総合出版社の講談社が運営しているSDGs by C-stationの記事によると、「Z世代」とは1996年から2010年ごろに生まれた世代を指すと説明されています。
近年は、「Z世代」というフレーズがメディアで取り上げられることが多いため、見聞きしたことのある方も多いのではないでしょうか。
引用:『Z世代とは? その価値観や消費行動と、SDGsへの影響力|SDGsにまつわる重要キーワード解説』
Z世代は、物心ついた頃から身近にスマホがあり、スマホと触れている時間が長い分、コンテンツの良し悪しを素早く判断できる世代です。
自分の好みのコンテンツを求め、次々に新しいコンテンツを消費し続けられるZ世代は、TikTokとの相性が良く、Z世代にリーチしたい商品やサービスを提供している場合、TikTok広告を使用することは非常に有用です。
当記事では、Z世代にリーチするためにTikTok広告を使用する際、参考にするべき成功事例3選を紹介します。
関連記事:『TikTokに企業のPR動画を投稿してマーケティングする4つのメリット』
Z世代とは
Z世代は育った環境から以下のような特徴があります。
- デジタルに精通している
- 物事の判断が早い
デジタルに精通している
Z世代はデジタルに精通している世代です。
物心ついたころにはデジタルデバイスが身近にあり、デジタルデバイスとともに生まれ育ってきています。
常に新しいデバイスに触れ、成長しているため、新たなコンテンツやツールに対しても抵抗感を抱かず、寛容に受け入れることができる世代です。
デジタルデバイスの中でも特にスマートフォンの普及率が高く、2019年にアプリ業界に関する情報の分析やマーケティングを支援するBusiness of Appsが行った研究によると、Z世代の95%がスマートフォンを所持しています。
Z世代以前の1980年から1995年に生まれた「ミレニアム世代」のスマホ普及率78%と比較し、よりスマホが身近なものとして受け入れている世代であることがわかります。
以上のように、デジタルデバイス、主にスマホとともに成長しているZ世代はデジタルの面で他の世代と比較し寛容で、デジタルに精通している世代です。
情報収集もスマホで行うことが多く、特にSNSで情報収集を行う割合が高い世代です。
引用:『【Z世代調査】よく使うSNSは?ショッピングなどSNS利用目的は?買い物に対する意識や行動は?』
物事の判断が早い
Z世代の1つのコンテンツに対する集中力は他の世代と比較し短いといった特徴があります。
引用:『集中力はたったの8秒?! 消費の主役「Z世代」の攻略方法』
1つのコンテンツに対し、ミレニアム世代の集中力持続時間は平均12秒であるのに対し、Z世代の集中力持続時間は平均8秒と短く、Z世代は同じコンテンツを長く見続けられない世代です。
見方を変えると、8秒間で興味があるコンテンツか否か判断しているため、判断の早い世代であると言い換えることもできます。
そのためZ世代とコミュニケーションを取る際は、短時間で情報が伝わるような手法をとるべきです。
Z世代には以上のような特徴がありますが、これらの特徴はTikTokとマッチしています。
なぜTikTokとZ世代は相性が良いのでしょうか。
関連記事:『Z世代のSNS利用率は95%超!SNS訴求と相性がいい3つの理由』
TikTokとは
TikTokとは、2016年に中国のByteDance社がリリースしたショートムービーに特化した動画投稿型SNSです。
10代、20代の若者を中心に爆発的に広まり、2023年3月時点では世界のダウンロード数が20億人以上、国内の月間アクティブユーザー数が1,700万人を突破し注目を集めているアプリです。
参考元:『2023年3月更新!性別・年齢別 SNSユーザー数(Twitter、Instagram、TikTokなど13媒体)』
TikTokは短尺で次々に新しいコンテンツと出会えるため、集中力の平均持続時間が短いZ世代との相性がいいSNSです。実際TikTokのユーザーの多くはZ世代に該当する10代、20代です。
総務省が令和3年度に行った調査結果によると、TikTokの全世代利用率は25.1%でした。
TikTokと同様に動画配信サービスであるYouTubeの利用率が87.9%であることを加味すると、まだ発展途上のサービスです。
しかしながら、10代、20代の利用率は高く、特に10代に関しては52.4%と、TwitterやInstagramの利用率に追いつきそうな勢いです。
引用:『令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
また、TikTokは現在もユーザー数を増やしているサービスです。
