Web広告を活用して購買促進や認知度アップを狙いたいとき、以下のような悩みが出てきます。
「広告媒体の1回当たりのクリック単価はいくらなのだろうか…」
このような悩みを抱いていると、計画通りに広告運用はできないため、広告予算の決め方や媒体の選び方を学びましょう。
今回は、広告予算の決め方から主要媒体の広告費用の目安まで解説します。
関連記事:『Google広告の予算設定方法を紹介!コスパを高めるのための3点』
Contents
Web広告費用の目安を決める方法
Web広告費用の目安を決める方法は、3STEPで完了します。
【STEP2】現状の数字を確認する
【STEP3】目的達成に必要なWeb広告費用を算出する
それぞれの手順について具体的に解説します。
【STEP1】 Web広告の目的を決める
最初に広告の目的を決めてください。
その理由は、広告の目的に応じてアクセス数や平均購入単価など、どの数値を伸ばせばよいかが決まるためです。
Web広告の目的には「認知度アップ」と「売上アップ」があります。
- 認知度アップ:新規顧客を増やしたい企業向け
- 売上アップ:既存顧客が一定数いる企業向け
Google Analyticsなど調べて月間の訪問者数が500人以下の場合は、認知度アップを広告の目的に定めることをおすすめします。
関連記事:『リスティング広告のよくある質問5つ!広告代理店のプロが回答』
【STEP2】現状の数字を確認する
次にWeb広告の運用データの現状の数字を確認していきます。
その理由は、現状の数字が把握できなければ、Web広告の費用目安が算出できないためです。
データがない方は、3か月程度はWeb広告を運用してデータを蓄積していきましょう。
Web広告費用を算出するために必要な数字は、以下の通りです。
- アクセス数:Web広告のリンク先のサイトにアクセスされた回数
- 購買率:サイト訪問者から商品購入者への転換率
- 平均購入単価:顧客1人当たりが1回の商品購入時に支払う総額
上記の数字を用意しておけば、Web広告費用の目安を計算できます。
【STEP3】 目的達成に必要な広告費用を計算する
Web広告の目的と運用データの現状の数字を確認できたら、必要な広告費用を計算していきます。
Web広告の目的には「認知度アップ」と「売上アップ」の2つがあるため、それぞれの目的を達成するための広告費用の計算方法をご紹介します。
認知度アップの場合
認知度アップの場合のWeb広告費用の計算式は
「目標アクセス数×クリック単価=広告予算」です。
目標とするアクセス数とクリック単価を把握できれば、すぐに計算できます。
例えば、1ヵ月の目標アクセス数が800でクリック単価が100円の場合の広告予算は80,000円となります。
売上アップの場合
売上アップの場合のWeb広告費用の計算式は
「(目標金額÷平均購入単価)÷購買率)×クリック単価=広告予算」です。
少し複雑な計算式なので分解して、分かりやすく説明します。
- 売上目標を決める
1ヵ月の売上目標を決めてください。
Web広告経由の目標売上:10万円/月
- 平均購入単価を確認する
平均購入単価(売上÷購入者数)を確認してください。
売上20万円で50人の顧客が購入してくれた場合の平均購入単価の計算式は以下の通りです。
平均購入単価:200,000円÷50人=4,000円
- 売上目標達成に必要な顧客数を計算する
平均購入単価が把握できたら、何人が商品購入すれば売上目標の10万円に達成するか「目標金額÷平均購入単価=必要な顧客数」で計算していきます。
必要な顧客数:100,000円÷4,000円=25人
- 必要なアクセス数を計算する
何人にWeb広告を見てもらえれば、必要な購入数に達するのか必要なアクセス数を計算します。
必要なアクセス数は「必要な顧客数÷購買率=必要なアクセス数」で計算します。
必要なアクセス数:25人÷0.05=500人
- 必要なアクセス数から広告予算を計算する
集客すべきアクセス数が把握できたら、どのぐらいの広告予算がかかるかを「必要なアクセス数×クリック単価=広告予算」で計算してください。
クリック単価が100円の場合は以下の計算式になります。
広告予算:500人×100人=50,000円
参考:カラーミーショップ『ネットショップの広告費用の目安は?広告予算の決め方を解説!』
Web広告費用の目安を決める際の注意点
Web広告費用の目安の決め方は理解して頂けたと思いますが、注意しなければ広告運用は失敗してしまいます。
そのため、Web広告費用の目安を決める際の注意点を覚えておきましょう。
広告代理店に依頼する場合は手数料を上乗せする
広告代理店に広告運用を依頼する場合は手数料が別途かかります。
広告代理店の運用手数料の平均相場は売上の20%です。
例えば、リスティング広告に100万円を投入した場合は、運用手数料として20万円を別途支払わなければいけません。
広告代理店に広告費100万円と運用手数料20万円を合算した120万円を支払うことになります。
広告代理店に支払う運用手数料を度外視すると、計画が破綻する恐れがあるため気をつけてください。
参考:『リスティング広告を代理店に依頼する際の手数料やメリット・選び方について解説!』
関連記事:『リスティング広告【自社運用・代理店運用】を4つの切り口で解説!』
売上に対する広告費用の割合を考える
Web広告費用の目安の計算方法を説明しましたが、売上に対する広告費用が一定の割合を超えると経営難に陥ります。
