近年、SNSやインターネットの普及に伴い動画広告市場は拡大傾向にあります。
サイバーエージェントが実施している国内の動画広告市場の調査では、2023年の動画広告市場規模が昨年比112%成長となったことが報告されています。
そんな動画広告の中でも、「アニメーション広告」は多くの企業でマーケティング手法として取り入れられているものの一つです。
アニメーション広告には情報が伝わりやすいといった特徴があります。
実際に仙臺マーケティングパートナーが紹介している事例では、バナー画像の広告クリック率が0.11%であったのに対して、アニメーション広告では0.42%と4倍近くの結果になった事例もあります。
本記事では、そんなアニメーション広告についてメリットや運用のポイント、実際に利用した事例について紹介していきます。
ビジネスでアニメーション広告の活用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
参考:『アニメーション動画をビジネスで活用!効果性や外注の相場を徹底解説』
参考:『サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を発表』
Contents
アニメーション広告とは
引用:『 Red Bull CM「彼女は僕のことが好き編」』
アニメーション広告とは、その名の通り「アニメーション動画を用いた広告」を指します。
セルアニメ、3DCG、ストップモーションなどさまざまな表現方法が存在し、TVをはじめ近年ではYouTubeでも盛んに配信されています。
自社商品やサービスのプロモーションだけでなく、人材採用ページにアニメーション広告を入れて採用強化を図るといった活用も可能です。
アニメーション広告が注目を集める背景
アニメーション広告が注目される要因の一つに、スマートフォンの普及による動画サービス利用者数の増加があります。
2023年に実施された「有料動画配信サービス利用動向」に関する調査では、スマートフォンでの動画サービスの利用者は71%となり、前年と比較して3%上昇したという結果が出ています。
また、同調査では「有料動画サービス」を利用しているユーザーの利用時間が57%増加しているというデータも出ています。
スマートフォンでの動画視聴が増加傾向にあることからも、今後モバイル端末での視聴を前提とした動画広告の需要が高まるでしょう。
その点アニメーション広告は、制作コストや視聴シーンを想定した際にモバイル端末での視聴に適した広告手法であるといえます。
また、アニメーション広告は2018年頃から市場が拡大傾向にあり、実際に世界全体でのアニメーション広告の市場規模は2023年時点で3,535億ドル(日本円で約5兆3,900億)と評価されています。
また、2031年には5,344億ドル(日本円で約8兆1,415憶)に達すると予想されています。
このような背景から、アニメーション広告は広告市場の中でも主要な要素となりつつあり、優位性の高い広告であることが分かります。
参考:『 Importance of Animation in Advertising』
参考:『アニメーション広告とは?メリット・デメリットと運用のポイント』
参考:『「アニメーション広告」とは? 知っておきたいメリット・デメリット』
参考:『世界のアニメーション市場-2031年までの業界動向と予測』
参考:『2023年有料動画配信サービス利用動向に関する調査』
なお、以下の記事では動画広告の国内市場規模について解説しています。
関連記事:『YouTube動画を含めた市場規模はいくら?動画広告の4つのメリット』
アニメーション広告の5つのメリット
アニメーション広告についての理解が深まったところで、ここではアニメーション広告を活用するメリットについてご紹介します。
アニメーション広告を活用するメリットとして、大きく分けて以下の5つが挙げられます。
- サービスや商品の情報を伝えやすい
- 視聴者の印象に残りやすい
- 国際的なブランディングも可能
- 出演者のイメージによる影響がない
- コストパフォーマンスが良い
以下で詳しく解説していきます。
サービスや商品の情報を伝えやすい
アニメーション広告は、画像広告に比べてユーザーに分かりやすく情報を伝えることができます。
文章や口頭だけでは難しい内容も、アニメーションを通じて動きを入れることでより内容をイメージしやすくなり、ユーザーは直感的に理解することが可能になります。
アニメーションなどの動画は、1分間でWebページおよそ3,600ページ分の内容に匹敵すると言われており、情報量が豊富なアニメーション動画は視聴者を引きつける可能性が高まることから広告としてのインパクトも増します。
また、無音で視聴した際にも内容が理解できるように、視覚情報だけでも内容を十分伝えられる点も大きなメリットです。
引用:『採用支援サービス「ビズリーチ・ダイレクト」紹介動画(Crevo制作実績)』
上の動画は採用支援サービスの紹介動画ですが、アニメーションをフル活用することでサービスに対する理解を効果的に促しています。
このように、アニメーション広告は短い時間内でより多くの情報を分かりやすく伝えることに長けた広告手法であると言えます。
参考:『アニメーション広告の作り方とは?アニメーション広告作成ツールを紹介』
参考:『アニメーション動画をビジネスで活用!効果性や外注の相場を徹底解説』
参考:『アニメーション広告とは?メリット・デメリットと運用のポイント』
視聴者の印象に残りやすい
アニメーション広告は、視聴者の印象に残りやすい点もメリットの一つです。
