Web広告の運用においては、最適な配信先や訴求方法を見つけ出すことが非常に重要です。
自社の商品・サービスに合う形を探り当てるには「さまざまなパターンで配信を行い、試行錯誤を経る必要がある」と考えている方もいるでしょう。
しかし、実際に一つひとつのパターンを試すには時間や手間がかかります。
そこでおすすめしたいのが、今回ご紹介するMicrosoft広告の「PMAXキャンペーン」です。
AIの学習機能によって最適な配信パターンを見つけ出せるうえ、Microsoft広告が保有する多彩な配信面に広告を配信することができます。
この記事では、Microsoft広告のPMAXキャンペーンの特徴やメリット、注意点のほか、設定項目について詳しく解説します。
Microsoft広告またはPMAXキャンペーンの導入を検討しているなら、ぜひ参考にしてください。
Contents
Microsoft広告PMAXキャンペーンとは?
まずは、Microsoft広告のPMAXキャンペーンの概要についてみていきましょう。
Microsoft広告はまだ日本でリリースされて日が浅いため、導入するかどうかを検討している企業も多いのではないでしょうか。
ここでは、PMAXキャンペーンとあわせて、Microsoft広告についてもご紹介します。
Microsoft広告について
Microsoft広告(正式名称:Microsoft Advertising)は、ソフトウェア開発などを手がける米国のMicrosoft社によるWeb広告サービスです。
日本版は、2022年5月にサービスの提供が開始されています。
Microsoftの検索エンジン「Bing」をはじめ、Microsoft Edge、MSN、Outlookなど多彩な配信面を利用できるのが魅力です。
さらに、Microsoft社が手がけるサービス以外にYahoo!やAOLなどの広告枠にも配信ができます。
参考:『Microsoft『Microsoft Advertisingによる広告の表示場所』』
参考:『アナグラム株式会社『Microsoft広告(マイクロソフト広告)とは?特徴やメリット、仕様や注意点まで基本をご紹介』』
Microsoft広告については以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
関連記事:『Microsoft広告とは?基本情報と4つの特徴を解説!』
PMAXキャンペーンとは
Microsoft広告のPMAXキャンペーンとは、AIを活用した広告配信の新たなキャンペーンタイプです。
正式名称は「Performance Maxキャンペーン」といいます。2023年7月にベータ版がリリースされました。
Microsoft AIによって広告配信が自動化されるのが特徴で、Microsoft広告の幅広い配信面に広告が表示されます。
膨大な選択肢のなかから、機械学習によって最適な広告枠や配信方法を探り当てます。
Google広告では、すでに同様のキャンペーンタイプが「P-MAXキャンペーン」として2021年11月から提供されています。
すでにGoogle広告でこのキャンペーンの運用を行っている場合、Microsoft広告の管理画面にデータをインポートが可能です。
参考:『株式会社インフィニティエージェント『【Microsoft広告】PMAXキャンペーンがβ版リリース!』』
参考:『SO Technologies株式会社『P-MAXキャンペーンとは?特徴・メリット・導入方法を簡単解説』』
以下の関連記事では、Google広告のP-MAXキャンペーンの詳細についてチェックしていただけます。
関連記事:『Google広告P-MAXキャンペーンとは?機能と入稿の5ステップを解説』
PMAXキャンペーンを活用するメリット
Microsoft広告のPMAXキャンペーンを活用するメリットとして、広告運用の効率化が挙げられます。
Web広告のプラットフォームを利用する際は、自社の商品・サービスや対象となるユーザーのニーズにあった配信先や訴求方法(広告クリエイティブ、広告文など)を見つける必要があります。
PMAXキャンペーンの場合、AIが機械学習を進めるなかで膨大な選択肢のなかから最適な配信方法を探り当てるため、広告主がさまざまなパターンを試す時間を削減できるのです。
また、前述のようにGoogle広告のP-MAXキャンペーンデータをインポートできるため、すでに運用している場合はスムーズに導入できます。
自動配信が行われるので、多くの広告を運用していて一つのプラットフォームに時間をさけない場合や、リソースが少ない場合に適しています。
参考:『株式会社インフィニティエージェント『【Microsoft広告】PMAXキャンペーンがβ版リリース!』』
PMAXキャンペーン導入時の注意点
PMAXキャンペーンを導入する際の注意点についてもお伝えします。
Microsoft広告のPMAXキャンペーンは、キャンペーン作成から広告の自動配信が開始されるまでにタイムラグが発生します。
通常は1週間以内にはスタートしますが、最大で10日かかるケースもあるので覚えておきましょう。
また、Microsoft AIに配信のパターンを学習させる期間が必要なため、広告配信開始からすぐに最適化された運用ができるものではありません。
学習期間は最大で2週間程度かかるとみてください。
設定から配信開始、パフォーマンスの向上までにある程度の時間を要するため、導入が決まったら早めに設定を行うことをおすすめします。
なお、2024年1月時点では、日本国内で提供されているPMAXキャンペーンはベータ版となります。
運用を開始する際は、Microsoft広告の窓口やサポートセンターへの問い合わせが必要です。
参考:『アタラ合同会社『Microsoft 広告、新しいキャンペーンタイプPerformance Maxをローンチ』』
広告の機械学習について理解を深めたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。
関連記事:『広告の機械学習促進施策5選!教師ありAIで広告最適化!』
PMAXキャンペーンの設定項目を解説
PMAXキャンペーンの利用を開始するには、「キャンペーンの作成」と「資産グループの設定」を行う必要があります。
ここでは、各設定項目のなかでもとくに重要なものをみていきましょう。
