スマートフォンの普及により、モバイルアプリ市場は年々拡大傾向にあります。
モバイル市場に関するレポートでは、モバイルアプリの新規ダウンロード数は2023年時点で2,570億件にのぼっていることが分かりました。
競争が激化するアプリ市場では、特に特徴のないアプリがユーザーにオーガニック(広告以外)で見つけてもらうことは難しいでしょう。
そのため、自社アプリの認知度を高め、インストール数を増やすためには、広告などを通してユーザーとの接点を作る必要があります。
本記事では、アプリの宣伝に特化した「Googleアプリキャンペーン」の概要や出稿方法、注意点などを解説します。
なお、アプリ広告について詳しく知りたい方は以下記事も合わせてご覧ください。
関連記事:『【初心者向け】アプリ広告とは?6つの種類や配信方法を解説!』
参考:『Google 広告アプリキャンペーンとは|YouTube』
参考:『2024年版モバイル市場年鑑』
Contents
Googleアプリキャンペーンとは
Googleアプリキャンペーンとは、Google検索、YouTube、Google Playなどに掲載できるアプリの宣伝に特化した広告です。
引用:『アプリキャンペーンでモバイルアプリを宣伝しましょう|Google広告』
AppsFlyerの調査によると、2019年のマーケティング活動によって促されたアプリインストールの約60%はアプリキャンペーンによるものだそうです。
これは2018年より15%高く、2017年より30%も高い値です。
また、Googleアプリキャンペーンでは「アプリインストール」「アプリエンゲージメント」「アプリ事前登録」を促す3種類のサブタイプから目標を選択できます。
選択したサブタイプによって、焦点を当てるアクションと入札戦略が異なります。
関連記事:『アプリ広告の運用代行に強い!おすすめ広告代理店9選を厳選して紹介』
アプリインストール
アプリのインストールを促すことができるサブタイプです。
アプリエンゲージメント
アプリ内で特定の行動を促すことができるサブタイプです。
アプリの事前登録
Google Playでのアプリリリース前に認知を高めることができるサブタイプです。
なお、こちらはAndroidのみ対応しています。
参考:『アプリキャンペーンについて|Google広告ヘルプ 』
Googleアプリキャンペーンの2つのメリット
Googleアプリキャンペーンの活用メリットとして、以下の2つが挙げられます。
- 運用はGoogleが自動的に行ってくれる
- Googleの主要サービス全体に広告が掲載される
以下でそれぞれ詳しく解説します。
運用はGoogleが自動的に行ってくれる
Googleアプリキャンペーンでは、細かな設定をしなくても、Googleの機械学習により効率的な運用を自動的に行ってくれます。
また、指定した広告文、画像、動画、アプリストアの掲載情報を使って、様々な広告が自動的に作成され、複数のフォーマットとネットワークで掲載されます。
Googleアプリキャンペーンで必要なことは、広告文や予算などの設定と画像や動画を用意するだけなので、運用工数を大幅に削減することができるでしょう。
関連記事:『広告の機械学習促進施策5選!教師ありAIで広告最適化!』
Googleの主要サービス全体に広告が掲載される
Googleアプリキャンペーンでは、Google検索ネットワーク、Google Play、YouTube、Googleディスプレイネットワーク、Google検索のDiscoverといったGoogleの主要サービス全体に広告が掲載されます。
Googleならではのチャネルの広さで、幅広いユーザーに訴求することができ、大幅な認知度アップが期待できます。
詳しい掲載場所については以下で解説します。
参考:『アプリキャンペーンについて|Google広告ヘルプ 』
参考:『Google広告のアプリキャンペーンとは?概要やメリットなど基礎から全解説』
Googleアプリキャンペーンの掲載場所
Googleアプリキャンペーンの掲載場所は5か所です。
- Google検索ネットワーク(Google検索、Google検索パートナー)
- Google Play(検索結果、関連アプリセクション、トップページ)
- YouTube(YouTubeの関連するページやコンテンツ)
- Googleディスプレイネットワーク(Gmail、その他のアプリ、Web上のサイト)
- Google検索のDiscover
Google検索ネットワーク
引用:『アプリキャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
アプリ名や関連キーワードが検索された際にGoogle検索結果で広告を表示することができます。
参考:『アプリキャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
Google Play
引用:『アプリキャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
