近年、化粧品や健康食品など様々な商品やサービスを広告するために活用されているアンケートLP。
当記事では、アンケートLPを活用するための設問設定の方法と、活用する3つのメリットについて紹介します。
関連記事:『LPのキャッチコピーで簡単にユーザーを惹きつける5つのポイントとは』
Contents
アンケートLPとは
アンケートLPとは、アンケートを用いてユーザーに商品やサービスの魅力を伝えることでCVにつなげるLPのことを指します。
アンケートに答えていく中でCVを目指す施策であるため、一般的なLPと比較し、広告感が少ないといった特徴があります。
引用:『エイジングケアに関するアンケートご協力のお願い ASTALIFT』
引用:『【公式】アスタリフト-アスタリフトオンラインショップ』
上の画像は2枚とも富士フイルムのアスタリフトを広告するためのLPです。
左がアンケートLP、右が一般的なLPを用いてアスタリフトを広告しています。
一般的なLPでは商品の魅力を伝えるためのキャッチコピーなどを用いて全面的に商品の情報を伝えています。
これに対し、アンケートLPでは、最低限の商品情報とアンケートによって構成されているため、広告だと想起する要素が少ないことが特徴です。
日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が2021年に行った『インターネット広告に関するユーザー意識調査』では、インターネット広告に対する受容度は約9割で、約5割のユーザーがポジティブな実体験があるということが明らかになりました。
一方で、『広告を信頼できるかどうか』についての調査は、インターネット広告の信頼度は2019年と変わらず低い結果となっています。
このように、インターネット広告は他媒体と比較し、マイナスの評価を受けやすいことがわかります。
インターネット広告に対しネガティブなイメージが浸透している現在において、広告の煩わしさを軽減するアンケートLPは有用な施策です。
また、アンケートLPでは多くの場合、ユーザーがアンケートの回答をすることで割引やプレゼントといった特典がもらえるように設定されており、この動機づけによってCVRの向上が見込める場合もあります。
参考:『2021年インターネット広告に関するユーザー意識調査「定量調査」の結果と課題への取り組み』
アンケートLPを使用するメリットと注意点
アンケートLPと似た施策に記事LPがあります。
記事LPとは記事と似たような構成のLPのことを指し、アンケートLP同様、広告感を抑え、ユーザーが自然と読み進めていく中でCVを目指す施策のことを指します。
引用:『爆伸びの「炭酸水」市場に激震…「五感を刺激する?!」驚異の“強炭酸水”が登場!』
上の画像はサントリー食品インターナショナルが販売している「THE STRONG SPARKLING」の記事LPです。
Webページのデザインは一般的な記事とほとんど同じで、広告感の薄い構成となっています。
アンケートLPと記事LPは一見広告には見えない点が共通していますが、ページの構成は大きく異なります。
それでは、アンケートLPを導入するメリットについて、
一見広告に見えないことで得られるメリット
- 記事LPと比較し、優位であることから得られるメリット
の2点に分けて、解説します。
関連記事:『ランディングページで漫画を活用しよう! 2つの方法をレクチャー』
一見広告に見えないことで得られるメリット
先述した通り、ユーザーのインターネット広告に対するネガティブなイメージを回避することにつながります。
広告感なく掲載できる点は、ニュース記事の間などに広告を掲載する際に役立ちます。
嫌悪感を抱かれることなくユーザーがアンケートを回答するように促すことができます。
ソウルドアウト株式会社がアンケートLPを100種類集めて行った調査では、アンケートLPの掲載先は以下のようになりました。
媒体 | 掲載数 |
Yahoo!ディスプレイ広告 | 19 |
Googleディスプレイ広告 | 0 |
LINE | 23 |
SmartNews | 16 |
6 | |
24 | |
YouTube | 2 |
その他 | 10 |
参考:『アンケートLPを“100本”集めて分析した結果「知らずにはいられない」事実がわかりました。それは……』
上記の出稿先の比率はインターネット運用型広告全体の出稿先の比率と大きく異なります。
参考:『インターネット運用型広告の出稿先50%がGoogle、年間で広告費400億円分』
広告運用のデータ収集を支援するサービス「HARBEST(ハーベスト)」を提供する株式会社EVERRISEの2018年の調査では広告掲載先の比率は上のグラフのようになりました。
比較すると、アンケートLPはSmartNews広告とLINE広告への掲載比率が高いことが分かります。
SmartNews広告とLINE広告の共通点として、ニュース記事の掲載枠がある点が挙げられます。
アンケートLPはニュース記事の間に掲載された場合であっても、ユーザーにネガティブな印象を与えづらいため、ニュース媒体への広告で多く使用されています。
関連記事:『SmartNews広告でターゲティングすべきユーザーの特徴2選』
