日本においてYahoo!は、利用者数が3年連続第1位、月間アクティブユーザーは約8,500万人とデジタルプラットフォーム上で高いプレゼンスがあります。
そのような多くのオーディエンスをかかえるYahoo!において、最適な広告配信を行うことで、高い効果が期待できます。
しかしながら、Yahoo!広告を運用する際に、作成したキャンペーン、広告グループ、広告の配信設定の切り替えなど工数と手間がかかると感じている方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、広告運用の自動化を設定することで効率化を図ることができるYahoo!広告スクリプトについてご紹介します。
参考:『LINEヤフー for business』
参考:『【Yahoo!広告スクリプト】広告単位で配信オン・オフを自動化するには』
関連記事:『Yahoo!広告の広告表示オプション4種類!使い方と違いを解説』
Contents
Yahoo!広告スクリプトとは?
引用:『Yahoo!広告 スクリプトとは』
Yahoo!広告スクリプトは、2023年2月から提供開始された比較的新しい機能です。

Yahoo!広告スクリプトでは、JavaScriptを用いて広告の入稿や配信設定変更、レポート作成を自動化できます。
JavaScriptを使用するため「使いこなすのが難しそう」と思われるかもしれませんが、Yahoo!広告スクリプトでは、コピー&ペーストすることで使えるサンプルコードに加え、カスタマイズして使用できるサンプルスクリプトを提供しており、それらを利用することで、基本的な機能を使いこなすことができます。
参考:『【Yahoo!広告スクリプト】まずは設定から!広告運用の自動化を実現』
参考:『【Yahoo!広告スクリプト】広告単位で配信オン・オフを自動化するには』
参考:『Yahoo!広告 スクリプトとは』
参考:『サンプルスクリプト|Yahoo!広告スクリプト』
参考:『ソリューション|Yahoo!広告スクリプト』
Yahoo!広告スクリプトの6つ基本機能
それでは、次にYahoo!広告スクリプトで可能な主な機能をご紹介します。
- レポート出力の自動化機能
- レポート生成のメール通知機能
- 広告コスト超過通知機能
- アカウント変動通知機能
- 審査落ち広告通知機能
- 天気予報による地域ターゲティングの配信切替機能
参考:『【Yahoo!広告スクリプト】まずは設定から!広告運用の自動化を実現』
レポート出力の自動化機能
引用:『Yahoo!広告スクリプトとは?特徴や利用手順を解説 | LINEヤフーfor Business』
現在、Yahoo!広告管理ツールにログインしてキャンペーンレポートをダウンロードして、Googleスプレッドシートに貼り付けるという方にお勧めなのが「レポート出力の自動化機能」です。
このプロセスをYahoo!広告スクリプトのレポート機能を活用することで、主に以下を実行できます。
- 一度設定するだけで、以降は自動的なデータ収集ができる
- 複数のレポートを集めて、定型レポートを自動で生成できる
- 他媒体のレポートもGoogleスプレッドシートに出力することで、媒体を横断的したレポートの作成ができる
このように、レポート出力を自動化することで、作成の工数を削減できるようになるため、データ分析や効果測定などより専門性を要する業務にリソースを投下できるようになります。
参考:『想定課題とソリューション|Yahoo!広告スクリプト』
参考:『【Yahoo!広告スクリプト】まずは設定から!広告運用の自動化を実現』
レポート生成のメール通知機能
引用:『メール、Slack設定について|Yahoo!広告スクリプト』
Yahoo!広告スクリプトのアカウント上でGoogleスプレッドシートに自動生成されたレポートを、チーム内で共有する作業も自動化が可能です。
通知は、「メール」と社内・外メンバーで共有できるクラウド型チャットツールの「Slack」で受け取ることができます。
このような設定を行うことで、関連メンバーと最新のレポートを自動的に共有することが可能になり、業務の効率化を図ることができます。
参考:『【Yahoo!広告スクリプト】まずは設定から!広告運用の自動化を実現』
参考:『メール、Slack設定について|Yahoo!広告スクリプト』
広告コスト超過通知機能
Yahoo!広告スクリプトのアカウント内で指定した広告コストを超過した場合にアラート通知を受けとるように設定できます。
