Microsoft 広告は2022年5月31日以降、日本での利用が可能になりました。
公式の情報によると、Microsoft広告は世界150か国以上の地域に広告の配信が可能で、購買力の高い約10億以上のオーディエンスに対してリーチすることができます。
また検索エンジンBingの月間検索数は7億回に上り、国内でもシェアを伸ばしている為、SEOや広告の観点で注目を集めています。
本記事では、Microsoft広告の基本的な情報や特徴について解説しています。
参考:『Microsoft広告とは?広告の始め方・事例・ターゲティングを丁寧に解説』
参考:『Microsoft Advertising 日本での展開について』
参考:『検索エンジンのBingシェアが増えてる!? Bing SEO、Microsoft 広告など最新情報(2023年) 』
関連記事:『【Microsoft広告】PMAXキャンペーンで押さえておきたい11の設定』
Contents
Microsoft広告とは
引用:『Microsoft広告』
Microsoft広告は、Microsoftが提供する広告サービスで、主に検索キーワードに基づくリスティング広告(検索連動型広告)を中心に展開されています。
これにより、顕在化したターゲット層の獲得が効果的です。
Microsoftが開発したBingの検索結果ページや関連パートナーサイトに、テキスト、画像、動画などの組み合わせた広告が配信されるシステムとなっています。
インターネット広告代理業を営む株式会社ユニークワンが、自社のWEBセミナー集客のためにMicrosoft広告を使用した公開事例では、広告は61万回表示され、2,000件のクリックが記録され、クリック率は0.33%と、GoogleやYahoo!のディスプレイ広告とほぼ同等でした。
なお配信対象は全国で、広告タイプはオーディエンス広告でした。
特筆すべき点として、通常ディスプレイ広告はスマートフォン表示が多いのに対し、このオーディエンス広告の8割はパソコンに表示される結果となりました。
参考:『【広告運用担当者必見】Microsoft広告の基本について』
参考:『Microsoft広告とは?広告の始め方・事例・ターゲティングを丁寧に解説』
参考:『BtoB広告にも有効?Microsoft広告の特徴を解説』
Microsoft広告の基本情報
広告の配信面
引用:『Microsoft Advertising の仕組み』
Bing、Microsoft Edge、AOL、Yahoo!などのサイトで広告が配信される他、Microsoftオーディエンスネットワーク*ではMSN、Outlook.com、Microsoft Edgeなど、多数のサイトで広告が展開されます。
さらに、ネイティブアド※の専門家Taboolaや動画配信大手Netflixとの提携も実現し、多様なユーザー層への露出が可能です。
またBing、AOL、Yahoo!での検索をトリガーとして広告が表示される位置は、広告オークションにより決定されます。
広告の掲載位置は検索結果ページの上部、横、または下部になり、上部に表示される広告は、より目に触れやすいです。
なお広告の掲載順位に関しては、以下の指標によって判断されます。
- キーワードに対する入札金額。
- そのキーワードに対する競合他社の入札金額。
- 広告の関連性。
- 広告のパフォーマンス。
Microsoft広告の掲載場所に関する特徴として、上記の図における1~4場所に広告を掲載するにはある一定のパフォーマンスを満たす必要があり、逆に満たせていない場合に関してはページ右側のサイドバーに掲載されます。
参考:『Microsoft Advertising の仕組み』
参考:『Microsoft広告とは?広告の始め方・事例・ターゲティングを丁寧に解説』
参考:『オーディエンス マーケティングと Microsoft Audience Networkについて』
参考:『【5分で分かる】ネイティブ広告とは?成果を出すコツも解説』
キーワードに関する費用
引用:『Microsoft Advertising の仕組み』
Microsoft広告は検索連動型広告でクリック課金制を採用しています。
その後広告が表示され、クリックされた場合のみ料金がかかります。
このクリックごとの料金(PPC)は最大入札価格までとなり、前払いまたは後払いの選択ができます。
前払いの場合、予めアカウントに追加した資金から料金が引かれ、資金不足時にはアカウント活動が一時停止となります。
後払いの場合、クリックごとに料金が蓄積され、毎月の請求日または設定された請求限度額に達した際に請求されます。
なおユーザーはキャンペーン単位で日予算を自由に設定可能です。
参考:『Microsoft Advertising の仕組み』
参考:『 Microsoft広告やってみた。Googleとの比較数値を公開!』
関連記事:『キーワードの入札単価とは?単価の決め方5種と設定方法を解説!』
Microsoft広告の特徴
ビジネスパーソンへのアプローチ
Microsoft広告は、Google広告に比べると配信ボリュームは少ないものの、特にビジネスパーソンに対してのリーチが強みです。
日本でのPCのシェア率は、MicrosoftのWindowsが77.3%で、AppleのMac9.5%を上回っており、PCを持つビジネスマンはWindowsOSを多く採用しています。
また上記に加えて以下のようなユーザー属性に関する指摘も存在します。
Googleと比較してBingの方が、年収が高く、意思決定者の割合が高い。
また、学校で利用するPCにはEdgeが採用されていることが多いため、若年層のユーザーも多いという。
