MECE(ミーシー)とは、マーケティング、経営コンサルティングなどで使用されている論理的思考のフレームワークです。
論理的思考はロジカルシンキングとも言われますが、物事を根拠と結論に分類し、論理的なつながりを捉えながら、筋道を立てて矛盾や破綻がないように理解する思考法です。
MECEは、マーケティング戦略立案や交渉など、ビジネスシーンにおいて幅広く活用することができます。
そこで、今回はMECEの意味や考え方に加え、具体例そしてフレームワークについて解説します。
参考:『論理的思考とは?ビジネスで求められる理由や注意点、鍛え方まで解説』
参考:『大学生「文章力・論理的思考力」が課題、大学教員調査』
参考:『ロジカルシンキング(論理的思考力)とは?鍛える4つの方法』
関連記事:『Pinterest Academyとは?21のコースの受講方法やメリットを徹底解説』
Contents
MECEとは
MECEとは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」という4つの英単語の頭文字を取った言葉です。
一単語ずつ分解して説明すると以下のようになります。
- Mutually:お互いに
- Exclusive:重複せず
- Collectively:全体に
- Exhaustive:漏れがない
参考:『MECEとは?ロジカルシンキングの基本となるMECEの概念やフレームワーク活用法を解説 』
MECEは、「相互に排他的(Mutually Exclusive)」と「網羅的(Collectively Exclusive」の2つの要素で成立しています。
平たく言うと「モレなし」「ダブりなし」という意味です。
「相互に排他的:モレなし」は、情報や要素が重複しないように分類し整理するというルールです。
「網羅的:ダブりなし」は、情報や要素が漏れないようカテゴリー全体を包括する構造を作るというルールです。
MECEは「モレとダブりがないようにする」という一見シンプルな概念ですが、使いこなすには理解が必要です。
そこで次に、具体例を用いながらMECEを解説します。
参考:『MECEとは?ロジカルシンキングの基本となるMECEの概念やフレームワーク活用法を解説』
参考:『MECE(ミーシー)とは?フレームワークの活用例をわかりやすく解説』
関連記事:『【基礎】知っておきたいマーケティング用語一覧!33選を詳しく解説』
MECEでない場合とは
以下のような場合は、MECEでない状態となります。
- モレがあり、ダブりもある
- モレがあり、ダブりがない
- モレがなく、ダブりがある
具体的には、マーケティングにおいてどのような場合があるでしょうか?
子どもから若者向けに食品のWebマーケティングの戦略を想定して、MECEとそうでない場合の例を考えてみましょう。
①モレがあり、ダブりもある状態の例
学生を切り口として、分類したとします。
MECEである | MECEでない |
小学生、中学生、高校生、短大生、専門学校生、大学生 | 小学生、中学生、高校生、転校生、大学生、卒業生 |
MECEでない方は、短大生や専門学校生が漏れています。
また転校生や卒業生といった項目は他の項目と重複しうるため、ダブりが生じています。
②モレがあり、ダブりがない状態の例
次に年齢を切り口に分類カテゴリーを設定した場合を考えてみましょう。
MECEである | MECEでない |
10歳未満、10代、20代、30代以上 | 10代、20代、30代以上 |
この場合、MECEでない方には、10歳未満の子どもが入っていないというモレがあります。
③漏れがなく、ダブりがある状態の例
次に、もっと細かくするために、ターゲットを年齢と性別で分けてみます。
MECEである | MECEでない |
男性・女性 | 男性・女性・子供 |
この場合、漏れはありませんが、子供には男女がいるため、ダブりが生じています。
つまり、MECEで分類されたものは、1つのデータが1つのカテゴリーにのみ出現します。
このように、MECEの考え方を取り入れることで「モレがなく、ダブりもない」状態となり、データ分析の精度を高めることができます。
