マーケティングを行う上で日常的に耳にする「ブランディング」。
「ブランディング」とは「○○の商品といったら○○社」といったようなブランドイメージを確立するための活動を意味し、そのために打ち出す広告を「ブランディング広告」と言います。
2009年に設立した食品や薬品等の製造販売を行う株式会社明治は、ベトナムへの海外進出のためGoogle広告と連携をし施策を打ち出しました。
ベトナムはYouTubeの利用率が高く、世界上位5か国に入るほど視聴時間の長いため、YouTube広告を利用してブランディングを行いました。
その結果、最大310%の売上の向上を達成することができ、YouTube動画の前に行われるブランドリフト調査では、ブランド認知は業界トップレベルとなる結果がでました。
このように、ブランディング広告で知名度を向上させ、ブランドイメージを浸透させることで、売上げの向上などの効果をもたらすことができます。
自社をブランディングするうえで以下のような悩みを持っている方もいるのではないでしょうか。
- 効果的なブランディング広告出したい
- 自社のブランド認知度を拡大させたい
- ブランドイメージ定着させたい
今回の記事ではブランディング広告を活用するメリット・デメリット、ブランディング広告の種類や効果的な広告を出稿するためのポイントまで詳しくご紹介します。
企業の広報、マーケティング担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
参考:『総編集:小売業界のデジタルマーケティング事例₋-広告とPOSデータの連携、十店舗への総客 Think with Google』
参考:『明治は本社主導のマーケティングで海外進出に挑戦、トライアルの知見を現地にも展開』
関連記事:『Google広告のブランド効果測定とは?10ステップで調査開始』
Contents
ブランディング広告とは
ブランディング広告とは、消費者に企業の商品やサービスの価値理解を深め、ブランドの認知度拡大・イメージ向上を目的とした広告です。
直接的な購買を目的としているダイレクトレスポンス広告とは違い、ブランディング広告はあくまで企業のイメージ戦略にあたります。
企業のブランドイメージや世界観を発信し、消費者にブランドについての理解を深めてもらうことで認知度を獲得できるのが特徴です。
主にテレビCMや雑誌などのマス広告や、近年ではWeb広告としての出稿も多くみられます。
また、ブランド認知度の向上を目的とした施策として、Googleでは「視認範囲のインプレッション単価制(vCPM)」、Yahoo!広告では「ビューアブルインプレッション課金(vCPM)」という入札戦略も存在します。
広告に関心を持ちそうなユーザーに絞った広告配信もできるため、効率的にユーザーに対してメッセージを伝えることが可能です。
ビューアブルインプレッションとは、インターネットユーザーの視認領域に広告が表示された際のインプレッションです。(中略)ビューアブルインプレッション関連の指標を利用すると、広告が「見られているがクリックされていない」のか、「見られていないからクリックされていない」のかを分析できます。
引用:『ビューアブルインプレッションとは Yahoo!JAPAN広告ヘルプ』
参考:『ブランディング広告とは?メリットや効果測定の指標、レスポンス広告との違いを解説』
参考:『目標に合わせた入札戦略を選択する Google広告ヘルプ』
関連記事:『11種類の入札戦略!正しい選択でGoogle広告の費用対効果を高める』
ダイレクトレスポンス広告との違い
ブランディング広告と似た広告に「ダイレクトレスポンス広告」があります。
ブランディング広告とダイレクトレスポンス広告とでは、ユーザーに与える影響は大きく異なります。
ダイレクトレスポンス広告とは、ユーザーがWeb広告を通して購入や注文、お問い合わせ、資料請求などといった直接的な「反応」「応答」であるレスポンスを促す広告です。
ブランドそのものに対しての興味を引き、ブランド認知向上を目的としたブランディング広告とは違い、ダイレクトレスポンス広告はユーザーに商品・サービスの購入意欲を向上させ、ダイレクトな行動や反応を起こさせることを目的としています。
このように、ダイレクトレスポンス広告とブランディング広告ではそれぞれ広告の目的が異なります。
ブランディング広告 | ダイレクトレスポンス広告 | |
目的 | ブランドの認知向上 イメージ向上など | 商品の購入 資料請求など |