アプリ名や関連キーワードが検索された際にGoogle Playに広告を表示することができます。
アプリ検索結果だけでなく、トップページのおすすめ枠や関連アプリにも表示できます。
参考:『アプリキャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
YouTube
引用:『アプリキャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
YouTube動画の下に広告を表示することができます。
広告をクリックするとアプリストアの詳細ページに遷移するので、ユーザーのアプリダウンロードを促すことができます。
参考:『アプリキャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
Googleディスプレイネットワーク
引用:『アプリキャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
Gmailやその他のアプリ、ニュースサイトなど、Googleと連携しているサイトに広告を表示することができます。
参考:『アプリキャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
Google検索のDiscover
引用:『アプリキャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
Google検索Discoverに広告を表示することができます。
なお、Google検索Discoverは2024年3月時点でAndroidスマートフォン(英語版)のみ利用可能です。
参考:『アプリキャンペーンについて|Google広告ヘルプ』
Googleアプリキャンペーンでは、自動ターゲティングを使用できるため、広告の掲載場所を指定するためにキーワードやプレースメントを選択する必要はありません。
また、オーディエンス除外リストを作成することで、無関係なユーザーに広告が掲載されないようにできます。
詳しくは『アプリキャンペーンのオーディエンス除外リストを作成する』をご覧ください。
Google アプリキャンペーン配信4ステップ
Googleアプリキャンペーンの出稿手順は以下の4ステップです。
- 新しいキャンペーンの作成
- キャンペーン設定
- 予算と入札単価
- 広告グループ
新しいキャンペーンの作成
まずはGoogle広告にログインして「+新しいキャンペーンを作成」をクリックします。
引用:『Google広告アプリキャンペーン設定方法|YouTube』
キャンペーン目標の中から「アプリのプロモーション」を選択します。
キャンペーンのサブタイプを以下の3種類から選択します。
選択したキャンペーンサブタイプによって焦点を当てるアクションと入札戦略が異なります。
- アプリインストール:アプリのインストールを促す
- アプリエンゲージメント:既存ユーザーにアプリ内行動を促す
- アプリの事前登録:Google playでのリリース前にアプリの事前登録を宣伝する(Androidのみ)
今回はアプリインストールを選択します。
アプリのプラットフォームを選び、検索欄でアプリ名を入力して選択します。
選択できるプラットフォームは1つだけなので、iOSとAndroid両方に配信したい場合は、それぞれアプリキャンペーンを作成する必要があります。
キャンペーン名を入力したら「続行」をクリックします。
キャンペーン設定
キャンペーンを配信する地域と言語を選択します。
キャンペーンの開始日と終了日を設定したら「次へ」をクリックします。
予算と入札単価
1日の平均予算を入力します。
広告費用は、設定した1日の平均予算を下回ったり、最大2倍に増えたりすることがありますが、最終的に1ヶ月の請求額が1日の平均予算に1ヶ月の平均日数(30.4日)を掛けた額を超えることはありません。
参考:『請求額と1日の平均予算の関係|Google広告ヘルプ』
重視している要素とターゲットに設定するユーザーを選択します。
目標入札単価を任意で設定することもできます。次の単価設定が、選択したキャンペーン設定に基づいて表示されることがあります。
キャンペーンサブタイプ | 入札単価 |
アプリインストール | 目標インストール単価(tCPI) 目標コンバージョン単価(tCPA) |
アプリエンゲージメント | 目標コンバージョン単価(tCPA) |
アプリ事前登録 | 目標事前登録単価(tCPpre) |
アプリインストール(Android) | 目標広告費用対効果(tROAS) |
「コンバージョン数の最大化」キャンペーンを作成する場合は、目標入札単価を設定する必要はありません。
参考:『アプリキャンペーンの入札戦略を選択する|Google広告ヘルプ』
関連記事:『11種類の入札戦略!正しい選択でGoogle広告の費用対効果を高める』
