Google広告やYahoo!広告などWeb広告を運営する際には、なるべくコストを抑え、高い効果を実現することを意識することが望ましいです。
それでは広告の効果とは何なのでしょうか。
広告のどの部分に着目して効果検証を行うかは、広告を運営する目的に応じて様々です。
例えば、商品やサービスについてユーザーに知らせたい場合は、認知拡大を目的とすることから、広告の表示回数が重要です。
また、ECサイトなどを運営しており、商品の購入を訴求したい場合は、購入数や売上などが効果に該当します。
広告の効果を高める際に有効な施策の1つに入札戦略があります。
入札戦略とは認知拡大やコンバージョンの獲得など様々なニーズに対し最適な入札単価を設定するための機能です。
正しく入札戦略を理解することはGoogle広告のコストパフォーマンスを高める上で非常に重要です。
また、Google広告では、目標広告費用対効果と呼ばれる費用対効果に特化した入札戦略を選択することも可能です。
広告のコンバージョンを測定するために設定をする必要があるなど手間のかかる施策ではありますが、自動で売上を算出し、費用対効果を高めることから、使いこなすことはGoogle広告を運営する上で非常に重要です。
当記事では、11種類の入札戦略の詳細と、費用対効果を高める上で特に重要な目標広告費用対効果の設定方法やメリットについて紹介します。
Contents
入札戦略とは
Google広告において広告が配信されるかどうか、また配信される順位がどのように決定されているかご存知でしょうか。
Googleでは上のような事項はオークションによって決定されます。
広告オークションはGoogle検索が行われるたびに実行されます。
オークションの流れは以下の通りです。
- ユーザーが検索を行なった場合、その検索内容と一致するキーワードが設定された広告が全て検出される
- 検出された広告で審査を行い、別の国をターゲットとしている広告やポリシー違反に基づいて不承認となっている広告など対象外の広告を排除する
- 残った広告の中で、入札単価や広告の品質、広告ランクの最低基準、ユーザーの検索状況、広告表示オプションやその他の広告フォーマットの見込み効果に基づいて算出される広告ランクが十分に高いものが表示される
引用:『オークション|Google広告ヘルプ』
また、Google広告の掲載順位も広告ランクによって決定され、広告ランクが高い順番に上から表示されます。
入札戦略は広告ランクを算出する際の要素の1つである入札単価を決定します。
最適な入札戦略を設定することで、広告運用する目的を達成するために最適な入札単価で広告配信を行うことが可能です。
Google広告を運用する目的とは例えば以下のようなものが挙げられます。
- ユーザーにアクションを起こさせることでコンバージョンを達成すること
- Webサイトへのアクセスを増やすこと
- ブランド認知を高めること
- 動画広告を掲載し、視聴回数や広告のインタラクティブを増やすこと
- 動画広告を掲載し、商品やブランドの比較検討される機会を増やすこと
参考:『目標に合わせた入札戦略を選択する|Google広告ヘルプ』
自身の目的はどれなのかをあらかじめ把握し、キャンペーン配信に取り組むことは費用対効果を高める上で非常に重要です。
関連記事:『Google広告の予算設定方法を紹介!コスパを高めるのための3点』
Google広告の費用対効果とは
Google広告において費用対効果は費用に対する純利益の割合を意味します。
目標に対する広告掲載の実際の貢献度を示すことから、重要な指標の1つです。
費用対効果は以下の式で算出可能です。
例えば、200円の商品(原価100円)をGoogle広告経由で5個販売したケースを想定します。
以上のケースでは費用対効果が50%であることがわかります。
Google広告を運用する上で費用対効果は非常に重要です。
なぜなら費用対効果から広告掲載と収益の関係を把握することが可能だからです。
特に複数キャンペーンを運用している場合は、効果の高いキャンペーンによりコストをかけ、効果の薄いキャンペーンはコスト削減するなど、作戦を練る上で非常に役立つ指標です。
参考:『広告費用対効果の概要|Google広告ヘルプ』
関連記事:『【保存版】リスティング広告の用語14選!マーケティングの基本を解説』
入札戦略の種類
Google広告の入札戦略は合計11種類あります。