メディア | 街頭広告 ディスプレイ広告など | リスティング広告 DMなど |
引用:『ブランディング広告とは?メリット・必要性から、効果的な広告手段やポイントまで解説!』
関連記事:『ブランディングに効果的!音声広告とは?3つの特徴を紹介!』
ブランディング広告のメリット
ブランディング広告には、以下の4つのメリットが挙げられます。
- ブランドイメージが向上し認知度が拡大する
- リピーターを獲得できる
- 新規顧客を獲得しやすい
- 商品やサービスのコストを軽減できる
それぞれ順番に解説していきます。
ブランドイメージが向上し認知度が拡大する
引用:『Yahoo!JAPAN 第一想起分析 LINE ヤフー for Business』
ブランディング広告を活用することで、ユーザーのブランドイメージが浸透し、ブランドの認知拡大を期待できます。
ブランドや自社商品の認知度を向上させることができれば、「〇〇の商品と言ったら○○社」といったブランドイメージを浸透させることが出来ます。
このような「真っ先に思い浮かぶブランド」を「第一想起」と言い、第一想起により最初に検索された状態を「第一想起検索」といいます。
第一想起の重要性
引用:『よく分かる「第一想起」~Yahoo!JAPAN第一想起分析 LINEヤフー for Business』
ユーザーに第一想起されたブランドは、その後ユーザーによって商品を比較検討される可能性と購入してもらえる可能性が高くなるとされています。
Yahoo!JAPANは転職サイトのユーザーの流入順位を分析した結果、第一想起率が高いと、対象となる転職サイトに対して1回以上検索した値が比例することが分かりました。
つまり、第一想起率を向上させることで、商品やサービスへの検討率が高くなります。
参考:『よく分かる「第一想起」~Yahoo!JAPAN第一想起分析 LINEヤフー for Business』
第一想起率の事例
引用:『「第一想起分析」実際の検証例をご紹介(日産セレナ) LINE ヤフー for Business』
第一想起による検索率は広告効果に直結することが実証されています。
日産セレナ(SERENA)では、広告接触がないユーザーに比べ、広告を閲覧したユーザーの第一想起検索率は2.3%向上したという結果が出ています。
参考:『「第一想起分析」実際の検証例をご紹介(日産セレナ) LINE ヤフー for Business』
このように、ブランディング広告には自社のブランドイメージや認知度・ブランド価値を拡大できるというメリットがあります。
一人でも多くのユーザーに自社商品やサービスを検討してもらうためには、広告などを活用し自社をブランディングすることで、ユーザーのブランド想起を高めることが非常に重要となります。
リピーターを獲得できる
ブランディング広告でブランド価値や信頼を得ることで、自社商品やサービスのリピーターを獲得することができます。
リピーターとは、自社の商品やサービスを2回以上利用してくれる顧客や継続して契約してくれている顧客のことを指します。リピーターは企業の売上を支えてくれる存在で、マーケティングにおいてリピーターの獲得は重要とされています。
引用:『リピーターとは?顧客がリピーターにならない理由や改善方法、獲得の重要性を解説|LINEヤフー for Business』
リピーターを増やすには、ユーザーに商品を繰り返し購入してもらう必要があります。
ブランディング広告により顧客ロイヤルティを高めることで、自社商品やサービスを継続的に購入してもらうことが可能になります。
顧客ロイヤルティとは、ユーザーがブランドに対して抱く信頼や愛着のことで、顧客がリピーターとして愛着を持って商品を購入し続けるかどうかを示す重要な指標です。
「全体売り上げの8割が2割の優良顧客によるものである」というパレートの法則があるように、リピーターの獲得には自社の売り上げを安定化させてくれるというメリットがあります。
リピーターを獲得するためにも、ユーザーのファン化を狙う施策やオリジナル性を打ち出した施策を広告に落とし込むことが重要です。
参考:『リピーターとは?顧客がリピーターにならない理由や改善方法、獲得の重要性を解説||LINEヤフー for Business』
新規顧客を獲得しやすい
ブランディング広告により商品やサービスが幅広く認知され、顧客ロイヤルティを高めることができればリピーターだけでなく新規顧客の集客効果も期待できます。
