電通、セプテーニ・ホールディングスなどを含むデジタル広告領域の企業が行った共同分析によると、ディスプレイ広告は日本のインターネット広告媒体費のうち28.7%を占めており、検索連動型広告に次いで市場規模が大きい広告種類となっています。
参考:『2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析|電通』
年々市場が拡大傾向にあるディスプレイ広告ですが、Yahoo!広告のディスプレイ広告(運用型)では、ターゲティング機能の一つである「コンテンツキーワードターゲティング」が利用できることをご存じでしょうか?
今回は、YDAのコンテンツキーワードターゲティングに焦点を当てて、メリットや設定方法について詳しく解説していきます。
参考:『Yahoo!広告ディスプレイ広告(運用型)|LINEヤフー for Business』
ディスプレイ広告のプレースメントターゲティングについては、以下の記事をご覧ください。
関連記事:『ディスプレイ広告のプレースメントターゲティングの活用方法5選』
Contents
コンテンツキーワードターゲティングとは
YDAのコンテンツキーワードターゲティングとは、広告主が設定したキーワードに関連するコンテンツ(Webページやアプリ)に広告を配信または除外できる機能です。
広告主が設定したキーワードと、システムによって抽出されたコンテンツのキーワードが一致すると広告が配信(除外)されます。
例えば、広告主が「スマホゲーム」というキーワードを配信先として設定すると、同じキーワードが抽出された関連性の高いコンテンツに広告が配信されます。
参考:『コンテンツキーワードターゲティング|Yahoo!広告ヘルプ』
関連記事:『【SEOとコンテンツマーケティング】2つの違いとは?各施策を解説』
2023年のアップデートにより配信面が拡大
引用:『コンテンツキーワードターゲティング対象掲載面の拡大|Yahoo!広告』
Yahoo!広告のアップデートに伴い、2023年9月13日からコンテンツキーワードターゲティングの配信面が拡大することになりました。
今回のアップデートにより、今まで対象だった一部のWebページとアプリに加え、今後は全てのWebページおよびYahoo!JAPANの一部のサービスアプリでも広告配信が可能になりました。
新たに追加された配信面には以下のようなものがあります。
- LINE MUSIC
- Yahoo!トラベル
- 食べログ など
配信面が拡大したことで、配信機会が増え、より多くのユーザーにアプローチすることが可能になります。
参考:『サービス一覧|Yahoo!JAPAN』
参考:『コンテンツキーワードターゲティング対象掲載面の拡大|Yahoo!広告』
Google広告のコンテンツキーワードターゲティングとの違い
Google広告にも、「キーワードによるコンテンツターゲット」というターゲティング機能があります。
キーワードによるコンテンツターゲットでは、広告主が設定したキーワードに関連するコンテンツ(Webページやアプリ)に広告を配信または除外できます。
Google広告のコンテンツターゲットとYahoo!広告のコンテンツキーワードターゲティングの基本的な機能は同じですが、ターゲティングの対象配信面が異なります。
前述の通り、Yahoo!広告は、Yahoo!JAPANの一部のアプリと、全てのWebページがターゲティングの対象配信面です。
一方で、Google広告は、約3,500万のWebサイトやアプリに加えて、Googleのサービス(GmailやYouTube)がターゲティングの対象配信面となります。
参考:『キーワードによるコンテンツターゲット|Google広告ヘルプ』
参考:『コンテンツキーワードターゲティング対象掲載面の拡大|Yahoo!広告』
参考:『ディスプレイ広告とGoogleディスプレイネットワークについて|Google広告ヘルプ』
コンテンツキーワードターゲティングのメリット
ここからはコンテンツキーワードターゲティングのメリットについて解説していきます。
- 関連性の高いサイトに広告配信が可能
- 除外設定により配信面を制御することができる
関連性の高いサイトに広告配信が可能
コンテンツキーワードターゲティングによって、自社商材と関連性の高いWebページやアプリに広告を配信することができます。
ユーザーが関心を持っているコンテンツに関連する広告を表示することで、ターゲット層に効果的にアプローチすることができます。
例えば、健康食品の場合、「オーガニック食品」「フィットネス」といったキーワードを配信先として設定することで、健康に関連するコンテンツを閲覧中の健康志向ユーザーに訴求しやすくなります。