参考:『Target audience analysis: Everything digital marketers need to know』
参考:『MECEとは? 論理的思考の基本となる考え方やビジネスにおける活用例、注意点』
参考:『MECE(ミーシー)具体例と使い方:モレなくダブりなく分けるとは』
関連記事:『LINE広告のオーディエンスセグメントとは?5つの種類を紹介』
MECEのアプローチ方法とは
論理的思考に基づいて、問題解決や戦略立案を行う際、俯瞰して全体像を把握することが重要です。
その一方、課題が大きくなればなるほど、細部の構成要素が複雑化します。
そこで、MECEな思考をするための2つのアプローチ方法をご紹介します。
- トップダウンアプローチ
- ボトムアップアプローチ
トップダウンアプローチ
トップダウンアプローチは、大きな目標や問題などの全体像からスタートして、要素を細分化して行くというアプローチ方法です。
トップダウンアプローチが適しているのは、あらかじめ分類方法が想定しやすい場合です。
逆に、全体像が明確に把握できていなかったり、正しく理解できていなかったりすると、モレやダブりの要因となるため、注意が必要です。
また、ゼロベースのプロジェクトには適していません。
トップダウンアプローチの例として、Webマーケティングにおけるリード(BtoBにおける見込み顧客)獲得を考えてみましょう。
まず施策全体における、リード獲得の目標数を設定します。
それから、細分化した目標数値を「Webサイトからのお問い合わせ」、「ウェビナー」、「資料ダウンロード」など、施策ごとに落とし込んで行きます。
参考:『MECE(ミーシー)とは?【わかりやすく解説】フレームワーク』
ボトムアップアプローチ
ボトムアップアプローチは、要素を一通り洗い出した上で、それらをグループ化し、全体像を把握する方法です。
ボトムアップアプローチは、全体像が曖昧な場合や、どのように分類していいか分からない時に適しています。
また、ボトムアップアプローチは、未知の領域に挑戦する時など、明確な基準やノウハウがないときに効果的です。
一方で、全体像が不明瞭である故に、「モレとダブり」が発生しやすいという特性があります。
そのため、MECEの思考を徹底して要素の洗い出しを行うことが重要です。
ボトムアップアプローチの例として、顧客のニーズから全体のグローバル展開を考えるという場面があるとします。
その場合、まずは顧客のニーズを理解し、地域別、国別、そしてグローバル展開への思考を広げて行きます。
参考:『MECE(ミーシー)とは?【わかりやすく解説】フレームワーク』
参考:『MECEとは? 論理的思考の基本となる考え方やビジネスにおける活用例、注意点』
トップダウン、ボトムアップの組み合わせも有効
MECEでは、トップダウン、ボトムアップどちらかのアプローチを選択しなければならないという訳ではありません。
ボトムアップアプローチでスタートしてからトップダウンアプローチで修正を加えながら進めるということも可能です。
いずれにしても、それぞれのアプローチ法の特性を理解し、状況によって使い分けることが望ましいでしょう。
参考:『MECE(ミーシー)とは?【わかりやすく解説】フレームワーク』
参考:『MECEとは? 論理的思考の基本となる考え方やビジネスにおける活用例、注意点』
参考:『An overview on strategic design for socio-technical innovation』
参考:『The value of getting personalization right—or wrong—is multiplying』
参考:『パーソナライゼーションとは?重要性やメリット、成功させるポイントについても解説』
関連記事:『【2024年最新版】Webマーケティングの4つのメリットと市場状況』
MECEに考えるための4つの切り口
MECEに考えるために重要なのは、「どのような切り口を設定するか」です。
特にマーケティングにおいてよく使われる切り口を4つご紹介します。
因数分解
参考:『MECEの7つの切り口:因数分解・因果関係・類似性・二項対立・分割・尺度・プロセス』