例えば、以下のような活用方法があります。
確認したいこと | 設定期間 | 設定通知頻度 |
月額の広告コストが予算を超えてないか毎日確認したい | 当月 | 毎日 |
毎週月曜日に前週の広告コストが予算を超えていないかをチェックしたい | 前週 | 毎週月曜日 |
このような設定をすることで、指定したコストを超過したキャンペーンがあった場合に通知を受け取ることが可能です。
なお、Yahoo!広告スクリプトによると、あまり朝早い時間に設定するとデータが反映されていない可能性があるとしており、通知を送付する時間帯は朝6時以降が望ましいとしています。
さらに、通知の実行頻度は、「毎日」にすることで本機能の利用効果が高まるとして推奨しています。
参考:『想定課題とソリューション|Yahoo!広告スクリプト』
参考:『コスト超過通知|Yahoo!広告スクリプト』
参考:『【Yahoo!広告スクリプト】まずは設定から!広告運用の自動化を実現』
アカウント変動通知機能

アカウント変動通知とは、Googleスプレッドシートで設定した条件と一致する変動があった場合に、その情報をGoogleスプレッドシートに自動で出力し、メールまたはSlackで通知を受け取ることができる機能です。
Googleスプレッドシートで指定した過去N週間の同じ曜日における配信実績平均を基準に、スクリプト実行日の値と比較して条件に一致する変動があった場合に通知されます。
逆に、条件に合致する変動がない時には通知は届きません。
チェック対象として指定できる指標には、以下の4種類があります。
- インプレッション数
- クリック数
- コンバージョン数
- コスト
活用例を以下にご紹介します。
【活用例】
設定内容 | メリット | 通知条件 | 実行頻度 | |
対象期間 | 指標 | |||
直近12週間(約3か月)の同じ曜日の配信実績の平均と比較してスクリプトを実行した当日の「1時間前」の「インプレッション数が130%」以上になったら通知を受け取る | 過去12週間の傾向と比較して、インプレッションが増えた場合に通知で気づけるため、設定の見直しにタイムリーに対応可能 | ・過去12週間 ・当日の1時間前まで | インプレッション数130% | 1時間ごと |
過去26週間(約半年)の同じ曜日の配信実績の平均と比較して、スクリプトを実行した当日の「1時間前」の「クリック数が40%以下」または「コストが45%以下」になったら通知を受け取る | 直近26週間の傾向と比較して、当日のコストまたはクリック数が極端に減っている場合に通知で気づけるため、当日中に設定の見直しができる | ・過去26週間 ・当日の1時間前まで | クリック数40% コスト45% | 毎日 17:00 |
なお、指標を複数指定する場合は「OR」の条件で設定する必要があります。
このようにアカウント変動通知機能を活用することで、指標に変動があった場合に、メールまたはSlackの通知で気付くことができるため、広告配信状況の変動に対して適切な対応をタイムリーにとることが可能になります。
参考:『アカウント変動通知|Yahoo!広告スクリプト』
関連記事:『【分析に必須】Yahoo!広告で必要なCVタグの設置方法16STEPを解説!』
審査落ち広告通知機能
この機能を設定することで、審査落ちした広告があった場合に、該当する広告の情報がGoogleスプレッドシートに自動で出力され、メールまたはSlackで受け取ることができます。
Googleスプレッドシートに自動化されたレポートには、対象となる広告のキャンペーン名や広告IDといった基本情報だけでなく、審査落ちした理由も含めて一覧化された状態で確認できます。
このように審査落ち広告通知機能を活用することで、Yahoo!広告管理ツールにログインして審査結果を確認するという、従来の手間がかからなくなるため、運用の効率化を図ることができます。
参考:『広告管理ツールにログインする|Yahoo!広告ヘルプ』
参考:『審査落ち広告の通知|Yahoo!広告ヘルプ』
関連記事:『Yahoo!広告で審査落ち?6項目審査チェックシートと対処法を解説』
天気予報による地域ターゲティングの配信切替機能
引用:『天気予報による地域ターゲティングの配信切替|Yahoo!広告 スクリプト』
商品やサービスによっては、天気によって需要が変動するものがあります。
