Googleマップとは、店舗の場所や位置情報、提供しているサービスや商品情報等を閲覧することができるGoogle提供のサービスです。
自分が今いる場所や任意の場所に立地している店舗を地図上で探すことできます。
2022年1月に株式会社ONE COMPATHが全国の男女8,576名を対象に実施した店舗の情報収集に関するアンケートを実施しました。
そのアンケートによると46.5%のユーザーがインターネット上で小売店などのお店の情報を調べる際にGoogleマップを含むGoogle検索を利用していると回答しました。
引用:『お店の情報収集や口コミに関する意識調査【「LocalONE」調べ】 』
また、2021年10月に株式会社カンリーが週2回以上外食する東京在住の20代男女107名を対象に実施したアンケートによると、46.7%がGoogle検索、及びGoogleマップ検索を利用して飲食店に関する情報を収集していると回答しました。
引用:『20代男女対象「若者の飲食店探し」に関する実態調査実施』
これらのアンケートに基づき、飲食店をはじめとする実店舗を持っている業種においてGoogleマップを活用した集客は欠かせないマーケティング活動であると言えます。
本稿ではGoogleマップを活用し集客を向上させるためのTips5選について解説します。
関連記事:『Google広告の来店コンバージョンとは?計測する2つのメリットを紹介』
Googleビジネスプロフィールを活用する
引用:『Googleマップ』
Googleビジネスプロフィールとは、店舗に関する様々な情報を掲載できるGoogle提供のサービスです。
店舗の場所や営業時間の掲載、提供しているサービスや商品の紹介、店舗外観や商品の写真等を投稿することができます。
ユーザー側からも店舗に関する口コミや店舗で撮影した写真を投稿することが可能です。
Googleビジネスプロフィールを作成することによってGoogleマップに表示される仕組みとなっており、Googleマップを利用しているユーザーへリーチし店舗に関する情報を閲覧してもらうことが可能です。
Googleビジネスプロフィールをユーザーに閲覧してもらうことで最終的には店舗集客へ繋がる仕組みになっています。
関連記事:『【集客ツール】Googleビジネスプロフィールの5つの機能とその効果』
Googleビジネスプロフィールを活用するメリット
Googleビジネスプロフィールを活用すると様々なメリットがあります。
初期費用や月額費用をかけることなくGoogleビジネスプロフィールを作成し公開することが可能です。
そのため、集客向けの予算を確保することが難しい小規模の店舗でも気軽にGoogleビジネスプロフィールを活用することができます。
Googleマップは2020年5月時点で4,717万人もの月間利用者数を誇っており、日本国内でNo.1の地図アプリとなっています。
Googleビジネスプロフィールを作成することでこのような多くのユーザーへリーチし集客できるメリットがあります。
引用:『Nielsen | ニールセン、デジタルコンテンツ視聴率の Monthly Total レポートによる地図・旅行情報カテゴリーのメディア利用状況を発表』
Googleビジネスプロフィールの注意点
Googleビジネスプロフィールを設定し公開したものの閲覧数が思ったより伸びないことがあります。
閲覧数が伸びない背景としては競合他社が既にGoogleビジネスプロフィールを掲載しており、自社のビジネスプロフィールがGoogleマップの検索結果で埋もれてしまっていることや下位に表示されていることが考えられます。
2021年9月~10月にSO Technologies株式会社が2店舗以上の店舗を経営する91店舗にアンケートを調査したデータによると、72.5%がGoogleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)を知っており、そのうち78.8%*がGoogleビジネスプロフィールを運用しているという回答があります。
引用:『LISKUL編集部 | 多店舗展開事業者向け 集客に関する調査レポート』
検索結果上位に上げる
引用:『Googleマップ』
Googleマップで検索語句を入力するとそのキーワードとのマッチ度合いに応じてビジネスプロフィールが表示されます。
Googleは検索結果のランキングがどのように表示されるかのアルゴリズムを公開しておりません。
しかし、Googleは、キーワードとビジネスプロフィールとの関連性、ユーザーが検索している位置からの距離、認知度の高さという3つの要素が検索結果のランキングと密接に関係していると説明しています。
参考:『Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法』
