Meta社が運営するInstagramは、2019年3月時点で日本国内のユーザー数3,300万人を超え、巨大なSNSプラットフォームとしてビジネスにも活用されています。
参考:『Meta社『Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破』』
2023年7月には、Instagramと連動するテキストベースのSNS「Threads(スレッズ)」がローンチされたことで話題になりました。
Instagramの機能もアップデートを繰り返し、年を追うごとに利便性を高めています。
参考:『Meta社『テキストでつながる新しいアプリ、「Threads(スレッズ)」をローンチ』』
Instagram広告もその例外ではなく、2023年3月には新機能である「リマインダー広告」と「検索広告」のリリースが発表されました。
今回はこのリマインダー広告と検索広告の特徴やメリットをご紹介します。
いち早く自社の広告戦略に取り入れて、新規ユーザーの獲得に役立てましょう。
以下の記事では、Instagramを含めたSNS広告について解説しています。
関連記事:『5大SNS広告運用入門!適したターゲットや特徴を解説!』
Instagramから発表された2つの新機能
2023年3月21日に、Instagramの公式サイトにてリマインダー広告・検索結果での広告のリリースが発表されました。
すでに一部の機能は運用が開始され、今後はプラットフォームへの実装がグローバルで予定されています。
参考:『Meta社『Promote Upcoming Launches And Reach More People With New Instagram Ads』』
リマインダー広告とは?
新しくリリースが発表された広告機能・プレースメントの詳細をみていきましょう。
ここでは、リマインダー広告の特徴をご紹介します。
リマインダー広告の特徴
リマインダー広告は、今後予定される予定のリマインド機能を搭載した広告フォーマットです。
Instagramのフィード画面に表示させることができます。
たとえば、以下のような機会での活用が想定されます。
- 新商品の発売
- ECサイトでのセール告知
- テレビ番組や動画配信のプレミア公開
- イベントの開催
- 重大な情報発表の告知
引用:『Meta社『Promote Upcoming Launches And Reach More People With New Instagram Ads』』
この画面のように、広告内に予定の開催日時とともにリマインド用のCTAが表示されるのが特徴です。
タップすると、リマインドの設定やInstagramのストーリーズ上でのイベント情報のシェアが可能です。
設定に応じて、デバイス上でリマインドメッセージの通知を行います。
リマインダー広告を活用するメリット
リマインダー広告では、以下のようなメリットが期待できます。
イベントの認知度アップ・集客の増加
リマインダー広告を使ったイベントの告知によって、興味を持っているユーザーに開催日時を強く認識させます。
リマインドで参加漏れなどを防止できるため、集客の増加にもつながるでしょう。
では、リマインドをすることは、集客にどれほどの影響があるのでしょうか。
株式会社データXの事例
データマーケティングツールの開発・販売を行う株式会社データXのサイトでは、以下の実例が掲載されています。
スクールビジネスを展開する企業で、来校予約をしたユーザーにリマインドメールを実施。
予約日の5日前にメールを配信し、未開封者には予約日の3日前に再度メールを配信しました。
2通目が未開封のユーザーには、来店前日にSMS(ショートメッセージ)を送りました。
この取り組みによって、Web予約経由の来店率が55%→65%程度に改善しています。
参考:『株式会社データX『最先端メールマーケティング入門~予約リマインドメール編~』』
ユーザーは3種類の通知を受け取ることができる
リマンダー広告では【イベントの1日前】【15分前】【開始時】の3段階でユーザーに告知をします。
- イベントの1日(24時間)前…アクティビティフィードのお知らせ
- 15分前…アクティビティフィードのお知らせ&プッシュ通知
- イベント開始時間…アクティビティフィードのお知らせ&プッシュ通知
開催までに3回にわたり告知されるため、ユーザーに期待感を訴求したい場合にもおすすめです。
参考:『Meta社『Promote Upcoming Launches And Reach More People With New Instagram Ads』』