そのため、売上に対する広告費用の割合は同じ業界の平均相場を参考にして決めていきましょう。
業界 | 売上に対する広告費用の割合 |
外食 | 5% |
健康食品 | 10% |
化粧品 | 15%~20% |
不動産 | 4% |
通販・サービス | 15%~20% |
流通 | 1%~3% |
飲料 | 5% |
金融 | 5% |
参考:『販促の大学 業種別・業界別広告宣伝費(販促費)の売上比率・割合の平均は?最適な広告予算を立てよう』
関連記事:『リスティング広告のCPA改善方法7選!【業種別の平均CPAを徹底解説】』
Web広告を選ぶ前に知りたい6つの費用形態
広告費用の予算が決まったら、Web広告の種類を選んでいきます。
しかし、Web広告の7つの費用形態を理解せずに広告出稿すると予算が膨らむ恐れがあります。
そのため、最初にWeb広告の費用形態について理解しておきましょう。ここでは、Web広告の費用形態について解説します。
インプレッション課金型
インプレッション課金型とは、広告の表示回数に応じて課金される広告です。
広告単価の指標はCPM(Cost Per Mille)で1,000回表示当たりの広告費で課金されます。
クリック率が高いほどクリック課金型広告より単価が安価になるというメリットがあります。
インプレッション課金型の対応媒体
- Google広告
- Yahoo!広告
- Facebook広告
- Instagram広告
- Twitter広告
- LINE広告
参考:『アド論 インプレッション課金型広告について、理解していますか?いまさら聞けないweb広告用語』
クリック課金型
クリック課金型とは、広告がクリックされた回数に応じて課金される広告です。
クリック1回当たりの単価を設定し、クリックに対して料金が発生するため、広告が表示されただけでは課金されません。
クリックしたユーザーは広告に興味を持ったということになるため、認知度アップや購入促進したい場合に向いています。
参考:『intage クリック課金型広告とは』
クリック課金型の対応媒体
- Google広告
- Yahoo!広告
- Facebook広告
- Instagram広告
- Twitter広告
- LINE広告
関連記事:『Web広告【PPC広告とは?】 代表3種類や費用の仕組みを解説!』
エンゲージメント課金型
エンゲージメント課金型とは、1エンゲージメント獲得に応じて課金される広告です。
SNSなどでユーザーがシェアやフォローなど行動を起こしたときに課金されます。
エンゲージメント課金型のメリットは、一定のエンゲージメントとなるアクションが発生しない限り料金が発生しないことです。
Twitterなどでリツイートされた場合は費用が発生しますが、リツイートされたツイートをお気に入りやクリックされた場合は費用請求の対象とはなりません。
そのため、認知度アップを目的に情報を拡散したい場合に向いています。
エンゲージメント課金型の対応媒体
- Twitter広告
参考:『JAJAAAN! Web広告の料金形態まとめ!種類ごとの特徴やメリット・デメリットは?』
動画視聴課金型
動画視聴課金とは、動画再生1回あたりで課金される広告です。
一定の条件で再生された段階で課金対象となります。
再生時間など条件が満たされなければ課金は発生しないため、リスクが少ないです。
動画広告はテキストや画像の広告とは異なり、映像と音声で大量の情報が届けられるとして注目を浴びています。
動画視聴課金型の対応媒体
- Instagram広告
- Twitter広告
参考:『HubSpot 動画広告の種類、課金方式、メリット、活用のポイントについて徹底解説』
成果報酬型
成果報酬型とは、Web広告を出稿して商品購入に至った時点で、購入金額に応じて一定の比率の成果報酬が課金される広告です。
広告費用の算出がしやすく、無駄のない広告費が管理できます。
成果報酬型の広告料は商品代金の数パーセントのものが一般的です。
成果報酬型の対応媒体
- Google広告
参考:『ferret 成果報酬型広告』
関連記事:『成果報酬型リスティングサービスとは?4つの特徴を徹底解剖』
掲載期間保証型
掲載期間保証型とは、Webサイトの特定ページへの掲載期間を保証するものです。
アクセス数が多いWebサイトでバナー広告枠として用意されていることが多いです。
掲載期間中は同じ場所で常に広告が掲載されます。
掲載期間は1週間から1ヵ月と指定することができ、広告主が定めた費用を支払う必要があります。
掲載期間保証型の対応媒体
- Yahoo!広告
参考:『日経XTECH 掲載期間保証型広告』
6種類の主要広告媒体のWeb広告費用の目安
広告予算に応じた広告媒体を選んでいきましょう。
ここでは、6つの主要媒体の広告費用の目安について解説します。
Google広告
引用:『Google 広告』
Googleは、約1億2,000万人のユーザーが使用しています。
Google広告の大きな特徴は、予算の範囲で特定ユーザーに向けた広告配信ができることです。
キーワード選定の難しさがありますが、見込み度の高いキーワードを選ぶことで費用対効果を上げることができます。
また、商品購入に繋がらないキーワードを除外すれば、クリック率やコンバージョン率が上げられます。
Google広告は男性比率が高く、サラリーマンなどビジネスユーザーが多いです。
Google広告の費用は以下の通りです。