アプリの利用情報を活用し、次世代のプラットフォームを目指すApptopiaが発表した2022年におけるiOS公式アプリストアのApp StoreとAndroid公式アプリストアのGoogle Playにおけるアプリダウンロード数を合算し算出したランキングにおいて全世界で最もダウンロードされたアプリはTikTokでした。
引用:『Worldwide and US Download Leaders 2022』
以上を踏まえると、TikTokは今後も利用率を伸ばし続けることが予想されます。
TikTok広告では、Z世代との相性がよく、今後も利用率を伸ばし続けることが期待されるTikTok内に広告を配信することができます。
TikTokのユーザー数が増えると同時に、TikTokの広告効果も増加しています。
「鳥肌が立つ感動を作る」ことを根本ビジネスに掲げコンテンツを作成する株式会社TORIHADAが2021年2月に10代から50代のTikTokユーザー1,035人に対し行ったアンケートによると、TikTokがきっかけで、商品やサービスの購入・申し込みをしたことがあると回答したユーザーは全体の34.01%で、TikTokユーザーの3人に1人がTikTokに勾配や申し込みに関する影響を受けていることがわかりました。
引用:『【TORIHADA】「TikTokをきっかけとする商品/サービスの購買行動調査」を実施!TikTokユーザーの3人に1人がTikTokきっかけで購買経験あり!?』
マーケティングにおける影響力は、今後TikTokの成長に伴ってさらに増加することが期待されます。
TikTok広告を使用するメリット
それでは、TikTokがZ世代との相性がいい点以外に、TikTok広告を活用するメリットは何なのでしょうか。
TikTok広告を使用するメリットは以下の2点です。
- 記憶に残りやすい
- 広告感が薄い
記憶に残りやすい
TikTok for BusinessがMedia Science社と共同で行った調査によると、TikTok広告は他のプラットフォームに掲載された広告と比較し、記憶に残りやすいことがわかりました。
また、ブランド認知や広告の好感度に関する調査においても、TikTok広告は優位であることがわかりました。
ポジティブな印象を与えられ、また、広告や、PRしたブランドが深くまでユーザーの記憶に残りやすいTikTok広告は、効果的な施策です。
広告感が薄い
TikTok広告は、コンテンツと同様の形式で配信されます。
そのため、コンテンツを作るのと同じように広告を作成することができ、抵抗感を持たれずに訴求することができます。
引用:『最初の数秒でユーザーにインパクトを与えるTikTok広告、より効果的にするための3つのポイントとは』
TikTok for BusinessがMedia Science社と共同で行った調査によると、TikTok広告は他のプラットフォームに投稿された広告と比較し、好感度が高いことがわかりました。
広告感が薄いことで、ユーザーに対し、抵抗感を与えづらかったことは、好感度が向上した要因の1つであると考えられます。
TikTok広告の成功事例
TikTokでは、
- 1Dayメニュー
- 通常メニュー
- オリジナルメニュー
の3種類の広告を掲載することができます。
基本的には、ユーザーが投稿したコンテンツと同じように広告掲載されるため、広告感がなく、動画を見ていく中で自然とリーチすることができます。
TikTok広告の配信方法について詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事:『TikTok広告の入稿規定とは?7つの入稿ステップや注意点まで詳しく解説!』
TikTokで動画を掲載する上で、成功事例を確認し、傾向を掴むことは非常に大切です。
今回は、
- モンスターストライク
- ローソン
- DIESEL
の3社の成功事例を紹介します。
モンスターストライク
株式会社ミクシィが運営するスマホアプリ、「モンスターストライク」はTikTok広告で、休眠中のユーザーをメインターゲットにTikTok広告を運用しました。
「ユーザーの感情を意識したクリエイティブ」で、同様にTikTok内で運用されている他社広告と比較し、10倍から100倍の「いいね」やコメントを獲得しました。
「ユーザーの感情を意識したクリエイティブ」とは、例えば「スロット形式」でユーザーが動画広告をストップすることで、ゲーム内で使用するモンスターを決定することができたり、広告にも関わらず、思わず楽しんでしまうような広告を作成することを意味します。
TikTok広告ならではの機能である、タップしたら止まる機能をもたせ、ゲーム性を意識した作成により、モンスターストライクはTikTok広告で成功しました。