広告が無関係なコンテンツに表示されるよりも、ユーザーが広告を受け入れやすくなり、広告効果を高められると考えられます。
参考:『ターゲティング広告とは?ターゲティングの種類や必要性を紹介|LINEヤフーfor Business』
参考:『Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)のコンテンツキーワードターゲティングとは?メリットや設定方法を解説』
除外設定により配信面を制御することができる
コンテンツキーワードターゲティングの除外設定により、広告を配信しないWebページやアプリをキーワードで設定することができます。
商品やサービスとの関連性が低いユーザーに広告を表示してしまうと、ユーザーに不快感を感じさせてしまう恐れがあるでしょう。
2022年に行われた「広告・CMに関する意識調査」では、インターネット広告に対して「鬱陶しい、邪魔」と回答した人は75.5%に上りました。
また、CMや広告に対して鬱陶しいと感じる理由として74.1%の人が「自分には興味のない情報だから」と回答しました。
こういったことを避けるためにも、コンテンツキーワードターゲティングは便利に働きます。
例えば、自動車関連の場合、コンテンツキーワードターゲティングを活用して「アルコール」「事故」などのキーワードを配信除外として設定することで、飲酒運転や自動車事故を想起させるコンテンツに広告が配信されにくくなります。
参考:『今こそ知っておきたいブランドセーフティとYahoo!広告の対策 |LINEヤフーfor Business』
参考:『ヤフーが提供するブランドスータビリティ対策機能|コンテンツキーワードターゲティング|LINEヤフー for Business』
参考:『【広告・CM意識調査】を実施「広告を見たい」はわずか13%、一方「興味関心のあったクリエイティブなら必要」は39.4%』
関連記事:『検索広告で利用される除外キーワードリストとは?設定の手順3つを紹介』
コンテンツキーワードターゲティングの設定方法
YDAでのコンテンツキーワードターゲティングの設定には、大きく分けて3つの手順があります。
- コンテンツキーワードリストの作成
- キャンペーンと広告グループの作成
- コンテンツキーワードリストと広告グループの紐づけ
最初にコンテンツキーワードリストを作成し、最後にコンテンツキーワードリストと広告グループを紐づけて設定は完了します。
ここからは、各手順を詳しく解説してきます。
参考:『コンテンツキーワードターゲティング|Yahoo!広告ヘルプ』
コンテンツキーワードリストの作成
最初は、コンテンツキーワードリストを作成します。
コンテンツキーワードリストとは、広告を配信(除外)するコンテンツを設定するキーワードをまとめたリストです。
では、Yahoo!広告の広告管理ツールにログインし、以下の手順に沿ってコンテンツキーワードリストを作成していきましょう。
➀「ツール」≫「コンテンツキーワードリスト」を選択する
管理画面右上の「ツール」をクリックし、ライブラリー欄から「コンテンツキーワードリスト」をクリックます。
➁「標準リスト」または「除外専用リスト」を選択する
「コンテンツキーワードリストを作成」をクリックし、「標準リスト」または「除外専用リスト」をクリックします。
- 標準リスト:広告グループに配信または除外として設定できるリスト
- 除外専用リスト:広告グループに除外としてのみ設定できるリスト
それぞれ、1つのアカウントで作成可能なコンテンツキーワードリスト数には上限があるため、後ほど詳しく解説します。
③コンテンツキーワードリスト名と説明を入力
「コンテンツキーワードリスト名」と「説明(任意)」を入力します。
④コンテンツキーワードを入力≫「候補を表示」
「コンテンツキーワード」枠にキーワードを入力し、「候補を表示」をクリックします。
キーワードは1回200個まで入力可能です。
入力したキーワードを基に、完全一致やインテントマッチ、関連するコンテンツキーワードの候補が表示されます。
「入力したキーワードに完全一致」にチェックを入れることで、完全一致キーワードのみ表示できます。
⑤コンテンツキーワードを選択≫「作成」
「コンテンツキーワード候補」一覧からリストに追加するキーワードにチェックを入れます。
- インプレッション数:過去7日間に広告が表示された回数の参考値であり、上部タブをクリックするとインプレッション順で並び替えられる。
- 追加日:コンテンツキーワードの候補として追加された年月日であり、上部タブをクリックすると追加順で並び変えられる。
キーワード候補は1度に500件まで表示されます。
最後に「作成」をクリックして、コンテンツキーワードリストの作成は完了です。
