。
「アカウントを見る価値」が簡潔に伝わるよう、プロフィールにはこだわるようにしましょう。
また、アライドアーキテクツ株式会社が行ったTwitter企業アカウント利用に関する意識調査によると、企業アカウントをフォローしている目的の52.5%が新情報やクーポン等のお得な情報を取得するためだそうです。
プロフィール欄に「クーポン情報をツイート」などお得な情報を得られることを伝える文章を追加するとより効果的です。
関連記事:『Twitter広告で費用対効果をUPさせる5つの秘訣!その特徴を解説!』
ツイートする内容にこだわる
企業でTwitterを運用する際はツイート内容にも注意するようにしましょう。
先述しましたが、新情報やクーポン等のお得な情報を取得するためにフォローしているユーザーが多い傾向にあるため、定期的にクーポン情報をツイートしたり、豆知識を掲載するなどして興味を引くツイートをすることはフォロワー獲得に効果的です。
引用:『The Buffer Guide to A/B Testing:buff.ly/1n7EsM3』
また、予約投稿サービス「Buffer」の実施したA/Bテストによると画像付きツイートは画像なしの場合と比較し、リツイートされる可能性が150%も高まるという結果が出ています。
リツイートのみならず、クリック数やお気に入り登録数も画像付きのほうが高くなるため、ツイートする際に画像を添付することは有効な施策です。
また、A/Bテストに関しては以下の記事で解説しております。
関連記事:『A/BテストでLPを改善!方法と注意すべき3つのポイントを紹介』
ハッシュタグを効果的に活用する
✅広告戦略に役立つマーケティングファネル!
/
マーケティングファネルとは、漏斗の形を消費者の行動に当てはめたもの
\種類や、広告戦略に活用するための方法についてご紹介🙌#マーケティング#企業公式冬のフォロー祭り #企業公式が毎朝地元の天気を言い合う https://t.co/BhVajaGrO9
— UnionMedia【公式】最新のWebマーケティング情報をお届け (@Union__Media) January 13, 2023
「いいね」や「リツイート」以外の方法でツイートを見つけてもらいやすくする施策の1つにハッシュタグがあります。
Twitterでは、「#プロ野球」、「#新作コスメ」といった形でハッシュタグをつけた検索を行うユーザーが多く、人気のハッシュタグをツイートにタグ付けしておくことで多くのユーザーにリーチすることができます。
特に10代から30代の女性におけるハッシュタグ使用率は高く、38.4%の女性がTwitterでハッシュタグを利用していないと回答していることから逆算し、61.6%のユーザーがハッシュタグを利用した検索を活用していることになります。
若い女性にターゲティングしてTwitterを運用する場合であれば、ハッシュタグをタグ付けしたツイートはより効果を発揮するでしょう。
また、業種やターゲットを問わず、企業が運用しているTwitterで企業のPRアカウントが相互フォローする企業相手を見つける際に使用するハッシュタグもあります。
- #企業公式相互フォロー
- #企業公式が毎朝地元の天気を言い合う
- #企業公式秋のフォロー祭り
- #企業公式冬のフォロー祭り
- #企業公式がお疲れ様を言い合う
こちらを活用した結果、弊社「Union Media」のTwitterフォロワー数が6ヶ月で1,000人近く増えています。
参考:『Union Media Twitterアカウント』
参考:『1ヶ月で800フォロワー!企業公式Twitter運用で意識した7つのこと』
自分から親和性の高いユーザーにアプローチする
自社の商品やサービスに関心を持っているユーザーや、過去のツイートから興味を持つであろうことが推測できるユーザーには自らアプローチすることでフォロワー数増加の可能性を高めることにつながります。
具体的には、自社商品や自社サービスでエゴサーチを行い、それについてポジティブなツイートをしているユーザーに対し、お礼コメントを添えた引用リツイートやコメントをすることなどが一般的な手法です。
友達や家族と楽しむ地図コミュニケーションアプリを運営しているZenly Japanはお礼コメントを加えた引用リツイートを活用しています。
https://twitter.com/ZenlyJP/status/1486708244278300674
ツイートする時間に気を付ける
引用:『1.5億のツイート分析からみる「Twitterのベストな投稿時間」とは。』