リピーターによって自社商品の口コミやレビューがSNSなどで拡散され、ブランドや商品の認知が拡大することで新規顧客の獲得に繋がりやすくなります。
このように口コミやレビューなど、ユーザーがSNSやブログなどで自ら生み出すコンテンツのことをUGC(ユーザー生成コンテンツ)といい、これによりユーザーの商品イメージを膨らませることで売り上げ向上も期待できます。
商品やサービスのコストを軽減できる
ブランディング広告により「CMや新聞で見たことがある」といったような消費者にとってのブランドイメージを定着させることができれば、最低限のコストで広告を宣伝し、商品やサービスの利用へと繋げることが出来ます。
また、リピーターを育てることでユーザーのブランド認知拡大が軌道に乗り始めると認知目的の広告配信が不要になるため、マーケティングコストの削減に繋がります。
ブランディング広告を効果的に運用することができれば、必要最低限のコストで最大の成果を生み出すことができ、費用対効果を高いブランディングが可能になります。
参考:『リピーターとは?顧客がリピーターにならない理由や改善方法、獲得の重要性を解説||LINEヤフー for Business』
ブランディング広告のデメリット
ブランディング広告のデメリットは大きく分けて2つあります。
結果がすぐには出ない
自社のブランディングを行う場合は半年から1年以上かかる場合もあり、成果を出すのに長期的な取り組みになる可能性があります。
ブランディング広告は消費者へのブランド認知やイメージの定着を目的としているため、テレビCMや新聞、ラジオなどの媒体を使用したマス広告やWeb広告への広告出稿を継続的に行う必要があります。
そのため、初期の段階ではブランディング広告への投資が不可欠であり、コストと時間がかかる点をあらかじめ知っておきましょう。
ブランディング広告の効果が出るまでは、長期的な視点で運用する必要があります。
参考:『ブランディングのコンサルティング費用・料金相場について~結論、依頼を曖昧にすると損をします~』
競合他社の状況によって結果が出にくい可能性がある
すでにリピーターや十分な認知度を獲得しているような市場規模が大きいジャンルに広告を打ち出すと、自社のブランディングの確立が困難となり成果が出にくくなります。
たとえ参入障壁が低い市場であっても、競合他社が大手企業の場合や人気のジャンルである場合はいくら広告費を投資しても成果を見込めない可能性が高いです。
そのため、ブランディング広告を打ち出す際は、事前にターゲットや競合調査を行ったうえで自社が確立できる市場を十分に検討する必要があります。
関連記事:『広告はなぜ必要なのか?企業側&消費者側にとっての「価値」とは?』
ブランディング広告の種類
ブランディング広告にはさまざまな種類があります。
ここでは大きく分けて代表的な4種類のブランディング広告をご紹介します。
まず、ブランディング広告はそれぞれマス広告、ディスプレイ広告、タクシー広告、SNS広告に分けられます。
マス広告
マス広告とは、「テレビ」「ラジオ」「新聞」「雑誌」の4種類の媒体に出稿できる広告のことです。
広告業界用語で「4マス広告」とも呼ばれています。
マス広告の「マス」には大衆という意味が含まれており、その言葉の通り多くの視聴者や読者にアプローチすることが出来ます。
そのため、幅広いユーザーにブランドの知名度の向上や認知度の拡大を期待できるというメリットがあります。
参考:『マス広告とは?4大メディアの特徴、デジタル広告との違いや使い分けを徹底解説!』
テレビ広告
テレビCMはマス広告の中で最もリーチ数が多い広告です。
内閣府による「消費者動向調査」では、2024年3月末時点で日本のカラーテレビ薄型(液晶、プラズマ等)の普及率が96%という結果が出ています。
テレビCMの種類には、3ヶ月間放送するタイム広告(1本30秒)と短期間のみ放送するスポット広告(1本15秒)の2種類があります。
1本15秒~30秒の短時間で映像と音声を合わせた情報を伝えることで、幅広いユーザーの記憶に残るというメリットがあります。
2024年にテレビアンテナの設置工事を行うテレビアンテナがZ世代を対象に行った調査では、約6割の人が「ほぼ毎日テレビを見る」と回答しました。
また、近年では、インターネット回線に接続されている「コネクテッドテレビ(CTV)」の台頭により、テレビ画面でYouTubeやABEMAなど視聴する人が増加しています。
