広告を運用する中で、検索結果の上部に広告を表示させるためには、広告の運用状況の把握や改善は欠かせません。
2024年5月時点では、Googleの検索結果に表示される広告のクリック率について以下のデータが出ています。
Googleの検索結果の順位 | クリック率 |
1位 | 2.1% |
2位 | 1.4% |
3位 | 1.3% |
4位 | 1.2% |
参考:『Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2024』
このデータから分かるように、広告の掲載順位が高くなるほどクリック率も比例して高くなっています。
より多くのユーザーにリーチし広告の効果を高めるためにも、高い順位での広告の掲載は重要となります。
広告の掲載順位を上げたいと考えている方で「自社の広告運用状況を知りたい」「競合他社の広告の掲載状況を把握したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで役立つのが「Google広告オークション分析」です。
Google広告オークション分析は、6つのデータを基に自社の広告・競合他社の広告の運用状況を把握することができ、広告改善に役立たせることが可能です。
今回の記事では、Google広告オークション分析の6つのデータの種類や3つのメリット、確認方法までまとめて解説をしていきます。
Yahoo!検索広告で自社の広告と競合他社の広告の掲載状況の把握や比較を行いたい場合は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:『Yahoo!検索広告のオークションインサイト機能とは?確認方法5STEP!』
Contents
Google広告におけるオークションとは
引用:『オークション Google広告ヘルプ』
ユーザーがGoogleの検索エンジンで検索した際に表示されるリスティング広告は、オークションによって掲載順位が決定します。
オークションは以下の6つの要素を加味して、判断されます。
- 入札単価
- 広告の品質
- 広告アセット・広告フォーマットによる効果
- 広告ランクの下限値
- 広告のコンテキスト
- オークションにおける競争力
参考:『Google広告のオークションの仕組み Google広告ヘルプ』
上記のどの要素を改善するべきなのかを判断するのに役立つ機能として「Google広告オークション分析」が挙げられます。
では、Google広告オークション分析について詳しく解説していきます。
参考:『Google広告のオークションの仕組み Google広告ヘルプ』
関連記事:『品質スコアとは?具体的な改善方法3つを紹介!注意点も解説』
Google広告オークション分析とは
Google広告オークション分析とは、Google検索広告のオークションに参加している他社広告と自社広告の出稿状況を比較し、分析できる機能です。
Google広告のオークション分析では複数のデータを基に広告の運用状況を確認することが出来ます。
それに加えて、時間帯や期間、デバイス別でのデータを見ることも可能です。
競合他社の広告の運用状況を把握することで、自社広告を効率的に運用するカギとなります。
参考:『オークション分析レポートでパフォーマンスを比較する Google広告ヘルプ』
参考: 『Google広告のオークション分析とは?各指標の解説やレポートの見方や活用方法も紹介!』
分析情報が表示される条件
Google広告オークション分析は以下に該当した場合に表示されます。
- 指定した期間内にキャンペーンが有効になった
- 掲載結果に大きな変化があった
- オークションの競合が掲載結果の変化の要因になっている
オークション分析にて広告の運用状況に大きな変化が見られない場合や、指定した期間やキーワードに関する分析データが足りていない場合は、分析情報が表示されない可能性があります。
そういった際は「少し期間を開ける」「指定した情報を変更する」といった対応を取りましょう。
参考:『分析情報が表示されない理由 Google広告ヘルプ』
参考: 『Google広告のオークション分析とは?各指標の解説やレポートの見方や活用方法も紹介!』
Google広告オークション分析を活用する3つのメリット
Google広告オークション分析を利用することで以下の3つのメリットを得ることができます。
- 自社の広告の掲載状況について分析することができる
- 競合他社の広告の運用状況を把握することができる
- レポートエディタで分析結果を見ることができる
順番に解説していきます。
自社の広告の掲載状況について分析することができる
Google広告オークション分析を使用することで、自社の広告効果を把握し、改善へと役立てることができます。
例えば、オークション分析で「重複率70%」と表示されていたとします。