上のグラフは時間ごとに平均「いいね」数と平均「リツイート」数の推移を表しています。
平日は、6時から8時の通勤時間帯、12時ごろの昼休憩時間帯、17時から19時の帰宅時間帯に「いいね」や「リツイート」を獲得しやすく、休日は平日と比較すると、グラフの推移はなだらかですが、朝6時から8時の時間が効果的であることが見て取れます。
ツイートする際は上述した時間帯を積極的に選ぶようにしましょう。
戦略を立てるために分析を行う
TwitterにはTwitterアナリティクスというツイート数やアクセス数などを分析するツールがあります。
参考:『Twitterアナリティクス』
- 月ごとのTwitter統計データ
- ツイートごとの数値データ
- 動画を詳細に分析
引用:『Twitterアナリティクス Twitterアナリティクスを活用して、テスト、確認、最適化する』
主に上記の3点について調べることができ、行った施策が有用だったか調べる際や、フォロワーが好む内容を探る際などで活用することができます。
過去28日間のデータで分析する機能が多いため、1ヶ月に1回はTwitterアナリティクスを用いた分析を行うようにしましょう。
関連記事:『【初心者向け】Twitterアナリティクスの見方と分析での4つの活用法を徹底解説』
Twitter広告を活用する
お金のかかる施策にはなってしまいますが、Twitter広告を使用することもフォロワー増加につながる有用な施策の1つです。
様々な広告フォーマットの中からコンテンツや目的、ターゲットに合わせて活用することでユーザーに効果的なアプローチができます。
例えば、Twitter広告の1つであるプロモ広告(プロモツイート)では、タイムライン上にユーザーの投稿と同じような形式で広告表示ができるため、ユーザーに対して自然にリーチすることが可能です。
プロモ広告について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
関連記事:『Twitterプロモ広告(プロモツイート)とは?4つのメリットと始め方』
なお、興味を持ちそうなアカウントに対しフォローを促すことができる「フォロワー獲得広告」は2023年8月にサービスを終了しています。
参考:『X(旧Twitter)広告でフォロワー獲得広告の提供が終了』
参考:『Twitter広告のプロモツイート(プロモ広告)とは?表示箇所や効果、実施の流れを解説』
Twitterキャンペーンを活用する
Twitterキャンペーンでは、商品の提供と引き換えに特定の内容のツイート特定のアカウントのフォロー、特例のハッシュタグをつけた投稿を促します。
参考:『キャンペーンの実施についてのガイドライン Twitterヘルプセンター』
キャンペーンを有効活用している企業の代表例にローソンがあります。
ローソンはほぼ毎日のようにキャンペーンを実施し、実店舗で交換できる引換券を提供することでO2O(オンライン・ツー・オフライン)導線を確立しています。
ローソンのフォロワー数は766万(2023年4月11日現在)でこの数字はセブンイレブンの650万とファミリーマートの488.6万を上回る数字です。
引用:『ローソン Twitter』
引用:『セブンイレブン Twitter』
引用:『ファミリーマート Twitter』
2022年3月の調査では、コンビニ店舗数でセブンイレブン、ファミリーマートに次ぐ第3位に位置しているローソンがTwitterのフォロワー数では第1位に位置していることから、フォロワーを獲得する上でTwitterキャンペーンがいかに有用な施策であるかわかります。
参考:『【2022年版】コンビニエンスストアの店舗数ランキング』
関連記事:『Twitter広告運用の成功事例5選!成功させるポイントまで解説』
まとめ
企業でTwitterを運用することは、自社商品や自社サービスのPRや顧客に企業を身近に感じてもらうために非常に有用な施策です。
これらの効果はフォロワー数に対応し上昇します。
上述したフォロワー増加のためのポイント9選を活用し、少しでも広告力のあるTwitterアカウントに近づけていきましょう。
この記事を読んで、Twitterを最適化するのが難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
「何から始めればよいかわからない!」等のWeb施策に関する質問がある方は、弊社Unionの窓口よりお気軽にお問い合わせください。
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。