そのため、テレビ広告での広告配信を行うことで、幅広いユーザーへのリーチが期待できます。
参考:『「共視聴」「視聴時間の長さ」などテレビ画面の特徴を生かした YouTube コネクテッドテレビ広告 3 選——丸亀製麺、コーセー、NTTソルマーレ Think with Google』
参考:『マス広告とは?4大メディアの特徴、デジタル広告との違いや使い分けを徹底解説!』
参考:『新しい未来のテレビ「ABEMA」、週間視聴者数が2,300万人を突破!2024年3月の月間視聴数も5億回を記録』
参考:『消費者動向調査(令和6(2024)年3月実施分)調査結果の要点』
参考:『「10~20代の約〇割がテレビを毎日見ている!?」332名への調査で明らかになった現代の若者のテレビ視聴の実態とは?』
ラジオ広告
ラジオ広告とは、ラジオの途中で流れる音声広告です。
ラジオCMとも呼ばれますが、映像や画像を使用することができない点でテレビ広告・新聞広告・雑誌広告とは異なります。
Z世代(男女12~26歳)を対象に行われた、ラジオ配信サービスを提供している「radiko」の利用率に関する調査では、2014年の4.4%に比べと2023年は9.3%と「radiko」の利用率が約2倍以上に増加していることが分かります。
また、2023年8月に行われたビデオリサーチによる「ラジオ個人聴取率調査」では、52%と半数以上の人が1週間のうちにラジオを聴いたという結果が出ています。
このように、近年ではアプリなどを使用したラジオ聴取も増えているため、ラジオ広告で配信することでリーチ拡大が期待できます。
参考:『Z世代によるラジオ番組聴取のイマを分析!~Z世代×ラジオの”現在地”と”未来”~』
参考:『ラジオの聴取率とは?ビデオリサーチが解説~最新のラジオ聴取状況を分析!~』
参考:『ビデオ個人聴取率調査』
ラジオも含めその他の音声広告についての詳しい情報は下記の記事をご覧ください。
関連記事:『ブランディングに効果的!音声広告とは?3つの特徴を紹介!』
新聞広告
2023年の新聞オーディエンス調査では、新聞(紙の新聞だけでなく、インターネットに掲載のニュースサイト等電子版を含む)に接触している人も対象に調査を行いました。
その結果、1か月に1回でも新聞に接触する人は86.9%に上り、そのうち44.4%の人が新聞に毎日接触していると答えています。
参考:『新聞オーディエンス調査2023』
引用:『新聞オーディエンス調査2023』
また、新聞広告は他の媒体と情報源の信頼度を比較して、新聞広告が17.6%と一番高い信頼性を得ています。
その理由として、新聞は「安心できる」「情報が正確である」「情報の信頼性が高い」などという評価を受け、情報の正確さと信頼性はメディアの中でもトップクラスであることが分かります。
信頼性の高い広告であるため、画像と文字を併用することでより説得力のある広告を作成することが出来ます。
参考:『新聞オーディエンス調査2023』
雑誌広告
雑誌広告は、美容やファッション、旅行など読者層をターゲティングしやすいという特徴があります。
種類は「タイアップ広告」と「純広告」の2つがあります。
タイアップ広告
タイアップ(tie up)には「協力・提携して行う」という意味があり、その言葉のとおり、メディアと提携して記事形式で作成する広告のことを指します。
ページ内に体験談などの内容を記載することが多いため、記事として自然と内容に目を通してもらいやすいというメリットがあります。
参考:『記事広告・タイアップ広告ってなに?分かりやすく解説』
純広告
掲載したい雑誌のページ内の広告枠を購入して出稿する広告のことです。
広告枠を購入することで、広告主が読者向けの広告を自由に作成することができます。
有名雑誌などに掲載する際は、雑誌自体の信頼度やブランド価値が確立しているため、読者の商品やサービスの認知度向上が期待できます。
雑誌広告は読者層に合わせた内容であることから、ターゲットを絞り込みやすく目に留まりやすいことから、認知度やブランディングの向上を期待できます。
参考:『雑誌広告の種類は?サイズや化歳までの流れを紹介!』
参考:『純広告とは?種類と料金形態一覧、メリット・デメリットを解説|LINEヤフー for Business』
テレビ広告、新聞広告、ラジオ広告、雑誌広告などの測定方法は下記の記事を参考にしてみて下さい。
関連記事:『【初心者向け】広告効果とは?基本の分析方法10種を解説!』