参考:『コンテンツキーワードリストの作成|Yahoo!広告ヘルプ』
キャンペーンと広告グループの作成
次は、キャンペーンと広告グループを作成します。
作成済であれば次の手順に移ります。
まだ、作成していない場合は、以下のページを参考に作成していきましょう。
広告管理ツールからキャンペーン作成と広告グループを作成できます。
参考:『キャンペーンの作成【運用型】|Yahoo!広告ヘルプ』
参考:『広告グループを作成する【運用型】|Yahoo!広告ヘルプ』
コンテンツキーワードリストと広告グループを紐づける
最後は、作成したコンテンツキーワードリストを広告グループに紐づけます。
なお、1つの広告グループに紐づけ可能なコンテンツキーワードリスト数には上限があるため、後ほど詳しく解説します。
➀「コンテンツキーワード」を選択する
管理画面の左メニューから「コンテンツキーワード」をクリックし、「編集」をクリックします。
➁広告グループを選択する
コンテンツキーワードターゲティングを行う広告グループにチェックを入れ、「決定して進む」をクリックします。
広告グループは複数選択できます。
③「コンテンツキーワードリストを設定して配信」を選択する
コンテンツキーワードリストを設定して配信」をクリックし、コンテンツキーワードリスト一覧で「配信」または「除外」をクリックします。
「入札価格調整率」の「引き上げ率(+)」「引き下げ率(-)」を選択し、パーセンテージを入力することで、各リストの入札価格を変更することができます。
最後に「設定」をクリックして、コンテンツキーワードターゲティングの設定は全て完了です。
参考:『コンテンツキーワードターゲティング|Yahoo!広告ヘルプ』
広告グループの作成画面や編集画面から紐づける方法
広告グループを作成する画面や広告グループを編集する画面から、コンテンツキーワードリストを紐づける方法もあります。
上述した③と同様に、「コンテンツキーワードリストを設定して配信」と「配信」または「除外」をクリックし、入札価格調整率を入力します。
最後に「作成」または「保存」をクリックして完了です。
参考:『コンテンツキーワードターゲティング|Yahoo!広告ヘルプ』
コンテンツキーワードターゲティング活用時の注意点
コンテンツキーワードリストのキーワード登録は500件まで
コンテンツキーワードリストのキーワード数やリスト数には上限があります。
標準リスト | 除外専用リスト | |
概要 | 配信または除外のリスト | 除外のみのリスト |
1リストのキーワード上限 | 最大500件 | 最大5,000件 |
1アカウントのリスト上限 | 最大1,000件 (除外専用リスト1件含む) | 最大1件 |
1広告グループのリスト上限 | 配信と除外を合わせて最大10件 |
上記の通り、1つのコンテンツキーワードリストに登録可能なキーワード数は、標準リストが最大500件、除外専用リストが最大5,000件です。
また、1つのアカウントで作成可能なコンテンツキーワードリスト数は、標準リストが最大1,000件、除外専用リストが1件のみです。
そして、1つの広告グループに紐づけ可能なコンテンツキーワードリスト数は、配信と除外を合わせて最大10件です。
参考:『コンテンツキーワードリストの作成|Yahoo!広告ヘルプ』
参考:『コンテンツキーワードターゲティング|Yahoo!広告ヘルプ』
キーワードは自由に登録できるわけではない
コンテンツキーワードは、希望するキーワードを自由に登録できるわけではありません。
具体的には、コンテンツキーワードリストを作成する際に入力したキーワードに基づいて表示される、コンテンツキーワード候補からのみ選択することができます。
コンテンツキーワード候補は、システムが自動抽出しており、週に何回か更新されています。
また、完全一致のコンテンツキーワードが表示されない場合でも、インテントマッチや関連するキーワードが表示されることがあります。
参考:『コンテンツキーワードリストの作成|Yahoo!広告ヘルプ』
まとめ
この記事を読んで、Yahoo!広告ディスプレイ広告の最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionは、Web広告運用に関するご相談を承っております。
Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
お客様のあらゆるニーズに対し 分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談下さい。
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。