それでは、具体的にどのようにすれば検索結果でランキングを上げることができるのでしょうか。
ビジネスプロフィールを充実させる
ビジネスプロフィールにはユーザーへ情報を提供するための様々な項目があります。
「各項目と検索語句との関連性が高い」とGoogleアルゴリズムによって判断されることで、上位に表示される場合があります。
そのため、ビジネスプロフィールには次のような作業を行うようにします。
参考:『Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法』
基本情報の設定とオーナー確認を行う
店舗の住所、電話番号、業種、属性(例:飲食の場合、テイクアウトに対応しているか等)は入力するようにします。
ビジネスプロフィールが店舗オーナーに所属しているかどうか確認する「オーナー確認」を実施することによって、ビジネスプロフィールが表示される可能性が高くなります。
参考:『Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法』
営業時間を常に正確にする
引用:『お店の情報収集や口コミに関する意識調査【「LocalONE」調べ】』
株式会社ONE COMPATHが2022年1月に実施したお店の情報収集や口コミに関する意識調査によると、Googleマップで店舗情報を閲覧しているユーザーの75.9%は店舗の営業時間を確認しているというデータもあります。
通常営業時間以外に年末年始や天候具合、営業状況に応じて店舗時間を変更しなければならない場合は、特別営業時間として営業時間を更新するようにします。
ユーザーが店舗に来たが既に閉店している等の悪印象を避けることができ、口コミの低評価を防止します。
参考:『Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法』
写真を追加する
どのような商品やサービスを提供しているかをユーザーが店舗へ訪れる前に写真で伝えることは大変重要です。
ユーザーが店舗へ訪れたくなるような店舗外観や商品に関する魅力的な写真を追加するようにします。
動画も追加することが可能です。
なお、写真や動画の追加はオーナー確認が完了した後に行うことが可能です。
参考:『Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法』
有用な口コミを投稿してもらう
Googleビジネスプロフィールに投稿されているユーザーからの口コミ数とスコアも検索結果のランキングに影響するとGoogleは公言しています。
参考:『Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法』
有用で好意的な口コミが投稿されることで、検索結果のランキング上位を狙えるだけではなく、ユーザーがそのような口コミを参考に店舗へ来店する可能性が高くなります。
一方で、口コミを投稿してくれたユーザーには特典やポイントを付与する等の施策はGoogleの規約違反となります。
口コミ数を増やしたいからとアカウントを複数作成し投稿するのはかえって偽アカウントであることがユーザーにも分かりますので、そのようなことは避けるようにしましょう。
口コミを増やす施策として、例えば、店頭のPOPや来店したユーザーに配布するチラシに口コミ投稿へ直接誘導するQRコードを掲載するという方法があります。
SEO対策を実施する
Webサイトの情報が認知度の高さという観点からランキングに影響します。
例えば、Google検索で「美容室 渋谷区」と入力し表示される検索結果が、Googleマップにおける検索結果の掲載順位として考慮に入れられます。
そのため、WebサイトにSEO対策を施すことによってGoogle検索でも検索上位にヒットさせることが重要です。
参考:『Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法』
関連記事:『ローカルSEOの基本4ポイントを解説!MEOとの違いとは?』
「クーポン」機能を活用する
引用:『How to use the new Offers view on your Business Profile』
集客促進を期待できる機能として「クーポン」という機能がGoogleビジネスプロフィールにはあります。
「クーポン」は無料で使える機能で、開始日、終了日、クーポンの写真や動画、利用規約等を自由に設定することができます。
クーポンコードの設定も可能なため、施策の振り返りとしてクーポンによる集客数やROI等の定量分析も実施することが可能です。
クーポンは、Googleビジネスプロフィールの「概要」と「最新情報」に掲載されます。