関連記事:『LINE広告とは?14種類や費用、配信方法をわかりやすく解説』
記事LPと比較し、優位であることから得られるメリット
アンケートLPと記事LPを比較した際、LPの構成上大きく異なるポイントは以下の2点です。
- 所要時間
- 魅力の伝え方
所要時間
記事LPと比較し、アンケートLPはページを最後まで読み進めるために要する時間が短いです。
アンケートLPの中にはファーストビューに所要時間を記載しているものがあります。
引用:『エイジングケアに関するアンケートのお願い』
記載されているアンケートLPの多くが所要時間1分未満を謳っていることが多いです。
これに対し、記事LPは記事によって構成されているため、読むためにより多くの時間を要します。
一般的に人間が1分間に読める文字数は500字から600字と言われています。
上記したサントリーの記事LPを例に出すと、文字数は7015文字であり、読み終えるまでに12~14分の時間がかかることになります。
引用:『文字数カウント-SEOラボ』
アンケートLPは、読み終えるためにかかる時間が短いため短時間で簡単に読むことができます。
参考:『多くの人に読まれる「文章」と「時間」の黄金律』
参考:『爆伸びの「炭酸水」市場に激震…「五感を刺激する?!」驚異の“強炭酸水”が登場!』
魅力の伝え方
アンケートLPを使用する際、商品やサービスの魅力を伝えるために強い表現でユーザーの興味関心を惹くことが難しい点に注意する必要があります。
記事LPであれば、商品やサービスを実際に使用した感想などをLP内に取り入れることで、ユーザーに対し、強く商品の効果をアピールすることができます。
これに対し、アンケートLPではアンケートを通じて商品の情報をユーザーに伝えるため、強く魅力を伝えることができません。
しかしながら、このデメリットは考え方によってはメリットにもなり得ます。
誇張したプロモーションにより、商品や会社自体のブランドイメージを損なうことを防ぐことができるためです。
さらに、2021年8月に改正された薬機法では、
第66条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
と定めており、医薬品や化粧品などで誇張表現や虚偽表記をすることがより厳しく取り締まられるようになりました。
アンケートLPは化粧品や健康食品などをプロモーションする際にしばしば使用されるため、LPの構成上強い表現ができない点は薬機法 第66条を順守するための有用な施策になります。
以上をまとめると、
- 広告感なく掲載できるため、ニュース記事内に掲載する際であっても嫌悪感を抱かれづらい
- 短時間で読むことができる
- ブランドイメージの保持につながるとともに、自然と薬機法を守ることにもつながる
以上の3点がアンケートLPを使用するメリットです。
もちろん、記事LPには記事LPのメリットがありますので、詳しく知りたい方は下記記事も参考にしてみてください。
関連記事①:『WordPressで簡単!すぐできるLP入門!6種類のテーマ紹介』
関連記事②:『読まれるLPを作るためのコツ6選!スマホを意識した作成でCVRアップ!』
アンケートLPの設問設定方法
以上のようなメリットを享受するためにアンケートLPではどのような設問設定をすることが効果的なのでしょうか。
多くのアンケートLPに共通する特徴に以下の2点があります。
- 回答しやすい質問文
- ユーザーが見込み客につながるような質問の順番
回答しやすい質問文
多くのアンケートLPでは、Yes/No形式もしくは、チェックボックス形式を採用し、簡単に回答できるように設問設計されています。
引用:『エイジングケアに関するアンケートご協力のお願い ASTALIFT』
例えば、富士フイルムはアスタリフトをプロモーションするためのアンケートLPでYes/No形式もしくは、チェックボックス形式で回答できるようにすべての設問を設定しています。
アンケートLPのメリットの1つである短時間で読み進められる点を活かすためにも回答しやすいアンケート作りを心掛けるようにしましょう。
ユーザーが見込み客につながるような質問の順番
ユーザーはアンケートを回答していく中で徐々に商品やサービスの魅力に気づき、購買意欲が向上していきます。
そのため、自然と購買意欲が高まるような設問設定をする必要があります。
CVから逆算し、設問の順番を決定するようにしましょう。
多くのLPでは、後半の質問で商品やサービスの魅力を伝えるために前半ではユーザーの悩みの顕在化、中間の質問で悩みと商品がリンクするような質問を設定していました。
例えば、小林製薬のEDICARE EXのアンケートLPでは以下のような設問設定がされています。
Q1では、気になっているところについての質問をし、「年齢による活力の変化が気になる」といったユーザーの悩みの顕在化を促すような質問をしています。
Q2では、商品の効果が、Q1で顕在化した悩みに効果的であることを知っているか質問することで、商品やサービスとユーザーの悩みがリンクするように促しています。
Q3、Q4ではさらに詳細な商品やサービスの情報を伝えるような質問をすることで購買意欲が向上するように促しています。