参考:『Meta社『イベントのリマインダー付きのInstagram投稿を作成する』』
リマインダー広告の配信方法
リマインダー広告の配信手順についてご説明します。
広告の配信にあたり、まずはリマインダー付きの投稿(広告ではない既存投稿)を作成します。
その後広告マネージャーを使って、該当する投稿を広告として配信するための設定を行います。
STEP1.リマインダー付きの投稿を作成
①フィードの新規投稿を作成
Instagramでフィードの新規投稿を作成します。
②リマインダーを追加をタップし、リマインダー名と開始日時を設定
画像の選択後に表示される「新規投稿」の画面でリマインダーを追加をタップし、リマインダー名と開始日時を設定。
③「シェア」をタップして投稿完了
投稿の設定が完了したら、「シェア」をタップして投稿完了です。
なお、リマインダー付きで投稿ができるのは、イベント開催のイベントの3ヶ月前から1時間前までの期間に限定されます。
参考:『Meta社『イベントのリマインダー付きのInstagram投稿を作成する』』
なお、この投稿はInstagramのプロアカウントの機能であり、一般のアカウントでの作成は不可となります。
プロアカウントへの切り替え方法は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:『Instagramの企業アカウント開設5ステップ&運用マニュアル!』
STEP2.作成した投稿を広告として配信する
①Meta広告マネージャーで作成
Meta広告マネージャーで「作成」を選択します。
以下のように設定を行います。
- 目的:トラフィック
- コンバージョンの場所:ウェブサイト
②広告セットの設定
「次へ」で次項に進み、広告セットの詳細を以下のように設定します。
- スケジュール:イベント開始の1時間前に広告を終了
- 配置:Advantage+ 配置
- 最適化と配信:リンクのクリック
③広告の詳細を設定
「次へ」で次項に進み、広告の詳細を以下のように設定します。
- 広告に表示する名前:Instagramアカウントを選択
- 広告設定:既存の投稿を使用
- 広告クリエイティブ:配信に使用するリマインダー付き投稿を選択
④公開と配信開始
「公開」へと進んだ後、審査に通れば配信が開始されます。
参考:『Meta社『Instagram投稿からリマインダー広告を作成する方法』』
検索結果での広告とは?
ここからは、リマインダー広告とともにリリースが発表された、検索結果での広告の特徴についてご説明します。
検索結果での広告の特徴
検索結果での広告は、Instagramの検索機能を使用するユーザーが対象となります。
検索結果に表示された投稿をタップした際に遷移するフィード内の広告枠に配信されるのが特徴です。
参考:『Meta社『Promote Upcoming Launches And Reach More People With New Instagram Ads』』
検索結果での広告を活用するメリット
能動的なユーザーに向けて訴求できる
検索結果での広告は、気になっているモノ・コトについてInstagramで検索をしている、能動的なユーザーに向けて配信されます。
そのため、ある程度商品・サービスについて関心が高い層へのアピールが可能です。
インターネットの検索エンジンで調べものをすることを「ググる」と言いますが、近年ではSNS上でハッシュタグ検索をする動きも強まっており、こちらは「タグる」という名前がつけられています。
Instagramは2020年に「日本のユーザーがハッシュタグ検索を行う回数は、グローバルの平均数値と比較すると5倍にも及ぶ」と公表しました。
この結果から、日本の企業アカウントと検索広告は好相性であると予想できます。
参考:『株式会社ガイアックス『他国より5倍ハッシュタグ検索! Instagramはユーザーの「好きと欲しい」を作れる。「House of Instagram(#インスタハウス)」イベントレポート』』
関連記事:『Instagramのハッシュタグ分析とは?分析方法と5つのツールを紹介!』
ユーザーが自分の興味にマッチする情報を見つけやすくなる
検索結果での広告は、企業側だけでなくユーザーにとってもメリットがあります。
検索をかけた際に自身の興味や関心に近しい広告が表示されるため、求めていた情報や有益なコンテンツを発見しやすくなります。
参考:『株式会社フルスピード『Instagramで新しくリマインダー広告と検索結果広告が登場!ロールアウトは数ヶ月以内に』』
