ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告枠に表示する画像、動画、テキスト形式の広告です。
株式会社電通の調査によると、ディスプレイ広告のインターネット広告媒体費に占める構成比は29.7%となっており、非常に大きな比率を占めていることがわかります。
そんなディスプレイ広告では、様々なターゲティングを行うことができます。
その中でも、今回ご紹介する「プレースメントターゲティング」は、特定の配信先を指定することができるターゲティング手法です。
例えば、化粧品メーカーの広告をコスメレビューサイトやYouTubeのメイク動画に配信することで、化粧品に関心のあるユーザーにダイレクトにリーチすることができます。
このように、商品やサービスと関連性が高い配信先を指定したり、他のターゲティングと併用することで、広告効果がより高まり効率的な運用につなげることが可能です。
そこで本記事では、プレースメントターゲティングの特徴や活用方法、設定手順を解説します。
参考:『「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」|News(ニュース)電通ウェブサイト』
関連記事:『リスティング広告、地域ターゲティングで気を付けるべき4つのポイント!』
Contents
プレースメントターゲティングとは?
プレースメントターゲティングとは、ディスプレイ広告で使用するターゲティング機能の一つです。
特定のWebサイトやモバイルアプリ、動画などのURLや広告IDに紐づけることで広告配信先を指定できます。
自社の商品やサービスと関連性の高い配信先を指定する、または関連のない配信先を除外することで、少ない予算で効果的な配信が可能です。
人やデバイスを絞り込むターゲティングと違い、プレースメントターゲティングでは配信先を絞り込みます。

プレースメントターゲティングは、広告を配信したいメディアが決まっている、効果が見込めるメディアを知っている、ターゲットユーザーが明確である場合に有効なターゲティングです。
参考:『プレースメントターゲットとは?仕組みと設定方法、考え方|アナグラム株式会社』
参考:『プレースメントターゲティングについて|Google広告ヘルプ』
参考:『プレイスメントターゲティング|Yahoo!広告ヘルプ』
プレースメントターゲティングのメリット
特定の配信先を指定できる
プレースメントターゲティングでは特定のWebサイトやアプリ、動画などを指定することで、商品やサービスと関連性の高い配信先やターゲットユーザーがよく利用するメディアなどに広告を配信することが可能です。
例えばアウトドア用品の広告の場合、キャンプ系のYouTube動画やブログなど配信先を指定することで、アウトドアに興味のある可能性が高いユーザーにアピールできます。
参考:『プレースメントターゲティングについて|Google広告ヘルプ』
個別に入札単価を調整できる
効果の期待できる配信先を絞ったり、効果の見込めない配信先を除外できるため、無駄なクリックの発生を防ぎ、広告費を節約することが可能です。
さらにプレースメントターゲティングでは、特定のWebページなど配信先別に入札単価を調整することができます。
つまり、効果が出たWebサイトの入札単価を引き上げたり、効果のない配信先を引き下げることで、広告の配信量を調整することが推奨されます。
※指定した場所に広告が表示されるかどうかは、競合他社とのオークション(入札単価)と広告の品質によって決定します。
参考:『プレースメントターゲティング:定義|Google広告ヘルプ』
参考:『プレイスメントターゲティングとは?メリットや注意点、設定方法を徹底解説』
GDNとYDAのプレースメントターゲティングの違い
プレースメントターゲティングは、Google広告・Yahoo!広告のディスプレイ広告で利用可能です。
それぞれ名称や配信先などが異なるため、以下で確認しておきましょう。
GDN Googleディスプレイネットワーク | YDA(旧YDN) Yahoo!広告ディスプレイ広告 | |
名称 | プレースメントターゲティング | プレイスメントターゲティング |
配信先 | Webサイト、アプリ、YouTube動画・チャンネル | Webサイト、アプリ |
具体例 | 価格.com、食べログ、ライブドアブログ、BIGLOBE、goo、pixiv YouTube、Gmail、Blogger ※個人ブログも対象 | 朝日新聞デジタル、クックパッド、食べログ、ライブドアニュース、goo、LINE Yahoo!トップページ、Yahoo!メール、Yahoo!ニュース ※法人サイトのみ |