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示する広告です。
テキストだけでなく画像、動画形式の広告も表示することができます。
日本国内におけるディスプレイ広告を配信できる主要ネットワークとしては、Yahoo!JAPANのYDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型))とGoogleのGDN(Googleディスプレイネットワーク)があります。
Yahoo!JAPAN
引用:『「検索広告」と「ディスプレイ広告(運用型)」の違いは何ですか? Yahoo!JAPAN広告』
引用:『Google広告』
ディスプレイ広告では、画像や動画を活用することで潜在層のユーザーに対しても自社のブランドイメージを届けることができます。
潜在層とは、自社商品やサービスへの明確なニーズを持っておらず、商品やサービスへの具体的な興味関心がない、もしくは気づいていないユーザーのことを指します。
引用:『ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いやメリットを解説|LINEヤフー for Business』
ディスプレイ広告を活用することで、潜在層を含めた広範囲のユーザー層にアプローチすることが可能なため、潜在層にはブランド認知の向上、顕在層には自社ブランドに対しての信頼度をより担保してもらうことが期待できます。
ディスプレイ広告については下記の記事も参考にしてみて下さい。
関連記事:『Yahoo!広告の動的ディスプレイ広告とは?配信のポイント3選』
参考:『「検索広告」と「ディスプレイ広告(運用型)」の違いは何ですか? Yahoo!JAPAN広告』
参考:『ブランディング広告とは?メリットや効果測定の指標、ダイレクトレスポンス広告との違いを解説 LINE ヤフー for Business』
タクシー広告
引用:『TOKYO PRIME』
タクシー広告とは、タクシーの車内・車外(窓や座席の背面など)に掲載する広告です。
近年では、デジタル化が進んだことからタクシー内で「動画広告」の配信も実現しています。
日本最大のタクシーサイネージメディア「Tokyo Prime」は、2024年4月時点で月間延べリーチ人数は3,500万人に上りました。
参考:『TOKYO PRIME』
また、配信中に「詳しくはこちら」というボタンを押すと、二次元コードが表示され、ユーザーは商品・サービスのURLに誘導されるため、認知度拡大だけでなく、クリック率・クリック数の向上も見込めます。
SNS広告
SNS広告とは、Twitter、Instagram、Facebook、LINE、YouTube、TikTokなどのSNS媒体に表示される広告のことです。
SNS広告はテキストだけでなく、動画や画像を使用していることから、ユーザーの記憶に残りやすい広告を掲載することが出来ます。
また、各SNS媒体によって広告の配信機能や掲載場所の種類が豊富なことも特徴の一つです。
実際に、2024年時点でLINEの広告配信が可能な場所はトークリストやLINE NEWSを含む19箇所にのぼると発表しています。
参考:『SNS広告種類やメリット・デメリット、課金形式や費用感など押さえておきたい広告の知識|LINEヤフー for Business』
参考:『LINE Business Guide』
SNS広告の特徴
特にInstagram広告やTikTok広告では、インフルエンサーを起用することでファンを獲得し、ブランド価値の向上も見込めます。
また、SNSならではのユーザー同士のシェア機能によってより拡散効果が期待できるというメリットもあります。
SNS広告はユーザーが普段見ているSNS内に広告が掲載されるため、ユーザーに広告感を感じさせにくく、ユーザーの不快感や違和感を助長するリスクが少ない点が特徴です。
SNS広告について詳しい記事は下記をご覧ください。
関連記事:『SNS広告の5つのメリットと4つのデメリット!成功事例までご紹介!』
ブランディング広告で使用される2つの効果測定
ブランディング広告の効果測定としては下記の2種類があります。
- ブランドリフト調査
- サーチリフト調査
ブランディング広告は他の広告と比べ、成果を数値化しにくいという点があります。
それでは、順番に解説していきます。
ブランドリフト調査
