今回は直近で発表された運用型広告のアップデート情報の中で、特に押さえておきたい情報をまとめてご紹介します。
Google広告、Yahoo!広告はもちろん、今回はLINE、TikTok広告でもアップデートが発表されていますので、ぜひチェックしてみてください。
関連記事:『【2024年9月更新】Google/Yahoo!/LINE広告アップデート情報まとめ』
Google広告
ファーストパーティデータ戦略の強化ツールがリリース
2024年8月28日に、Googleは、同意を得たファーストパーティデータの収集と活用に関する以下の2つの機能をリリースしました。
- タグ診断ツール
- 同意管理のセットアップ
タグ診断ツール
引用:『ファーストパーティデータ戦略を強化する新たなツール | Google広告ヘルプ』
タグ診断ツールは、「Googleタグマネージャー」「Google広告」「Googleアナリティクス」での管理画面内で直接、Googleタグに関する分析情報の確認ができます。
これにより、ファーストパーティデータをより効果的に構築することが可能となりました。
タグ診断の品札ステータスや、診断内容については以下からご覧ください。
参考:『タグ診断を使用してタグに関する問題のトラブルシューティングを行う | Google広告ヘルプ』
同意管理のセットアップ
同意モードのバナーと同意モードの導入を容易にするために、GoogleはCMPパートナーと統合し、効率化されたソリューションをリリース予定です。
これにより、以下のGoogleタグ管理画面で直接、同意モードバナーの作成や同意モードの実装を行うことができるため、リソースの削減ができます。
- Google広告
- Googleアナリティクス
- Googleタグマネージャー
また、同意モードがスムーズになることでユーザーとの信頼感関係の強化も期待できます。
参考:『ファーストパーティデータ戦略を強化する新たなツール | Google広告ヘルプ』
P-MAXで活用できる「検索テーマ」機能がリリース
2023年10月26日、Googleの広告キャンペーンP-MAXにて「検索テーマ」機能が使用できるようになりました。
P-MAXとは、Performance Max(パフォーマンス最大化)を目的に2021年にリリースされた広告キャンペーンの1つで、Google検索やYouTubeなどGoogleのさまざまな掲載面に配信できる点が大きな特徴となっています。
引用:『P-MAX で検索テーマを活用して関連性の高い新たなトラフィックに配信する』
今回のアップデートで新たに追加された「検索テーマ」機能では、ターゲットユーザーと関連性の高い検索語句を指定することでAIの学習を促進でき、より効果的なプレースメントを見つけることができます。
検索テーマは最大で25個まで追加することができ、検索キャンペーンのフレーズ一致およびインテントマッチキーワードと同じ優先順位が反映される仕組みです。
あくまでオプション機能ではありますが、以下のような場合にこの「検索テーマ」機能を活用することでより効果が見込めるでしょう。
- 新商品やサービスをリリースしたばかりで、広告キャンペーンの過去データが十分に集められていない
- 年末に向けて期間限定のプロモーションやセールを行いたいが、掲載結果の過去データが十分にない
参考:『P-MAX で検索テーマを活用して関連性の高い新たなトラフィックに配信する』
参考:『Google広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて』
参考:『【Google広告】P-MAXの新機能「検索テーマ」の概要について』
P-MAXキャンペーンについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
関連記事:『Google広告P-MAXキャンペーンとは?機能と入稿の5ステップを解説』
純広告を掲載する新しい方法がリリース
2023年12月18日、Google広告にて、純広告メディアにおける購入方法がリリースされました。
純広告とは、特定のメディア(媒体)ごとの広告枠を買い取ることで表示できる広告をいいます。
今回のリリースにより、YouTube上の以下のような広告サービスが簡単に設定できるようになりました。
- YouTube Select Lineups
- YouTube Select ショート動画 Lineups
- YouTube TV Lineups
- インプレッション単価マストヘッド
- 標準のYouTube純広告のラインナップ
引用:『Google 広告で純広告を掲載する新しい方法のご紹介』
なお、現在純広告キャンペーンは一部の広告主のみ利用可能です。
Google広告で純広告の購入を希望される方はGoogle営業担当にお問い合わせが必要になります。
参考:『動画キャンペーンで純広告を設定する』
Yahoo!広告
「ディスプレイ広告(運用型)」サイトカテゴリーターゲティングが提供終了
