近年、各SNSにおいてショート動画が流行しています。
YouTubeショートもその一つで、YouTubeの公式情報では、YouTubeショートの動画は月間で約15億人のユーザーに閲覧されており、1日で約300億回の動画再生がされていることが分かっています。
そんなYouTubeショートで、2022年5月から広告配信を行うことが可能になりました。
本記事では、YouTubeショート広告のメリットや配信時のコツ、利用する際の注意点について詳しく解説します。
YouTubeショート広告の配信を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
関連記事:『YouTube動画を含めた市場規模はいくら?動画広告の4つのメリット』 参考:『Shorts are redefining the artist journey on YouTube』 参考:『YouTubeショートとは?広告の配信方法や動画の作り方のコツを解説』
Contents
そもそもYouTubeショートとは
YouTubeショートとは、YouTube上で短編動画を作成、投稿できる機能をいいます。
2021年7月に日本に導入された機能で、最大60秒の縦型動画をスマートフォンで手軽に作成できる点が特徴です。
ユーザーはYouTubeのホームページ、アプリ内のショートタブ、またはチャンネルのホームページでこれらのショート動画を視聴できます。
主にモバイルデバイスで視聴されることを考慮しており、ユーザーは外出先でも手軽にコンテンツを視聴できる点が特徴です。
通常のYouTube動画との違い
ちなみに、通常のYouTube動画とショート動画を比較すると下記の点で異なります。
通常のYouTube動画 | YouTubeショート | |
動画の長さ | 12時間まで | 最大60秒まで |
評価やコメント機能 | どちらもあり | どちらもあり |
特徴 | 横型動画がメイン | 縦長動画がメイン |
参考:『 Youtubeショートとは? 通常のYoutube動画との違い』
YouTubeショートは最大60秒を前提とした動画であることもあり、動画編集にかかる工数も通常のYouTube動画制作に比べて短時間で済みます。
YouTube動画での集客を考えている方は、以下記事も参考にしてみてください。
関連記事:『 YouTubeで集客する3つのコツを解説!BtoB企業の成功事例も紹介』
参考:『YouTubeショート動画広告とは?企業が取り組むメリットと成果を出すコツ』
YouTubeショート広告とは
引用:『 Google Marketing Live 2022 でのサービスに関する発表のまとめ』
YouTubeショート広告とは、上述したYouTubeショートの広告枠に配信できる広告を指します。
オーガニック投稿された複数のショート動画の間で広告を表示することができ、視聴者はこれをスワイプしてスキップすることが可能です。
Google広告サポートに問い合わせたところ、YouTubeショート広告はスマートフォンだけでなくタブレッド、PCブラウザでの表示もでき、2024年2月時点で以下のキャンペーンにて配信が可能です。
- 動画アクションキャンペーン
- 動画リーチキャンペーン(VRC2.0)
- 動画視聴キャンペーン
- アプリキャンペーン
- デマンドジェネレーションキャンペーン
- P-MAXキャンペーン
動画アクションキャンペーン
引用:『動画アクションキャンペーン』
「動画アクションキャンペーン」は、コンバージョン向上を目的としたキャンペーンタイプです。
このキャンペーンはYouTubeショートに限らず、スマートフォンやパソコン、テレビなど多様なチャネルでの広告配信が可能です。
2023年には商品フィードを広告に組み込む機能も追加され、ECへの流入やコンバージョンのさらなる向上が期待されます。
フォーマットとしては、スキップ可能なインストリーム広告とインフィード動画広告も使用できます。
なお、推奨されている動画の要件は以下の通りです。
- アスペクト比:16:9(横向き)、9:16(縦向き)、1:1
- ファイルサイズ:256GB以下
関連記事:『 YouTubeインストリーム広告とは?6種類やメリット、出稿方法を解説』
動画リーチキャンペーン(VRC2.0)
「動画リーチキャンペーン(VRC2.0)」では、広告予算はそのままでより多くのユーザーへリーチすることを目的としたキャンペーンタイプです。
6つのキャンペーンの中で、唯一YouTubeショート面のみに限定した広告配信を行うことが可能となっています。
上述の動画アクションキャンペーンではコンバージョン促進に効果的であるのに対し、動画リーチキャンペーンではリーチの獲得やブランド認知を向上させたい場合に効果的です。
YouTubeショート広告のほか、パンパ―広告、スキップ可能なインストリーム広告、スキップ不可のインストリーム広告、インフィード広告で配信できます。
参考:『動画リーチキャンペーン』
動画視聴キャンペーン
「動画視聴キャンペーン」では、Google AIを活用して最も効果の高い場所に広告表示することで、できるだけ多くの視聴回数を獲得することができます。
上述の動画リーチキャンペーンは、複数のフォーマットを組み合わせた配信によりリーチの最大化にフォーカスできるのに対し、動画視聴キャンペーンではフォーマットの組み合わせを考えずに配信できる点が特徴です。
YouTubeショート広告のほかに、スキップ可能なインストリーム広告とインフィード動画広告も使用できます。
参考:『動画視聴について』
アプリキャンペーン
引用:『アプリキャンペーンについて』
「アプリキャンペーン」は、モバイルアプリのプロモーションとユーザー獲得を目的としたキャンペーンタイプです。
こちらもYouTubeショートだけでなく、Google検索やGoogle PlayといったGoogle全体のネットワークにも配信されます。
すでにモバイルアプリのプロモーションをGoogle PlayおよびApple Storeに配信している場合は、新たに動画広告を作成する必要はなく、アプリストアの掲載情報から広告が自動生成されます。
アプリキャンペーンについては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:『 Google広告でアプリキャンペーンを配信する4ステップと注意点』
デマンドジェネレーションキャンペーン