GDNのプレースメントターゲティングは、多種多様な配信先の中から選択することができるのが特徴です。
Googleの所有するサービス(YouTubeやGmail)に加えて、3,500万ものWebサイトやアプリから配信先を指定することができます。※個人ブログも含まれる
YDAのプレイスメントターゲティングは、比較的に信頼性の高い配信先の中から選択できるのが特徴です。
Yahoo!の所有するサービス(Yahoo!トップページやYahoo!メール)に加えて、提携サイトやアプリから配信先を指定することができます。※提携先は法人サイトのみ
ディスプレイ広告のGDN・YDAについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
関連記事:『ディスプレイ広告とは?GDNとYDAの5つの違いを解説|Union Media』
参考:『Googleネットワーク|Google広告ヘルプ』
参考:『プレースメントターゲティングとは?広告の特徴と効果的に活用するポイント|株式会社PLAN-B』
参考:『ディスプレイ広告とGoogleディスプレイネットワークについて|Google広告ヘルプ』
参考:『ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いやメリットを解説|LINEヤフー for Business』
GDN:「自動プレースメント」と「手動プレースメント」
GDN(Googleディスプレイネットワーク)のプレースメント設定には、「自動プレースメント」と「手動プレースメント」の2種類があります。
それぞれの違いは、広告の配信先を「自動にするか」「指定するか」です。
自動プレースメント | 手動プレースメント |
指定したトピックやキーワードなど他のターゲティングに基づいて自動で広告の配信先が決まる | 特定のWebサイトやYouTube動画、アプリなど自身で広告の配信先を指定できる |
では、手動プレースメントと自動プレースメントのどちらを使えば良いのでしょうか。
ここからは、プレースメントターゲティングの活用方法や選定方法を解説していきます。
参考:『自動プレースメント:定義|Google広告ヘルプ』
参考:『プレースメントを追加、編集、コピーする|Google広告ヘルプ』
プレースメントターゲティング5つの活用方法
プレースメントターゲティングの活用方法と選定方法は以下の通りです。
GDNの「自動プレースメント」を活用する
今までに広告配信の経験がない方は、最初は「自動プレースメント」広告で配信することをおすすめします。
その結果を分析して、成果の得られた配信先を手動プレースメントで指定してみるのもいいでしょう。
自動プレースメントでは、指定したトピックやキーワードをもとに、関連性の高い配信先を自動で選定してくれるため、配信先を選ぶ手間を省くことができます。
参考:『プレースメントターゲティングとは?4つの活用方法を解説 | MOLTS』
過去の配信実績から効果の高い配信先を指定する
今までに広告配信の経験がある方は、過去のデータを参考にして効果が見込める配信先を指定しましょう。
Google広告とYahoo!広告では、管理画面の左メニューから「プレースメント」(プレイスメント)を選択し、広告の掲載先を確認できます。
参考:『コンテンツ ターゲティングタイプの組み合わせについて|Google広告ヘルプ』
参考:『プレイスメントターゲティング|Yahoo!広告ヘルプ』
関連性の高い配信先を指定する
商品やサービスと関連性の高い配信先や、ターゲットユーザーがよく利用するメディアなどの配信先を指定しましょう。
例えば、自動車の広告の場合、ターゲットユーザーは中古車の通販サイトやモータースポーツ関連のYouTubeチャンネルを見ている可能性が考えられます。
自社の商品やサービスのカテゴリから第一想起されるメディアや、検索結果の上位サイト、ターゲットユーザーが利用しているメディア、アンケート調査などから探していきましょう。
参考:『プレースメントターゲットとは?仕組みと設定方法、考え方|アナグラム株式会社』
また、ターゲットユーザーの設定(ペルソナ設定)については以下の記事をご覧ください。
関連記事:『ペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイント3選! | Union Media』
入札単価を調整する
関連性の高い・成果が得られる配信先を見つけた場合は、そのWebページやアプリの入札単価を引き上げて、広告の表示機会を増やしましょう。
関連性の低い・成果が得られない場合は、入札単価を引き下げるか、配信先から除外することも検討しましょう。
