SEOとコンテンツマーケティングは、どちらも企業のマーケティングにおいて欠かせない施策です。
ところが、この2つは混同されやすい傾向にあります。「コンテンツマーケティングって、SEO対策のことではないの?」と思っている方も少なくないでしょう。
実は、それぞれ施策の目的や役割が異なります。
今回はSEO・コンテンツマーケティングがどのような施策を指すのかを解説します。
自社に適した方法を見極め、集客や売上につなげてください。
関連記事:『5分でわかるSEM!SEOとリスティング広告の違いと使い方を解説』
Contents
SEOとコンテンツマーケティングの定義
SEOとコンテンツマーケティングの違いを知るために、まずは各施策の定義やメリット、注意点について解説します。
SEOとは
SEOとは「Search Engine Optimization」の頭文字をとった言葉で「検索エンジン最適化」を意味します。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンのアルゴリズムに最適化させたコンテンツを作成することで、検索結果の上位に表示させるための施策です。
日本で利用されている検索エンジンのなかではGoogleのシェアがとくに大きく、PCが77%、スマートフォンが75%というデータがあります。
次いでシェアのあるYahoo!はPCが14%、スマートフォンが25%です。
引用:『Statcounter「Mobile Search Engine Market Share in Japan – March 2022」』
そのためSEOは、一般的にGoogleの検索結果で上位に表示させるための施策のことを指します。
Yahoo!ではGoogleと同じ検索のアルゴリズムが採用されているため、Google対策をすることが同時にYahoo!のSEOにもなります。
「ユーザーファースト」を掲げるGoogleでは、ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツや、ユーザーにとって読みやすいコンテンツが有益だと判断され、検索結果の上位に表示されます。
参考:『株式会社ウィルゲート 『検索意図とは?SEOにおいて重要な理由から調べる方法まで徹底解説』』
そのため、SEOでは「ユーザーの知りたい内容を網羅したコンテンツ」と「記事の有益性と検索エンジンに伝えるための内部設計」の2つが対策として行われます。
なお、SEO対策として作成されるコンテンツは、記事形式のものが主流です。
関連記事:『SEOはガイドラインに沿って運用!Googleの5つの公式見解』
SEOのメリット
SEOは「車を買い替えたい」「30代向けのスキンケア商品について調べたい」「つみたてNISAって一体なに?」のように、特定の事柄を調べるユーザーとの接点を作れる点が大きなメリットです。
情報収集をしているユーザーは、商品・サービスに対する潜在的なニーズを抱いています。
検索意図に応える有益な記事を表示させることで、自社を知ってもらうきっかけが生まれます。
関連記事:『5分でわかるSEM!SEOとリスティング広告の違いと使い方を解説』
SEOの注意点
SEO対策は、商品・サービスの認知拡大に効果が期待できますが、サイトを訪れるユーザーの多くは初見です。
そのため、SEO記事で購入や契約などの成果を出すのは難易度が高いと心得ましょう。
SEOはあくまで集客をメインの目的とした施策です。
また、新規でオウンドメディアなどを立ち上げて記事作成を始める場合、成果が表れるのに半年〜1年程度は時間がかかります。
軌道に乗るまでは、リスティング広告やSNS広告などの併用も検討してみてください。
関連記事:『SEO施策とは?効果的な9つの内部対策と4つの外部対策を紹介』
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、ユーザーが求める情報をコンテンツとして提供し、購買やCV(コンバージョン)*に誘導する施策を指します。
コンテンツの形態や、それらを提供するチャネルにはさまざまな形式があります。
アメリカのContent Marketing Instituteでは、コンテンツマーケティングを下記のように定義しています。
Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action.
編集部訳:コンテンツマーケティングとは、明確なオーディエンスを引き付けて維持し、最終的には収益性の高い顧客行動を促進するために、関連性や一貫性のある有益なコンテンツを作成・配信する戦略的マーケティングアプローチです。
コンテンツマーケティングとして実施されるアプローチ(一例)
- メールマガジンで業界ニュースを配信
- YouTubeでハウツー動画を配信
- オウンドメディアでお役立ちコラムを発信
- Instagramの投稿で新作アイテムを告知
コンテンツの形式や配信方法も多様化されており、自社の商品・サービスやユーザーの特性に合わせて選択できるところも特徴です。
良質なコンテンツを提供してユーザーの疑問や悩みを解消し、徐々に購買意欲を高めます。
潜在顧客→見込み顧客→顕在顧客へと育て、集客や資料請求、問い合わせ、購買といった行動へと導きます。
コンテンツマーケティングの事例
スモビバ!
