インターネット広告の市場規模は、年々増加しており、2023年のインターネット広告費は3兆3,330億円ともいわれています。
インターネット広告の普及により「広告クリエイティブ」という用語も広く使用されるようになりました。
競争が激化する中、成果を出すにはクリエイティブの重要性は、非常に高いといえるでしょう。
そんな広告クリエイティブを制作していく上で、
- 「広告クリエイティブの重要性が理解できない
- 「広告クリエイティブの制作方法がわからない
- 「広告クリエイティブの成功事例が知りたい」
上記のような課題が生じるかと思います。
本記事では、企業の広告担当者様へ向けて、広告クリエイティブの「定義」「制作時の考え方」「制作ポイント」「成功事例」を紹介しています。
本記事を閲覧することで、広告クリエイティブの意味が理解でき、成果が見込めるクリエイティブが制作できるようになります。
参考:『2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析 |電通』
関連記事:『【Instagram広告】クリエイティブデザインで意識するべき11のコツ』
Contents
広告クリエイティブとは
広告クリエイティブとは、広告出稿のために制作された素材を指す用語です。
インターネット広告であれば「バナー画像」「動画」「テキスト」などが、広告クリエイティブに当てはまります。
重要性
広告クリエイティブは、広告の成果に直結するため重要といわれています。
広告出稿の目的が異なっても、まず広告を「ユーザーの目に留める」必要があります。
ユーザーが広告を認識することで、はじめて「認知」につながり、高クオリティのクリエイティブが制作できれば「コンバージョン」にもつながります。
優れたクリエイティブは、非クリエイティブなキャンペーンと比べると約2倍近い売上の違いがあるともわかっています。
そのため、広告クリエイティブは、ターゲティング以上に重要であると覚えておきましょう。
参考:『Creative Advertising – Definition, Ideas and Campaigns』
参考:『【資料10選】広告クリエイティブとは?制作方法やポイントを解説!』
広告クリエイティブの意味
広告クリエイティブは「オフライン広告」と「オンライン広告」で意味合いが少し変わってきます。
例えば、野外の看板の「オフライン広告」は、ユーザーの生活の中で自然に目に入ってくるものなので、ブランド認知などの目的で使用されることが多いと覚えておきましょう。
一方「Google広告」や「SNS広告」などの「オンライン広告」は、ブランド認知から商品購入まで、幅広い目的で使用されることが多いです。
そのため、広告出稿の目的が違えば、訴求内容も変わってくるため、目的にあったクリエイティブ制作方法を理解する必要があると覚えておきましょう。
一般的な広告出稿の目的は下記の通りです。(Google広告)
- 販売(オンラインや店舗でに売上げが目的)
- 見込み顧客の獲得(コンバージョンの獲得が目的)
- Webサイトのトラフィック(Webサイトのアクセス獲得が目的)
- 商品やブランドの比較・検討(比較検討ユーザーの獲得が目的)
- ブランド認知度とリーチ(ユーザーへの認知が目的)
- アプリのプロモーション(アプリのインストールが目的)
参考:『Google広告のキャンペーン目標について | Google広告ヘルプ』
参考:『【資料10選】広告クリエイティブとは?制作方法やポイントを解説!』
広告クリエイティブ制作時に必要な考え方
広告クリエイティブ制作時に必要な4つの考え方を紹介します。
考え方を理解すると、広告クリエイティブをスムーズに制作できるようになるので参考にしてみましょう。
【考え方①】絞り込み型
広告クリエイティブ制作時に必要な考え方1つ目は、絞り込み型です。
絞り込み型とは、広告を見てほしいターゲットを絞り込んでクリエイティブを制作する考え方です。
例えば、ダイエットサプリのクリエイティブを制作するのであれば「運動が嫌いな20代女性」のようにターゲットを限定します。
この「運動が嫌いな20代女性」に合わせたクリエイティブを制作すれば、ターゲットに刺さりやすい広告出稿が実現できます。
また、ターゲットを「20代女性」のように広くしてしまうと、ユーザーから共感を得にくいので注意が必要です。
参考:『【資料10選】広告クリエイティブとは?制作方法やポイントを解説!』