「デマンドジェネレーションキャンペーン」は、旧ファインドキャンペーンのアップグレードにより引き継がれたキャンペーンタイプです。
インパクトの強いマルチフォーマット広告により、ユーザーの高いエンゲージメントとアクションを獲得することを目的としています。
YouTubeショートのほか、以下の配信先で広告表示が可能です。
- YouTubeインフィード
- Discover
- Gmail
関連記事:『 YouTube広告&チャンネル運営の用語46選!基本を解説』参考:『 Google広告から「デマンドジェネレーションキャンペーン」発表!ファインドキャンペーンとの違いや導入時に知っておきたいこと』
P-MAXキャンペーン
「P-MAXキャンペーン」を使用すると、一度の設定でGoogleの全広告枠に広告表示が可能になります。
YouTube広告はもちろん、ディスプレイ広告、検索広告、Gmail、Googleマップなどでのコンバージョンをサポートします。
P-MAXキャンペーンについては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:『 Google広告P-MAXキャンペーンとは?機能と入稿の5ステップを解説』
キャンペーン | 特徴 |
動画アクションキャンペーン | コンバージョンの向上を目指す |
動画リーチキャンペーン(VRC2.0) | リーチ獲得とブランド認知向上を目指す |
動画視聴キャンペーン | Google AIを活用したマルチフォーマット広告 |
アプリキャンペーン | プロモーションとユーザー獲得を目指す |
デマンドジェネレーションキャンペーン | ユーザーのエンゲージメントとアクション獲得を目指す |
P-MAXキャンペーン | コンバージョンのサポート |
参考:『P-MAXキャンペーンについて』
参考:『デマンドジェネレーションキャンペーンについて』
YouTubeショート広告のメリット
YouTubeショート広告のメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
- 幅広いユーザー層にリーチしやすい
- 今後も市場が成長することが見込まれる
- 空き時間に気軽に視聴されやすい
幅広いユーザー層にリーチしやすい
YouTubeは他のSNSプラットフォームに比べ、年代や世代を問わず幅広いユーザーへリーチすることができます。
例えば、縦長のショート動画にはYouTubeショートの他に「TikTok動画」や「Instagramのリール機能」が似た機能としてありますが、それぞれの媒体によって視聴しているユーザー層と利用率が異なります。
ユーザー層 | YouTube | TikTok | |
10代 | 96% | 70% | 66% |
20代 | 98% | 73% | 48% |
30代 | 95% | 64% | 27% |
40代 | 89% | 49% | 21% |
50代 | 85% | 40% | 20% |
60代 | 66% | 21% | 12% |
参考:『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
特に、YouTubeは10代から40代にかけての利用率が約9割を超えるなど、全世代において広く利用されていることが分かります。
これらの点を踏まえると、YouTubeは幅広いユーザー層にリーチでき、他のSNSではアプローチしにくい層にも訴求できる動画プラットフォームと言えます。
そのため、YouTubeショート広告を配信することで、YouTubeを利用する幅広いユーザーへのアプローチが可能になるのです。
以下記事では、Instagramリール広告について解説しています。
関連記事:『 Instagramのリール広告とは?設定方法と成果を出すポイント3選!』
参考:『ショート動画広告とは?YouTubeショートの特徴や制作のコツ、注意点』
今後も市場が成長することが見込まれる
動画事業を行う「株式会社エビリー」が公開した調査によると、2021年1月時点でのYouTubeショート動画の投稿数は8,296本だったものの、2022年12月には88,850本と約10倍に急増したことが分かりました。
これはYouTube全動画のうち10.52%に相当し、この2年間でショート動画の投稿数が急増したことでYouTube内での存在感も著しく高まってきています。
また、サイバーエージェントと調査会社のデジタルインファクトが共同で調査した情報によると、動画広告の市場規模は近年拡大しつつあり、2021年から2022年にかけては33%増加し、5,601億円であったことが明らかになっています。
中でも、SNSのショート動画を利用した広告の需要が拡大していたと報告されています。
このように、YouTubeショートの投稿本数増加に伴い、YouTubeショート広告の市場も拡大していく可能性が高いことから、今後より期待できる広告枠であると言えます。
参考:『2023年のショート動画はどうなる?最新トレンド調査』
参考:『YouTubeショート動画広告とは?企業が取り組むメリットと成果を出すコツ』 参考:『動画広告市場33%増 22年国内、「ショート」人気』
空き時間に気軽に視聴されやすい
YouTube FanFest Japan 2022でのアンケート調査によると、 参加者のうち18歳〜24歳の59%が「短編動画アプリを利用して何かを発見し、その後、長編を視聴する」と回答したことが分かっています。
YouTube ショートに関する具体的な声としては以下のような回答が挙がっています。
「短くて簡単気軽に見られるので、ちょっと時間がある時に見る」
「自分が知らない興味のあることを、手短に紹介してくれるので助かる」
「数秒間で一気におもしろいところを見れちゃう。伝えたいことがまとまっている感じが好き」など
このように、YouTubeショートは短編でまとめられている動画であるため、ユーザーに気軽に視聴されやすい点が特徴です。
そのため、YouTubeショート広告を配信した場合でも短時間で商品やサービスの認知に繋げやすく、購入のきっかけとしての訴求にも効果的です。
参考:『【2023年最新版】YouTubeショート広告とは?ショートだけの配信はできない?』 参考:『YouTube ショート広告とは?配信のメリット・注意点を解説』
YouTubeショート広告を配信する際のコツ
YouTubeショート広告のメリットについてご紹介しましたが、YouTubeショート広告を効果的に配信するにはどのような工夫をすれば良いのでしょうか?