引用:『Yahoo!広告ディスプレイ広告(運用型)| サイトカテゴリーターゲティングの提供終了 | LINEヤフー株式会社(2024年8月)』
2024年8月に、「ディスプレイ広告(運用型)」のサイトカテゴリーターゲティングの提供終了が発表されました。
提供終了に関するスケジュールは以下の通りです。
2024年10日3日(木)終了予定の機能
- 新規設定
- 既存設定の編集
- インポートの機能による設定、編集
2024年4月上旬に、全てのサイトカテゴリーターゲティング機能の終了予定
- 広告グループで、サイトカテゴリーターゲティングを設定しているものは、設定を削除し、配信設定をオフに変更
- サイトカテゴリーターゲティングの一覧画面が非表示
- プレイスメントターゲティングのプレイスメントリストの作成・編集画面での、サイトカテゴリーの絞り機能の利用が停止
サイトカテゴリーターゲティングの提供終了後の、代替ターゲティング機能は以下の2つとなります。
参考:『【ディスプレイ広告(運用型)】サイトカテゴリーターゲティングの提供終了について | LINEヤフーfor Business』
アカウント名などの文字数上限の引き上げ
引用:『【Yahoo!広告】アカウント名など名称の文字数上限を引き上げ』
2023年11月16日、Yahoo!広告のディスプレイ広告および検索広告において、アカウント名などの登録名の文字数が最大128文字(全角半角合計)までに引き上げられました。
対象ツールは広告管理ツール、キャンペーンエディター、Yahoo!広告APIの3つで、主な変更対象は以下になります。
- 検索広告:アカウント名、ターゲットリスト名
ディスプレイ広告:アカウント名、オーディエンスリスト名、コンバージョン名、コンバージョングループ名、ルール名(自動運用ルール)、商品セット名、コンテンツキーワードリスト名、プレイスメントリスト名、サーチキーワードリスト名、A/Bテスト名、商品リスト名
参考:『【Yahoo!広告】アカウント名など名称の文字数上限を引き上げ』
参考:『【Yahoo!広告】【検索広告】【ディスプレイ広告】アカウント名など名称の文字数上限を引き上げ』
『ユーザーに不快感を与える表現』において LINE広告との判断基準統合
2023年11月13日、Yahoo!広告の審査基準における一部項目で、LINE広告と判断基準を統合することが発表されました。
具体的には、Yahoo!広告基準「第9章広告表現規制3.ユーザーに不快感を与えるような表現」における以下の3つの観点が対象です。
- 人体の局部を強調しているもの
- 人体のコンプレックス部分が露骨に表現されているもの
- 視覚的に注意を引くことのみを目的としたようなもの
Yahoo!広告とLINE広告の両者の広告審査基準が統一されたことで、今後は各プラットフォームにて同一の広告表現が可能になります。
なお、今回の広告審査統合には、LINE Talk Head View、Talk Head View Custom、News Top ADも含まれます。
また、公式で推奨されている広告表現を利用した場合であっても、広告審査の通過や各種法律に違反しないことを保証するものではないため注意が必要です。
参考:『Yahoo!広告とLINE広告の判断基準統合について:ユーザーに不快感を与える表現(2023/11/13適用開始)』
参考:『広告掲載基準Yahoo!広告とLINE広告の判断基準統合について』
Yahoo!広告審査に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:『Yahoo!広告で審査落ち?6項目審査チェックシートと対処法を解説』
ディスプレイ広告のレポート項目「リンク先URL」の変更
引用:『ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いやメリットを解説』
Yahoo!ディスプレイ広告(運用型・予約型)のレポート項目「リンク先URL」が「最終リンク先URL」に変更されることが発表されました。
こちらのアップデートは、2021年6月までに提供していたディスプレイ広告版「従来の広告管理ツール」を使用して作成されたレポートテンプレートが対象であるため、現在の広告管理ツールで作成されたテンプレートには影響はないとのことです。
「リンク先URL」の設定項目はすでに削除されており、レポートテンプレートに「リンク先URL」が含まれる場合は、自動的に「最終リンク先URL」に変更されます。
参考:『【ディスプレイ広告】レポート項目「リンク先URL」の変更について』
サーチキーワードターゲティングの移行と終了
引用:『オーディエンスターゲティング刷新』
Yahoo!ディスプレイ広告において、既存のサーチキーワードターゲティングが「オーディエンスリストターゲティング」へと移行し、サーチキーワードターゲティングは12月中旬をもって終了すると発表されました。
これまでは、「オーディエンスリスト」「サーチキーワード」といった複数のターゲティング機能が提供されており、これらを組み合わせて高度な絞り込み配信を行うことができる仕組みでした。