また、それぞれの入札戦略は目的に応じて3つに分類することが可能です。
3つの分類とは以下の通りです。
- コンバージョンを重視
- クリックを重視
- 露出度を重視
コンバージョンを重視
広告に流入したユーザーが実際にどれだけアクションを起こしたかを重視する入札戦略はこれに該当します。
スマート自動入札と呼ばれる機械学習アルゴリズムを使用しており、このアルゴリズムがコンバージョン数やコンバージョン値を的確に予測し、算出したデータに基づき広告単価を設定します。
参考:『スマート自動入札について|Google広告ヘルプ』
関連記事:『広告の機械学習促進施策5選!教師ありAIで広告最適化!』
目標コンバージョン単価
指定した平均単価でコンバージョン数を最大化するための入札戦略です。
実際の入札単価は状況に応じて指定した平均単価を上回ったり下回ったりする場合があり、繰り返される中で最終的には平均値が指定した額になるように自動調整されます。
参考:『「目標コンバージョン単価制」入札戦略について|Google広告ヘルプ』
自身の考えとGoogleのAIの判断が異なり、予想以上に入札単価が高くなり過ぎてしまうことを防ぐ事が可能です。
Google広告を用いてコンバージョンを獲得したいものの、必要以上に広告費を使いたくない方におすすめの入札戦略です。
関連記事:『広告の機械学習促進施策5選!教師ありAIで広告最適化!』
目標広告費用対効果
Google広告では自身のWebサイトにタグを設定することでサイトのデータを集積することが可能です。
目標費用対効果では目標広告費用対効果が何%かを設定します。
例えば、500%で設定した場合は、以下の式で使用可能な広告費を測定可能です。
仮に、売上が、10,000円だった場合、
使用可能な広告費は、2,000円である事がわかります。
売上はGoogleアナリティクスなどを使用する際に設定したタグから計測します。
過去の実績から既に妥当な費用対効果が分かっている場合におすすめの入札戦略です。
参考:『目標広告費用対効果に基づく入札について|Google広告ヘルプ』
関連記事:『Google広告の自動入札とは?6つの戦略と手動入札との違いを紹介』
コンバージョン数の最大化
入札単価ではなく、コンバージョン数を最大化するための施策です。
1日の平均予算を使い切ることを目標に、その中で最大数のコンバージョンを獲得することを目標に広告配信を行います。
コンバージョンが「電話問い合わせ」や「資料請求」の場合、広告経由での売上を測定することができません。
このようなケースでは、コンバージョンの数に着目し、コンバージョン数最大化の入札戦略を使用することも手段の1つです。
まずは予算内でコンバージョンをたくさん獲得したい方におすすめの入札戦略です。
参考:『「コンバージョン数の最大化」による入札について|Google広告ヘルプ』
コンバージョン値の最大化
入札単価ではなく、コンバージョン値を最大化するための施策です。
コンバージョン値とは、コンバージョンごとの価値を意味します。
ECショップを運営している場合、500円のものが購入される場合も10,000円のものが購入される場合も同じ1コンバージョンですが、コンバージョン値の最大化で広告配信を行うことで、500円のコンバージョンと10,000円のコンバージョンとで20倍の差をつけて判断することから、売上の増大を見込める施策です。
参考:『「コンバージョン値の最大化」入札戦略について|Google広告ヘルプ』
商品の単価が把握可能なECサイトを運営しており、注文件数ではなく売上を伸ばしたい方におすすめの入札戦略です。
拡張クリック単価
機械学習でユーザーごとにコンバージョンにつながりやすいと判断した場合に、設定した入札単価を引き上げたり、コンバージョンにつながりづらいと判断した場合に入札単価を引き下げるなどして、入札単価を基準に自動調整する施策です。
参考:『拡張クリック単価(eCPC)について』
他の自動入札と異なる点は、上限クリック単価を広告運営者が設定することです。
拡張クリック単価では、コンバージョン重視もしくはコンバージョン値重視の2種類から選択肢運用可能です。
コンバージョン重視の場合、コンバージョンにつながる見込みに対し上限クリック単価を上限クリック単価の30%を上限に引き上げることで効率良くコンバージョンを獲得可能です。