Twitterにも検索結果での広告がある
同じSNS広告では、Twitterですでに検索結果での広告がスタートしています。
こちらは「Twitter キーワード広告」という名称で、2023年の1月にローンチされました。
広告が配信されるのは、Twitterの検索結果のページの3つめのツイートに設けられた枠です。
今後アップデートによって、広告の位置は3つめ→2つめになることが予定されています。
なお、広告に設定できる検索キーワードの規定は、以下の通りです。
- マッチタイプ- 完全一致
- キーワードは1広告グループにつき200まで設定可能
- 1キーワードにつき最大140文字まで設定可能
- マッチについて:アルファベットの大文字小文字は判別しません。「Apple」と「Apples」なとの複数形は別ワードとして判別します。ハッシュタグとタグのないキーワードはそれぞれ別として判別します。
なおキーワード広告は、Twitter広告のターゲティング機能との掛け合わせができます。
この機能を利用することで、地域、属性、デバイス、オーディエンス除外などの設定にしたがって、配信するユーザーを絞り込みます。
Twitter広告については、こちらも参考にしてみてください。
関連記事:『Twitter広告運用の成功事例5選!成功させるポイントまで解説』
Instagram広告の特徴
Instagram広告の特徴について解説します。
自社の商品・サービスに合った方法で配信ができるよう、広告枠の種類やターゲティングの機能について理解を深めておきましょう。
配信面
検索広告を除くと、Instagramで広告を配信できる枠はフィード、ストーリーズ、発見タブ、リールの4種類です。
フィード
引用:『Meta社『Instagramに掲載できる広告の種類』』
Instagramのホーム画面のタイムラインに設けられた枠に広告を表示します。
前述のリマインダー広告は、このフィード広告に含まれます。
フォローアカウントの投稿や、ユーザーの動向を反映したおすすめ投稿といったオーガニックの投稿と同じタイムラインに配信されるのが特徴です。
そのため、投稿をチェックするような感覚で広告を見てもらえます。
ストーリーズ
引用:『Meta社『Instagramに掲載できる広告の種類』』
当国から24時間で表示されなくなる形式「ストーリーズ」の再生中に配信される広告です。
縦長のフルスクリーンで広告が表示されます。
こちらでも、ストーリーズ広告について解説しています。
関連記事:『Instagramストーリーズ広告とは?9つの作成ポイントを徹底解説! 』
発見タブ
引用:『Meta社『Instagramに掲載できる広告の種類』』
Instagramの発見タブ内の投稿をタップした際に遷移するフィード内の広告枠に配信される広告を指します。
ちなみに検索広告の項目で触れたInstagramの検索機能は、発見タブ画面の上部にある入力用のボックスをタップすることで使用できます。(発見タブ広告と検索広告は別物です)
発見タブについては、こちらの記事で詳しく解決をしています。
関連記事:『Instagramの発見タブとは?3つの効果とメリットを解説』
リール
引用:『Meta社『Instagram、リール広告の提供開始を発表』』
Instagramの画面下部にあるリールのアイコンをタップすると、リール投稿(ショート動画)を閲覧できます。
リール動画は、投稿を上にスワイプすることで次の動画に切り替わるのが特徴です。
リール広告は、オーガニックのリール投稿の間に配置されています。
参考:『Meta社『Instagramに掲載できる広告の種類』』
参考:『Meta社『Meta広告マネージャでInstagramリール広告を作成する』』
ターゲティング機能
Instagram広告は、ターゲティング機能を活用することで自社の商品・サービスに興味を持ちやすいユーザーへと広告を配信できます。
ターゲティングとは、ユーザーを属性、興味・関心のあるトピックス、プラットフォーム上での行動といった特徴でセグメントし、対象となる層にアプローチすることを指します。
リマインダー広告や検索広告は、このターゲティング機能と組み合わせることで、狙っているユーザー層へと届けやすくなります。
ここでは、Instagramの4種類のターゲティングについて解説します。
なお、以下の関連記事もあわせてチェックすることで、より理解が深まるでしょう。
関連記事:『Instagram広告の4つのセグメントと活用のポイントを解説 』
コアオーディエンス