今回のアップデートでは、これらのターゲティングがオーディエンスリストターゲティングに集約され、新機能として「高度なセグメント」がリリースされる予定です。
「高度なセグメント」とは、既存のサーチキーワードターゲティングのアップグレード版で、指定のキーワードを入力したユーザーだけでなく、そのキーワードと関連性の高いキーワードを検索したユーザーにも広告配信が可能になります。
キーワードは25文字まで入力でき、最大50件まで入力可能です。
参考:『オーディエンスターゲティング刷新|Yahoo!広告』
参考:『【ディスプレイ広告】サーチキーワードターゲティングの移行と提供終了について』
検索広告の新機能「キャンペーン間の共有予算」の提供が開始
引用:『キャンペーン間の共有予算について』
11月28日、Yahoo!検索広告で予算を複数のアカウント内で共有できる「共有予算」機能がリリースされました。
共有予算機能で予算を他のキャンペーンと共有することで、余っている予算を自動で振り分けることができます。
また、予算が足りないことで生じる広告表示の機会損失を減らすことができるため、効率的な予算消化が実現できます。
参考:『【Yahoo!広告】キャンペーン間の共有予算機能をリリース!』
参考:『【検索広告】キャンペーン間の共有予算機能の提供について』
検索連動型ショッピング広告の提供開始
引用:『検索連動型ショッピング広告の提供開始』
(※上記掲載イメージの赤枠部分がSSA、グレー枠部分がYahoo!JAPAN商品情報掲載)
2024年12月4日、Yahoo!広告にて新サービス「検索連動型ショッピング広告(SSA)」がリリースされました。
検索連動型ショッピング広告(以下SSA)では、スマートフォン版Yahoo!検索で商品を検索する際に表示される「コマース検索」モジュールの最上部に広告を掲載することができます。
最上部に商品情報などを掲載できるためアピールを強化でき、そのまま購入ページへ遷移させることも可能です。
なお、SSAの利用には「Yahoo!JAPAN商品情報掲載」の開始が必須です。
Yahoo!JAPAN商品情報掲載とは、商品名や商品の型番などが検索された際に、パソコンやスマートフォンのコマース検索モジュール内に詳細な商品情報を掲載できるサービスです。
また、SSAおよびYahoo!JAPAN商品情報掲載の利用条件は以下の通りです。
契約形態 | 正規代理店などの後払い方式のアカウントを運用している |
対象となるサイト | ブランド公式サイト/ECサイト/ECモール ※ECモール上の店舗サイトは対象外 |
サイト仕様 |
|
参考:『Yahoo!検索連動型ショッピング広告(SSA)をわかりやすく解説!』
LINE広告
動画視聴経由コンバージョンが追加
引用:『LINE広告アップデート情報 2024年8月 動画視聴経由コンバージョンの計測が可能に! | LINEヤフーfor Business』
2024年8月に「動画視聴経由コンバージョン」の計測が可能となりました。
動画視聴経由コンバージョンでは、動画広告を10秒以上視聴したユーザーの行動を計測することができます。
そのため、動画を見終わった後のユーザーの購買や行動を分析することが可能です。
引用:『LINE広告アップデート情報 2024年8月 動画視聴経由コンバージョンの計測が可能に! | LINEヤフーfor Business』
また、このアップデートに伴い「レポート画面」「パフォーマンスレポートの項目・内訳」が変更され、「CV(○○すべて)」の指標が追加されています。
「CV(○○すべて)」では、クリック経由と動画視聴経由コンバージョンの指標を確認することができます。
参考:『LINE広告アップデート情報 2024年8月 動画視聴経由コンバージョンの計測が可能に! | LINEヤフーfor Business』
LINEアプリ内の「アルバム」での広告配信を開始
引用:『LINEヤフーの運用型広告プラットフォーム「LINE広告」、新たに「LINE」アプリ内の「アルバム」での広告配信を開始』
LINE広告は、LINEアプリ内の「アルバム」にて新たに広告配信を開始したことを発表しました。
LINEアプリ内の「アルバム」は、友だちとの思い出の写真などを保存、共有することができるサービスです。
2023年9月時点で約9,600万人の国内ユーザー数を誇るLINEにおいて、そのうちの1/3のユーザーが利用しているアルバムに広告配信を行うことでより幅広いユーザーへのアプローチが可能になるでしょう。
参考:『LINEヤフーの運用型広告プラットフォーム「LINE広告」、新たに「LINE」アプリ内の「アルバム」での広告配信を開始』
参考:『LINEヤフーの強み|LINEヤフー for Business』
なお、LINE広告については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:『LINE広告とは?15種類や費用、配信方法をわかりやすく解説』
TikTok広告