参考:『広告クリエイティブとは?広告クリエイティブの種類や制作ポイント』
なお、ターゲットを絞り込む際に有効なのがペルソナの作成です。詳しくは以下の記事をご覧下さい。
関連記事:『ペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイント3 選!』
【考え方②】リアルイメージ型
広告クリエイティブ制作時に必要な考え方2つ目は、リアルイメージ型です。
リアルイメージ型とは「When」「Where」「Who」「What」「Why」「How」を含んだクリエイティブを制作する考え方です。
5W1Hを含むと商品の利用シーンが具体的にイメージできるようになります。
下記表を参考にユーザーが知りたい5W1Hを整理して、クリエイティブを制作してみましょう。
5W1H | ユーザーが知りたいこと |
When | 自分にあった時間で利用できるか |
Where | どんな場所にあるか、通いやすい場所か |
Who | 家族、友人などの同行者は心地よいか |
What | 他にはない価値や体験ができるか |
Why | 悩みや欲求は解決できるか |
参考:『広告クリエイティブとは?広告クリエイティブの種類や制作ポイント』
【考え方③】変化型
広告クリエイティブ制作時に必要な考え方3つ目は、変化型です。
変化型とは、商品を使った後にどんな変化があるかをクリエイティブに反映させる考え方です。
変化型は、商品の効果を視覚的に伝えることができるので、広告成果が見込みやすい特徴があります。
実際にエステサロンの広告出稿にて「ビフォーアフター写真の掲載」や「施術内容のステップなどを分かり易くする」など、ユーザーに成功イメージを持たせやすくした対策を実施して、コンバージョン率が1.2倍になった事例もあります。
参考:『業界平均に意味は無い|コンバージョン率を最大6倍アップさせたLP改善ポイント』
参考:『広告クリエイティブとは?広告クリエイティブの種類や制作ポイント』
【考え方④】比較型
広告クリエイティブ制作時に必要な考え方4つ目は、比較型です。
比較型とは、他社の商品と比較をしながら、自社商品の魅力を伝える考え方です。
例えば「他社との料金比較表」や「スペック比較表」を含んだクリエイティブ制作などが当てはまります。
比較型は、商品の購入を迷っている方に最も効果のある考え方なので「顕在ユーザー」をターゲットとしている企業におすすめです。
参考:『広告クリエイティブとは?広告クリエイティブの種類や制作ポイント』
関連記事:『顧客分析とは?ユーザー構想を紐解く7つの手法と注意点をプロが解説』
クリック率が向上する広告クリエイティブの制作ポイントを5つ紹介
クリック率が向上する広告クリエイティブの制作ポイントを紹介します。
下記ポイントを参考に、広告クリエイティブを制作してみましょう。
クリエイティブのフォーマットを理解する
クリック率が向上する広告クリエイティブの制作ポイント1つ目は、クリエイティブのフォーマットを理解する点です。
「静止画」「動画」などの、それぞれのフォーマットの特徴を理解することで、広告効果を最大限引き出せます。
「静止画」「動画」のメリットとデメリットは下記の通りです。
メリット | デメリット | |
静止画 |
|
|
動画 |
|
|
上記表を参考に、自社のクリエイティブ制作には「静止画」と「動画」どちらが適しているか判断してみましょう。
参考:『効果的なクリエイティブを制作するには?内政と外注を比較解説』
参考:『静止画と動画、それぞれの特徴と期待できる効果』
参考:『SNS広告はクリエイティブが命!静止画、動画、どっちが有利なの?簡単動画制作の秘訣も』
関連記事:『動画広告3つの効果!動画広告の制作方法や成功事例まで解説!』
テキスト量を20%以下にする
クリック率が向上する広告クリエイティブの制作ポイント2つ目は、テキスト量を画像全体の20%以下にする点です。
以前Facebook広告では、テキスト量を20%以下にするという規制があり、現在は撤廃されていますが、テキスト量を抑え視認性を上げることは大切です。
テキスト量が多いクリエイティブは、ユーザーが内容を理解するのに時間がかかってしまうため、スキップされる可能性が高くなります。
もちろん、テキストによるキャッチコピーも重要ですが、画像広告用のクリエイティブを制作するときは、テキストよりもバナー画像を目立たせる必要があります。