そのような商材において、Yahoo!天気・災害の天気予報データと連動させて、ディスプレイ広告の配信を自動化して行える機能は有効な機能といえます。
天気予報で連動できるのは、当日と翌日の天気マーク(天気テロップ)です。
天気予報データで指定できる地域の単位は、「都道府県」もしくは「行政区」です。
また、都道府県を指定した場合は、県庁所在地が対象となります。
例えば、都道府県を指定する場合は「北海道」「東京都」「大阪府」といった指定になります。
行政区を指定する場合は、「東京都 渋谷区」と指定します。
実際にどのような活用例があるのか、以下にご紹介します。
【活用例】
実施したいこと | 天気予報の設定 | 広告配信のアクション | |
スクリプト | マニュアル | ||
いままでの配信実績から「晴れの日」はCVRが高いはず」という仮説があるので、天気予報が「晴れの日」に実際に配信して検証したい | Yahoo!天気・災害で天気予報マーク「晴れ」を含む天気 | 天気予報で「晴れ」の地域が広告配信対象となるように、広告グループの地域ターゲティングが自動で切り替わる | 晴れの日用のデザインにした広告を入稿し配信 |
雨関連の商材なので、天気予報で「雨」の地域だけに配信したい | Yahoo!天気・災害で天気予報マーク「雨」を含む天気 | 天気予報で「雨」の地域が広告配信対象となるように、広告グループの地域ターゲティングが自動で切り替わる | 雨関連の商材の広告を配信 |
このように天気予報による地域ターゲティングの配信切替を活用することで、気候に合わせた製品やサービスを効果的に訴求することができます。
参考:『天気予報による地域ターゲティングの配信切替|Yahoo!広告 スクリプト』
参考:『よくある質問|Yahoo!広告スクリプト』
Yahoo!広告スクリプト導入事例: GMO NIKKO株式会社
引用:『GMO NIKKO株式会社』
実際、Yahoo!広告スクリプトを活用した広告代理店業を営むGMO NIKKO社の事例をご紹介します。
同社のメンバーは、Yahoo!広告スクリプトがローンチされる前までは、手動でレポート作成などをせざるを得ない状況にありました。
例えば、当日のデータも含むレポートを朝10時までに提出する場合に、朝少し早く出社して抽出・集計するといったことを手動で行っていました。
Yahoo!広告 スクリプトがローンチされたことで、このような作業を自動化できるようになり、データを確実かつスピーディーにクライアントに提出できるようになったといいます。
しかも、Yahoo!広告スクリプトは、案件や設計に合わせて、優先順位の高いところから自動化の設定ができるため、エンジニアでなくてもスピード感をもって効率化を図ることができたといいます。
具体的には、早いものだとローンチから1週間後には運用を開始でき、約1か月後には、1人あたり月12~13時間の工数を削減できたと述べています。
加えて、Yahoo!広告スクリプトを活用した効率化にメンバーが自主的に取り組む環境が醸成され、運用業務の工数削減がさらに促進されたといいます。
その結果、学ぶための時間がとれるようになり、社内のナレッジ共有が積極的になされるようになったといいます。
同社は、そのような学びへの需要から、社員教育プログラムの一つに、Yahoo!広告スクリプト講座も追加しました。
このように、Yahoo! 広告スクリプト活用による業務効率化は、組織の活性化にもつながることが明らかになりました。
広告運用効率化をお考えの方は、Yahoo!広告スクリプトの導入をご検討させてみてはいかがでしょうか?
参考:『【代理店に聞く】Yahoo!広告スクリプトで実現、運用工数削減と組織活性』
関連記事:『【無料で学べる】Yahoo!広告キャンパスとは?資格取得の3つのメリット』
まとめ
この記事を読んで、Yahoo!広告スクリプトの運用を最適化するのが難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionは、Yahoo!広告運用のご相談を承っております。
Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
お客様のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談ください。
監修者
2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。