MECEにおける因数分解とは分析したい対象を要素分解し、『掛け算』の計算式で表したものです。
因数分解の切り口は、全てを掛けたものが全体になるためモレがなく、同じものを2回掛けない限りはダブりがありません。
例として、「売上げを向上させたい」といった課題があったとします。
売上は「客数」×「客単価」の要素に分解することができます。
ここから、売上げ向上するために「客数を増やす」「客単価を上げる」という施策が考えられます。
その場合、2つの要素の関係性は、「売上=客数×客単価」となります。
これを「売上の因数分解」と呼びます。
この方法によって、売上を上げるための、各要素に注目して課題を分析できるので、必要な改善策を検討することができます。
客単価の要素に注力した売上向上の具体例として、コーヒーチェーン最大手のStarbucks Corporationがあります。
同社は、モバイルオーダーによるパーソナライゼーションにより、一人あたりのオーダー単価を押し上げることに成功し、2021年第3四半期の決算発表で客単価が過去最大になったことを発表しています。
参考:『スターバックスの客単価が過去最大に、Z世代がモバイルのカスタムオーダーで売上をけん引』
参考:『MECEの7つの切り口:因数分解・因果関係・類似性・二項対立・分割・尺度・プロセス』
時系列・ステップ分け
参考:『MECEの7つの切り口:因数分解・因果関係・類似性・二項対立・分割・尺度・プロセス』
MECEにおける時系列・ステップ分けは、思考対象を時系列や段階で分類する方法のことです。
代表例に、WebマーケティングにおけるAISASがあります。
AISAS(アイサス)とは、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(購買)→ Share(情報共有) の頭文字を取った株式会社電通が登録商標しているWebマーケティング用語です。
この切り口により、顧客の行動における5つのプロセスとプロセスごとの各対策を全て挙げることで、施策のモレとダブりをなくすことができます。
一連のプロセスがスムーズになることで購買体験が最適化されます。
AISASの考え方を用いることで、Web上で見込み顧客が、ある商品やサービスを認知してから 購買に至るまでのプロセスにおける見込み客への適切な施策を立案できます。
例えば、Web広告やリスティング広告で製品やサービスを知ってもらい(Attention)、ブランドのランディング―ページ(LP)やコラムで興味や関心(Interest)を引き出します。
見込み顧客が検索(Search)段階に入ったら、SEO対策などで、見込み顧客のWebサイトへの流入を増やします。
実際に製品購入(Action)につながったら、商品やサービスに対する満足度や感想をSNS等で共有(Share)したくなる工夫をします。
参考:『MECE(ミーシー)とは?【わかりやすく解説】フレームワーク』
参考:『アイサス(AISAS)とは』
参考:『MECEの7つの切り口:因数分解・因果関係・類似性・二項対立・分割・尺度・プロセス』
参考:『AISCEASとは?ユーザーの購買心理からリードナーチャリングを考えてみよう』
対照概念
参考:『MECEの7つの切り口:因数分解・因果関係・類似性・二項対立・分割・尺度・プロセス』
MECEにおける対照概念とは、課題を相反する概念によって分解する方法です。
例えば、「質と量」「メリットとデメリット」「クオリティとスピード」などがあります。
対照概念では、「これ」と「これ以外」を足し合わせているのでモレがなく、全体から特定のものを抜き出しているのでダブりがありません。
この方法を用いることで、量要素の改善に必要な施策が見えてきます。
具体例として、株式会社ラックが手がけたECサイト開発を見てみましょう。
同社のクライアントは、ECサイトを立ち上げる際に、クオリティを重視して、後から付加的な機能を追加できるパッケージを当初は希望していました。
しかしながら、このような拡張性の高いパッケージ開発は、約3か月という時間がかかり、その間に売上の機会損失が起こります。