コンバージョン値重視の場合はコンバジョンではなく、価値の高いコンバージョンに対し上限クリック単価の引き上げを行います。
上限は、コンバージョン重視と同様の30%です。
効率良く広告を運営したいものの、一定以上入札単価を引き上げたくないユーザーにおすすめの入札戦略です。
クリック重視
Webサイトへの流入を目的とする場合はクリック重視の入札戦略を設定しましょう。
クリック数の最大化
1日の平均予算内でクリック数を最大化するための施策です。
Googleの広告システムにより、自動的に入札単価が調整され、クリック数を最大化します。
自身で入札単価の調整を行う必要がないことから、手間のかからない入札戦略の1つです。
参考:『「クリック数の最大化」入札戦略について|Google広告ヘルプ』
広告運用の手間を極力低減し、サイトへの流入を獲得したい方におすすめの入札戦略です。
個別クリック単価制
上限クリック単価を設定し、それに基づいて広告配信を行います。
Google広告のキーワードプランナーなどツールを用いて算出した数値がある場合、手動でその数値を指定可能です。
参考:『個別クリック単価制|』
個別クリック単価制は、期待値の高いキーワードがある場合、有効です。
全体の上限クリック単価を設定後、キーワードごとや、配信する媒体ごとに上限の引き上げや引き下げを実施可能です。
効果を発揮しやすい広告に多くの広告費を投入するように設定可能であることから、戦略立てて運用することで高い効果を実現可能です。
広告に対する知見やデータがあり、どこに広告を配信することで効果を高められるか把握できている方におすすめの入札戦略です。
露出度を重視
視認性を高め、ブランドの認知を重視する場合は、露出度を重視した入札戦略を設定しましょう。
関連記事:『Google広告のブランド効果測定とは?10ステップで調査開始』
目標インプレッションシェア
ユーザーが特定のキーワードを検索した場合に、100%表示したい場合に使用する配信手法です。
Googleの検索結果画面の、最上部、上部、任意の場所のどこに何%の割合で広告を配信したいかを設定可能です。
目標インプレッションシェアは配信場所を指定するための広告であることから、広告クリック後の売上データやコンバージョン数などを計測する必要がありません。
そのため、データが集まっていないユーザーにとって使い勝手の良い入札戦略です。
参考:『目標インプレッション シェアによる入札について|Google広告ヘルプ』
とにかく認知を広めたい方やまだデータを集められていないユーザーにおすすめの入札戦略です。
インプレッション単価制
Google検索ではなく、GoogleディスプレイネットワークやYouTubeでのインプレッション数に応じて料金が発生します。
使用する際は上限クリック単価を設定し、単価内で広告配信が行われます。
Googleディスプレイネットワークとは、Google広告を掲載可能な200万以上のWebサイトや動画、アプリの総称です。
ディスプレイネットワークは世界中のインターネットユーザーの90%以上に広告を表示できるといった特徴があります。
より多くのユーザーに対しリーチしたい方におすすめの入札戦略です。
参考:『ディスプレイネットワークとは|Google広告ヘルプ』
目標インプレッション単価
インプレッション1,000回に対する平均入札単価を設定し、広告運用を行う手法です。
入札単価は広告が表示されたユーザー数が最適化されるように自動で調整されます。
インプレッション単価制の場合、上限クリック単価のみ設定可能であることから、細かく単価設定することは難しいです。
しかし、目標インプレッション単価の場合、平均入札単価も設定可能であることから、予想以上にコストがかかってしまったなどのリスクを抑えることが可能です。
参考:『目標インプレッション単価(tCPM)とは』
ディスプレイネットワークを使い多くのユーザーにリーチしたいが、コストも正しく管理したい方におすすめの入札戦略です。
視認範囲のインプレッション単価
視認範囲は以下のように定義されています。
広告が「視認範囲」とみなされるのは、広告面積の 50% 以上が画面に表示され、かつディスプレイ広告では 1 秒以上の表示、動画広告では 2 秒以上の継続再生があった場合です。
通常のインプレッション単価制は、画面に表示された場合視認可能かどうかに関わらず料金が発生します。
