アフィリエイト広告の事例16選！広告主と掲載者のメリット・デメリット

アフィリエイト広告とは、インターネットを利用した成果報酬型の広告を指します。

具体的にはブログなどのWebサイトの運営者が、自身のWebサイトで宣伝商材のWebサイトなどに移動できるハイパーリンクを掲載し、ユーザーの商品・サービスの購入を促す広告です。

広告主と広告の掲載者（アフィリエイター）の間には、契約や広告案件の管理を行うASP（アフィリエイトサービスプロバイダー）がいます。

インターネットが人々の生活に欠かせないものとなった今では、Web上の広告需要の増加に伴いアフィリエイトも年々市場拡大を続けています。

消費者庁の「アフィリエイト広告等に関する検討会」では、ネットショップ利用者とモバイル経由の売上の拡大によって、企業がWebの販売促進に注力しアフィリエイトへの予算も増加していると報告されました。

矢野経済研究所の「アフィリエイト市場に関する調査」によると、成長を続けるアフィリエイト市場規模は、2024年度には4,678億円、2025年度には5,146億円まで達すると予測されています。

引用：『アフィリエイト市場に関する調査を実施（2021年）』

本記事では、今後ますます需要が高まるアフィリエイト広告のメリット・デメリットと具体的な事例を紹介します。

参考：『アフィリエイト市場に関する調査を実施（2021年）』
参考：『アフィリエイト広告等に関する検討会報告書』

アフィリエイト広告のメリット

アフィリエイト広告は、広告主・掲載者ともに利点がある広告手法です。

広告主と掲載者それぞれのメリットを紹介します。

広告主のメリット

アフィリエイト広告の最大のメリットは、成果報酬型であることから費用対効果が高いことです。

商品購入や広告のクリックなど広告主が求める成果が出たときに費用が発生するため、無駄なコストがかかりにくい課金方式といえます。

成果に対する報酬額は広告主が決められるので、予算に合わせた運用ができることもポイントです。

また、アフィリエイト広告は幅広い認知拡大ができる可能性があります。

読者が多いブログまたは検索上位のWebサイトに広告が掲載されれば、大きな宣伝効果を得られます。

さらに、広告を掲載者が作成するため、消費者目線での商材紹介ができる点も魅力です。

掲載者は成果を獲得するために、実際に商材を利用してみた感想やケースに合わせた使用方法など、多角的な視点で商材のPRをしてくれます。

参考：『アフィリエイト広告等に関する検討会報告書』
関連記事：『Web広告運用で押さえたいブランドセーフティ3つの取り組み』

掲載者のメリット

アフィリエイト広告の掲載者側のメリットは、パソコンとインターネット環境があれば場所や時間を選ばずに自分のペースで働くことができることです。

また、ASPの登録に費用はかからず、Webサイトやブログも無料サービスを利用して開設できるので、初期費用がほとんどかからないことも利点といえます。

このようにアフィリエイト広告は、広告主と掲載者双方にメリットがある広告です。

参考：『誰でもわかるアフィリエイト広告の仕組みと活用方法』
関連記事：『アフィリエイトとアドセンス(Google)4つの違いを解説』

アフィリエイト広告のデメリット

前述のとおり、アフィリエイト広告には多くのメリットがありますが、デメリットもあります。

広告主のデメリット

広告主から見たアフィリエイト広告のデメリットは、掲載者の協力がなければ広告の掲載がされないことです。

成果が全く出ていなくても、ASPを利用している限りASPの手数料は毎月支払う必要があります。

多くのWebサイトで広告を取り上げてもらうために、掲載者が魅力を感じる商材や施策を用意することが大切です。

とはいえ、掲載者によって文章力など広告に必要なスキルに差があるため、必ずしも高い宣伝効果が出るわけではありません。

たとえば、極端に誇張した効果の記載や広告主が推奨しない使用方法の紹介など、PRの仕方によっては商材がイメージダウンしてしまう可能性も考えられます。

医療系や薬事系などの広告は人々の健康に影響を与えるおそれがあるため、厳しく審査されており、医療広告ガイドラインに違反した場合は、広告主に行政指導が入ることもあります。

上記の事態を避けるためには、医療系・薬事系の広告に関する知識を持つ有資格者などが広告や広告の掲載先のWebサイトをチェックすることが大切です。

参考：『医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針（医療広告ガイドライン）』
参考：『アフィリエイト広告とは？出稿するメリット、デメリットについて』
関連記事：『【担当者向け】薬機法（旧薬事法）の広告規制とは？4つの基礎知識を解説！』