ちなみに競合の多い人気メディアに広告を配信する場合は、広告枠を獲得するために入札単価を引き上げる必要があります。
なおGDNの自動プレースメントは配信先ごとの入札調整ができません。
参考:『プレースメント ターゲティング:定義|Google広告ヘルプ』
参考:『プレイスメントターゲティングとは?メリットや注意点、設定方法を徹底解説』
入札単価の調整方法については以下をご覧ください。
参考:『入札単価を編集する|Google広告ヘルプ』
参考:『ターゲティングごとに入札価格調整率を設定する|Yahoo!広告ヘルプ』
他のターゲティングと併用する
プレースメントターゲティングは、トピックやキーワードなどの他のターゲティングと併用して、ターゲティングの精度を上げることができます。
Google広告とYahoo!広告では、異なるターゲティングの種類を併用した場合、AND条件が適用されます。
例えば、プレースメントで特定のエンタメ系のサイトを指定し、トピックで「ゲーム」を選択した場合、どちらの条件も満たした配信先が選定されます。
参考:『複数の条件にANDまたはORを使用したオーディエンスターゲティングについて|Google広告ヘルプ』
参考:『ターゲティングを活用する|Yahoo!広告ヘルプ』
参考:『コンテンツターゲティングタイプの組み合わせについて|Google広告ヘルプ』
トピックと併用する
Google広告の「トピック」と併用すると、指定した配信先の中でも、特定のトピックに関連するWebページやアプリ、動画に広告を配信することができます。
トピックはメイントピックだけでも20種類以上存在し、「スポーツ」「ショッピング」「趣味、レジャー」といったトピックから選択できます。
例えばスキーウェアの広告の場合、メイントピックの「スポーツ」から、サブトピックの「ウィンタースポーツ」「スポーツ用品」などを選択することで、そのトピックに関連性のあるコンテンツに広告を配信できます。
Yahoo!広告にも「サイトカテゴリー」と呼ばれるWebサイトのカテゴリを指定できる機能があります。
参考:『トピックターゲットについて|Google広告ヘルプ』
参考:『サイトカテゴリーターゲティング|Yahoo!広告ヘルプ』
キーワードと併用する
キーワードと併用すると、指定したキーワードと関連性の高いWebページやアプリ、動画に広告を配信することができます。
Google広告、Yahoo!広告どちらでも利用できます。
リスティング広告の指定したキーワードを検索したユーザーに広告を配信する手法とは異なる機能ですので注意が必要です。
キーワードは、通常1つの広告グループに対して5~50個程度追加します。
エンタメサイト、ニュースサイト、旅行サイトなど、1つのWebサイト内に複数のカテゴリが含まれる場合、キーワードを設定することで関連性の高いWebページを絞り込むことができます。
例えば特定の旅行サイトをプレースメントに指定して、キーワードで「イギリス」を指定すると、指定した旅行サイトの中でも、「イギリス」に関連するページに広告が配信されます。
参考:『キーワードによるコンテンツターゲット|Google広告ヘルプ』
参考:『コンテンツキーワードターゲティング|Yahoo!広告ヘルプ』
参考:『プレースメントターゲティングとは?4つの活用方法を解説 | MOLTS』
その他のターゲティングと併用する
トピックやキーワードの他に、「オーディエンスターゲティング」や「ユーザー属性」といった人を絞り込むターゲティング方法もあります。
オーディエンスターゲティングでは、特定の興味や関心、ユーザー属性を持つユーザーに広告を配信することができます。
ユーザー属性では、指定した年齢や性別、子供の有無、世帯収入などに基づいてユーザーに広告を配信することが可能です。
例えば、グルメ情報サイトを配信先として指定して、ユーザー属性を20代の女性に設定することで、グルメ情報サイトに訪れた20代女性に広告を配信することができるようになります。
Yahoo!広告では、「オーディエンスカテゴリターゲティング」「年齢」「性別」などと呼ばれています。
参考:『オーディエンスターゲティングについて|Google広告ヘルプ』
参考:『オーディエンスカテゴリーターゲティング|Yahoo!広告ヘルプ』
参考:『ユーザー属性ターゲティングについて|Google広告ヘルプ』
プレースメントターゲティング設定方法
Google広告
① Google広告アカウントにログイン
Google広告アカウントにログインします。
② プレースメントの作成
Google広告の管理画面の左メニューから、コンテンツ≫プレースメント≫ペンマークをクリックします。
