YouTubeのトップ画面に大きく表示される動画広告「マストヘッド広告」を見たことがある方は多いのでしょうか。
近年では、モバイル端末が中心だった動画コンテンツの視聴が、インターネットに接続して視聴することが出来るコネクテッドテレビの広がりもありYouTubeの視聴数がより拡大して来ています。
1インプレッションあたりの検索数をテレビCMとYouTube CTV(コネクテッドテレビ)の検索リフトを比較したところ、テレビCMよりもYouTube CTV(コネクテッドテレビ)は平均で34%高いという結果が出ました。
また、2023年に行われた、YouTubeの祭典「YouTube Brandcast」では、CTV(コネクテッドテレビ)でのYouTubeの月間ユーザー数は3,800万人に上ると発表されました。
参考:『2023年のYouTube視聴はますます多様にーーテレビデバイスで月間3,800万人、ショート動画も前年度より加速』
このように、テレビ画面でのYouTube視聴の増加やYouTube利用者数の増加により、YouTubeで広告配信することでリーチ拡大が期待できます。
本記事では、YouTubeマストヘッド広告を使用して
「ブランドの認知度を向上させたい」
という方に向けて、今回はマストヘッド広告について、仕組み・指標・種類からメリットまで事例を踏まえて詳しく解説していきます。
YouTube広告について詳しい用語などは下記からご覧ください。
関連記事:『YouTube広告&チャンネル運営の用語46選!基本を解説』
Contents
YouTubeマストヘッド広告とは
マストヘッド広告とは、YouTubeのトップ画面の最上部に表示する予約型の動画広告のことです。
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
マストヘッド広告で期待できる効果
引用:『YouTubeをマーケティングのヒントにーートレンドが生まれ、マルチフォーマットなどで生活に定着進む Think with Google』
YouTubeトップ画面というユーザーの目に留まりやすい場所に、パソコン・スマートフォン・テレビなど複数の媒体にて広告を掲載することが出来るため、効果的なブランド認知度の向上や、リーチ拡大を期待できます。
実際に2022年の調査では、71%のユーザーが「YouTubeをきっかけに商品を購入したことがある」85%のユーザーが「YouTubeでより良い新たな商品やサービスを発見できる」と回答しています。
マストヘッド広告によって、より効果的にユーザーにとって予期せぬサービスや商品との出会いを生み出すことが期待できます。
参考:『生活者に選ばれるYouTube、商品購入に強い影響力ーー「ブランド・ジャパン」でも1,000ブランド中1位 Think with google』
YouTube動画広告について、詳しい内容は下記をご覧ください。
関連記事:『YouTube動画を含めた市場規模はいくら?動画広告の4つのメリット』
YouTubeマストヘッド広告フォーマットの仕組み
マストヘッド広告は、パソコン、モバイル、テレビ画面の3つの媒体のYouTube画面に表示することが出来ます。
3つの媒体について順番に特徴を踏まえ仕組みを解説していきます。
パソコン
引用:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
- 最大30秒の動画広告が音声なしで自動再生される仕組みになっています。
- 表示形式はワイドスクリーン・アスペクト比16:9のどちらかを選ぶことが出来ます。
- オプションとして、最大2つのコンパニオン動画をパネルに含めることが出来ます。
- ミュートアイコンをクリックすると、動画の音声を有効にすることが出来ます。
- 動画の再生後、メイン動画はサムネイル表示となり、動画・サムネイルからその動画のYouTube再生ページへと移動することが出来ます。
モバイル
引用:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
- YouTubeアプリまたはWebページのYouTubeのトップ画面にて音声なしで自動再生されます。
- 動画の時間に制限はありません。
- 動画のサムネイル・広告見出しのテキスト・説明文テキスト・CTAなどの外部リンクを表示することが出来ます。
テレビ画面
引用:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
- テレビ向けのYouTubeアプリのトップ画面にて音声なしで自動再生されます。
- 動画の時間に制限はありません。
- 表示形式はワイドスクリーン・アスペクト比16:9のどちらかを選ぶことが出来ます。
