多くの人に馴染みのあるスターバックスコーヒージャパン株式会社、株式会社ナイキ、コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社などのグローバルブランドは、新規顧客を獲得しファン層を育成するために、ある共通したマーケティング戦略を取り入れていると言われています。
それは「セールスファネル」です。
セールスファネルとは、見込み顧客が顧客化するまでのプロセスを段階分けして捉えるためのフレームワークです。
実際、どのくらいのマーケターがセールスファネルを重要視しているのでしょうか?
グローバルなEコマースメディアのEcommerce Bonsaiによると、48%と半数近くのマーケターが「セールスファネルの改善を最優先事項として取り組んでいる」というデータがあります。
セールスファネルは、基本を押さえることで、初心者でもWebマーケティング戦略に取り入れることができます。
そこで、今回はセールスファネルとは何かをご紹介するとともに、作成方法を解説します。
参考:『セールスファネルとは?』
参考:『セールスファネルとは?そのステップを徹底解説』
参考:『75 Sales Funnel Statistics You Should Know (2024 Data)』
関連記事『Webマーケティングの戦略に役立つフレームワーク7選!』
セールスファネルとは
参考 『ファネルの基礎を徹底解説|種類、分析方法、マーケとセールスでの活用方法』
セールスファネルの「funnel」とは、日本語で漏斗(じょうご)を意味します。
ファネルの逆三角形は、広く集客した潜在顧客が、徐々にふるいにかけられて行き、成約へ流れるプロセスになるほど人数が絞られて行くことを表しています。
セールスファネルのステージをいくつに分解するのか、複数のバリエーションがありますが、今回は購入までのプロセスを「認知」「興味・関心」「意思決定」の3つに分割する基本形をご説明します。
参考 『ファネルの基礎を徹底解説|種類、分析方法、マーケとセールスでの活用方法』
参考『セールスファネルとは?』
認知段階:トップ・オブ・ザ・ファネル
トップ・オブ・ザ・ファネルはTOFUと表記されることもあります。
セールスファネルの入口部分は、自社の製品・サービスが認知されたばかりで、潜在顧客との関係性が始まったばかりの状態です。
この段階で重要な施策は、できるだけ多くの人に商品やサービスの情報を届け、潜在顧客の絶対数を増やすことです。
まだ購買までの距離は長いため、多様な方法で、潜在顧客と製品・サービスの接点を創出し、知識を高めるための情報提供をする必要があります。
認知段階での効果的な施策には以下のようなものがあります。
【認知段階で有効な施策の例】
- Web広告の実施
- SNSでの拡散力を向上(投稿数/顧客力とのコミュニケーション頻度)
- YouTubeでの拡散力を向上(投稿時間の調整/高評価・コメントの獲得)
- 顧客からのクチコミ(Googleクチコミなど)の活用
- オーガニック検索の改善
- Web広告への投資
- 屋外/交通広告の実施
- 4マス媒体における広告(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)
- 展示会への出展 など
認知段階での方法の中には、TVCMなど高額な施策もあります。
しかしながら、近年、Webマーケティングにより限られた予算でも様々な施策を実施できるようになりました。
YouTubeを活用した有限会社佐藤葬祭の事例
引用:『有限会社佐藤葬祭』
例えば、東京都世田谷区にある創業80年の有限会社佐藤葬祭は、YouTubeによる認知拡大施策により登録者数が9万人近くになりました。
YouTuber がまず目指すべき数値は登録者1,000人、さらに1万人以上の場合は登録者数トップ3%に入ると言われていることから、同社の認知段階での施策が功を奏している様子が伺えます。
このように、認知段階で適切なWebマーケティングを駆使することで、潜在顧客を幅広く取り込むことができます。
参考:『中小企業が取り組むべき2023年のデジタルマーケティングトレンド』
参考:『ユーチューバー全体に対するチャンネル登録者数の割合について解説!』
参考:『成功事例で学ぶ効果的なセールスファネルの作り方とその手順』
関連記事:『YouTubeで集客する3つのコツを解説!BtoB企業の成功事例も紹介』
興味・関心段階:ミドル・オブ・ザ・ファネル
ミドル・オブ・ザ・ファネルはMOFUと表記されることもあります。
興味・関心段階では、商品やサービスは認知されているものの意思決定・購入へ移行する段階で離脱の可能性がある状態です。
そこで、このフェーズでは、見込み顧客との多様な接点において、ニーズや課題に合わせた価値のある最新情報を一貫して提供することで、購買意欲を高めることが重要です。