引用:『エンゲージメント率100倍!?モンスト×D2C Rに学ぶ「TikTokで勝つ」広告クリエイティブ』
集中力持続時間が短いZ世代ですが、ゲームに対する集中力は高く、Z総研が行った調査によると、Z世代のうち、およそ7割が1日に1時間以上ゲームをするといったデータがあるほどです。
引用:『Z世代のゲームプレイ頻度、約27%が「毎日」 プレイ時間は「30分以上~1時間」が26%/Z総研調査』
単に情報を与えるだけの広告ではなく、ゲーム性を持たせ興味を引くような広告を作成することで、Z世代に対して効果的な広告を作成することができます。
ローソン
TikTok広告には、「#Challenge(ハッシュタグチャレンジ)」と呼ばれるユーザー参加型広告があります。
配信した広告から、ユーザーに指定したハッシュタグをつけたオリジナルコンテンツを作成するように促し、動画作成者の影響力を活かした広告掲載を行えるため、広告効果の高い広告施策です。
TikTokは最大でも3分の短いコンテンツを投稿するサービスです。
また、動画編集機能が充実しており、動画投稿サービスであるのにも関わらず、コンテンツ配信に対するハードルの低いサービスです。
簡単に制作でき、コストや技術がない方でも簡単に投稿をスタートできるため、「#Challenge」は拡散力のある広告として成立しており、他のSNSでは実現することが難しい広告手法です。
「#Challenge」で成功した企業の1つにローソンがあります。
引用:『デカくて、マジうまっ!ローソンの「Lチキ」をどんどん楽しんじゃおう!』
ローソンはオリジナルの楽曲「いつでもLチキ」とそれに合わせた「Lチキハンドサイン」作成し、「#いつでもLチキチャレンジ」と題し、「#Challenge」を行いました。
雑誌Popteenモデルの国末莉子さんをキャンペーンモデルとして起用したことや、「Lチキハンドサイン」そしてポーズ音源のラストの「ぱくっ」という音に合わせて食べる仕草が女子高校生に受け、1,000人以上のユーザーが「#いつでもLチキチャレンジ」を使用したコンテンツを作成、「#いつでもLチキチャレンジ」の拡散と共に、Lチキやローソンの広告に成功しました。
「#Challenge」を使用した広告配信により、TikTokでは簡単にインフルエンサーマーケティングを行うことができます。
DIESEL
TikTok広告には「Brand Auction」と呼ばれるオークションによって金額や配信場所が決定する広告方法があります。
配信対象を選択することができ、またリターゲティングも行うことができる運用方広告で、表示回数やユーザーの閲覧時間に応じて課金されます。
DIESELでは、2020年夏から「Brand Auction」広告を使用し、過去のベンチマークと比較し、300%購買意欲が増加するなど、非常に高い広告効果を実現しました。
引用:『DIESELが運用型インフィード広告「Brand Auction」を活用、購買意欲のアップリフトが+300%超!』
引用:『日本初!ECにも効果的な「コレクション広告」を導入!ブランドから商品までトータルに訴求【DIESEL】』
2021年春、DIESELは「Brand Auction」に加え、日本で初めて「コレクション広告」を導入しました。
コレクション広告とは、ECサイトを媒介せず、TikTok内で直接商品販売を行う、商品訴求を目的とした広告です。
結果CTR147%、CPC67%を達成し、良い結果を得ることができました。
「Brand Auction」でブランド自体の認知を、「コレクション広告」で商品訴求を行うことができ、それぞれの広告方法の良さを活かした広告運用ができました。
このようにTikTok広告ではニーズに合わせた様々な広告方法が用意されており、会社の状況に応じて使い分けることで、効果を最大化することができます。
現在、自分の会社はどのフェーズにあるのかを把握し、TikTok広告を運用するようにしましょう。
まとめ
TikTokはZ世代の特徴とマッチしたSNSです。
TikTokは短尺で、またコンテンツのシフトが容易なUIを実現しているため、1つのコンテンツに対する集中力の持続時間が短く、次々に新しいコンテンツを求めるZ世代に対し、リーチしやすいSNSです。
Z世代をターゲットとしている商品やサービスをPRする際は、当記事で紹介した成功事例を参考にTikTok広告の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
また、TikTok広告の掲載に対し、少しでも不安がある方や、導入が難しいと感じている方は、1度広告代理店に相談するという方法もございます。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。