引用:『弥生株式会社『スモビバ!』 』
会計ソフトの開発を行う弥生株式会社のオウンドメディアです。
個人事業主、中小企業経営者、起業家など、スモールビジネスを営むビジネスパーソンを対象に、お金や会計にまつわるコンテンツを発信しています。
「確定申告」や「電子帳簿保存法」といった複雑なテーマを丁寧に解説した記事のほか、「税金計算シミュレーション」などのお役立ちツールも充実ぶりも目を引きます。
さらに多くのコンテンツマーケティングの事例を参考にしたい方は、オウンドメディア勉強会・Content Marketing Academyが主催する「コンテンツマーケティング・グランプリ」をチェックしてみてはいかがでしょうか。
優れた記事や動画を展開するオウンドメディアを表彰するこちらの企画では、さまざまな企業や団体の取り組みを知ることができます。
参考:『Content Marketing Academy『コンテンツマーケティング・グランプリ2021』』
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングは、幅広い選択肢のなかから、自社の商品・サービスの内容やユーザー層に合わせたチャネルを使ってコンテンツを配信できる点が魅力です。
また、オウンドメディアの記事のように長期間にわたり閲覧されるコンテンツ(ストック型コンテンツ)は、サイトの資産として継続的に価値を発揮します。
SEOは集客の入り口としての効果が期待できますが、コンテンツマーケティングは興味・関心がある段階や、比較検討段階など、ユーザーのフェーズに合わせたコンテンツの提供が可能です。
オウンドメディアを活用したコンテンツマーケティングについては、こちらで解説しています。
関連記事: 『オウンドメディアでコンテンツを資産に! 目的と6つのメリットを紹介』
コンテンツマーケティングの注意点
コンテンツマーケティングもSEOと同様に、すぐに効果が表れる施策ではありません。
良質なコンテンツの発信を重ねることでユーザーを育てていくため、長期的な戦略であると考えるべきでしょう。
また、数ある配信チャネルのなかから自社にマッチするものを選ぶ判断力も必要です。
たとえばビジュアル重視のアパレル商品なら、テキストコンテンツよりも動画や画像などが適しています。
このように、コンテンツの内容や配信の方法についても、見極めが求められます。
参考:『コンテンツマーケティングとは|種類や導入の流れ、成功のポイントなどを解説(ナレッジソサエティ)』
SEOとコンテンツマーケティングの違い
ここでは、SEOとコンテンツマーケティングの違いをみていきましょう。
それぞれの特徴を把握し、自社のマーケティングに取り入れてみてください。
要素ごとに違いを解説
ターゲット・配信経路・コンテンツの形式の要素ごとに、SEOとコンテンツマーケティングの違いを整理しました。
要素 | SEO | コンテンツマーケティング |
ターゲット | 自社と接点を持たない潜在顧客 | 潜在顧客だけでなく、見込み顧客や顕在顧客も対象 |
配信経路 | GoogleやYahoo!の検索画面 | オウンドメディア、動画配信サイト、SNS、メールマガジンなど |
コンテンツの形式 | 記事形式のものが主流 | 記事、動画、SNS投稿、音声など |
SEOはコンテンツマーケティングに含まれる
コンテンツマーケティングは有益なコンテンツを発信することで、ユーザーを潜在顧客→見込み顧客→顕在顧客へと育て、利益を生み出すためのアプローチを指します。
そして、SEOは、集客を目的としたコンテンツマーケティングの一環です。
関連記事:『【初心者向け】SEOの専門用語34選!マーケティングの基本を解説』
SEOとコンテンツマーケティングを成功させるコツ
SEOやコンテンツマーケティングを有効活用し、自社の利益につなげるためのポイントを解説します。
各施策の役割に合わせたコンテンツを用意する
SEOは検索意図に沿った内容を
SEOの集客では、自社の商品・サービスの潜在顧客を想定した対策キーワードを選定し、検索意図に沿った内容の記事を作成します。
まずは、商品・サービスに関連する語句をピックアップし、Google社が提供する「Googleキーワードプランナー」などのツールを使って対策キーワードを決定します。
対策KWの上位記事などをもとに「ユーザーが知りたがっている内容」をリサーチし、それらを反映させた記事コンテンツを制作します。
SEO記事の書き方やテクニックの詳細については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:『【初心者向け】SEOライティングで上位表示を狙うための9つのコツ』
コンテンツマーケティングはユーザーに役立つ情報を惜しみなく発信
コンテンツマーケティングで配信するコンテンツには、ユーザーの疑問や悩みを解消につながる情報や、「知って得した!」と思われるような情報を盛り込みましょう。
たとえば、キッチンツールを販売するブランド ル・クルーゼの日本版Instagramアカウントでは、料理のレシピなどを紹介しています。
引用:『 ル・クルーゼ ジャポン公式アカウント』
看板商品であるホーロー鍋を用いた料理を中心に「ル・クルーゼのある生活」をイメージさせる写真とレシピを掲載しているのが特徴です。
商品の使い方や制度の説明といった複雑な内容を直観的に伝えるなら、動画・漫画形態のコンテンツも効果的です。
下記の記事では、漫画動画の制作方法をご紹介しています。
関連記事:『YouTube漫画動画の作り方!大切な4ステップを解説!』
CVへの経路を設計する
記事やコンテンツを作る際、CVにつながる導線を作っておくことが大切です。
資料請求やコンテンツのダウンロードを促すフォーム、ECサイトへの遷移ボタンなど、行動喚起のためのCTAを効果的に配置しましょう。
SEO記事は、自社とユーザーの最初の接点になる場合も多いため、TwitterやInstagram、YouTubeなどのページへのリンクを設置しておくことも重要です。
CTAを活用してCVR(コンバージョン率)を高めるための方法はこちらを参考にしてください。
関連記事:『CTAを改善する方法とは?コンバージョンを高める4つの簡単な方法』
まとめ
SEOやコンテンツマーケティングを運用することで、見込みのある顧客を集客し、育てることができます。
この記事を読んで、自社でのコンテンツ制作・運営が難しいと少しでも感じたら、Webマーケティングの経験が豊富な代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。