引用:『検索エンジンのBingシェアが増えてる!? Bing SEO、Microsoft 広告など最新情報(2023年) 』
その結果、推奨ブラウザである「Microsoft Edge」やメールソフト「Outlook」が一般的に使用されています。
このため、「Edge」のデフォルト検索エンジンである「bing」を通じて、仕事中に調べ物などで検索エンジンを使用するユーザーにアプローチしやすくなっています。
さらに、Microsoft広告は特定の企業や業界をターゲットとした広告配信が可能で、業界特有の商材にも適切に対応可能です。
参考:『Microsoft広告とは?広告の始め方・事例・ターゲティングを丁寧に解説』
購買能力が高いユーザーへのアプローチ
他媒体と比べて、16~24歳と45歳以上の購買能力が高いユーザーが多い傾向があり、一般のWebユーザーに比べてオンラインでの消費意欲が高いとされています。
具体的には、このユーザーがオンラインでの購入意向が平均よりも15%高いと、Microsoft社の講演で明らかにされました。
新型コロナウイルスの影響でPC利用が再び増加し、多くの人が仕事とプライベートをPC上で同時に管理しているとされています。
実際、消費者の半数以上が勤務時間中にオンラインショッピングを行い、37%が購入までを完了しているとのデータも示されています。
さらに、61%の人々が仕事用のツールを私的な目的で利用していることも指摘されており、これらの事実は、Microsoft広告が購買意欲の高いユーザー層にアクセスしやすいという特長を持つことを示しています。
参考:『Microsoft広告とは?広告の始め方・事例・ターゲティングを丁寧に解説』
参考:『Microsoft 広告が日本で始動。トップが語る製品の魅力・投資戦略とは?』
参考:『Microsoft広告とは?メリットや成果事例を解説』
参考:『広告事業を再始動 日本マイクロソフトが描く「成功へのシナリオ」とは 』
Google広告からのインポート
引用:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
Google広告を既に活用している広告主にとって、Microsoft広告の大きな利点は、簡単にこれらのプラットフォームから広告データをインポートできることです。
この機能を利用することで、広告の入稿作業を一からやり直す必要がありません。
さらに、Microsoft広告の管理画面はGoogle広告のそれと非常に似ているため、新たな学習の手間も少なく導入しやすいです。
ただし、一部インポートできない項目もあるため、その点は注意が必要です。
インポートできない項目としては、下記が挙げられます。
- 入札戦略
- 動的関連フィード
- カスタムセグメントやユーザーリスト
- Microsoft広告にないキャンペーン
参考:『Microsoft広告とは?広告の始め方・事例・ターゲティングを丁寧に解説』
参考:『BtoB広告にも有効?Microsoft広告の特徴を解説』
関連記事:『Microsoft広告エディターで押さえておきたい4つの便利な機能』
Bingにおけるショッピング広告の枠に掲載できる
Yahoo!検索広告を通じて検索広告の配信は可能ですが、Bingのショッピング広告への出稿はMicrosoft広告限定です。
参考:『Microsoft Bing』
GoogleやYahoo!のショッピング広告と比較すると、Microsoft広告を利用する企業は少なめで、ショッピング枠を独占しやすい状態です。
適切な商品を持つ企業は、Microsoftのショッピング広告の活用を検討する価値があるでしょう。
参考:『BtoB広告にも有効?Microsoft広告の特徴を解説』
広告のタイプ
動的検索広告
動的検索広告はお客様のWebサイトの内容をもとに、関連する検索クエリ※を自動的にターゲットとして絞り込み、その検索クエリに対応するように動的に生成されます。
この手法の利点として、サイトの内容に応じて関連性の高い広告を即座に作成できること、キーワードの管理や広告のタイトルのカスタマイズ等のワークロードが軽減されること、そして新しいクエリに迅速に対応して、更なるコンバージョンの機会を増やせることが挙げられます。
参考:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
参考:『BtoB広告にも有効?Microsoft広告の特徴を解説』
参考:『検索クエリとは?キーワードとの違いや分析方法について|LINEヤフー for Business』
アプリインストール広告
アプリインストール広告はテキスト広告に似ているものの、その大きな違いはアプリに直接リンクするボタンが含まれている点です。
このボタンをクリックすると、ユーザーはそのアプリのダウンロードページにすぐに誘導されます。
この広告形式は、Webサイトの訪問数を増やしたいわけではなく、アプリのダウンロード数を増やしたい広告主に最も適しています。
アプリインストール広告では、顧客のデバイスやOSを認識し、Apple App StoreやGoogle Playなどの適切なストアにリダイレクトします。
さらに、複数のトラッキングツールを使用して、ダウンロードのコンバージョンを追跡することも可能です。
参考:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
参考:『Microsoft広告とは?広告の始め方・事例・ターゲティングを丁寧に解説』
参考:『BtoB広告にも有効?Microsoft広告の特徴を解説』