ここからは、YouTubeショート広告を配信する際のポイントについて解説します。
冒頭の数秒でユーザーの興味を引き付ける
YouTubeショートの冒頭部分は視聴者の関心を瞬時に引きつけるための大切な瞬間です。
YouTubeショートを利用するユーザーは、動画が表示された最初の数秒で動画を続けて視聴するか、スワイプして次に移るかの判断をします。
引用:『 Yahoo! JAPANが考える「動画広告」の4原則 』
またLINEヤフーでは、効果的な動画広告に共通するポイントとして、最初の3~5秒間における興味喚起の重要性を挙げています。
実際に動画再生後の冒頭3~5秒でユーザーの興味を引くことができた場合、「ブランド認知」で144%、「メッセージ連想」で168%、「購入意向」で155%上昇が見られたというデータを公開しています。
これらはYouTubeショート広告においても当てはまることです。
動画冒頭の数秒間でユーザーの興味関心を引き立てるためにも、以下の要点を意識してクリエイティブを設計しましょう。
- 冒頭でどのような広告の内容かをざっくりとでも理解できるようにする
- 視聴者が内容を「自分のこと」として受け取りやすいように工夫する
関連記事:『【初心者向け】すぐに使える!広告で役立つ心理テクニック7選』 参考:『YouTubeショートとは?広告の配信方法や動画の作り方のコツを解説』
静止画広告で高い成果を得たものを動画化する
すでに静止画広告を配信している場合は、その中で成果が出た広告をもとにYouTubeショート広告に変換してアレンジする方法も非常に効果的です。
静止画から動画に変えることで伝達できる情報量が増え、字幕や音声を組み合わせることでより伝わりやすい内容になります。
実際に、動画1分間あたりの情報量は180万語に相当すると言われており、これはWebページでいうと約3,600ページ分に当たります。
実際に家電量販店の株式会社ノジマも、従来の施策であった折込チラシの内容をもとに動画広告を作成し、チラシを素材としてより躍動感のある動画に変えることに成功しました。
折込チラシと合わせて動画広告を配信した結果、広告に接触したユーザーの一人当たりの店舗来店単価を当初の目標値より33%抑えることができ、効果的な店舗集客を実現することに成功しています。
参考:『静止画広告と動画広告の効果的な活用方法』 参考:『情報量は文字の5,000倍!? 動画の圧倒的な伝達力』
参考:『折込チラシの情報を広告にリアルタイム反映したノジマ、ディスプレイ広告に動画広告を加えて効率的にリーチ拡大』
動画内でUGCを入れる
動画広告でUGCを上手く活用するのも効果的です。
UGC(User Generated Contents)とは、「ユーザー生成コンテンツ」を意味します。
具体的には、商品のレビューやSNSの投稿などといった一般ユーザーによって制作されたコンテンツがこれに当たります。
マーケティング支援を行うアライドアーキテクツ株式会社が実施した意識調査によると、ユーザーの約65%が商品やサービス購入時にUGCを信頼すると回答していることが分かりました。
このように、UGCを動画広告の素材として活用することでユーザーへの説得力が増し、より強い訴求を実現することができます。
参考:『YouTubeショート動画広告とは?企業が取り組むメリットと成果を出すコツ』 参考:『生活者の64.6%が購買行動においてUGCを信頼、購入の意思決定に最も影響を与えるコンテンツ形式は、「テキスト」』
参考:『【完全版】UGCとは?今注目される理由とEC広告・販促事例10選』
まとめ
本記事では、YouTubeショート広告のメリットや配信のコツ、利用する際の注意点について解説しました。
この記事を読んで、YouTubeショート広告の最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。
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