クリック課金 | 50~500円/クリック |
インプレッション課金 | 10~500円/1,000imp |
コンバーション課金 | CPAの1.5倍程度 |
参考:『Databeat Google広告の費用がまるわかり!課金方式や費用相場、予算の決め方、代理店手数料まで詳しく解説』
関連記事:『Googleリスティング広告で効果を上げるための10のポイント』
Yahoo!広告
引用:『LINEヤフー for Business』
Yahoo!は約9,300万人のユーザーが使用しています。
Yahoo!広告は、Yahoo!JAPANが提供するサービス上に広告配信ができることが大きな特徴です。
さらに、Yahoo!が提携するWebサイトにも広告配信ができます。
また、Googleと比較すると女性の比率が高く、主婦層のユーザーが多いことも特徴です。
Yahoo!広告の費用は以下の通りです。
クリック課金 | 80~1,000円/クリック |
インプレッション課金 | 10~500円/1,000imp |
参考:『Databeat Yahoo!広告の予算がまるわかり!種類別目安予算や上手な予算管理方法まで詳しく解説』
関連記事:『【初心者向け】Yahoo!検索広告のターゲティング4種の特徴を解説』
引用:『Facebook広告』
Facebookは約29.1億人のユーザー数を誇る利用者No.1のSNSです。
Facebook広告はアプリやブラウザ上に広告を配信できます。
広告フォーマットが豊富なことが大きな特徴です。
また、Facebookは実名で登録しているユーザーが多いため、精度の高いターゲティングができることが魅力となっています。
Facebook広告の費用目安は以下の通りです。
クリック課金 | 100~200円/クリック |
インプレッション課金 | 100~500円/1,000imp |
参考:『Databeat Facebook広告の費用がまるわかり!課金方式や費用相場、代理店手数料まで詳しく解説』
関連記事:『Facebook広告の費用対効果は高い?クリックコストを下げる3つの方法』
引用:『instagram広告』
Instagramはアクティブユーザー数10億人を突破しており、若い世代を中心にユーザーが増えています。
ユーザーの好みや興味を汲み取った広告配信により、認知度アップが期待できます。
また、ショッピング機能を活用すれば商品の購買促進ができることも大きな特徴です。
しかし、Instagramはシェア機能がないなど、他のSNSとは大きく異なる仕様なので、その点だけは気をつけておきましょう。
Instagram広告の費用目安は以下の通りです。
クリック課金 | 40円~100円/クリック |
インプレッション課金 | 1,000円/1,000imp |
アプリインストール課金 | 100円~150円/インストール |
動画視聴課金 | 4円~7円/回 |
参考:『ANAGRAM Instagram広告とは?費用やはじめ方、運用方法を解説』
関連記事:『Instagram広告とは?3つの特徴と広告配信のポイントを解説』
引用:『Twitter ビジネス』
Twitterは月間アクティブユーザー数は約3億人を突破しており、一般のツイートと同じ形式で表示されるため、広告色の強くない配信ができることが大きな特徴です。
投稿がリツイートされれば情報が拡散されるため、認知度向上やブランディングに高い効果を発揮します。
Twitter広告の費用目安は以下の通りです。
クリック課金 | 24円~200円/クリック |
インプレッション課金 | 400円~650円/1,000imp |
アプリインストール課金 | 100円~250円/インストール |
動画視聴課金 | 5円~20円/回 |
フォロー課金 | 40円~100円/フォロー |
エンゲージメント課金 | 40円~100円/エンゲージメント |
参考:『Databeat Twitter広告の費用がまるわかり!課金形態や費用相場、代理店手数料まで詳しく解説』
関連記事:『Twitter広告で費用対効果をUPさせる5つの秘訣!その特徴を解説!』
LINE
引用:『Line for Business』
LINEは月間アクティブユーザー数は約1.7億人を突破しており、LINEアプリ内に表示される広告枠を提供しています。
LINE広告は地域や性別、年齢、スマートフォンのOS、興味や関心など非常に細かいターゲティングができることが大きな特徴です。
LINE広告の費用目安は以下の通りです。
クリック課金 | 24円~200円/クリック |
インプレッション課金 | 400円~650円/1,000imp |
関連記事:『LINE広告とは?14種類や費用、配信方法をわかりやすく解説』
まとめ
今回は広告予算の決め方から、主要媒体の広告費用の目安を紹介しました。説明が長くなったため、最後に広告費用の目安の計算方法をおさらいしておきましょう。
広告費用の目安の計算方法
【STEP2】現状の数字を確認する
【STEP3】目的達成に必要なWeb広告費用を算出する
上記で広告費用の予算が算出できたら、どの広告媒体が良いか検討してみてください。
広告予算の範囲で計画を立てて運用することが大切です。
ぜひ、この記事を参考にWeb広告を運用してみてくださいね。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。