以上のように、小林製薬のLPでは、
- ユーザーの悩みを顕在化させる質問
- ユーザーの悩みと商品やサービスをリンクさせる質問
- 商品の詳細を伝える質問
を設定することで、CVにつなげるようなアンケートLPを制作しています。小林製薬のみならず、多くのLPでこの順番に従ってアンケートLPの制作が行われています。
アンケートLPを制作する際は参考にしてください。
関連記事:『「こんなお悩みありませんか?」LPの作り方!5つのポイントを解説!』
アンケートLPにおける設問設定以外の注意点
アンケートLPを制作する際、CVR向上のために設問設定以外にも注意しなければならないポイントが3点あります。
- 何に関するアンケートか記載する
- ファーストビューでユーザーを引き付ける
- 効果検証をし、最適な設問数を探す
何に関するアンケートか記載する
アンケートLPでは何に関するアンケートか記載するようにしましょう。
先に興味が持てる内容か否かをジャッジできることはWebページ運用をする上で大切です。
そのため、ページ上部で何に関するアンケートか記載し、ターゲットとなるユーザーの離脱を防ぐようにしましょう。
また、ターゲット外のユーザーが回答することは、商品やサービスについてプロモーションする側にとっても、ユーザーにとっても、不利益なことです。
アンケートを回答するための時間もかかりますし、回答をすることによって集まったデータが正確性のないものになってしまうためです。
アンケートの内容について記載することで、関係のないユーザーが離脱するように促すことができます。
引用:『大人気のあの店で味わえる話題のビールに関するアンケート』
キリンのSPRING VALLEYのアンケートLPでは、ビールに興味のあるユーザーが離脱しないように、「大人気のあの店で味わえる話題のホワイトビールに関するアンケート」と記載しています。
商品に興味のあるユーザーがアンケートに回答するように促し、未成年やビールが好きではないユーザーは離脱するように促しています。
関連記事:『売れる記事LPとは?制作テンプレートと事例3選をご紹介』
ファーストビューでユーザーを引き付ける
LP制作時はファーストビュー制作時に、
- 具体性を持たせるための数字
- 受賞歴など実績
- ベネフィット
などについて伝わるアイキャッチやキャッチコピーの制作をする必要があります。
これに加えて、アンケートLPでは、
- 回答することで得られる特典について
- 設問数と回答にかかる時間について
以上の2点をファーストビューに設定している企業が多い印象です。
引用:『エイジングケアに関するアンケートご協力のお願い ASTALIFT』
- 設問数は5問で30秒で終わる
- アンケートに回答することで、豪華フルラインセットが1,100円で試せるといった特典
富士フイルムのアスタリフトのファーストビューでは、上記について具体的に記載されています。
関連記事:『ファーストビューとは?LPの直帰率を改善する6つのポイントとは』
効果検証をし、最適な設問数を探す
LPではLPO(ランディングページ最適化)を図るために、効果検証をする必要があります。
関連記事:『LPO(ランディングページ最適化)とは?基礎知識と改善ポイント5選!』
アンケートLPでは記事LPと比較し効果検証を簡単に行うことができます。
なぜなら、アンケートの設問内容を変更した場合や、設問の順番を変更した場合、設問数を変更した場合などで、A/Bテストを実施しやすいからです。
関連記事:『ランディングページ(LP)で踏まえるべき内容10選! 順番も解説』
A/Bテストについて
アンケートLPを制作、掲載して終わりではなく、A/Bテストを実施していく中で、最適な質問内容、設問数、質問する順番について検証を行い、改善していくことでより広告効果の高いアンケートLPを目指しましょう。
関連記事:『A/BテストでLPを改善!方法と注意すべき3つのポイントを紹介』
ヒートマップによる効果検証
また、ヒートマップによる効果検証を行う方法もあります。
「何問目まで回答をし、離脱したユーザーが多いのか」や「ユーザーがアンケートLP内のどこに注目し読み進めたのか」といったデータを確認することができ、LPOを図るうえで非常に有用な施策です。
関連記事:『無料ヒートマップツール「Clarity」の使い方と4つの特徴』
まとめ
アンケートLPは、短時間で、顕在層のみならず潜在層にまで、ブランドイメージを壊すことなくプロモーションできるため有用な施策です。
また、導入する際は、回答がしやすく、回答していく中で購買意欲が高まるような設問設定をするようにしましょう。
効果検証が容易で、高い広告効果を実現するために戦力を練りやすい点もアンケートLPの魅力の1つです。
アンケートLPを制作するだけでなく、より効果の見込めるLPを目指し、A/Bテストやヒートマップを活用し、LPOを図るようにしましょう。
また、この記事を読んでアンケートLPの導入は難しいと感じた場合や、LPOについてよくわからないと感じた場合は、広告代理店に任せるのも1つの手です。
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