- テレビリモコンを使用し、広告を操作することが出来ます。
- 自動再生後、メインの動画はサムネイル表示となります。
- 動画・サムネイルから動画再生ページへ移動することで、テレビ全画面で視聴が可能です。
- マストヘッド広告にて、CTAなどユーザーの行動を促すフレーズなどの追加をすることはできません。
ユーザーのターゲット像や目的に合わせ、マストヘッド広告の配信する媒体を検討することをお勧めします。
参考:『動画広告フォーマットの概要 YouTube広告ヘルプ』
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
YouTube広告の効果については下記の記事を参考にしてみて下さい。
関連記事:『YouTube広告の費用対効果を高める5つのポイントと事例をご紹介』
YouTubeマストヘッド広告で使用出来るアセット・指標
マストヘッド広告で使用出来るアセットは10種類あり、各媒体によって使用できるアセットは異なります。
マストヘッド広告のアセット10種類と使用可能な媒体
それでは10種類のアセットについて順番に解説していきます。
YouTube動画URL:使用可能媒体(パソコン・モバイル・テレビ画面)
引用:『動画のプライバシー設定をする YouTubeヘルプ』
動画へのリンクであり、YouTubeにアップロードされた動画のURLを指定することができ、動画を配信するには「公開」「限定公開」の設定が必要です。
パフォーマンスを最適化するため16:9の動画フォーマット・解像度1920×1080以上を推奨しています。
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
広告見出し:使用可能媒体(パソコン・モバイル・テレビ画面)
引用:『広告の種類(マストヘッド広告編) [YouTube動画広告種類Vol.9]』
マストヘッドの横・上・下に表示されるテキストのことです。
また、マストヘッドのプレビューツールを使用することで、推奨される文字数の制限に対応することが出来ます。
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
行動を促すフレーズボタンのテキスト:使用可能媒体(パソコン・モバイル)
引用:『YouTube広告を効果的に活用して収益の最大化を目指す|YouTube広告の種類とマーケティングのコツを解説』
行動を促すフレーズのボタンに表示されるテキストのことです。
また、マストヘッドのプレビューツールを使用することで、推奨される文字数の制限に対応することが出来ます。
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
行動を促すフレーズリンク先URL:使用可能媒体(パソコン・モバイル)
引用:『YouTubeマストヘッドプレビュー』
行動を促すフレーズボタンのリンク先のURLのことであり、クリックをすると指定されたYouTubeの他のページ・その他のWebサイトに直接誘導することが出来ます。
また、マストヘッドのプレビューツールを使用することで、推奨される文字数の制限に対応することが出来ます。
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
補助の説明文:使用可能媒体(モバイル・テレビ画面)
引用:『広告の種類(マストヘッド広告編) [YouTube動画広告種類Vol.9]』
マストヘッドに付属する説明文のことで、省略することも出来ます。
また、マストヘッドのプレビューツールを使用することで、推奨される文字数の制限に対応することが出来ます。
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
メイン動画のレイアウト:使用可能媒体(パソコン・テレビ画面)
引用:『4:3・16:9とは?画面比率/アスペクト比の基礎』
「ワイドスクリーン」「標準の動画サイズ」どちらかの表示方法を選択することが出来ます。
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
自動再生のタイミング:使用可能媒体(パソコン)
引用:『YouTubeの自動再生がデフォルトに(無効化可能)』
マストヘッド広告の動画は最大30秒間自動再生され、正確な時間を指定することも出来ます。
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
コンパニオン動画:使用可能媒体(パソコン)
引用:『インストリーム広告でLP等に誘導させるには?[YouTube動画広告種類Vol.3]』
マストヘッド広告の横に表示される動画で、省略可能です。
独自性のあるYouTube動画を2本追加することで、コンパニオン動画を有効にすることが出来ます。