動画ショッピング広告に「画像カルーセル」の新フォーマットが提供開始
参考:『動画ショッピング広告(VSA)の新フォーマット「画像カルーセル」| TikTok for Business』
2024年8月に、動画ショッピング広告の新しいフォーマットとして「画像カルーセル」の提供開始が発表されました。
新フォーマットの「画像カルーセル」では、複数の商品の紹介や、カタログ画像を活用することできます。
カタログ画像を活用できることで、クリエイティブの制作時間を削減することが可能となります。
また、画像カルーセルと動画を両方使用することで、動画単体より高い広告費用対効果を得ることができます。
画像カルーセルの使用手順は以下の通りです。
- 広告に使用する商品を選択(TikTokでは「すべてを選択」を推奨)
- 「ダイナミックフォーマット」が「OFF」になっているか確認
- 広告フォーマットでは「カタログカルーセル」を選択
- 画像カルーセルで使用する音楽を選択、またはアップロードする
参考:『【最新ニュース】TikTokの新しい動画ショッピング広告「画像カルーセル」が提供開始』
参考:『動画ショッピング広告(VSA)の新フォーマット「画像カルーセル」| TikTok for Business』
新たなプラットフォーム「TikTok Creative Exchange(TTCX)」の提供開始
引用:『より簡単・迅速にTikTok広告制作を実現、「TikTok Creative Exchange」の提供を開始』
11月24日、TikTok広告の新サービス「TikTok Creative Exchange」がリリースされました。
TikTok Creative Exchange(TTCX)とは、TikTok広告クリエイティブの制作における「つくる」「多様化」「量産化」の3つの課題解決を目的に生まれたサポート型プラットフォームです。
TikTok広告クリエイティブを考案する上での主なハードルとして「アイデアの発掘」や「クリエイターのキャスティング」「制作コスト」などが挙げられます。
TTCXではこれらの課題を、クリエイティブパートナーとのマッチングや高品質なクリエイティブ制作をサポートすることで解決へと導くことができます。
TTCXクリエイティブパートナーは、現在以下の企業を含む10社以上のパートナーが対象です。
引用:『より簡単・迅速にTikTok広告制作を実現、「TikTok Creative Exchange」の提供を開始』
日本では、以下のパッケージが提供されています。
- Net-New Standard:UGC縦型動画の制作
- Net-New Advanced:代理店向けの制作パッケージ
- Remix Standard:既存動画から複数のバリエーション動画を制作
- Remix YokoTate:既存動画をTikTokまたはPangleに適した動画に変換
参考:『About TikTok Creative Exchange』
参考:『より簡単・迅速にTikTok広告制作を実現、「TikTok Creative Exchange」の提供を開始』
参考:『【最新ニュース】TikTok、高品質の広告制作・運用ができる「TikTok Creative Exchange」の提供を開始』
TikTok広告については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:『TikTok広告の効果はどれくらい?4つの成功事例から分かる集客のコツ』
futureshopとの連携により商品情報を利用した広告配信が可能に
引用:『futureshop』
11月13日、TikTok for Businessは、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」との連携を発表しました。
futureshopは主にECサイトのリニューアルや立ち上げに特化したプラットフォームです。
今回の連携によって、futureshopおよび実店舗の在庫表示も可能な「futureshop omni-channel」を使用している事業者はTikTok広告マネージャー(TikTok for Business)と自動連携が可能になります。
futureshopに登録されている商品情報がTikTok広告マネージャーに1日一回自動で連携されることで、最新の商品情報をTikTok広告に配信することができます。
自動連携は以下の手順で可能です。
- futureshop管理画面からTikTok設定に進む
- 「認証を取得する」をクリックする
- TikTok for Businessにログインして完了
参考:『futureshop』
参考:『TikTok for BusinessとSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」が連携を開始|商品情報を利用したTikTok広告の配信が可能に』
まとめ
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。