重複率70%は広告の表示回数全体の70%が、競合他社と同じタイミングで広告が表示されていることになります。
そのため、自社の広告文が「10%OFF」なのに対して競合他社の広告文で「30%OFF」と記載されていた場合、ユーザーは競合他社の広告に流れて行ってしまう恐れがあります。
こういったときは、広告文の変更など広告の改善が必要となります。
Google広告のオークション分析は、自社の広告の運用状況の把握し、効果的な広告運用を行うために役立つ機能となります。
競合他社の広告の運用状況を把握することができる
Google広告のオークション分析を使用することで、自社だけでなく、競合他社の広告の運用状況についても確認することが可能です。
競合他社の広告のインプレッションシェアや、上位表示率などを自社の広告出稿状況と照らし合わせることで、広告戦略に役立てることができます。
「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」単位で各データを確認することが可能です。
例えば、オークション分析でキーワード単位で見た際に、同じキーワードである競合他社の上位表示率が自社よりも高かった場合、キーワードの見直しなどが必要となります。
リスティング広告で効果的に競合他社の広告を分析する方法は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:『リスティング広告の競合調査方法!4つのステップで効果的に分析』
レポートエディタで分析結果を見ることができる
引用:『オークション分析レポートをレポートエディタに展開する Google広告ヘルプ』
Google広告のオークション分析では、レポートエディタの使用によってデータを簡単に視覚化することができます。
レポートエディタでは、広告の出稿状況のデータを分析し、表やグラフを作成する機能があります。
オークション分析の画面では数値が並んだテーブルでの表示ですが、レポートエディタを使用することで、多数のグラフで各データを確認することが可能となります。
作成できるグラフの種類は以下の通りです。
- 表
- 棒グラフ
- 縦棒グラフ
- 折れ線グラフ
- 円グラフ
- 散布図
上記のグラフを使用し、時間帯や期間を指定して広告のパフォーマンスの変化を、競合他社と比較することができます。
レポートエディタを使用し、各データをグラフにすることで広告の運用状況を把握しやすくなります。
参考:『Google広告のオークション分析レポートの作成手順|設定方法と活用メリット』
参考:『オークション分析レポートをレポートエディタに展開する Google広告ヘルプ』
参考:『レポートエディタでカスタムレポートを作成する Google広告ヘルプ』
リスティング広告で役立つレポートについては以下の記事をご覧ください。
関連記事:『リスティング広告に役立つレポートサンプル配布!4つのサイトを紹介』
Google広告オークション分析で確認できるデータの種類
Google広告のオークション分析では、以下の6つのデータを確認することが出来ます。
- インプレッションシェア
- 広告の重複率
- 優位表示シェア
- 上位掲載率
- ページの上部表示率
- 最上部表示率
各キャンペーンによって確認できるデータは以下の通りです。
データの種類 | 検索キャンペーン | ショッピングキャンペーン | P-MAXキャンペーン |
インプレッションシェア | 〇 | 〇 | 〇 |
広告の重複率 | 〇 | 〇 | 〇 |
優位表示シェア | 〇 | 〇 | 〇 |
上位掲載率 | 〇 | × | × |
ページ上部表示率 | 〇 | × | × |
最上部表示率 | 〇 | × | × |
それでは、それぞれの指標について順番に解説していきます。
参考:『Google広告のオークション分析とは?各指標の解説やレポートの見方や活用方法も紹介!』
参考:『オークション分析レポートでパフォーマンスを比較する Google広告ヘルプ』
インプレションシェア
インプレッションシェアは、表示される可能性のあった広告の総回数を、実際に広告が表示された回数(インプレッション数)で割った割合を指します。
インプレッションシェア=実際に表示された回数÷表示される可能性のあった合計回数
表示される可能性のあった合計回数は「ターゲット設定」「承認状況」「品質」などによって見積もられています。
例えば、表示される可能性のあった合計回数が「1,000回」に対して、実際に表示された回数が「200回」だった場合以下の算出形式で割り出されます。
200回÷1000回=20%
この場合、広告が表示される機会を80%も失っているということが分かります。
そのため、インプレッションシェアが低い場合は、入札単価の引き上げやターゲットの見直しなどを行う必要があると言えます。