そこで、ラック社は、クオリティとスピード両方のバランスをとれる開発案として、ECサイトテンプレートをカスタマイズするという提案をしました。
ロゴやメニューなど最低限のデザイン変更だけで新規サイトを構築することが可能なため、約1か月でECサイトをローンチできました。
その結果、ECサイトから早々に受注を獲得できたと述べています。
このように「クオリティ」「スピード」と反対の性質をもつ要素に分解して把握することで、Webマーケティング施策を最適化できます。
参考:『スピードと品質を両立した、ECサイト開発支援の事例3選』
参考:『MECEの7つの切り口:因数分解・因果関係・類似性・二項対立・分割・尺度・プロセス』
参考:『MECEとは?マーケターなら押さえておきたい”超”分解術』
参考:『MECE(ミーシー)とは?フレームワークの活用法をわかりやすく解説』
尺度で分解
参考:『MECEの7つの切り口:因数分解・因果関係・類似性・二項対立・分割・尺度・プロセス』
MECEにおける尺度の切り口では、直線上に並んでいるものを任意の点で区切ります。
区切ったものを全て挙げればモレがなく、基準になる点の前後で要素が分かれるためダブりがありません。
例えば、年齢や年収など、要素が一直線になっているものは、尺度で分解できます。参考:『MECEとは?わかりやすい例から学ぶ入門編』
マーケティングにおけるMECEの尺度の分解として、プロダクトライフサイクルがあります。
プロダクトライフサイクルとは、新しい製品を市場投入してから衰退するまでの売上の推移を理解するためのモデルです。
製品の一生を導入期(Introduction)→成長期(Growth)→成熟期(Maturity)→衰退期(Decline)とい4つの尺度によって分類し、製品の盛衰を、時間と売上の2軸で図ることができます。
名称 | 特徴 | 施策 |
導入期 | 認知が低いため、まだ利益はあまり期待できない状況 | Web広告などで、認知度を高めて、シェアを拡大 |
成長期 | 売上が急速に伸びるが、競合他社の参入も増加 | 製品やサービスの改善や差別化に注力し、市場に浸透させる |
成熟期 | 製品が市場に行き渡り飽和状態になり、売上・利益も鈍化 | 顧客ニーズを知るためにモニター調査や、アンケート調査などのリサーチを実施し、ブランドロイヤリティを高める施策 |
衰退期 | 競合製品との競争激化、代替品などが登場し、値引きが必要になるなど売上が減少する時期 | 販売促進のプロモーションなどで既存顧客を維持 新製品への切り替えや、市場からの撤退などの判断 |
このように、尺度に分解して考えることで、各時期における顧客へのアプローチ方法、注力すべき施策などマーケティング戦略を最適化できます。
参考:『MECEとは?わかりやすい例から学ぶ入門編』
参考:『MECEの7つの切り口:因数分解・因果関係・類似性・二項対立・分割・尺度・プロセス』
参考:『セグメント別業績』
参考:『プロダクトライフサイクルの成功例と失敗例』
参考:『プロダクトライフサイクルとは?各段階の特徴とマーケティング戦略を解説』
関連記事:『Web広告の戦略を考えるときに使えるオススメのフレームワーク4選』
MECEで活用できるフレームワーク3選と具体例
MECEに分類しているフレームワークが数多くあります。
その中でも、本章では以下の3つのフレームワークについてご紹介します。
- SWOT分析
- 3C分析
- 4P分析
SWOT分析
最初にSWOT分析を紹介します。
『SWOT』とは、Strength:強み、Weakness:弱み、Opportunity:機会、Threat:脅威の頭文字をとったものです。
SWOT分析では、MECEの対照概念を切り口に使います。
SWOT分析の目的は、自社を取り巻く環境による影響と、それに対する自社の現状を分析して、最良のビジネス機会を発見することです。
SWOT分析を始める際、内部環境から考える場合と外部環境から考える場合があります。
外部環境の分析から始めた場合、市場の変化を知ることができ、現状分析から戦略立案と策定をすることができます。