ユーザーの興味関心を引くような写真と共に「クーポンを利用するとセットのドリンクが無料!」等のタイトルを掲載することで、Googleビジネスプロフィールを閲覧するユーザーの来店意欲向上を期待することができます。
参考:『Googleのローカル検索結果のランキングを改善する方法』
クーポンを利用するメリット
クーポンを活用するメリットとしては以下の2点があります。
無料で掲載できる
クーポンを活用することで、商材やサービスによってさまざまな打ち出し方ができます。
例えば飲食店の場合、クーポンを配信する手段として、折り込みチラシの投函、「食べログ」や「ぐるなび」といった総合口コミサイトでのクーポン掲載が挙げられます。
しかし、これらのポータルサイトは有料媒体となるため掲載に費用が発生します。
特に初めて実施する店舗においては広告費用が回収できるかどうかのリスクが気になるでしょう。
しかし、Googleビジネスプロフィールのクーポンは掲載に費用がかからないため、こういった懸念を考慮する必要がありません。
Googleビジネスプロフィールのクーポンは実施したい時にいつでも気軽に無料で投稿ができるため、広告費用の回収を気にする必要はありません。
新規顧客にアプローチしやすい
Googleビジネスプロフィールは、ユーザーが何らかの目的を持って検索した際に表示されるため、既存顧客以外の顕在層にもアプローチしやすいといった特徴があります。
既存顧客以外の見込みのあるユーザーに自社のクーポン情報を表示することができれば、購入に繋がりやすく新規顧客の獲得ができます。
また、冒頭で前述したように、Googleビジネスプロフィールの掲載元であるGoogleマップは他のデジタル地図アプリの中でもユーザー数が圧倒的に多いため、効率的に新規ユーザーへリーチすることが可能です。
参考:『Googleマイビジネスのクーポン機能の使い方は?設定から活用方法まで徹底解説』
クーポンの設定方法
まず、Googleビジネスプロフィールにログイン後、「クーポンを作成」をクリックします。
写真(または動画)、特典(クーポン)のタイトル、開始日時、終了日時を設定します。
特に写真とタイトルはユーザーがクーポンを使いたいどうかの意思決定に関わる部分となりますので、魅力的な写真と興味を引くようなタイトルを設定します。
投稿前にプレビューボタンから実際の表示を確認しましょう。
クーポンを利用する際の注意点
店舗数が複数あり店舗毎に効果測定したい場合には、店舗毎にクーポンコードを発行すると後から効果測定がしやすくなります。
このクーポン機能は無料で利用できる分、いくつでも発行はできますが、その分、効果分析に時間がとられ管理が煩雑になります。
やみくもにクーポンを発行するのではなく、ターゲットとするユーザーと目的を明確に定義してからクーポンを発行するようにしましょう。
関連記事:『広告効果測定はWebマーケに必須!9 つの指標を徹底解説』
「Googleで予約」を活用する
引用:『Googleで予約』
「Googleで予約」とは、Google 検索、Google マップ、Google アシスタントで利用できるGoogleが提供している予約システムです。
現在対応している業種は、飲食店、イベント、美容系(美容室、ネイルサロン、エステ)、フィットネスの4業種のみとなります。
Googleマップの検索結果に表示される店舗一覧に「オンラインで予約」のような文言と主にボタン形式で表示されるのが「Googleで予約」が提供している機能です。
「Googleで予約」の予約システム自体はGoogleと提携しているパートナーが提供しているシステムを活用します。
Googleに対する費用は発生しませんが、パートナーに対する費用は発生します。
利用するパートナーによって費用は変わります。参考として、美容室向けの予約システムを提供しているbarberlyは1店舗で月額3,300円の固定費用がかかります。
参考:『barberly』
「Googleで予約」を利用するメリット
「Googleで予約」を導入すると導入する前と比較して数ステップで予約を完了させることができるため、ユーザーの離脱を防ぐことができます。
自社Webサイトで予約を受け付けようすると一旦Googleマップからユーザーを離脱させWebサイトへ遷移させる必要があります。
こうした不便なUXは成約率を減少させます。
その他のメリットとしてユーザーが予約した後に予約時間が近づくとGoogleカレンダーやGmail宛に通知してくれます。
こうした機能があるとユーザーが予約したことを忘れることなく店舗来店への確度を高めるのに一定の効果が期待できそうです。
「Googleで予約」の設定方法
「Googleで予約」を利用するにはGoogleビジネスプロフィールにログイン後、「予約」をクリックします。
引用:『Googleビジネスプロフィール』