キャンペーンの作成
キャンペーン目標
まずは、Microsoft広告の管理画面から新たな広告キャンペーンを作成します。
キャンペーンの目標を以下から設定し、「Performance Max」を選択します。
- Webサイトへの訪問数
- ビジネス拠点への訪問数
- Webサイトでのコンバージョン数
- カタログからの商品の販売
予算と入札戦略
1日に使用する予算と、入札戦略を選択することができます。
Microsoft広告は、広告がクリックされるたびに費用が発生するPPC(クリック課金)型です。
入札戦略には、以下の2種類があります。
入札戦略 | 目的 |
コンバージョン値の最大化 | 価値の高いコンバージョンを獲得し、キャンペーンの総販売額の最適化を目指す。予算内で合計コンバージョン値を最大限にするために、入札単価がリアルタイムで自動設定される。 |
コンバージョンを最大化する | 予算内でなるべく多くのコンバージョン数を獲得することを目指し、入札単価がリアルタイムで自動設定される。 |
PPC広告について知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
関連記事:『Web広告【PPC広告とは?】 代表3種類や費用の仕組みを解説!』
マーチャントセンターストアの選択
商品広告を配信する場合、Microsoftマーチャントセンターに情報を登録しておく必要があります。
マーチャントセンターに登録した情報は、商品広告のフィードの役割を果たします。
PMAXキャンペーンの設定画面で、キャンペーンで使用するストアを選択してください。
コンバージョン
コンバージョンとしてカウントするユーザー行動を設定します。
キャンペーン独自のコンバージョン設定を行う、またはアカウントのコンバージョン設定をそのまま引き継ぐという選択が可能です。
なお、コンバージョンの計測にあたり、Microsoft広告が提供するUETタグ(ユニバーサルイベントトラッキングタグ)を導入する必要があります。
最終的なURL展開
広告をクリックした後に遷移するページ(最終的なURL、つまりランディングページ)を最適化するための設定です。
これを有効にすることで、コンバージョンを獲得するのに最も最適であるとAIが判断したWebページをランディングページとして設定します。
なお、最終的なURLに選ばれたページの画像やテキストを使って広告が生成されます。
資産グループの設定
資産グループの設定では、広告を生成するのに必要な情報(商品情報、ランディングページ、広告に使用する画像やテキスト、自社の情報など)を入力します。
製品の追加
設定したマーチャントセンターストアのなかから、広告に使用する商品を選択します。
PMAXキャンペーンでは、一度設定したストアを別のストアに変更することができません。
ストアを変更する際は、新しいキャンペーンの作成が必要となります。
最終URL
広告をクリックした際に遷移されるページ(ランディングページ)のURLを入力します。
前述のように「最終的なURL展開」の設定を有効にしている場合、最終URLが最適化され別のWebページに置き換えられる場合があります。
画像・ロゴ
広告を生成する際に使用する画像を登録します。
登録できる画像数の上限は20個です。
画像は縦横比によって、登録が必須のものと追加登録推奨のものがあります。
必須の画像
縦横比 | ピクセル |
1.91:1 | 最小703×368 |
1:1 | 最小300×300 |
追加を推奨する画像
縦横比 | ピクセル |
1:2 | 最小470×940 |
4:1 | 最小608×152 |
1.5:1 | 最小300×200 |
1.33:1 | 最小100×75 |
1.78:1 | 最小624×350 |
加えて、最大で5個までブランドロゴの登録が可能です。
広告見出し・広告の説明
広告の生成に必要なテキスト情報を入力します。
広告見出し
短い見出し(30文字以下)を最大15個、 長い見出し(90文字以下)を最大5個まで設定可能です。
広告の説明
広告の説明(90文字以下)を最大で5個まで入力可能です。
この説明部分は広告の中でもとくに目立つテキストとなります。
広告文の精度を上げるなら、ぜひこちらの記事をお役立てください。
関連記事:『【初心者向け】成果を上げる広告文の作り方と8つの訴求軸を解説』
対象ユーザーのシグナル
対象となるユーザーのシグナルを作成したり、既存のユーザーのシグナルを選択することで、コンバージョンの見込みが高い層にターゲティングができます。
設定できるシグナルの種類は以下となります。
- リマーケティング
- 購買意向の強いユーザー
- カスタマーマッチ
- カスタム オーディエンス
- 動的リマーケティング
- 類似オーディエンス
- カスタムの組み合わせリスト
- 年齢
- 性別
広告表示オプション
登録した画像やテキストのほかに、自社に関するビジネス情報(電話番号や住所、チラシ、プロモーション情報などを広告に表示することができます。
広告の目標に適した情報が広告表示オプションとして選出されます。
参考:『Microsoft『PerformanceMaxキャンペーンを作成する』』
参考:『Microsoft『Microsoftマーチャントセンターとは何ですか?』』
参考:『アタラ合同会社『Microsoft 広告のUET タグをGTMで設定する方法〜UET タグの基礎知識〜』』
参考:『アタラ合同会社『Microsoft 広告、予測ターゲティング提供開始、RSAへの生成AI活用等を発表(7月アップデート)』』
まとめ
この記事を読んで、Microsoft広告やPMAXキャンペーンの最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionは、Microsoft広告運用のご相談を承っております。
Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
お客様のあらゆるニーズに対し 分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談下さい。
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。