CVを獲得する際の有用な施策であるランディングページ(LP)。
LPには、アクセスしたユーザー数に対しCVに至った割合を示すCVRがアカウントごとに大きく開きがあるといった特徴があります。
オンラインマーケティングサービスを提供するWordStreamによると、業界全体におけるランディングページの平均CVRは2.35%という結果が出ています。
参考:『What’s a Good Conversion Rate? (It’s Higher Than You Think)』
これに対し、上位25%はCVR5.31%以上を達成しており、さらに上位10%では11.45%以上のCVRを達成しています。
このことからも、高いCVRを達成しているLPと、なかなか望ましい成果を得られていないLPで二極化していることがわかります。
現在、皆さんが使用しているLPのCVRはどうでしょうか。
もし、現状に満足しておらず、上位25%、さらには上位10%を目指したい場合、LPについて改善する必要があります。
LPのCVR改善のため効果的な施策の一つに記事LPがあります。
記事LPの制作に特化し、これまでに300社以上の記事LPを制作してきた株式会社みらいきれいの代表である石渡氏は、LPのみを運用することと比較し、記事LPとLPを併用することで、およそ1.5から2倍近くCVRが向上する傾向にあると述べています。
当記事では、なぜ記事LPをLPと併用することでCVR向上に貢献できるのか、また記事LPを採用する2つメリットについて紹介します。
参考:『「記事LP」を制作すれば「LP」のCVRが2倍に上がる? Web広告の獲得効率を大幅改善させる方法』
関連記事:『読まれるLPを作るためのコツ6選!スマホを意識した作成でCVRアップ!』
Contents
記事LPとは
引用:『爆伸びの「炭酸水」市場に激震…「五感を刺激する?!」驚異の“強炭酸水”が登場!』
記事LPとは、一般的なLPと比較し広告色を抑えた記事型のLPのことを指します。
ニュースアプリなどに掲載されている記事コンテンツと同じ形式で構成されているため、 広告の印象を与えにくいのが特徴です。
参考:『記事LPとは?制作する3つのメリットと構成・ライティングのコツを解説』
名前にLPとついていますが、記事コンテンツと同様にユーザーにとって有益な情報を提供し、ユーザーの悩みに応えるなど、ユーザーのニーズに合わせたコンテンツを作成する必要があります。
配信側は商品やサービスの魅力を伝えることができ、読み手側は自身の悩み解決に役立つ有益な情報を得られる点で、双方にとって価値のあるLPです。
それでは、マーケティングにおいて記事LPはどのように活用されているのでしょうか。
記事LPの活用場所を把握するためには、一般的なLPについて理解する必要があります。
関連記事:『WordPressで簡単!すぐできるLP(ランディングページ)入門!6種類のテーマ紹介』
LPとは
引用:『リスティング広告運用代行【Uniteo】継続率95% – 株式会社Union』
LPとは、ランディングページ(Landing Page)の略称であり、訪問者が最初に着地するWebページのことを指します。
広い意味では、ユーザーが最初に訪れたページ全般を指しますが、Webマーケティング業界では、CVを追求するためのWebページを指します。
LPは全体を通して、商品やサービスの訴求力が高まるような情報の記載が中心です。
売り色が強く、商品やサービスに対しニーズがあるユーザーに対してはリーチできますが、商品やサービスに興味のないユーザーの場合はCVに到達することが難しいといった特徴があります。
そのため、一般的なLPはリスティング広告などを使用し広告を配信します。
リスティング広告では、指定したキーワードをユーザーが検索した際に広告が配信されるため、検索したユーザーの悩みやニーズに対し、ダイレクトに広告を配信することが可能です。
このように、自身のニーズを把握している顕在層と把握していない潜在層では有効なアプローチの方法が異なります。
ユーザーの性質 | 有効な施策 | 具体例 | |
顕在層 | 購買意欲が高く、成約に繋がりやすい |