そして、商品やサービスが見込み顧客自身のニーズや課題への解決策であると気づきを得た時に、次の段階の意思決定・購入につながります。
【興味・関心段階で有効な施策の例】
- 定期的なブログ投稿
- メールマガジン
- ステップメール(特定のアクションをした見込み顧客に対して、あらかじめ設計されたスケジュールに沿って自動的に配信するメール)
- YouTube動画の定期投稿
- 役に立つ情報をポッドキャストで提供
- ウェビナーの開催
- 製品の無料トライアル・サンプルの提供
- 製品デモの実施
- Webサイトにおける最新情報の提供 など
ウェビナーを活用した株式会社FORCAS
引用:『株式会社FORCAS』
興味・関心段階における施策の成功事例として、株式会社FORCASのウェビナーをご紹介します。
同社は、BtoBマーケティングを支援するプラットフォーム「スピーダ(旧FORCAS」を提供しています。
同社の強みは、元々はオフラインマーケティングにありましたが、コロナ禍という状況において、Webマーケティングにシフトせざるを得ない状況になりました。
その一環として注力をしたのが、ウェビナーです。
オフラインを中心としていた時は、集客を目的としたイベントとナーチャリングを目的としたセミナーを分けて運営していました。
しかしながら、 週1回、定期的に開催を始めたウェビナーでは、その境目をなくし「今聞く価値のある」コンテンツにフォーカスしたセミナーよりの内容にしました。
上記に加えて、顧客視点のコンテンツを作成することはオフライン時と変えずに継続して行いました。
その結果 、新規のリード(BtoBにおける見込み顧客)獲得数は以前の約10倍となったと言います。
このように、興味・認知段階で、定期的に見込み客に有益な情報を提供することで、セールスファネルの次の段階「意思決定・購入」に効果的につなげることができます。
参考:『BtoB企業のウェビナー成功事例5選!オンラインセミナー成功のコツを徹底解説』
参考:『「オフラインの10倍」リードを獲得するウェビナーの秘訣。企画〜商談化のすべてを公開』
参考:『セールスファネルとは?事例やメリット、手順などを解説!』
参考:『ステップメールとは?配信するメリットや成果を出すポイントを徹底解説!』
意思決定:ボトム・オブ・ザ・ファネル
ボトム・オブ・ザ・ファネルは、BOFUと表記されることもあります。
これは、見込み顧客が購買する直前のフェーズです。
この段階の見込み顧客は、どの製品やサービスが、自身のニーズを最も満たしてくれるのか他社と比較検討します。
そこで、このフェーズでは、価格やスペックなど意思決定に直結する情報を提供することが重要です。
さらに、購入へのインセンティブとなるようなオファーを訴求することが重要です。
【意思決定段階で有効な施策の例】
- 限定割引クーポンの提供
- リターゲティング広告の実施
- 販売代理店からの電話やデモ対応、無料相談など
- 他社と比較検討(差別化)できる資料を提供
- 購入や契約方法のフローを提供する・最新の導入事例を提供
- 最新のお客様の声を提供
- 最新かつ有益な価格ページを維持する など
意思決定段階で効果的な施策として、リターゲティング広告を例として見てみましょう。
リターゲティング広告とは、一度サイトを訪れた人に対して広告を配信する仕組みを言います。
リターゲティング広告は、一旦サイトから離脱した見込み客を再度呼び込むことができるというメリットがあります。
リターゲティング広告を活用したProFuture株式会社の事例
引用:『ProFuture株式会社』
具体例として、Webマーケティング会社のProFuture株式会社の施策をご紹介します。
同社のクライアントは、企業で使用する備品を専門に取り扱うECサイトを運営していました。
クライアントは、もともとは検索結果画面に掲載されるリスティング広告は配信していたのですが、リターゲティング広告を使うことで、一旦離脱したユーザーを再度サイトに呼び込むという流れを作ることに成功したと言います。
その結果、インターネット広告からの注文がリターゲティング広告を導入する以前と比較すると30%ほど増加したと述べています。
このように、意思決定段階で、最後の一押しを最適な方法で行うことで、購入につなげることができます。
参考:『BOFU(ボトムオブファネル)』
参考:『リターゲティング広告とは?仕組みや活用事例について解説します』
参考:『成功事例で学ぶ効果的なセールスファネルの作り方とその手順』
関連記事:『【初心者向け】デジマ(デジタルマーケティング)4つのメリット』
セールスファネルの作成方法6STEP
それでは、次にセールスファネルを作成する6つのステップを説明します。