そして、続いて行う内部環境の分析では、外部環境分析で洗い出した「変化」に対して、競合の状況を調べ、自社と比較することで、強み(S)と弱み(W)を明らかにできます。
逆に内部環境の分析を始めた場合、自社の強み(S)から外部環境における機会(O)、そして弱み(W)を基に外部環境における脅威(T)を洗い出せます。
Apple社の事例
引用:『Apple Japan合同会社』
実際にApple社を具体例にSWOT分析をしてみましょう。
【Apple社の例】
プラス面 | マイナス面 | |
内部環境 | 「強み(Strength)」
| 「弱み(Weakness)」
|
外部環境 | 「機会(Opportunity)」
| 「脅威(Threat)」
|
Apple社の売上高1,196億ドルのうちiPhoneが約半数以上を占めています。
iPhoneへの依存度が高いため、市場の変動が収益に影響を及ぼすという脅威があります。
実際に、国内のスマートフォン出荷台数は、Apple がシェア53.6%でトップではあるものの、国内市場の縮小傾向からアップルの2024年の出荷台数は、対前年比10.5%減でした。
一方、市場全体が成長傾向にあるスマートウォッチにおいても6割近いシェアを獲得しています。
このように、SWOT分析をすることで、自社が直面する課題や機会を視覚化でき、どのようにこれらの要素をマーケティング戦略に組み込むべきか、理解を深めることができます。
参考:『2024年第1四半期の国内携帯電話/スマートフォン市場実績値を発表』
参考:『【初心者向け】SWOT分析とは?目的からやり方、活用のポイントまで』
参考:『【図解】SWOT分析とは?やり方から具体例、注意点まで解説』
参考:『2024年度には市場規模500万台突破と予測』
参考:『「Apple×マインドマップ」でSWOT分析(2024年最新版)』
参考:『スマートスピーカーやスマートホーム対応照明の市場を調査』
参考:『Apple、ミッドナイトのHomePod miniを発表』
関連記事:『【基本】SWOT分析で簡単自社分析!やり方とポイント5つ紹介』
3C分析
3C分析とは、自社のおかれた環境を分析するためのフレームワークです。
3Cは、市場環境を構成する3つの重要な要素、Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社の頭文字をとったものです。
3Cでは、MECEの切り口である因数分解で市場環境を分析します。
具体的には、以下のような分析項目があります。
【3Cの主な分析項目】
3C | 分析項目例 |
顧客 | 【市場に対する分析項目】
【顧客に対する分析項目】
|
競合 | 【業界全体の分析項目】
【競合企業に対する分析項目】
【競合の製品/サービスに対する分析】
|
自社 |
|
3C分析を用いて顧客、競合・自社の環境を把握することで、マーケティング戦略の策定に活かせます。
ニトリの事例
引用:『株式会社ニトリ』
具体例として、3C分析を用いて株式会社ニトリの市場環境を分析して見ましょう。
顧客
近年、同社は顧客の購買体験向上に努めています。
具体例として、Webマーケティング施策の『ニトリアプリ』があります。
顧客がリアル店舗に来なくても、家具のサイズ感や使い勝手をイメージしやすいように、同アプリ上のカタログ掲載を充実させています。
更に、実店舗において、顧客がレジに並ばなくても済むように『ニトリアプリ』からでも決済できるようにするなど、顧客のニーズに合わせた購入体験を提供しています。
競合
競合として挙げられるのは、他の家具、インテリア雑貨を求めやすい価格で提供する企業です。
実際に、ニトリで買い物をしようとしたときに、同社と比較対象として思い浮かべられるブランドの市場調査したところ、上位から「IKEA」9.3%、「カインズホーム」7.9%、「無印良品」7.7%というデータがあります。
自社
同社は、商品開発から販売まで一貫して自社で行うことで、求めやすい価格で高品質な商品を提供し売上を伸ばしました。
2024年3月期決算で、客数減と円安で減収減益とはなりましたが、36年連続での増収を実現しました。
このように3C分析を用いることで、 客観的な視点から自社事業を取り巻く外部環境分析ができ、 Webマーケティングなどの施策の方向性を明確化できます。