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
チャンネルアート:使用可能媒体(パソコン)
引用:『YouTubeチャンネルの基本情報を管理する YouTubeヘルプ』
YouTubeページの上部に表示される背景・バナーのことであり、YouTubeチャンネルから自動的に排出され追加される仕組みとなっています。
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
詳細な情報は下記からご覧ください。
参考:『YouTubeチャンネルの基本情報を管理する YouTubeヘルプ』
チャンネルアイコン:使用可能媒体(パソコン・モバイル)
引用:『YouTubeチャンネルの基本情報を管理する YouTubeヘルプ』
YouTubeチャンネルを表すアイコンのことであり、YouTubeチャンネルから自動的に抽出され、追加される仕組みとなっています。
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
詳細の情報は下記からご覧ください。
参考:『YouTubeチャンネルの基本情報を管理する YouTubeヘルプ』
下記から、YouTubeマストヘッド広告のプレビューを確認することができます。
参考:『YouTubeマストヘッドプレビュー』
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
YouTubeマストヘッド広告の7つの指標
マストヘッド広告では下記の7つの指標があります。
- インプレッション数:広告が表示された回数。
- インプレッション数(共同視聴):コネクテッド TV デバイスで一緒に視聴している個人または複数のユーザーの間で、広告が表示された回数。
- 動画へのクリック数:視聴者が動画にてしてクリックした回数。
- 動画再生率:動画を再生した視聴者のうち動画を25%、50%、75%、100%再生したユーザーの割合のこと。
- Webサイトへのクリック数:ユーザーがWebサイトにクリックした回数。
- YouTubeチャンネルへのクリック数:ユーザーがYouTubeチャンネルにクリックした回数。
- コンパニオン動画のクリック数:ユーザーがコンパニオン動画にクリックした回数。
共同視聴とは、コネクテッドTV(CTV)で複数のユーザーがYouTubeを一緒に視聴することを示しています。
この際に同時に広告を表示することで、インプレッションやリーチの増加が見込めます。
参考:『共同視聴:定義 Google広告ヘルプ』
クリック数とは、視聴者が広告のインタラクティブ要素をクリックした際に発生するクリック数のことです。
また、動画キャンペーンでのクリック数は「視聴回数」となります。
参考:『YouTube広告と視聴に関する指標について Google広告ヘルプ』
参考:『インプレッション(共同視聴):定義 Google広告ヘルプ』
参考:『YouTubeマストヘッド Google広告ヘルプ』
これらの指標は、より良いマストヘッド広告の改善の分析に役立てることが出来ます。
YouTubeマストヘッド広告2つの種類
引用:『YouTubeマストヘッドの新しい広告枠と測定機能のご紹介 Google広告ヘルプ』
マストヘッド広告には下記の2種類があります。
- インプレッション単価(CPM)
- 時間単価(CPH)マストヘッド
順番に解説していきます。
インプレッション単価(CPM)マストヘッド
インプレッション単価は、CPM(Cost Per Mille)とも呼ばれ、Web上で1,000回表示されるたびに料金が発生する単価です。
参考:『インプレッション単価(CPM)とは Google広告ヘルプ』
元々マストヘッド広告は、国ごとに1名のみ予約できる日割単価制(CPD)が使用されていました。
しかし、2019年に1日の費用からの予約購入が出来るインプレッション単価(CPM)が導入されました。
これは、指定した1日~最大7日間のキャンペーン掲載期間で目標とするインプレッション数が保証され、適した日に公開日を設定することが可能です。
参考:『YouTubeマストヘッドがCPMで購入可能に Google広告ヘルプ』
また、下記のような場合が最適となっています。
- プレミアム サポートを継続して受けたい場合(24 時間以上)
- ターゲティング機能を利用する場合
- 広告表示回数に応じて支払いを希望する場合
- ディスプレイ&ビデオ360で広告枠を手動で購入する場合
ディスプレイ&ビデオ360では、デジタル広告のキャンペーン運用に役立つ機能が備わっています。
例えば、クリエイティブの設計・オーディエンスデータの整理・広告枠の購入・キャンペーンの最適化などがあります。