また、使用する画像は各広告媒体の「最小ピクセルサイズ」要件を確認した上で、できる限り解像度の高い画像を使用することも忘れないようにしましょう。
参考:『画像広告のベストプラクティス | Metaビジネスヘルプセンター』
参考:『効果的なクリエイティブを制作するには?内政と外注を比較解説』
モバイルユーザーを意識する
クリック率が向上する広告クリエイティブの制作ポイント3つ目は、モバイルユーザーを意識する点です。
広告を閲覧するユーザーが使用するデバイスは「PC」「モバイル」とさまざまです。
2023年に行われた調査では、日常的に「スマホ」を利用しているユーザーは96%に上ります。
モバイルユーザーは、広告を閲覧する環境が異なる傾向があるので、広告クリエイティブをモバイルユーザー用に最適化する必要があります。
例えば、動画広告の場合、ユーザーが電車の中で広告を閲覧することもあるでしょう。
そのような場合、音声をオフにした状態でも訴求ができるように字幕をつけるなどの対策が必要です。
また、モバイルユーザーによっては通信環境の影響で動画再生ができないというケースであれば、動画広告をスライドショーへ切り替えるといった方法も有効でしょう。
参考:『<調査報告書>インターネットの利用環境 定点調査(2023年上期)』
参考:『広告クリエイティブの作成方法とは?効果を上げるコツまで解説!』
関連記事:『モバイルSEO対策のポイント5選!スマホ対応を意識した改善事例も紹介』
社会的評価を含める
クリック率が向上する広告クリエイティブの制作ポイント4つ目は、社会的評価を含める点です。
広告クリエイティブに社会的評価を含めると、ユーザーが商品・サービスを購入するときの不安を取り除くことができます。
例えば「顧客満足度○○%」や「有名人の起用」などを実施すれば、ユーザーのコンバージョン達成につながりやすいと覚えておきましょう。
ある企業では、40~50代の男性をターゲットとした健康関連商材のプロモーション広告にて、40~50代の男性に好感度の高い有名人をアンバサダーに起用したところ、クリック率は10倍以上になったという事例もあります。
参考:『芸能人キャスティングは、売上アップに直結する?通販・D2Cの成功事例から見る、投資対効果』
参考:『広告クリエイティブの作成方法とは?効果を上げるコツまで解説!』
クリエイティブにテストの時間を与える
クリック率が向上する広告クリエイティブの制作ポイント5つ目は、クリエイティブにテストの時間を与える点です。
クリエイティブは一度制作したら完了ではなく、常にテストを繰り返していくことで広告効果を最大化できます。
例えば、セミナー商材の訴求のクリエイティブであれば「幅広く学べることを訴求する内容A」と「知識がなくても基礎から学べることを訴求したB案」を同時に出稿します。
各クリエイティブの結果を一定期間比較して、成果がよかった訴求内容を採用するのがクリエイティブテストの基本です。
クリエイティブを制作するときは、複数のパターンを企画して、常にパフォーマンスが向上できるように運用していくことが重要だと覚えておきましょう。
参考:『広告クリエイティブの作成方法とは?効果を上げるコツまで解説!』
関連記事:『広告効果測定はWebマーケに必須!9つの指標を徹底解説』
広告クリエイティブの作り方は3つ
続いて、広告クリエイティブの作り方を紹介します。
広告クリエイティブ制作には3つの方法があります。下記方法から自社にあったものを選定してみましょう。
- 自社制作
- フリーランスに依頼
- 広告代理店やデザイン会社に依頼
自社制作
広告クリエイティブの作り方1つ目は、自社制作です。
社内にデザイナーが在籍している場合は、自社で広告クリエイティブを制作するとコストを抑えることができます。
また、広告媒体によっては管理画面上でクリエイティブが制作できるので、デザイン制作ツールがなくても対応できます。
また「Canva」のような無料で広告クリエイティブが制作できるツールもあるので、予算が限られている企業は自社制作に挑戦するのもよいでしょう。
参考:『効果の高い広告クリエイティブの作り方と考え方のポイントを解説』
関連記事:『Google Web DesignerでHTML5アニメーションバナーを作る4つのステップ』
フリーランスに依頼
広告クリエイティブの作り方2つ目は、フリーランスに依頼する方法です。
個人で活躍するフリーランスは、制作費用が安価であるというメリットがありますが、スキルのバラつきが多いといったデメリットもあります。