掲載者のデメリット

掲載者から見たアフィリエイト広告のデメリットは、収入が安定しないことです。

Webサイトの訪問者数やユーザーの広告クリック・購入数にはバラつきがあり、掲載者は必ずしも一定の収入を得られるとは限りません。

また、アフィリエイトを成果につなげるためには、商材の魅力が伝わるライティングスキルや検索流入を増加させるSEOに関する知識が求められ、広告を始めてもすぐに報酬にならないケースもあります。

しかし、書籍や動画などで知識を得たり、実際にアフィリエイト広告を出して改善を繰り返したりすることで、成果が出やすいノウハウは得られます。

参考：『誰でもわかるアフィリエイト広告の仕組みと活用方法』
関連記事：『SEOライティングとは？自社の記事を上位にする9つのコツ』

アフィリエイト広告の事例16選！

まずは、アフィリエイト広告の事例を16件紹介します。

順に説明します。

株式会社シード

引用：『株式会社シード』

株式会社シードはアフィリエイト広告の運用代行に強みを持つ広告代理店で、さまざまな商品・サービスの運用実績があります。

「人材転職サービス」のアフィリエイト広告では、検索結果上位の有力メディアと交渉し掲載強化を行ったり、SEOメディアだけでなくリスティングメディア（アドアフィリエイトメディア）を開拓しました。

またアフィリエイトの成果データと広告主側のデータの突合を行い、引き上げ率が高いメディアに対して掲載面・露出の強化を行いました。

その結果、運用代行開始時に月100件だった発生件数を、4倍の400件まで伸ばすことに成功しました。

アフィリエイト広告業界の先駆けとして、2005年より多種多様な広告主様のアフィリエイト広告の運用代行コンサルティングを実施しており18年の実績を誇ります。その為、初心者から経験者まで幅広い方にオススメ出来る代理店です。

 

株式会社アニメイト

引用：『株式会社アニメイト』

株式会社アニメイトはマンガ・アニメグッズを専門的に扱い、国内に120以上の実店舗を展開する企業です。

特典つきの商品や、アニメイト限定版の商品などを展開する公式通販サイト「アニメイトオンラインショップ」では、さらなる集客と売上拡大を図るためアフィリエイト広告を強化しました。

特定のポイント還元メディアに報酬アップする施策を行うことで、商品を宣伝するアフィリエイターを増やした結果、売り上げが2.5倍までアップしたそうです。

アフィリエイト広告ならではの施策を活用した成功例といえます。

参考：『「集客」を強化、経由売上が2.5倍に！　獲得強化の施策とは』

株式会社DECENCIA

引用：『株式会社DECENCIA』

株式会社ディセンシアは、敏感肌の研究に基づく独自技術で敏感肌専門のスキンケア商品を開発・販売している企業で、公式通販サイトの新規獲得を目的にアフィリエイト広告を実施しています。