インプレッションシェアが高ければ、その分ユーザーに対して広告を表示することができているため、ブランド認知度を高める機会が増えていると言えるでしょう。
関連記事:『検索広告のインプレッションシェアとは?損失率を改善する4つの施策』
広告の重複率
広告の重複率は、自社広告と他社広告が同時にインプレッションを獲得した割合を指します。
例えば、競合A社との重複率が70%であった場合、自社の広告表示回数の全体の70%が、競合A社の広告と同じタイミングで表示されているということになります。
競合他社の広告内容の方が自社の広告内容よりも、ユーザーにとって有益であったりお得などと感じたらクリック率が低下する恐れがあります。
この場合は、競合A社の広告文やキーワードを自社のものと照らし合わせて重複している部分の変更などの対応が必要となります。
このように、競合他社と重複度を把握することで、競争の激しいオークションを回避し、効率的な広告配信への改善を行うことが可能となります。
参考:『Google広告の「オークション分析」とは?活用のポイントも解説!』
優位表示シェア
優位表示シェアは、「自社の広告が競合他社の広告よりも上位で掲載された割合」または、「自社広告のみが掲載された割合」を指します。
優位表示シェアが高いと競合他社の広告より優れており、自社の広告の方が優位に表示されていることが読み取れます。
逆に、優位表示シェアが低いと競合他社の広告が上部に掲載されていたりと広告戦略が自社より優れているということになります。
優位表示シェアが低い場合は、競合他社と別のキーワードを選定し直したりと広告ランクを高めるといった対策が必要となります。
上位掲載率
上位掲載率は、自社の広告よりも競合他社の広告が検索結果上位に掲載された割合を指します。
つまり、上位掲載率が高ければその分競合他社に広告掲載の機会を奪われているということになります。
ページの上部表示率
ページの上部表示率は、ユーザーが検索した際に自社の広告が検索結果上部に表示された割合を指します。
検索した際に上部に表示される広告は最大で4つとなっており、この4つの中に入っていれば、自社の広告が検索結果のページ上部に表示されていることになります。
例えば、広告が全部で500回表示され、ページ上部表示率は40%だった場合、そのうちの200回が検索結果のページ上部4つ以内に表示されたということになります。
ページ上部表示率は、自社の広告がどのくらいの位置に掲載されているかを把握する重要な数値となっています。
ページ上部表示率が高ければ、競合他社に比べて高い割合で上位に表示され、多くのユーザーへのリーチができていると言えます。
それに対してページ上部表示率が低ければ、自社広告よりも、競合他社の広告の露出度が高いことを表します。
関連記事:『【初心者向け】SEOライティングで上位表示を狙うための9つのコツ』
最上部表示率
最上部表示率は、ユーザーが検索した際に自社の広告が検索結果の最上部に表示された割合を指します。
前項でご紹介したページ上部表示率は、検索結果上部の1個~4個のうちに表示された割合いでしたが、最上部表示率は検索結果の1番上に表示された割合を指します。
例えば、全部で広告が1,000回表示された際に、最上部表示率が20%だった場合、検索結果の最上部には200回表示されたことになります。
検索結果最上部での広告の表示は、ユーザーの目に留まりやすいためクリックしてもらえる可能性が高く、高い効果を得ることが期待できます。
参考:『オークション分析レポートでパフォーマンスを比較する Google広告ヘルプ』
参考:『Google広告の「オークション分析」とは?活用のポイントも解説!』
Google広告オークション分析の活用方法
Google広告のオークション分析は、効果的に広告を運用していく際に役立ちます。
では、どういった場合に活用すればいいのでしょうか。
Google広告のオークション分析が役立つ以下のシチュエーションを順番に解説していきます。
- 人気のキーワードを知りたい
- 季節や時間帯別で最適な広告配信のタイミングを知りたい
人気のキーワードを知りたい
広告出稿にあたり、キーワードの選定はコンバージョンの獲得やクリック率を高めるために重要となります。
Google広告のオークション分析では、特定のキーワード単位で競合他社でどの程度の広告が出稿されているかを確認することができます。
参考:『Google広告の「オークション分析」とは?活用のポイントも解説!』
関連記事:『リスティング広告の正しいキーワード選定手順とは?3ステップで解説』
季節や時間帯別で最適な広告配信のタイミングを知りたい
Google広告のオークション分析では、時期や時間帯別に分けて競合他社の広告運用状況を把握することが可能です。
例えば、ショッピングキャンペーンを運用し、商品を宣伝しているとします。