そのため、フリーランスに依頼するときは、実績などを確認した上で検討するようにしましょう。
参考:『効果の高い広告クリエイティブの作り方と考え方のポイントを解説』
広告代理店やデザイン会社に依頼
広告クリエイティブの作り方3つ目は、広告代理店やデザイン会社に依頼する点です。
広告代理店やデザイン会社であれば、一定水準以上のスキルを持ち合わせたスタッフが多く在籍しているので、3つの方法の中で最もクオリティの高いクリエイティブが制作できるでしょう。
また、広告代理店であれば広告運用代行の依頼もできるので、社内のリソースに課題がある企業にはおすすめの方法です。
参考:『効果の高い広告クリエイティブの作り方と考え方のポイントを解説』
関連記事:『UI/UXデザインに強いおすすめの会社14選!選び方や比較方法まで紹介』
広告クリエイティブの成功事例3選
最後に、広告クリエイティブの成功事例3選を紹介します。
下記事例を参考に広告クリエイティブを制作に挑戦してみましょう。
株式会社スナックミー
引用:『クリエイティブ改善の成功事例 | LINEキャンパス』
広告クリエイティブの成功事例1つ目は、株式会社スナックミーです。
株式会社スナックミーは、おやつのサブスクリプションサービス「Snaq.me」を運用し、LINE広告で新規ユーザーの獲得を目標としています。
静止画クリエイティブで「カメラマンが撮影した画像」と「ユーザーがスマートフォンで撮影した画像」の効果を比較しました。
すると、「ユーザーがスマートフォンで撮影した画像」の方が「カメラマンが撮影した画像」に比べて、CTRが3.6倍という結果が出ました。
同社は、LINE広告の1つである報道写真の多いLINE NEWSの中に、ユーザーが撮影した画像があることで、親近感が沸きユーザーの興味を引くのではないかと分析しています。
参考:『広告クリエイティブの事例13選!成果を出すためのポイントも紹介』
参考:『クリエイティブ改善の成功事例 | LINEキャンパス』
関連記事:『【集客力UP!】LINE NEWS広告とは?特長10選と配信方法を紹介!』
株式会社オープンループパートナーズ
引用:『株式会社オープンループパートナーズ』
広告クリエイティブの成功事例2つ目は、株式会社オープンループパートナーズです。
株式会社オープンループパートナーズでは運営する求人サイトのPRを目的として「LINE広告」と「ディスプレイ広告」を出稿しました。
クリエイティブ制作では、絞り込み型を採用しているのが特徴です。
求人サイトを利用するユーザーには「派遣」や「日払い」といったニーズがあるため、クリエイティブ制作にそれぞれのワードを反映されています。
このようにターゲットが求めている情報を目立つようにすると、クリック率の向上が期待できます。
参考:『LINE・ディスプレイ広告用バナー&動画制作|派遣登録訴求』
関連記事:『LINE広告とは?14種類や費用、配信方法をわかりやすく解説』
株式会社グローバルキッズ
引用:『株式会社グローバルキッズ』
広告クリエイティブの成功事例3つ目は、株式会社グローバルキッズです。
保育施設の運営を行っており、新卒採用のために「LINE広告」「Instagram広告」を出稿しています。
クリエイティブ制作に向けて、現在のスタッフに入社の決め手となった項目の社内アンケートを実施したところ「福利厚生」に惹かれて入社したスタッフが多いことがわかりました。
この「福利厚生」をクリエイティブ制作に上手く反映させています。
参考:『LINE・Instagram広告用バナー|新卒採用』
関連記事:『Instagram広告とは?3つの特徴と広告配信のポイントを解説』
まとめ
広告クリエイティブについて紹介しました。
広告クリエイティブは、広告出稿にために制作された素材を指す用語で、広告の成果に直結するため重要といわれています。
広告クリエイティブ制作には「絞り込み型」「リアルイメージ型」「変化型」「比較型」の4つの考え方があります。
この考え方を上手く反映させることで、成果の見込める広告クリエイティブが制作できます。
この記事を読んで、広告クリエイティブの制作が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
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