- 見込み顧客が購入に至るまでのプロセスを可視化する
- ファネルの種類を決める
- 見込み顧客のペルソナを明確化する
- カスタマージャーニーマップを作成する
- セールスファネル専用ツールの導入を検討する
- セールスファネルを継続的に改善する
見込み顧客が購入に至るまでのプロセスを可視化する
セールスファネルを作成する最初のステップとして、自社の見込み顧客が商品やサービスを認知してから購入・契約に至るまでの過程を明確化します。
以下にBtoBとBtoCの場合を考えてみましょう。
【BtoBのセールスファネル例】顧客管理ソフトを販売
プロセス | 見込み顧客の行動 | 施策 |
認知 | Web広告から製品・サービスを知る | Web広告、リスティング広告、LPなど |
興味・関心 | メールマガジンに登録する | 「メールマガジンの定期配信」 →資料のダウンロード →ウェビナー開催 →期間限定フリートライアルなどの案内 |
意思決定 | 商談で製品説明を受ける →成約 | 営業が商談 |
BtoBの場合、意思決定の段階で、見込み顧客の購入体験がスムーズになるように営業がフォローをすることが重要です。
このように、営業の各ステージにおける施策を明確化することで、成約率を高めることができます。
なお、LPとは申し込みや問い合わせなど見込み顧客のアクションを促進するために、商品・サービスの紹介をまとめたWebページ(通常1ページ)のことです。
【BtoCのセールスファネル例】マウンテンバイクをECサイトで販売
プロセス | 見込み顧客の行動 | 施策 |
認知 | LPから製品・サービスを知る | LPでメールマガジン登録者に10%オフクーポンを提供 |
興味・関心 | メールマガジンに登録する | 「メールマガジンの定期配信」 →製品ラインナップ →ヘルメット、バッグなど関連グッズ などを紹介 |
意思決定 | 製品を選択する →ECサイトから購入 | 期間限定割引クーポンの配布 →「関連製品も一緒に購入すると20%オフ」など |
セールスファネルのステージに分解して考えることで、見込み顧客を購入に誘導するために有効な施策を明らかにできます。
このようにBtoB、BtoC、さらには商品やサービスによって、認知から購入・成約に至るまでの過程が異なるため、どのような過程を経て購入に至るのかを明確にすることで、セールスファネルを最適化できます。
参考:『【徹底解説】初心者が成功するセールスファネルを作る6つのSTEP』
参考:『セールスファネルとは?作り方や課題も解説』
参考 :『What is a sales funnel? Strategies on how to create one (+ examples and templates)』
関連記事『ランディングページ(LP)で踏まえるべき内容10選! 順番も解説』
ファネルの種類を決める
次に、どのファネルを使うかを目的に合わせて選択します。
ファネルには、以下の3種類があります。
- パーチェスファネル
- インフルエンスファネル
- ダブルファネル
パーチェスファネル
引用:『広告戦略に役立つマーケティングファネル!3つの種類を解説』
パーチェスファネルは、新規顧客を獲得したい時に有効です。
見込み顧客が「認知」から「購入」までの基本的な購買プロセスであるAIDMA(アイドマ)という購買プロセスに基づいて作成するファネルです。
【AIDMAモデル】
- Attention(注意): 見込み顧客の注意を引く
- Interest(関心): 見込み顧客の関心を引く
- Desire(欲求): 見込み顧客に商品やサービスを欲しいと思わせる
- Memory(記憶): 見込み顧客に商品やサービスを記憶させる
- Action(行動): 実際に商品やサービスを購入させる
インフルエンスファネル
引用:『広告戦略に役立つマーケティングファネル!3つの種類を解説』
インフルエンスファネルは、顧客が製品やサービスを購入した後の「継続利用」「紹介」「発信」の行動にフォーカスしたい時に有効です。
インフルエンスファネルは、AISAS(アイサス)の考え方に基づいています。
【AISASモデル】
- Attention(注意): 見込み顧客の注意を引く
- Interest(関心): 見込み顧客の関心を引く
- Search(検索): 見込み顧客が情報を検索する
- Action(行動): 実際に商品やサービスを購入させる
- Share(情報共有): 他の人に情報を紹介・共有する
ダブルファネル
引用:『広告戦略に役立つマーケティングファネル!3つの種類を解説』
ダブルファネルは、先にご紹介したパーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたモデルです。