ブランドリフト調査とは、ブランディング広告を見た人と見ていない人を比較して、広告を見た人のブランド認識度や購買意欲、好感度などが変化しているかを測る調査です。
調査方法としてはアンケートを実施することで、ユーザーからの回答をもとにブランディング広告効果を可視化します。
以下のアンケートは、実際にYahoo!広告が提供するブランドリフト調査の一例です。
引用:『Yahoo!JAPANブランド効果測定について Yahoo!JAPAN広告』
またGoogleでは、YouTubeを活用したブランドリフト調査を実施しています。
動画再生前に表示されるオンライン上のアンケートを配信し、広告が消費者に与える影響について調査しました。
このように、ブランドリフト調査ではユーザーに対してアンケート調査を実施し、その回答を集計・分析することで「消費者にブランドが認知されているのか」「購入したいと思っているのか」といったブランディング広告の影響を把握することが出来ます。
参考:『ブランドリフト調査とは?|比較サポーター』
なお、オンライン上でアンケートを実施する際は下記の2つの方法が多く使用されます。
インバナーサーベイ
SNSやWebなどの閲覧時にディスプレイ広告上に表示される簡易アンケートです。
1~3問程度の質問が可能なので、ユーザーの負担の少なさから回答率が高いアンケートです。
リードバナーアンケート
ユーザーを広告から専用のアンケートページへと誘導をし、回答を収集できる手法です。
このアンケートは質問数の設定数を調整できるため、インバナーサーベイに比べてより信憑性のある回答を得られるメリットがあります。
ブランドリフト調査の種別については以下の通りです。
広告指標 | 必須/任意 | 計測目的 |
広告想起 | 必須 | 広告を見たユーザーはブランド(商品)の広告を認知しているか |
ブランド認知 | 任意 | 広告を見ることでユーザーは対象のブランド(商品)の認知が向上したか |
メッセージ連想 | 任意 | 広告を見たユーザーに対し、広告メッセージの理解を促せたか |
比較検討 | 任意 | 広告を見ることによりユーザーに対して比較検討を促せたか |
好意度 | 任意 | 広告による好意度の向上、企業ブランド・商品に対するポジショニングの調査 |
購入意向 | 任意 | 広告を見ることにより、対象商品(サービス)への購入の意向を上昇させることができたか |
引用:『Yahoo!JAPANブランド効果測定について Yahoo!JAPAN広告』
また、Googleのブランドリフト調査では下記の指標から最大3つまで選択できます。
• 認知度
• 比較検討
• 好意度
• 購入意向
詳しい指標に関しては下記をご覧ください。
参考:『ブランド効果測定を設定する Google広告ヘルプ』
参考:『Google広告のブランド効果測定のステータスと指標を理解する Google広告ヘルプ』
Yahoo!JAPAN広告では、広告管理ツールからブランドリフト調査を設定することが出来ます。
ブランドリフト調査の掲載には審査が必要となるので、下記から確認してみて下さい。
参考:『ブランドリフト調査を設定する Yahoo!JAPAN広告』
サーチリフト調査
サーチリフト調査とは、ブランディング広告を見たユーザーがブランド名や商品名といった特定のキーワードで自然検索した数がどれだけ増加したかを測定するものです。
ユーザーに直接アンケートを実施して調査するブランドリフト調査とは異なり、自然検索のデータを基に、検索数の伸び率や広告接触ユーザーの検索行動の変化を可視化することで測定します。
サーチリフト調査の種別については以下の通りです。
広告指標 | 必須/任意 | 計測目的 |
サーチリフト | 必須 | 広告によって対象キーワードの自然検索数が上昇したか |
引用:『Yahoo!JAPANブランド効果測定について Yahoo!JAPAN広告』
Yahoo!広告では、ブランドリフト調査と同様にサーチリフト調査も広告管理ツールから設定し実施することが出来ます。
また、サーチリフト調査はブランドリフト調査とは異なり、審査を行わずに掲載することが出来ます。
設定方法は下記を参考にしてみて下さい。
参考:『サーチリフト調査を設定する Yahoo!JAPAN広告』
関連記事:『6種類の主要媒体の広告費用の目安!広告予算の決め方まで徹底解説!』
ブランディング広告を出稿する上での2つのポイント
ブランディング広告を出稿する上で重要なポイントを2つ解説します。