LINEショッピングでの広告掲載を強化するため、報酬単価を一時的に上げる「報酬アップ施策」を行い、商品を宣伝してくれるアフィリエイターを増やしました。

その結果、幅広い宣伝を行うことができ、注文件数は約12.1倍まで伸びました。

広告の掲載者を増加する施策で、注文件数を飛躍的に伸ばした事例です。

参考：『大手メディアの掲載強化で、注文件数12倍超！短期間で効果実感』

Bay Japan合同会社

引用：『Qoo10』

Qoo10は、ファッションや化粧品、デジタル関連商品、インテリア、食品、書籍など多彩な商品を取り扱う総合ECサイトです。

特にコスメやファッションは多くのインフルエンサーがSNSで紹介をしたことで、利用者が増加しました。

Qoo10を運営するeBay Japan合同会社は、さらなる売上拡大を図るため、アフィリエイト広告の強化を行いました。

ASPおよびメディアとの連携を図り商戦期と連動した施策を推進したところ、アフィリエイト経由の売り上げを昨年より30％増やすことに成功しています。

ASP・メディアと緊密にコミュニケーションを取り、施策を講じることで売上アップした成功例です。

参考：『ASP切替で「ASP、メディアとの連携」に成功。売上YOY30％増達成！』

ビッグローブ株式会社

引用：『BIGLOBEモバイル』

BIGLOBEモバイルは、格安SIM、光回線、WiMAXサービスなどの商品を扱うサービスです。

運営会社の株式会社ビッグローブは、テレビCMに比べて低コストで商品情報を拡散できるアフィリエイト広告を運用しています。

顧客獲得や認知拡大が見込めるメディアに、限定クーポンコードを掲載する施策を行うことで、コンバージョン率は2.6倍、注文数は3.5倍以上伸ばすことに成功しました。

商材と相性の良いメディアと限定クーポンを活用することによって、成果を出した事例です。

参考：『ポテンシャルの高い個人メディア向け施策で、注文数が3.5倍以上に』

株式会社アドベンチャー

引用：『skyticket』

株式会社アドベンチャーは、国内・海外空港券やホテル、レンタカーなどの比較予約サイト「skyticket」を運営しています。

「skyticket」は航空券や宿泊施設、レンタカーの価格を一括比較してそのまま予約できることから、ユーザビリティーの高さに定評があるWebサイトです。

アフィリエイトを活用した施策では、特定のポイント還元メディアに対して報酬アップキャンペーンを行って掲載を強化した結果、注文件数が1.3倍、売上が1.4倍以上になりました。

また、旅行特化サイトにユーザー向けクーポンの掲載を行ったところ、施策開始から4～5日後には注文数が増え、直近では週60件以上の注文が入りました。

アフィリエイター・ユーザーともにメリットのある施策を講じることで、成果につなげた事例です。

参考：『新規顧客を増やし、かつ獲得コスト減！クーポン施策で効果を実感』

株式会社マネーフォワード

引用：『Money Forwardクラウド』

株式会社マネーフォワードは、経理財務、人事労務などの効率をアップさせる「マネーフォワードクラウド」を提供している会社です。

同社のアフィリエイト施策では、アフィリエイターに商材の理解を深めてもらうため、商材に関する詳細な資料を作成しています。

また、アフィリエイターがマネーフォワードクラウドを登録すると報酬発生するセルフバックキャンペーンも実施しました。

その結果、アフィリエイト広告による新規獲得件数が前年同月より120～150％拡大しました。

アフィリエイター目線に立った施策が大きな成果につながった事例です。

参考：『アフィリエイト広告の新規獲得150%増！マネーフォワードのBtoBマーケティング成功事例』

株式会社GRACE

引用：『楽器の買取屋さん』

楽器の出張買取サービス事業を展開している株式会社GRACEは、顧客獲得を目的にアフィリエイト広告を活用しています。

同社では広告掲載メディアとの信頼関係を築くため、サービス内容や企業理念などを丁寧に伝える姿勢をもっています。

施策を開始してからアフィリエイト広告による獲得件数は順調な伸びを見せ、直近では買取依頼の15％がアフィリエイト広告経由でした。

メディアとのコミュニケーションを大切にすることで、効果的なアフィリエイト広告運用を行った事例です。

参考：『売上高が前年比150%！「楽器の買取屋さん」のビジネス成長を支援するアフィリエイト広告A8.net』

RIZAP株式会社

引用：『RIZAP』

健康食品の通信販売を行うRIZAP株式会社では認知拡大と顧客獲得を目的として、アフィリエイト広告の運用をしています。

同社がアフィリエイト広告を行ううえで大切にしているのは、広告掲載後の効果測定です。

リーチができた人数はもちろん獲得数や反響もチェックすることで、適切な広告運用ができます。

Web上の広告であっても、その先にいる人を意識したアフィリエイト広告を実施して認知度アップと顧客数の増加を成功させた事例です。

参考：『資本金900万円からのスタート。業界最大手のRIZAPがアフィリエイトで結果にコミットするまで』

池の平ホテル

引用：『池の平ホテル』

長野県にある複合リゾート施設である池の平ホテルは公式サイトからの直接予約を増やし、OTA（宿泊予約サイト）の手数料削減を図るためアフィリエイト広告を導入しました。

同社のアフィリエイト広告は多くのメディアに掲載され、ホテル公式サイトのアクセスアップと予約獲得の増加を実現しました。

アフィリエイト広告を活用して、OTA手数料の削減を成功させた事例です。

参考：『ホテル公式サイトの予約獲得増で、「OTA（宿泊予約サイト）手数料削減」に成功』

株式会社ビビッドガーデン

引用：『食べチョク』

株式会社ビビッドガーデンは、野菜などの産直通販サイト「食べチョク」ユーザー数を増やすためにSNS運用やSEO対策の他にアフィリエイト広告も実施しています。

同社の場合、アフィリエイト広告はユーザー獲得だけでなく、「食べチョク」利用者の生の声をWeb上に増やすことも目的としています。

ユーザーのリピート率を上げるためにアフィリエイト広告を活用している事例です。

参考：『流通額42倍！「食べチョク」の急成長を支えるWEB広告やテレビCMの戦略に迫る』

ユアマイスター株式会社

引用：『YOURMYSTAR』

ユアマイスター株式会社は、主にハウスクリーニングを行うプロと顧客をつなぐプラットフォーム「YOURMYSTAR」を運営しており、認知度を上げる目的でアフィリエイト広告を導入しています。