ダブルファネルは、見込み顧客の認知から情報発信までの行動を一連の流れとして捉えたい時に有効です。
参考:『【徹底解説】初心者が成功するセールスファネルを作る6つのSTEP』
参考:『セールスファネルとは?作り方や課題も解説』
関連記事:『広告戦略に役立つマーケティングファネル!3つの種類を解説』
見込み顧客のペルソ ナを明確化する
次に、自社の製品やサービスが、どのような見込み顧客に向けたものか、ペルソナを設定します。
ペルソナの設定とは、項目を設けて顧客像を明確化することです。
以下にBtoBとBtoCのペルソナの項目例をご紹介します。
【BtoBのペルソナ:項目例】
BtoBの場合、企業と個人(担当者・決算者の2つのペルソナがあります。
- 企業のペルソナ
・企業の基本情報(企業名、業種、所在地、資本金、従業員数、事業内容、売上高、決算月等)
・企業の課題
・企業のミッション
・社風 など - 個人のペルソナ(担当者・決裁者)
・個人の基本情報(氏名、年齢、性別、所属部署、役職、勤続年数、決裁権の有無)
・課題
・目標
・情報収集手段
・ライフスタイル など
【BtoCのペルソナ:項目例】
- 基本情報(氏名、年齢、性別、居住地など)
- 家族構成
- 学歴
- 人間/交友関係
- 職業(業種・役職・年収など)
- 趣味、関心事
- 好きなブランド
- 価値観
- ライフスタイル
- 情報収集方法 など
ペルソナは、既存顧客のデータ、アンケート調査などをもとに作成できます。
BtoBの場合は、営業担当者へのヒアリングも効果的です。
ペルソナを明確化することで、見込み顧客がセールスファネルの「認知」「興味」「意思決定」の各プロセスにおいて、どのように考えて行動するかを検討することができるか理解を深めることができます。
ペルソナを踏まえた上で、セールスファネルの各ステージで適切なコミュニケーションを取ることで、購入・成約率を高めることができます。
参考:『【ペルソナとは】ビジネスにおける意味やメリット、設定方法を解説』
参考:『「ペルソナ設定」とは|ペルソナの基本項目・設定方法・注意点を解説』
参考:『【徹底解説】初心者が成功するセールスファネルを作る6つのSTEP』
参考:『セールスファネルとは?作り方や課題も解説』
関連記事:『ペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイント3選!』
カスタマージャーニーマップを作成する
セールスファネルは、見込み顧客が顧客になるまでの各段階で、どのように絞り込まれて、最終的に購入につながるのか全体像を掴むのに効果的です。
それに加えて、カスタマージャーニーマップを作成し、セールスファネルと連携することで、Webマーケティング施策を多面的に捉えることができ、最適化できます。
実際、マーケティングツールを提供するAIマーケティングエンジニア社によると、セールスファネルとカスタマージャーニーマップの連携が最適化された場合、コンバージョン率が最大87%高くなったというデータがあります。
【カスタマージャーニーマップ BtoCの例】
【カスタマージャーニーマップBtoBの例】
参考:『BtoB企業向け!売上UPに繋がるカスタマージャーニーマップとは?作成方法と事例を解説』
上記は、カスタマージャーニーマップのBtoCとBtoBの事例です。
このように、カスタマージャーニーマップは、見込み顧客が商品やサービスにおいて「無関心」の状態から「購入」に至るまでのプロセスにおける、見込み顧客の思考、行動、感情などをペルソナを元に作成し可視化したものです。
カスタマージャーニーマップを活用することで、セールスファネルの「認知」「興味・関心」「意思決定」の各ステージにおける顧客の心理状態に対して、最適なコンテンツを最適なタイミングで訴求し、見込み顧客を次のプロセスへと効果的に進めることができます。
セールスファネルとカスタマージャーニーの連携により、Webマーケティング戦略の最適化が期待できるとされる一方、セールスファネルとカスタマージャーニーは、どちらも顧客の購買プロセスに関するフレームワークであるため、混同されやすいということがあります。
そこで、以下に違いを一覧にしました。
【セールスファネルとカスタマージャーニーの違い】
セールスファネル | カスタマージャーニー | |
フォーカス | 顧客の絞り込み | 購買プロセスにおける顧客の心理や行動 |
活用目的 | 購買体験プロセスの全体像をつかむ | 顧客ニーズに合わせた施策や提供すべき情報を打ち出す |
活用方法 | 購買プロセスの流れや課題の全体像を把握したい場合 | フェーズごとの最適な施策を検討したい場合 |
セールスファネルを取り入れることにより、Webマーケティング戦略全体を立案し、購買までつながる顧客数を最適化できます。