競合他社も含め季節ごとのイベントや、年末セールに向けて商品を宣伝することが多いと思います。
そんな時に、オークション分析を活用し過去のデータを基に特定の時期の広告の運用状況を把握することで「他社と期間をずらして宣伝する」「キーワードや広告文の差別化」などを図ることができます。
このように、Google広告のオークション分析で特定の期間に限定して広告の運用状況を把握することで、より効果的に広告を宣伝することが期待できます。
参考:『Google Ads Auction Insight Report: Gleaning Data from Competitors』
関連記事:『【初心者向け】Googleショッピング広告の仕組みと4つのメリット』
Google広告オークション分析の各項目の確認方法
Google広告のオークション分析では、「キャンペーン」「広告グループ」「検索キーワード」ごとに広告運用状況を確認することができます。
この章では、オークション分析のデータの確認方法を4つの項目に分けて解説していきます。
- 各単位での確認方法
- 分類した情報の確認方法
- 「カスタム」での確認方法
- レポートエディタでの確認方法
参考:『Google広告の「オークション分析」とは?活用のポイントも解説!』
参考:『オークション分析レポートでパフォーマンスを比較する Google広告ヘルプ』
各単位での確認方法
初めにGoogle広告管理画面にログインします。
キャンペーン単位
➀「キャンペーン」を選択
サイドバーから「キャンペーン」の項目を選択します。
➁「オークション分析」をクリック
確認したいキャンペーンに「✓」マークをいれ「オークション分析」をクリックします。
広告グループ単位
➀「広告グループ」を選択
サイドバーから「広告グループ」の項目をクリックします。
➁「オークション分析」をクリック
確認したい広告グループに「✓」マークをいれ「オークション分析」をクリックします。
検索キーワード単位
➀「検索キーワード」を選択
サイドバーの「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」の中にある「検索キーワード」をクリックします。
➁「オークション分析」をクリック
確認したい検索キーワードに「✓」マークをいれ「オークション分析」をクリックします。
分類した情報の確認方法
既にご紹介したようにGoogle広告オークション分析では、時間やデバイスごとに分類することができます。
➀「分類」をクリック
オークション分析の画面の右側にある「分類」をクリックし、「時間」「デバイス」を選びます。
時間では次の単位別で表示されます。
- 日
- 週
- 月
- 四半期
- 年
- 曜日
「カスタム」での確認方法
前項で解説した「分類」だけでなく、「カスタム」を利用して過去の期間を指定して広告の運用状況を把握することもできます。
➀「カスタム」をクリック
「カスタム」では、自身でより細かく期間を指定することができます。
指定できる期間は以下の通りです。
- 今日
- 昨日
- 今週(日~今日)
- 過去7日間
- 先週(日~土)
- 過去14日間
- 今月
- 過去30日間
- 先月
- 全期間
- 30日までの間での期間指定
また、「比較」を有効にすると「2カ月前」「前年」「自身で設定した期間」でそれぞれ指定した2つの期間を比較することも可能です。
レポートエディタでの確認方法
➀「レポートエディタ」を選択
「分析情報とレポート」のプルダウンメニューから「レポートエディタ」を選択します。
➁「検索」「ショッピング」のいずれかを選択
レポートエディタの画面になったら、下にスクロールをし「競合視認性」の項目から「検索」「ショッピング」のどちらかを選択します。
➂グラフの作成
表のプルダウンメニューをクリックすると、グラフの種類が表示されるため、作成したグラフを選択して作成しましょう。
参考:『Google広告の「オークション分析」とは?活用のポイントも解説!』
参考:『オークション分析レポートでパフォーマンスを比較する Google広告ヘルプ』
参考:『オークション分析レポートをレポート エディタに展開する Google広告ヘルプ』
関連記事:『【分析におすすめ】Looker Studioの使い方とは?設定方法の3STEP』
まとめ
今回の記事では、Google広告オークション分析のデータの種類やメリット、確認方法までまとめて解説を行いました。
Google広告のオークション分析では、自社の広告・競合他社の広告の運用状況を併せて把握することで、掲載順位を上げ、より効果的な広告配信をすることが出来ます。
この記事を読んで、自身で広告の運用状況を把握し広告改善に役立てることが少しでも難しいと感じた方は、広告代理店に任せるのも1つの方法です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。