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潜在層 | 何らかの悩みやニーズはあるが具体的なイメージはない |
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参考:『顕在層と潜在層の違いとは?それぞれにアプローチできるWeb施策も紹介』
具体的には、上の表の通りです。
潜在層を顕在層へ育成する施策を導入することで、幅広いユーザーを獲得することができます。
関連記事:『「こんなお悩みありませんか?」LPを作る際の8つのポイントを解説!』
記事LPの目的
記事LPを使用することで、潜在層を顕在層へ育成することが可能です。
記事LPとLPを併用する場合、ユーザーは、広告から記事LPに流入し、記事LPからLPに流入します。
LPの使用だけではリーチしきれない潜在層に対し、あらかじめ記事LPを配信することで、商品やサービスへのニーズを把握したユーザーを育成し、LPのCVR向上に貢献します。
記事LPは以下のような目的で使用されます。
- 認知の拡大
- 興味・関心の促進
- LPへの誘導
悩みはあるが、具体的なイメージはないユーザーに対し、商品やサービスの認知を促し、悩みの解決策を具体化し、顕在層を育成することが記事LPの役割です。
記事LPの配信先
記事LPも一般的なLPと同様にWeb広告を用いて配信されます。
一般的なLPと記事LPは構成が大きく違うため、それぞれメインとなる広告の種類が異なります。
上述したように、一般的なLPの場合はリスティング広告やSNS広告を使用して流入を促します。
これに対し、記事LPでは、インフィード広告やレコメンドウィジェット広告が主戦場です。
参考:『ネイティブ広告とは|配信種類別の特徴と記事型LP制作で注意すべき3つのポイント』
インフィード広告
引用:『antenna』
インフィード広告では、メディア内のコンテンツの中に広告配信が可能です。
SNSやニュースアプリなどで採用されている広告で、ユーザーがメディアを利用する目的であるコンテンツ内に配信できます。
視認性が高く、記事LPを使用する目的の1つである認知を促しやすい広告方法です。
記事LPの場合、広告の印象を与えにくい構成であるため、広告の印象を与えにくい配信場所を採用することで、警戒心を抱かせることなく広告の閲覧を促進可能です。
関連記事:『インフィード動画広告でYouTubeチャンネル登録者数を増やす際の4つの注意点』
レコメンドウィジェット広告
引用:『J-CASTトレンド』
レコメンドウィジェット広告とは、アドネットワークを使用したデジタル広告配信機能です。
アドネットワークとは、複数の広告媒体を集め、広告媒体を作成し、すべての媒体にまとめて広告を配信する仕組みのことです。
レコメンドは直訳すると「推奨する」といった意味があります。
そのためレコメンドウィジェット広告では、ユーザーにおすすめの広告を自動で配信します。
記事を読み終わった後に「こちらもおすすめ」などの文言とともに表示され、記事との関連性などに基づき配信を行うことから、親和性の高いユーザーに対し広告掲載可能です。
インフィード広告やレコメンドウィジェット広告は、キーワードを用いた検索などを必要としません。
例えば、リスティング広告を使用する際は、検索エンジンでユーザーが特定のキーワードを含めた検索を行う必要があります。
そのため潜在層へのチーチが難しいです。
一方で記事LPは性質上、潜在層へのリーチが主な役割です。
そのため、キーワードを必要としないインフィード広告やレコメンドウィジェット広告を用いることで、何気なくSNSやニュースアプリなどを使用している潜在層に対しリーチできます。
記事LPを使用するメリット
記事LPを採用するメリットは以下の3点です。
- 広告の印象を与えにくい
- 通常LPの離脱を抑制させやすい
- 潜在顧客の興味を掻き立てられる
広告の印象を与えにくい
参考:『【WEB広告に対する意識調査】「広告にポジティブな印象」はなんと51.7%、つい見てしまうWEB広告の要素とは』
記事LPは商品やサービスをPRされている印象が薄いため、潜在層の悩みやニーズを顕在化しやすいです。