広告グループ
次は「広告グループ」です。
Googleは広告グループを複数作れますが、まず1つだけ作成します。
広告に使えるのは以下の5種類です。
- 広告見出し(全角15文字・2〜5個)
- 説明文(全角45文字・1〜5個)
- 画像(最大20個)
- 動画(最大20個)
- HTML5(最大20個)
参考:『アプリキャンペーンのアセットタイプ|Google広告ヘルプ』
広告見出し(全角15文字・最大5個)
見出しは広告文の最上部に青文字で表示されるテキストのことを指します。
広告見出しは、商品やサービスの宣伝を全角15文字(半角30文字)まで入力でき、ユーザーがGoogle検索で入力する可能性が高い語句を含めると効果的です。
Googleが効果的な見出しを優先的に表示してくれるので、できるだけ多くの見出しを登録しましょう。
説明文(全角45文字・1〜5個)
説明文はアプリの内容や魅力を伝える文章です。全角で45文字(半角90文字)まで入力ができます。
こちらもできれば最大個数を登録しておきましょう。
画像(最大20個)
画像は、「jpg形式」か「png形式」でアップロードします。
最大サイズは5MBです。
以下の3種類のアスペクト比の画像を用意しましょう。
アスペクト比 | 最小サイズ | 推奨サイズ |
1:1(スクエア) | 200×200 | 1200×1200 |
1.91:1(横長) | 600×314 | 1200×628 |
4:5(縦長) | 320×400 | 1200×1500 |
Google公式サイトでは、横向きの画像1つを指定することを推奨していますが、できれば3種類の画像を何枚か準備するのがおすすめです。
関連記事:『JPEGとPNGの5つの違い!Webサイトに最適なファイル形式とは』
動画(最大20個)
あらかじめYouTubeにアップした動画のURLを登録します。
動画が視聴されると、YouTubeで動画の視聴回数としてカウントされます。
動画サイズは以下の3種類です。
- 16:9(横向き)
- 9:16(縦向き)
- 1:1(スクエア)
Google公式サイトでも、縦向きの動画1つ、横向きの動画1つを指定することを推奨しており、動画広告はかなり重視されています。
動画がない場合は、動画広告に詳しい広告代理店に依頼することをおすすめします。
関連記事:『動画制作会社でおすすめのベンチャー企業11選!選び方まで解説!』
HTML5
アプリキャンペーンでHTML5や体験プレイ広告アセットを使用する際は、「zip形式」でアップロードします。
最大サイズは1MB、ファイル数は最大512個までアップロード可能です。
現在サポートされているHTML5のサイズは以下の通りです。
- 480×320(横向きインタースティシャル、可変サイズ)
- 320×480(縦向きインタースティシャル、可変サイズ)
全て登録したら「保存して次へ」をクリックします。
最後に設定した情報の内容を確認して間違いがなければ「続行」をクリックします。
これでGoogle広告の設定は完了です。
広告が自動的に始まります。
参考:『アプリインストールキャンペーンを作成する|Google広告ヘルプ』
参考:『アプリ キャンペーンの HTML5 広告 / 体験プレイ広告について|Google広告ヘルプ』
関連記事:『Google Web DesignerでHTML5アニメーションバナーを作る4つのステップ』
Googleアプリキャンペーンを利用する際の注意点
配信地域の入札単価
配信地域の入札単価の調整は、入札の強弱の調整ではなく、配信の停止・再開の調整です。
管理画面では、地域ごとの入札単価調整比を設定できるようになっていますが、Googleアプリキャンペーンは自動入札なので、オークション時に地域の入札単価調整比は無効になります。
参考 :『入札単価調整について|Google広告ヘルプ』
目標インストール単価
設定単価が低すぎるとデータが貯まずGoogleの機械学習が進みません。
これにより、いつまでも機械学習が最適化されない恐れがあるため、徐々に目標単価を抑制していくことを推奨します。
また、単価以外の設定もいきなり大きな変更をすることは機械学習を阻害し、効果の悪化に繋がる可能性が高いので注意が必要です。
広告の掲載結果を確認
アプリキャンペーンの広告はGoogle広告によって自動生成されるため、個々の広告の掲載結果は確認できません。
広告の指標や掲載結果は「キャンペーン」ページの表で確認できます。
関連記事:『アプリインストール広告とは?8媒体の特徴と配信のポイントを解説』
まとめ
この記事を読んで、Googleアプリキャンペーンの出稿が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Union は、Googleアプリキャンペーン広告をはじめとする広告運用の代行サービスを承っております。
Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。