自社商品やサービスの強みを明確にする
ブランディング広告を出稿していくうえで最も重要なのは、ブランディング広告で扱う自社の商品やサービスの強みは何かを分析し、しっかりと把握することです。
競合他社との違いを差別化し、自社ならではの強みを分析するのに有効なフレームワークとして「SWOT分析」があります。
SWOTとは、それぞれStrength(自社の強み)、Weakness(自社の弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を合わせたもので、この4つの視点から分析を進めることで市場における自社の状況を多角的に把握することができます。引用:『SWOT分析とは?分析の目的や方法、メリット・デメリットをわかりやすく解説|LINEヤフー for Business』
SWOT分析の中でも、特に「強み×脅威」では競合他社の商品やサービスと異なる自社独自の強みや特徴を見つけ、その強みを残すための他社との差別化を図る戦略を検討できます。
SWOT分析によって「強み・弱み・機械・脅威」の観点から考えることで、客観的に把握でき、視覚的に分かりやすく分析結果を出すことが出来ます。
SWOT分析について詳しく知りたい方はは下記を参考にしてみて下さい。
関連記事:『【基本】SWOT分析で簡単自社分析!やり方とポイント5つ紹介』
ペルソナを詳しく設定しておく
引用:『ペルソナとは?ターゲットの違いと設定時に用いる要素を解説|LINEヤフー for Business』
マーケティングにおけるペルソナとは、自社商品やサービスの典型的なユーザーを架空の人物に落とし込んだものと言われています。
ペルソナの設定に用いる要素の具体例としては下記のようなものが挙げられます。
• 年齢
• 性別
• 職業
• 居住地
• 通勤時間
• 家族構成
• 配偶者の有無
• 最終学歴
• 年収
• 趣味
• よく利用するSNS
• 情報収集に使う端末
• 悩み
• 1日のスケジュール など
認知拡大が目的のブランディング広告ですが、ターゲット設定が確立していなければ広告を届けたいユーザーにピンポイントで届けることができず、非効率な広告運用となってしまいます。
ペルソナの設定を行うことで、ユーザー視点に立ったニーズを把握することができ、ターゲットの心に刺さる広告を作成することが出来ます。
広告効果を最大化するためにも、大まかなペルソナ設定ではなく上記で挙げたような細かなペルソナ設定を行い、具体的なターゲット像を明確にすることが重要です。
参考:『ペルソナとは?ターゲットの違いと設定時に用いる要素を解説|LINEヤフー for Business』
関連記事:『ペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイント3選!』
まとめ
この記事では、ブランディング広告の基礎知識から、メリット・デメリット、広告の種類、そして出稿する上でのポイントについて詳しくご紹介しました。
ブランディング広告は自社商品やサービスの認知を拡大したり、ブランドイメージを確立させるために効果的な広告施策です。
ブランディングが成功すると、リピータの獲得によって売り上げの向上や収益の安定化も期待できます。
この記事を読んで、ブランディング広告の運用が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に相談するもの1つの手です。
株式会社Unionは、広告運用の代行を始めとするデジタルマーケティング全般のご相談を承っております。
蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。
運用開始後は広告効果を隈なく分析し、スペシャリストが徹底的にマネタイズを行います。
また、広告運用のご相談と併せてLPの改善相談も承っております。
弊社の広告運用担当者はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保有者であり、知識のアップデートを行っております。
薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
お客様のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談ください。
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。