年齢、性別、地域などをはじめとするユーザーの属性に応じて対象を絞り込むターゲティングの方法です。
年齢
13歳〜65歳まで、1歳ごとに区切ってセグメントすることが可能。65歳以上は一括りとなります。
性別
男性、女性、またはその両方でセグメントします。
地域
国・都道府県・市区町村、郵便番号、マップなどでエリアを指定し、関わりのあるユーザーにアプローチします。
また、以下からエリアとユーザーとの関わりを選択することもできます。
- このエリアに住んでいる人、または最近このエリアにいた人
- 最近このエリアにいた人
- このエリアを旅行中の人
属性
学歴・収入・家族構成・仕事などの属性でユーザーをセグメントします。
コアオーディエンスと組み合わせることで、以下のようなターゲティングが可能です。
- イベント開催地の近隣に住むユーザーに向けて、リマインダー広告を配信する
- メイクアップに関連するキーワードで検索をした女性ユーザーに向けて、化粧品ブランドの広告を配信する
参考:『株式会社インフィニティエージェント『Instagram広告のターゲティングって何がある?種類や使い方を解説』』
インタレストターゲティング
プラットフォーム上のユーザー行動に基づいてターゲティングを行います。
興味・関心ターゲティングと行動ターゲティングの2種類があります。
興味・関心ターゲティング
カテゴリーを選択し、それに興味・関心のあるユーザーを絞り込みます。
スポーツ・アウトドア/テクノロジー/ビジネス・業界/フィットネス・ウェルネス/買い物・ファッション/趣味・アクティビティ/食品・飲料品
行動ターゲティング
プラットフォーム上でのユーザーの行動履歴や、デバイスの端末情報などをもとに絞り込みます。
記念日/旅行/モバイルデバイスユーザー/海外駐在/消費者の分類/Wi-Fi接続環境/端末情報/位置情報
参考:『株式会社ベーシック『Instagram広告のターゲティング一覧!特徴や効果を出すコツも解説』』
インタレストターゲティングと組み合わせることで、たとえば以下のようなアプローチが可能です。
- 買い物・ファッションの興味があるユーザーに向けて、リマインダー広告でセールの告知を行う
カスタムオーディエンス
自社が保有しているカスタマーリストなどの情報をもとに、そのユーザーを対象にしたりあるいは除外したりといったターゲティングを行います。
広告アカウント一つにつき、最大で500種類のカスタムオーディエンスの作成が可能です。
たとえば、このような活用方法があります。
- 自社と関連のあるキーワードでInstagram検索をする購買履歴のあるユーザーに向けて、リピーター割引の広告を配信する
- 特定のエリアの在住者に向けてリマインダー広告を配信し、オンラインでのマンション見学会のイベント告知を行う
類似オーディエンス
カスタムオーディエンスで作成した配信対象(オーディエンス)のデータをもとに、それに類似するユーザーに向けてアプローチを行うターゲティングの方法です。
【1%〜10%】の範囲で類似度を設定できるという特徴があり、パーセンテージの数値が低くなるほど類似度が高くなります。
絞り込みすぎると配信できる範囲が狭まるため、注意が必要です。
Meta社の公式ページでは、オーディエンスのサイズが200万〜1,000万人規模が最も効果を発揮しやすいと述べられています。
活用方法の例として、以下が挙げられます。
- 自社のゲームをダウンロードしたユーザーに類似するオーディエンスを作成し、リマインダー広告を使用して新作のリリースを告知する
まとめ
この記事を読んで、Instagram広告の最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
弊社ではInstagram広告運用代行というサービスを展開しております。
Instagram広告の運用経験を豊富に蓄積している他、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。
蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。
また、薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
お客様のあらゆるニーズに対し 分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談下さい。
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。