その後、予約システムを設置したいリンクを追加します。
パートナーリンクの追加後は、約1週間程度で予約ボタンがGoogleマップに自動的に表示され、ユーザーはGoogle経由で予約ができるようになります。
参考:『サービス提供事業者経由で予約を設定する』
「インサイト」を活用する
「インサイト」とは分析に活用できる様々なデータを閲覧できる機能です。
インサイトはGoogleビジネスプロフィールにおいて無料で利用できます。
インサイトではユーザーが自社のGoogleビジネスプロフィールを閲覧するまでにどのように検索して辿り着いたのか、その後にどのような行動(例:ウェブサイトのリンクへアクセスする、電話する)に至ったのか等のデータを閲覧することができます。
このようなデータを分析することによって、Googleビジネスプロフィールの改善策や新たな施策へ向けた課題を設定することができるようになります。
「パフォーマンス」
インサイトはGoogleビジネスプロフィールにある「パフォーマンス」から閲覧ができます。
引用:『Googleビジネスプロフィール』
パフォーマンスでは、具体的に以下のインサイトが閲覧できます。
- 検索数
- 検索語句
- プロフィールを閲覧したユーザー数
- マップでのルート検索数
- 通話ボタンのクリック数
- メッセージ数
- 予約数
- 予約クリック数
- すべてのやりとり
- 料理の注文
- 商品の閲覧数
- メニューコンテンツのクリック数
参考:『ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する』
検索語句の内容に応じてどのようなキーワードを自社のGoogleビジネスプロフィールやWebサイトに利用すべきかのSEO対策の指標とすることができます。
ローカル検索広告を活用する
引用:『Googleマップ』
ローカル検索広告とはGoogleが提供する広告でGoogleビジネスプロフィールをGoogleマップの検索結果上位に表示させる広告です。
ユーザーがGoogleマップを開き行きたい店舗のジャンル名をキーワードとして入力し検索すると、そのキーワードに関連する店舗が広告として検索結果の最上位に表示させる仕組みです。
以下画像のようにGoogleマップの検索結果で「広告」と表示されているのがローカル検索広告です。
関連記事:『Googleマップで集客、ローカルキャンペーン!4ステップで簡単配信』
ローカル検索広告のメリット
Googleビジネスプロフィールを上位に表示させることができるため、ユーザーに対して店舗情報の視認性を高めることができます。
視認性の向上によって閲覧数の伸びが期待でき、結果として、お問い合わせの数や店舗への来客数を伸ばすことができます。
競合他社が多い場合、スマホ上でGoogleマップ検索すると、店舗情報が検索結果ファーストビューで見えないケースがありますが、これを回避できるのがローカル検索広告の大きな特徴です。
参考:『Google広告』
ローカル検索広告を活用した「株式会社あさひ」の事例
引用:『Google 広告と Google マイビジネスを活用し、売上アップと来店コンバージョンの計測に成功(店舗集客:あさひ様)』
株式会社あさひは全国に自転車を販売している会社です。
折り込みチラシを中心に広告展開をしていましたが、スマホ世代である若年層へのリーチに課題がありました。
そこで株式会社あさひは、Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の立ち上げだけではなく、ローカル検索広告を配信することによって、ターゲットである若年層への認知施策を実施しました。
その結果として、施策実施前と比較し、来客数+7.6%、店舗売上を+10%上げることに成功しました。
Googleアナリティクスを活用することでローカル検索広告による定量的効果が日に日に実感できたということです。
まとめ
本稿で取り上げた5つのTipsのどれかを実施すればいいのではありません。
全てのTipsを日々の運用の中でコツコツと実施していくことが自社のGoogleビジネスプロフィールを育て上げる点で最も重要です。
しかし、Googleビジネスプロフィールを継続的に運用していくには、手間とリソースがかかります。
特に店舗数が多い場合は、自社でGoogleビジネスプロフィールの運用を抱えることが難しくなってくるケースがあります。
このような問題がある際には、広告代理店にGoogleビジネスプロフィールの運用保守をお願いするのも一つの解決方法です。
広告代理店を利用することで選任の担当者が自社にアサインされ、日々の運営や分析、新規提案、施策の実行まで任せることが可能です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。