しかし、視認範囲のインプレッション単価では、視認範囲と認定されたインプレッションにのみ料金が発生することから、通常のインプレッションと比較し、情報が伝わる可能性が高いといった特徴があります。
視認性を重視し、適切に情報を伝えたい方におすすめの入札戦略です。
これらの入札戦略を適切に活用することで、Google広告を最大限活用可能です。
Google広告の目標広告費用対効果とは
コンバージョン値の最大化など、Google広告の入札戦略には費用対効果を高める施策が様々ありますが、特に目標広告費用対効果を使用することで、自動で目標としている費用対効果を達成することが可能です。
コンバージョン値の最大化と目標広告費用対効果の異なる点は、明確な売上目標があるかどうかです。
目標広告費用対効果は、広告費と目標費用対効果から算出した売上を達成できるように入札単価を自動調整する施策です。
例えば、広告予算を10,000円、費用対効果を200%に設定した場合であれば、売上は10,000円の200%である20,000円を達成する必要があります。
売上20,000円を達成できるように単価調整を行う施策が目標広告費用対効果です。
これに対し、コンバージョン値の最大化では、売上を最大化するために施策であることから、予算内で可能な限り売上を伸ばすような戦略になります。
関連記事:『広告効果測定はWebマーケに必須!9 つの指標を徹底解説』
目標広告費用対効果が向いているシチュエーション
目標広告費用対効果は非常に有用な施策ですが、全業種にとって使用可能な施策ではありません。
目標広告費用対効果に向いている状況は以下の通りです。
- ECサイトを運営している
- 来店する必要のないビジネスである
目標広告費用対効果の場合、費用対効果を計測するためにWebサイトからの売上を計測する必要があります。
ECサイトの中でも、特に取り扱っている商品の料金に幅がある場合に有効な施策であり、広告経由で遷移する商品ページの料金に応じて広告単価を調整し、売上を追求することが可能です。
関連記事:『【ROASとは?】ECサイトで「ROAS」を活用するための基礎解説!』
目標広告費用対効果を使用する際の注意点
目標広告費用対効果は非常に有用な施策ですが、過去のデータを使用し、予測を立てることで入札単価を調整していることから、データ収集を行う必要がある点に注意する必要があります。
GoogleのWebサイトでは、過去30日で15件以上のコンバージョンが必要であり、また、目標広告費用対効果を入札戦略にキャンペーンを開始し、1〜2週間は効果が現れづらい点に注意しましょう。
ある程度規模が大きなサイトで使用可能であり、長期戦の施策ですが、コストパフォーマンスを高める上で非常に有効であることから、ECサイトを運用している方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。
参考:『目標広告費用対効果の掲載結果を測定する際のヒント|Google広告ヘルプ』
まとめ
Google広告は様々な状況に対し最適な解決策を有す非常に有用な施策です。
11個の入札戦略を適切に使用し、最適な広告配信を行うことで、抱えている様々な問題を解決可能であることから、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
また、広告を運営する上で費用対効果を意識することは非常に重要です。
Google広告にはコンバージョン値最大化など様々な費用対効果を追求する施策がありますが、中でも目標広告費用対効果は定めた広告費内で目標としている売上を達成するようにGoogleの機械学習が自動運用する非常に有用な施策です。
現在費用対効果で困っている方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。
また、Google広告は入札戦略の種類も豊富であり、知識が不足している状況で運用を開始することが難しい施策の1つです。
自身で設定し、効果検証を行いながら運用することが難しいと感じた場合は、広告代理店に相談してみてはいかがでしょうか。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。
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