それと同時に、カスタマージャーニーでフェーズごとの顧客の心理状態に合わせたコンテンツを最適なタイミングで訴求し、購入へと誘導します。
このように2つを連動させることで、コンバージョン率の向上が期待できます。
参考:『セールスファネルとカスタマージャーニーによるリードジェネレーションの強化』
参考:『【徹底解説】初心者が成功するセールスファネルを作る6つのSTEP』
参考:『セールスファネルとは?作り方や課題も解説』
関連記事:『【基本】カスタマージャーニーとは?目的と6つの活用場面を紹介』
セールスファネル専用ツールの導入を検討する
セールスファネルの運用はツールを導入することで、以下のような管理を効率的に行うことができます。
【セールスファネルツールの主な機能:例】
- リード管理機能:リードを追跡し、見込み顧客の関心度を把握できる
- 連絡先管理機能:既存の顧客のコンタクト情報を管理できる
- セールスプロセス管理機能:セールスプロセスの各フェーズを追跡し、次に取るべきアクションを把握できる
- 売上予測機能:未来のセールス予測を作成できる
- タスク管理機能:営業担当者が行うべきタスクを管理できる
- レポーティング機能:セールスファネルの進捗状況や成果をレポートする機能
- 統合機能:WordPress* など他のツールやアプリケーションとの統合が可能な機能
など
もちろん、ツールなしで、これらを実施することは不可能ではありません。
しかし、セールスファネルツールを利用することで、見込み顧客への追跡漏れなど人為的なミスを防ぐことができるだけでなく、セールスファネルの各段階で発生する課題を分析しコンバージョン率の最適化を期待できます。
参考:『Click Funnels』
グローバルにセールスファネルツールを提供するClickFunnelsによると1,929,999,999のサイトが利益を生んでおらず、0.000000002%のサイトが利益を生んでおり、その違いの理由として、セールスファネルをWebマーケティングに導入しているかどうかが影響していると述べています。
現在、ツールを提供している事業者には日系企業も数社ありますが、外資系メーカーが中心です。
ここでは、ツールを選ぶポイントの例を簡単にお伝えします。
【セールスファネルツールを選ぶ際に見るべきポイントの例】
- ユーザー数が多い
- 企業の存続性と安定感
- 日本語での解説ページや第3者によるノウハウブログがある(外資系の場合)
- 利用料金が妥当である(外資系の場合は円安との兼ね合い)
- ツールの継続的な更新がある
- WordPress上でセールスページ作れる
- 使い勝手がいいテンプレートが充実している
- ページの表示速度が速い など
上記のような注意点を踏まえて、自社にあったセールスファネルツールを導入することで、運用効率を高めることが期待できます。
参考:『マーケターにおすすめ!セールスファネルツール3選!WordPressでECサイトを始めよう!』
参考:『セールスファネルとは』
参考:『Click Funnels』
参考:『【徹底解説】初心者が成功するセールスファネルを作る6つのSTEP』
参考:『セールスファネルとは?作り方や課題も解説』
関連記事:『WordPress初心者ガイド!企業サイトの作り方を4ステップで解説』
セールスファネルを継続的に改善する
セールスファネルは導入した後も、継続的に改善することで、コンバージョン率の向上につなげることができます。
主な改善のポイントは以下の3つです。
- 関連メンバーにトレーニングを実施する
- 定期的に課題を特定し改善する
- 顧客獲得後にフォローアップを実施する
関連メンバーにトレーニングを実施する
改善点は、時によってセールスファネルの運用に関するリテラシー(知識や能力)などであることもあります。
その場合、関連するチームメンバーをトレーニングすることが効果的です。
メンバーがセールスファネルに対する理解を深めることで、効果的な運用に向けてチームの求心力が高まり、コンバージョン率が改善されることが期待できます。
定期的に課題を特定し改善する
見込み顧客がセールスファネルのどの段階で最も脱落しやすいかを、継続的にモニタリングし、見直すことが重要です。
改善点を特定する方法はたくさんありますが、比較的手軽にできる方法としておすすめなのがオンラインでのA/Bテストです。
A/Bテストは、LPやお問合わせフォームにおいて「A」「B」の2つの異なるパターン(構成・デザイン・切り口となるコピーの違いなど)を用意し、同期間でランダムに表示させ、どちのクリエイティブが効果的だったのかを評価する方法です。
効果の高かった方のパターンをセールスファネルの離脱防止策として取り入れ、リソースを再分配することで、購入・成約率を改善できます。