これを裏付ける理由の一つとして、「メラビアンの法則」があります。
メラビアンの法則とは、1971年に心理学者のアルバート・メラビアンによって提唱された人間心理学における法則性で、相手に影響を与える要素として視覚情報(55%)、視覚情報(38%)、言語情報(7%)の割合で構成されているというものです。
この法則はマーケティングにおいても有効とされており、特にアニメーション広告では、これら3つの情報をすべて利用してユーザーに情報を伝えることができます。
そのため、文字だけでは難しいような内容でも音声や映像による情報を上手く活用したり、ストーリー仕立ての構成にすることでユーザーの印象に残りやすく、商品やサービスの認知に繋げることも可能です。
参考:『アニメーション動画をビジネスで活用!効果性や外注の相場を徹底解説』
参考:『メラビアンの法則とは?非言語コミュニケーションの力を理解しよう』
参考:『アニメーション広告とは?種類と成功事例、作り方を紹介』
関連記事:『【初心者向け】すぐに使える!広告で役立つ心理テクニック7選』
国際的なブランディングも可能
アニメーション広告は、多言語へ展開をしていくことで国際的なマーケティング活用にも貢献できます。
上述したように、視覚情報だけでも内容を伝えられるという特性を活かすことで言語情報による障壁を低くすることができ、動画内の言語を外国語に翻訳して対応することも可能になります。
外国語へ翻訳した場合であっても、アニメーションは違和感が少なく言語に溶け込みやすいため、多言語展開もスムーズに行うことができるでしょう。
例として、グローバルな事業展開をしているYKK株式会社が制作したアニメーション動画は、日本語のほかに英語やフランス語、スペイン語などのさまざまな言語に翻訳され、YouTubeを通じて世界中で視聴されています。
引用:『“Fastening Days 4 full version” 』
このように、アニメーション広告は多言語に展開して配信することで、国際的なブランディングおよびマーケティングにも非常に効果的であると言えます。
参考:『アニメーション広告とは?メリット・デメリットと運用のポイント』
参考:『アニメーション広告のメリット・デメリット。効果的な作り方のポイントは?』
参考:『アニメーション広告の作り方とは?アニメーション広告作成ツールを紹介』
なお、ブランディング広告について詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
関連記事:『ブランディング広告とは?代表的な4つの種類と出稿のポイントまで徹底解説!』
出演者のイメージによる影響がない
アニメーション広告の顕著な利点として、特定の出演者のイメージに影響されないという点も挙げられます。
実写広告では、起用されるタレントや俳優に対するユーザーのイメージが、商品やサービスの印象に直接影響を与える可能性が高いです。
集客支援サービスを行っているマーケティング会社「ブランディングテクノロジー」が行った調査によると、タレントが起用されているプロモーションは商品やサービスを知るきっかけになると回答したユーザーは全体の73%にまでのぼることが分かりました。
このように、タレント起用は商品そのものに対して大きな影響力がありますが、すべてがプラスな影響につながるとは限りません。
起用したタレントに何らかの問題が発生した場合、企業のブランドイメージまで傷ついてしまう可能性もあるでしょう。
これに対して、アニメーション広告の場合は一貫したイメージを持続的に提供でき、タレントの選定や調整といった手間も不要です。
外部のイメージによる影響をできるだけ回避した上で、想定通りのイメージをキープしたまま情報を伝えられる点はアニメーション広告の大きなメリットであると言えます。
参考:『アニメーション広告のメリット・デメリット。効果的な作り方のポイントは?』
参考:『アニメーション広告の作り方とは?アニメーション広告作成ツールを紹介』
参考:『中小企業の「社名認知不足」の課題解決に向け、タレントを活用したプロモーションに関する調査レポートをリリース』
コストパフォーマンスがよい
アニメーション広告は、特定のタレントの出演料や実際の撮影場所にかかる費用が不要であるという点で、制作時のコストパフォーマンスに優れています。
実際にタレントをテレビCMに起用した場合、契約期間が短い場合で数百万円ほど、知名度が高いタレントを長期間で契約する場合には約5,000万円ほどになることもあります。
さらに、カメラマン、スタジオ、撮影機材などの実写に関連するコストもかからないため、予算を効果的に使用することができます。
一方でアニメーション広告の場合は、演出によって異なりますが以下のような相場が考えられます。
- スライドショー:10~30万円
- パラパラ漫画:80~150万円
- 3Dアニメ:300万円以上 など
どの程度のクオリティを求めるかにもよりますが、スライドショー形式のアニメーション広告の場合は10~30万円と比較的安価で制作することができます。
また、アニメーション広告はTVのみに限らずSNSやYouTubeなどの多様な配信プラットフォームとの相性が良く、視聴数の拡散も期待できるため、費用対効果の観点からも魅力的な広告手法と言えます。
参考:『アニメーション広告のメリット・デメリット。効果的な作り方のポイントは?』
参考:『アニメーション広告の作り方とは?アニメーション広告作成ツールを紹介』
参考:『CMへのタレント起用の効果とは?キャスティングのポイントや方法を解説』