具体的な施策としては、同社で人気のある「エアコンクリーニング」をアフィリエイターが体験して記事にするレビュー施策を行いました。

エアコンクリーニングの需要が上がる時期に、特定のメディアに報酬アップを行って記事投稿をした結果、アフィリエイト経由の注文件数が4.3倍になりました。

YOURMYSTARと相性のいいメディアにオファーを行って、アフィリエイト広告の効果を最大化させた事例です。

参照：『「レビュー施策」で注文件数が4倍超！費用をコントロールしながら露出を拡大』

クラランス株式会社

引用：『CLARINS』

クラランスは、60年以上の歴史を持つフランスの化粧品ブランドです。

代表的な商品は30代以上をターゲットとした美容液ですが、マスク着用時に使用できる「メイク崩れ防止スプレー」の開発によって10代～20代の顧客も増加してきています。

同社では、さらに幅広い世代への認知拡大を目指して、オンラインショップで行うコスメキット販売のキャンペーンをブランドと相性の良いインフルエンサーにPRをしてもらう施策を実施しています。

インフルエンサーを活用したアフィリエイト広告の事例です。

参考：『数多くのアフィリエイトサービスがある中で、スキンケアブランド「クラランス」がA8.netを選んだワケ』
関連記事：『ASP広告代理店を使う3つのメリットと選ぶポイント4選を解説！』

株式会社インターネットイニシアティブ

引用：『IIJmio』

高品質な格安SIMや格スマホを提供するWebサイト「IIJmio（アイアイジェイミオ）」を運営する株式会社インターネットイニシアティブは、直販サイトへの流入数増加と新規顧客獲得を目的にアフィリエイト広告を運用しています。

広告を掲載するメディアと連携して、タイアップ施策を行ったことで3倍以上の注文が入りました。

効果的なメディアと協力して行った施策で、成果につなげた事例です。

参考：『ユーザーニーズを施策に反映、注文件数3倍超！　成果をあげたタイアップ事例』

株式会社RAFT

引用：『ANKH CROSS』

人気ヘアサロンのヘアケア商品「アンクオリジナル」を販売する株式会社RAFTは、新規顧客を獲得するため、インフルエンサーマーケティングに注力しています。

インフルエンサーマーケティング施策の１つであるアフィリエイト広告では、商品ターゲットの20～30代女性に影響力を持つブロガーやインフルエンサーと契約をして施策を実施しています。

現在では、新規顧客の約1割がアフィリエイト広告経由となるほど、施策の重要性が高まっています。

参考：『インフルエンサー起点でファンを増やす「アンクオリジナル」のアフィリエイト活用事例』

Nordgreen

引用：『Nordgreen』

デンマークの腕時計ブランドであるNordgreenは、日本に進出後、認知拡大を目的としてアフィリエイト広告を活用しています。

同社では、発信力のあるアフィリエイターや企業メディアに商品を取り上げてもらうため、メディア向けに記事執筆キャンペーンを実施しました。

Nordgreenの商品に関する記事を作成した場合に、ボーナス報酬やレビュー用の商品を半額で提供するキャンペーンを行ったことで、掲載メディアが50ほど増加しました。

認知拡大のために、まずはアフィリエイターに興味を持ってもらう施策を行った事例です。

参考：『腕時計ブランドが知名度を上げるには？運用の中で意外な発見も！』

まとめ

この記事では、アフィリエイト広告の事例とメリット・デメリットを紹介しました。

アフィリエイト広告は、効果的な施策を行えば広告主・掲載者ともに利点のある広告です。

広告主はユーザーだけでなく、掲載者にも魅力を感じる商材や施策を出すことが大切といえます。

しかし、実際にアフィリエイトを行う際は、「多くの掲載者に協力してもらう方法がわからない」「アフィリエイトを行うリソースが足りない…」といった企業は少なくありません。

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