関連記事:『A/BテストでLPを改善!方法と注意すべき3つのポイントを紹介』
顧客獲得後にフォローアップを実施する
コンバージョン後も、顧客との関係が維持できるよう働きかけ、顧客満足度の向上につとめることが重要です。
というのも、継続的なコミュニケーションはリピート率の向上につながるからです。
フォローの方法として、BtoBの場合は営業によるフォロー、BtoCの場合はメールマガジンなどがあります。
このように、セールスファネルの運用を、分析と評価をしながら継続して改善し、蓄積されたノウハウをメンバーで共有しながらWebマーケティング戦略に活かすことで、コンバージョン率の最適化を図ることができます。
参考 :『セールスファネルとは』
参考:『【徹底解説】初心者が成功するセールスファネルを作る6つのSTEP』
参考:『セールスファネルとは?作り方や課題も解説』
セールスファネルのBtoBとBtoCの成功事例
実際にセールスファネルを導入することでどのような改善が可能になるのでしょうか?
以下にBtoBとBtoCの例をそれぞれ紹介します。
BtoBの事例:Postcard Mania
引用:『Postcard Mania』
Postcard Maniaは、米国にある企業向けにポストカードを使ったDM支援をしている企業です。
同社のセールスファネル導入前の見込み顧客へのアプローチ方法は、アウトバンドコール(企業から見込み顧客への営業電話)と、Webサイトからのお問い合わせフォームだけでした。
このような方法だけでは、年々、新規顧客の獲得が難しくなってきたため、同社はWebマーケティングにセールスファネルを取り入れ、見込み顧客が購入の意思決定に必要な情報をオンライン上で収集できるように改善しました。
【セールスファネルのステージごとの施策】
セールスファネルのステージ | 施策 |
認知段階 | LPの作成:ポストカード無料サンプル配布の申込を訴求 |
興味・関心段階 | ステップメールの配信:DMの成功事例や効果などを訴求 |
意思決定 | インバウンドコール(見込み顧客から企業へのお問い合わせ電話)を訴求 |
Webマーケティングにおいてセールスファネルを導入したところ、問い合わせが70%増加したと述べています。
加えて、セールスファネルを経て電話をかけてくる見込み顧客は、ニーズが顕在化しているため、セールストークのノウハウがなくても、マニュアルに基づいた台本で対応が可能になったため、コンバージョンの効率も改善したと述べています。
このようにWebマーケティング戦略にセールスファネルを取り入れることで、成約率を向上できます。
参考:『セールスファネルとは?3つの成功事例とセールスファネルの作り方』
参考:『Postcard Mania』
関連記事:『【Webマーケティング】インバウンド・アウトバウンドとは?4つの違い』
BtoCの事例:Student Beans
引用:『Student Beans』
英国初のStudent Beansは、学生をターゲットとした商品やサービスの紹介料を企業側からもらうアフィリエイトサイトです。
衣料品、食品、音楽・動画配信のサブスクリプションなど様々な商品やサービスを学生割引価格で紹介しています。
同社は、セールスファネルをWebマーケティングに取り入れていましたが、既存施策の売上への貢献度に課題を感じており、以下のような改善を図りました。
【セールスファネルにおける施策】
改善前の施策 | 改善後の施策 | |
新規登録者向け |
|
|
既存顧客向け |
|
|
このように新規登録者に向けたセールスフェネルの入口部分での施策を、6通のステップメールを送るように改善したところ、売上が13%向上しました。
さらに週1回のメールマガジンのコンテンツを見直すことで、メールに記載されたリンクのクリック率が平均2倍に伸びたと述べています。
このようにセールスファネルの考えに基づいてWebマーケティング施策を継続して改善することで、コンバージョン率向上につながります。
参考:『セールスファネルとは?3つの成功事例とセールスファネルの作り方』
参考:『Student Beans』
関連記事:『アフィリエイト広告とリスティング広告の5つの違いとは?徹底解説』
まとめ
この記事を読んで、セールスファネルの最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionは、広告運用のご相談を承っております。
Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
お客様のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談下さい。
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。