③ プレースメント設定の絞り込み
検索窓に指定するページのURLや関連キーワードを入力して検索します。
④ 候補の中から、配信先として設定するプレースメントを選択
候補の中から、配信先として設定するプレースメントにチェックを入れて設定完了です。
参考:『プレースメントを追加、編集、コピーする|Google広告ヘルプ』
Yahoo!広告
Yahoo!では、事前にプレイスメントリストを作成する必要があります。
そのリストを広告グループに設定することで、プレイスメントターゲティングの利用が可能です。
① Yahoo!広告アカウントにログインします。
引用:『プレイスメントリストの作成|Yahoo!広告ヘルプ』
右上のツールアイコンからライブラリ>プレイスメントリストに移動します。
② 管理画面のツール≫プレイスメントリストを選択します。
引用:『プレイスメントリストの作成|Yahoo!広告ヘルプ』
③ プレイスメントリスト作成をクリックします。
引用:『プレイスメントリストの作成|Yahoo!広告ヘルプ』
④リスト名を設定し、リストに追加する配信先のURLを検索して選択します。
引用:『プレイスメントリストの作成|Yahoo!広告ヘルプ』
保存をしてプレイスメントリストの作成は完了です。
次にプレイスメントターゲティングを設定してきます。
⑤管理画面上のメニューから、「プレイスメントターゲティングの設定」をクリックします。
引用:『プレイスメントターゲティングの設定|Yahoo!広告ヘルプ』
⑥リストを設定するプレイスメントリストにチェック≫決定して進むをクリック
引用:『プレイスメントターゲティングの設定|Yahoo!広告ヘルプ』
⑦ プレイスメントリストを指定して配信≫配信/除外≫設定をクリックして、リストと広告グループの紐づけは完了です。
プレースメントターゲティングの注意点
リーチ範囲が狭くなる
プレースメントターゲティングと他のターゲティングと組み合わせて、ターゲットを絞り込みすぎると、必要以上に広告のリーチできる範囲が狭くなる恐れがあります。
リーチが極端に狭い場合、広告管理画面では警告が表示されます。
そのため、広告の配信結果は定期的にチェックし、配信量が少なくなりすぎていないか、広告効果は出ているかを確認しましょう。
参考:『プレイスメントターゲティングとは?メリットや注意点、設定方法を徹底解説』
配信先のトラブル
例えば、Webサイトや動画といった配信先の削除、サーバートラブル、管理者による停止措置などの理由から広告が配信できなくなる場合があります。
指定する配信先が少ないほど、このようなトラブルの影響も受けやすくなるため、効果の高い配信先は複数設定しておきましょう。
参考:『プレースメントターゲティングとは?配信先指定で失敗しないための3つのコツと設定方法|株式会社キーワードマーケティング』
配信量を予測しづらい
事前にWebサイトや動画など配信先ごとに、広告の配信量を知ることはできません。
ですが、「SimilarWeb(シミラーウェブ)」や「eMark+」などの分析ツールを使って、Webサイトのアクセス数や滞在時間などを調査することはできます。
ただし、アクセス数が多いWebサイトや再生数が多い動画などは、競合が多くなる可能性があるので注意が必要です。
参考:『プレースメントターゲティングとは?配信先指定で失敗しないための3つのコツと設定方法|株式会社キーワードマーケティング』
まとめ
この記事を読んで、ディスプレイ広告のプレースメントターゲティングの使い方や設定方法が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionは、ディスプレイ広告をはじめとするGoogle広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。
蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能。
お客様のあらゆるニーズに対し 分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談下さい。
監修者
2012年創業のWeb広告代理店、株式会社Unionが運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。
【特典】
広告運用の相談時、レポートに使える
テンプレートをプレゼント中!

【無料ダウンロード資料】
DX時代の最適なWebプロモーション
Web広告運用代行のプロ集団「Union」
継続率95%以上の秘密!気になる実績やプランを掲載!