2023年に株式会社リンクアンドパートナーズは、SNSを1日2時間以上利用している20〜50代の男女508人に対してWeb広告に関するアンケートを実施しました。
このアンケートで、日常で表示されるWeb広告に対しての印象を尋ねたところ、31.2%が「ネガティブ」、「どちらかというとネガティブ」と回答していたことが分かりました。
このように、広告に対して嫌悪感を持つ層は一定数います。
そこで、広告の印象を与えにくい記事LPの構成は広告に対しネガティブな印象を持つユーザーが多い場合であっても、ユーザーに対し、リーチしやすいです。
商品やサービスに対し興味もなく、広告に対しネガティブな印象を持つユーザーにリーチする際、コンテンツの中に溶け込み、違和感なく広告配信できる記事LPは有用です。
なお、2023年10月よりステルスマーケティングが景表法違反となる旨が消費者庁から発表されています。
広告配信時に、「広告」「宣伝」「PR」など広告であることが分かる文言が確実に表示されているかは確認しておきましょう。
関連記事:『売れる記事LPとは?制作テンプレートと事例3選をご紹介』
一般的なLPの離脱を抑制させやすい
記事LPを使用することで、一般的なLPの直帰率を低下させやすくなります。
CXLが公開した調査結果によると、一般的なLPの平均直帰率は60~90%となっており、ECサイトなどと比べても高い傾向にあることが分かります。
引用:『Bounce Rate Benchmarks: What’s a Good Bounce Rate, Anyway?』
そこで、広告をクリックしてからLPに遷移するまでの導線の中に記事LPを挟むことで、ユーザーの離脱を抑制させる効果が見込めます。
記事LPは一般的なLPよりも広告色を抑えることができ、商品の比較検討において必要な情報がすでに組み込まれているために別ページへ遷移する必要がないためです。
また、記事LPはコンテンツの中に自然と配置されることで注意を引き、記事の内容で商品やサービスについて関心を持つように促すこともできます。
このように、記事LPを設置してユーザーのニーズを解消できるような内容を入れることでユーザーの共感を呼び、LPでの購買行動やコンバージョンに繋がりやすくなります。
参考:『記事LPとは?通常LPとの違いや効果的な活用ポイント、作り方も解説』
潜在顧客の興味を掻き立てられる
記事LPを活用することで、自社商品やサービスをまだ認知していない潜在顧客にもアプローチすることができます。
すでにニーズが明確化している顕在顧客に対してはもちろん、ビジネスを拡大していくにあたっては潜在顧客へのアプローチも欠かせません。
記事LPでは、商品やサービスに関する記事を通して「ユーザーのどういった悩みが解消されるのか」「どんなメリットがあるのか」などを明記することでニーズが漠然としたユーザーの興味や関心を掻き立てることが可能になります。
このように、記事LPは潜在顧客との接点を構築する手段としても有効です。
参考:『記事LPとは?通常のLPとの違いやメリット・作成の流れを解説』
参考:『記事型LPとは?読みたくなるLPで上がらないCVRを改善!』
参考:『効果的な【記事LP】とは?よくある失敗と成果を上げるポイントを詳しく解説』
参考:『記事LPとは?一般的なLPとの違いやメリット、効果につなげるためのコツについて解説!』
記事LPの具体的な作成方法
記事LPは、価値あるコンテンツを提供する中で、商品やサービスを訴求することで顕在層を育てることが目的です。
PRがメインではなく、記事をコンテンツとして価値あるものにすることがメインであるため注意して作成する必要があります。
ここでは記事LPの作成手順についてご紹介します。
まず、記事LPは徐々に購買意欲が高まるように作成する必要があります。
これらを踏まえると、記事LPは以下のプロセスで作成されることが一般的です。
- 「〜を知っていますか?」などの話題の提示による認知の拡大
- 商品やサービスの使用感などを伝えることで興味関心の促進
- 他社商品と比較し、優れている点を紹介し、購買欲求を刺激
関連記事:『読まれるLPを作るためのコツ6選!スマホを意識した作成でCVRアップ!』