より詳しい内容は下記からご覧ください。
参考:『ディスプレイ&ビデオ360の概要 ディスプレイ&ビデオ360ヘルプ』
インプレッション単価(CPM)では、最も配信したいタイミングでの配信も可能なため、より効果的なリーチ拡大が期待できます。
時間単価(CPH)マストヘッド
2023年2月8日に新たな広告枠として、1時間単位で配信可能なYouTube時間単価(CPH)がリリースされました。
この広告枠を購入することで、重要なイベントなどの前・途中・後の指定した時間帯に100%の広告シェアを獲得することが出来ます。
参考:『YouTubeマストヘッドの新しい広告枠と測定機能のご紹介 Google広告ヘルプ』
また、下記のような場合が最適となっています。
- タイミング重視でキャンペーンを展開したい場合(1時間以上)
- 100%の広告シェアを希望する場合
- 時間単位の支払いを希望する場合
- YouTubeのライブ配信を宣伝する場合
このように、時間単価(CPH)は意図した時間帯に広告をシェアしたい場合に効果が期待できます。
YouTubeマストヘッド広告のメリット
マストヘッド広告を配信することで、広告想起・アプローチ・認知度の向上が可能となります。
それでは詳しくご紹介していきます。
広告想起(ブランドリフト)に繋がる
YouTubeマストヘッド広告は、トップ画面の上部に大きく表示されることで、ユーザーの記憶に残りやすく広告想起に繋がりやすくなります。
Googleの調査事例
引用:『YouTubeマストヘッドがCPMで購入可能に Google広告ヘルプ』
Googleの調査では、マストヘッド広告によって平均92%の広告想起の増加・平均46%の購入意向が増加したと発表しています。
参考:『YouTubeマストヘッドの拡大したユーザー層と購入機能 Google広告ヘルプ』
このように、インパクトのあるマストヘッド広告によって広告想起の増加を期待できます。
幅広いユーザーにアプローチすることが出来る
YouTubeの国内月間ユーザー数は、2023年10月時点で7,120万人に上り、マストヘッド広告はこれらのユーザーに幅広くアプローチすることが可能です。
参考:『【2023年8月版】人気ソーシャルメディアのユーザー数まとめ』
マストヘッド広告で幅広いリーチを獲得した事例
引用:『3つのブランドがYouTubeを活用して、大注目の瞬間にリーチを拡大した方法 Think with Google』
モンデリーズは、大手食品・飲料会社です。
イタリアで最大の音楽祭であるサンレモ音楽祭の期間中に自社のフィラデルフィアクリームチーズを宣伝するために、YouTubeのマストヘッド広告でのキャンペーン実施しました。
また、CTV(コネクテッドテレビ)でもYouTubeのマストヘッド広告を使用し情報を配信しました。
その結果、リーチは30%増加・14日間でインプレッション数は2,000万・キャンペーン全体では540万人のユニークユーザーの獲得を獲得することが出来ました。
参考:『3つのブランドがYouTubeを活用して、大注目の瞬間にリーチを拡大した方法 Think with Google』
このように、目立つ場所に広告があることで、ユーザーの目にも留まり、多くのユーザーにアプローチすることで、視聴数の獲得も期待できます。
ブランド認知度向上に繋がる
YouTubeトップ画面上部に広告が配信されることで、ユーザーの目に留まりやすくブランド認知度の向上を期待できます。
Netflix Indiaの事例
Netflix Indiaでは、インプレッション単価(CPM)マストヘッドのキャンペーンを、ブランド効果測定機能を使用し測定しました。
結果、ブランド認知度(絶対的ブランドリフト)は5%上昇・相対的ブランドリフトは、インド国内のエンターテインメント業界の平均2.5倍向上という成果を発揮しました。
参考:『YouTube マストヘッドの新しい広告枠と測定機能のご紹介』
YouTubeホームフィード上という目立つ場所でブランドのサービスや商品を配信することで、認知度の向上を期待できます。
まとめ
本記事では、YouTubeマストヘッド広告について、仕組み・アセット・指標・種類・メリット・事例までまとめて解説しました。
マストヘッド広告は、YouTube上でも一番目立つホーム画面に広告を配信できるため、幅広いユーザーへのアプローチによって認知度向上や広告想起の増加を期待できます。
この記事を読んで、YouTubeマストヘッド広告の制作や出稿が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
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