参考:『アニメーション動画の費用と料金相場を徹底解説【2024年最新版】』
アニメーション広告運用のポイント
アニメーション広告を効果的に運用する際は、以下の点を意識することが重要です。
目的とターゲットの明確化
アニメーション広告の運用を考えている方は、まずアニメーション広告の目的とどんなユーザーに訴求したいのかを明確に定めましょう。
自社でオリジナルキャラクターを展開してそれらをアニメーション広告に活用する場合は、制作や効果検証までに一定の時間がかかるものの、視聴者の目を引きやすく、幅広い世代のユーザーに見てもらいやすくなります。
そのため、広告を通して企業自体の認知度を高めたい場合に有効でしょう。
一方で、既存のアニメやキャラクターとコラボレーションをする場合は、それぞれの作品によってファンのコア世代や特徴なども異なるため、自社で求めるターゲット層と合致しているかを検討する必要も出てきます。
このように、どういった方法でアニメーション広告を作成する場合でも、自社の目的と狙いたいターゲット層を明確化した上で行うことでより世界観にマッチさせやすくなります。
参考:『アニメーション広告とは?メリット・デメリットと運用ポイント』
参考:『アニメーションの種類は豊富!表現ごとの特徴や適した広告内容を解説』
アニメーションの活用が適切かどうかを考える
アニメーション広告は、特にブランドの印象付けやサービス紹介に効果的とされています。
しかし、商品やサービスの性質によっては、アニメーションよりも実写の方がより適切な場合も考えられます。
例として、社内の様子やいきいきと働いている人の様子、観光地や宿泊施設の風景や現地の人の様子などを宣伝する際は、アニメーション広告ではなく実写広告のほうがよりリアルなアピールがしやすい場合があります。
アニメーション広告と実写広告にはそれぞれにメリットがありますが、自社商品やサービスに合った広告表現を活用することでより効果的なプロモーションに繋がります。
そのため、自社商品やサービスを宣伝する際には、その商材と相性が良いのはどちらの形式の広告動画かを検討しましょう。
参考:『プロモーション動画は実写とアニメどちらが効果的?メリット・デメリットを解説』
アニメーション広告の活用事例
最後に、アニメーション広告を実際に活用した事例をご紹介します。
ブランド宅配買取サービス「ブランディア」の事例
1つ目は、株式会社デファクトスタンダードが運営するブランド宅配買取サービス「ブランディア(Brandear)」を紹介したアニメーション広告の事例です。
ブランディアは、不要になったブランド品をダンボールに詰めて送ることで査定および買取をしてくれるサービスです。
査定は1点からでも可能で、ハイブランドからカジュアルブランドまで幅広く取り扱っています。
同サービスは、楽天が提供する「楽天スーパーポイントギャラリー」とのキャンペーンを紹介するためにアニメーション広告を制作しました。
冒頭部分で「不用ブランド品を売るだけで!楽天スーパーポイント最大5,000ポイントがもらえちゃう!!」と訴求した上で、ブランディアと本サービスの利用方法について紹介する流れになっています。
ブランディアのメインターゲットである「ブランド品に敏感な女性」の目に留まるように、フォントやデザインなどをおしゃれでかわいく仕上げている点がポイントです。
参考:『サービス紹介動画 ブランド宅配買取サービス「ブランディア」』
参考:『【成功事例9選】アニメーション動画でのメリットとは?種類と事例で見る活用・演出方法を解説』
デジタルクーポン「EPARKクーポン」の事例
2つ目は、施設などの予約サービスを提供する株式会社EPARKのデジタルクーポン「EPARKクーポンBOX」を紹介したアニメーション広告の事例です。
同社が提供するEPARKクーポンBOXとは、月額110円の料金で全国1,000店舗以上のお店でお得なクーポンを利用できるというサービスです。
冒頭で「30秒でわかる!!ひとつきで5,000円おトクを目指そう」というテーマを入れ視聴者の興味を掻き立てた上で、クーポンBOXのさまざまな活用例を紹介する流れになっています。
アニメーションによりそれぞれの用途がイメージしやすく各シーンの切り替えもテンポよく進んでいます。
また、「生活を豊かにするサービス」であることを訴求するために、アニメーションを通してそれぞれの生活シーンが豊かになる様子をイメージして制作されています。
参考:『サービス紹介動画 デジタルクーポン「EPARKクーポンBOX」』
参考:『EPARKプレミアムクーポン』
まとめ
本記事では、アニメーション広告についてメリットや運用のポイント、導入事例について解説しました。
この記事を読んで、アニメーション広告の最適化が難しいと少しでも感じたら、制作会社に任せるのも一つの手です。
弊社では、成果にこだわる動画広告制作サービスを展開しております。
自社チャンネルでのマンガ動画やアニメ動画を含む200本以上の動画制作の実績があるほか、TikTok広告やYouTube広告などのSNS動画広告の運用経験も豊富に蓄積しています。
また、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店としても認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
マンガ動画の制作でお困りでしたら是非お気軽にご相談ください。
監修者
2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。