参考:『3C分析の事例集:7社の3C分析から見るマーケティング戦略の理解』
参考:『3C分析のやり方-マーケティング環境分析』
参考:『大手4社から学ぶオムニチャネルマーケティング事例の解説』
参考:『ニトリ3月期決算、客数減と円安で減収減益 36年連続増収ストップ』
参考:『利用実態調査 ニトリ編 ニトリは実際だれが利用している?』
関連記事:『Webマーケティングの戦略に役立つフレームワーク7選!』
4P(マーケティングミックス)分析
4Pは、戦略を決定する要素を因数分解の切り口でMECEに分類する方法です。
Product:製品 、Price:価格、Place:流通、Promotion:販促の頭文字をとったもので、マーケティング戦略を考える上で、重要な4要素を表しています。
具体的には以下のような分析項目があります。
【4Pの主な分析項目】
4P | 分析項目 |
製品 |
|
価格 |
|
流通 |
|
販促 |
|
無印良品の事例
引用:『株式会社 良品計画』
4Pの具体例として、株式会社良品計画のブランド『無印商品』(海外では「MUJI」)を見てみましょう。
製品
同社は、1980年の『無印良品』ブランド創生以来、環境・社会に配慮した3つの視点、①素材の選択、②工程の点検、③包装の簡略化を守りながら日用品、衣料品、食料品、家具ほか約7,000の商品づくりに取り組んでいます。
グローバル展開する同ブランドでは、世界各国の行政が定める各種の法律を遵守することを前提とした上で、自社基準である「良品基準」を定め、それらに基づいた安心・安全な製品の提供に努めています。
価格
同ブランドでは、2022年以降は円安などの影響で値上げに踏み切りましたが、同時に新しい低価格商品を導入しています。
2023年には、取り扱い商品の約7割が500円以下を中心に構成されている新業態「無印良品 500」をオープンしています。
販促
Webマーケティングにおいて、専用アプリ「MUJI passport」を、日本を含む11カ国で展開しています。
アプリは、店舗と顧客をつなぐコミュニケーションツールとして、日々、各店から情報を配信しています。
同社は、2023年8月地点で累計36,331件の情報配信をしていると述べています。
さらに、アプリでレビューを書くとポイントがたまり、レビューの内容が研究所に連携されて、製品開発に活かされています。
流通
2023年8月時点で、国内654、海外654店舗を展開しています。
前年の同時期が、国内532店舗、海外604店舗でしたので、リアル店舗も拡大傾向にあります。
さらに、同社は専用アプリ「MUJI passport」の日本国内における年間アクティブユーザー数は、1,369万だと 述べているので、東京都の総人口に近づくような利用者数がいる
上記から、同社がグローバル展開と顧客のコミュニティ化に注力していることが理解できます。
このように、自社において4P分析を行うことで、マーケティングの目的から要素を分解し、そのために必要な戦略を立案できます。
参考:『【4P分析】マーケティングミックスの事例~4Pを活かしてマーケティングを成功させるための方法』
参考:『4Pとは?マーケティングにおける考え方や、4Cとの違いをわかりやすく解説』
参考:『マーケティングの4Pの事例と考察を8つわかりやすくご紹介!』
参考:『「商い」を通じて社会に貢献する品質の考え方』
参考:『数字で見る良品計画』
参考:『【MUJIcomエスカ】無印良品500って、なんだ??①「500円均一のお店なの?」』
関連記事:『マーケティングの4P・4Cとは?それぞれ4つの活用方法をわかりやすく解説!』
まとめ
この記事を読んで、MECEを用いたWebマーケティングの最適化が難しいと少しでも感じたら 広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionでは、Webサイト制作をはじめとするデジタルマーケティング全般のご相談を承っております。
Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。