作成する際は以下の2点に注意しましょう。
- ターゲットの悩みやニーズを的確に把握する
- 読みやすいデザインで作成する
ターゲットの悩みやニーズを的確に把握する
記事LPはユーザーの悩みを予測し、その解決策として商品やサービスの紹介をします。
悩みやニーズに寄り添った内容にしなければ、ユーザーの興味を促すことができないため、効果的な記事LPを作成することができません。
そのためユーザーの悩みを分析し、ニーズに寄り添った内容の記事を執筆することが重要です。
関連記事:『ペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイント3選!』
読みやすいデザインで作成する
上の画像は、デザインの違いによる視認性を比較したものです。
右のデザインよりも左の方が読みやすくわかりやすい印象を持つ方が多いのではないでしょうか。
記事LPを作成する際は、ユーザーにとって読みやすいデザインで作成するよう心がけることが重要です。
特に、以下の2点に注意してください。
- 注視して欲しいポイントがはっきりしている
- 画像が挿入されている
斜め読みや飛ばし読みをするユーザーや、重要なポイントだけをインプットしてLPを読み進めるユーザーに対しても、伝えたい情報を伝達するために、どこが重要なのかを目立たせる調整が必要です。
また、早く読む場合であっても理解しやすいように画像を挿入するなど工夫することで、多くの人にとって内容を想起しやすく読みやすいデザインの記事LPになります。
関連記事:『ランディングページで漫画を活用しよう! 2つの方法をレクチャー』
記事LPを運用する上でのポイント
記事LPを運用する際は、以下の2点を意識すると効果的です。
- LPOを達成するためにヒートマップで分析を行う
- 記事LPはLPを補足するような内容で作成する
LPOを達成するためにヒートマップで分析を行う
LPではLPO(ランディングページ最適化)を図るために、効果検証をする必要があります。
記事LPではヒートマップを用いて効果検証を行うことが多いです。
行列型の数字データの強弱をサーモグラフィーのように色を用いた視覚化を行うことで、利用者がよく見た部分はどこなのか直感的に把握することができます。
結果を元に記事の修正を行い、ユーザーにとってより価値のあるコンテンツにする必要があります。
関連記事①:『無料ヒートマップツール「Clarity」の使い方と4つの特徴』
関連記事②:『ヒートマップを用いた分析手法は?4つのポイントとツールを解説』
記事LPはLPを補足するような内容で作成する
LPの内容を補足するような記事を作成するように心がけましょう。
基本的に記事LPからLPへの流入を促し、CVを目指します。
LPと似たような内容の記事LPを作成した場合、ユーザーは同じ内容を立て続けに閲覧することになり、離脱につながってしまいます。
また、記事LPとLPが全く別の内容になってしまうことも避けましょう。
潜在層は記事LPを通じて商品やサービスに興味を持ちます。
そのため、商品やサービスについてPRしたい部分は統一し、あくまで記事LPがLPの補足になるような構成にしましょう。
まとめ
記事LPはLPの広告効果向上に有用な施策です。
本来LPでリーチすることが難しい潜在層に対し商品やサービスをPRする際に効果を発揮し、ユーザーの抱えている悩みや、ユーザーのニーズを顕在化させることでLPへの流入を促し、より多くのユーザーのCVを期待できます。
現在、思ったようなCVRを達成できていない方は記事LPの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
また、この記事を読んで記事LPの導入は難しいと感じた場合や、LPOについてよくわからないと感じた場合は、広告代理店に任せるのも1つの手です。
株式会社Unionでは、効果の出るLP制作を広告とセットでご発注いただけます。
Web広告運用のご相談と併せてLPの制作・改善相談も承っております。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。