拡張テキスト広告
引用:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
拡張テキスト広告は見出し、表示URL、広告テキストの3つの要素から成り立っています。
この基本構造に加え、広告表示オプションや自動での広告表示オプションを用いて、広告の質を向上させることが可能です。
広告表示オプションはビジネスの追加情報、例えば電話番号や特定のページへのリンクなどを広告に付加する機能で、無料で追加でき、クリック発生時に課金されます。
一方、広告表示オプション(自動)はユーザーの介入なしで、Microsoft Advertisingが広告の効果向上を感じた場合に自動的に適用されます。
注意点として、2023年の2月から拡張テキスト広告の新規作成と編集を行うことが出来ません。
すでにある拡張テキスト広告に関しては、引き続き配信が行われ、そのパフォーマンスレポートも表示されます。
参考:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
参考:『BtoB広告にも有効?Microsoft広告の特徴を解説』
参考:『広告表示オプションについて』
参考:『広告表示オプション (自動) で広告を強化する』
Bingスマート検索でのMicrosoft Advertising
引用:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
Bingスマート検索広告はBing、AOL、Yahoo!の検索ネットワーク上のテキスト広告に類似していますが、最新のタッチ体験向けにデザインされ、Windows 8.1のスマート検索*結果に表示される特徴があります。
また、条件が許す場合、ランディングページのプレビューも併せて表示されます。
ランディングページのプレビューを利用するにあたり、潜在顧客が求める情報を提供することや、関連するコピーや説得力をもつコピーの配置を目立たせることが品質スコアの向上につながります。
この広告形式は、米国、英国、カナダの英語圏で利用可能です。
参考:『Bing スマート検索での Microsoft Advertising』
参考:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
参考:『BtoB広告にも有効?Microsoft広告の特徴を解説』
参考:『スマート検索とは』
Microsoftオーディエンス広告
引用:『オーディエンス キャンペーンとは』
Microsoftオーディエンス広告は、検索広告主のためのネイティブアドとして設計されており、検索を超えた配置から質の高いトラフィックを引き付けることができます。
これらの広告は、ユーザーの注目を集める形でページコンテンツにスムーズに組み込まれ、視覚的に豊かな情報を持つ広告として表示されます。
これらの広告は、Microsoftオーディエンスネットワーク上で、MSN、Outlook.com、Microsoft Edgeをはじめとする主要なサイトや、今後増加するパートナーサイトに跨って配置されます。
参考:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
参考:『Bing スマート検索での Microsoft Advertising』
マルチメディア広告
マルチメディア広告は、鮮明なビジュアル画像を利用してブランドや製品を際立たせ、潜在的な顧客の関心を喚起し、Webサイトへのトラフィックや売上を拡大します。
これらの広告は、見出し、説明、画像、ロゴの適切な組み合わせで提供され、特定の検索クエリとマッチングします。
さらに、これらの広告はメインラインやサイドバーの顕著な位置に表示され、通常のテキスト広告の位置を取って代わることはありません。
画像に利用することのできるファイルは.GIF、.PNG、.JPG、.JPEGです。
ただし.GIFに関してアニメーションを利用することはできません。
また、アスペクト比が1:1の画像と、1.91:1の画像を少なくとも一つずつ利用することが必要です。
参考:『マルチメディア広告』
参考:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
参考:『Bing スマート検索での Microsoft Advertising』
ショッピング広告
引用:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
ショッピング広告には、Microsoft マーチャントセンター※で作成されたお客様の商品カタログのカスタム画像に加えて、プロモーション用のテキスト、価格、販売者情報などが掲載できます。
商品の関連検索が行われると、これらの広告が検索結果に現れ、魅力的な視覚要素を通じてユーザーの注意を引き付けます。
その結果、ユーザーは広告をクリックすることなく購入の判断を下すことができ、これはエンゲージメントやクリックスルー率、コンバージョン率の向上を狙うことができます。
参考:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
参考:『ショッピング広告とは?』
参考:『Microsoftマーチャントセンターとは何ですか?』
参考:『Bing スマート検索での Microsoft Advertising』
レスポンシブ検索広告
レスポンシブ検索広告を使用すると、広告の見出しと説明文の最適な組み合わせを簡単に作成できます。
最大15個の見出しと4つの説明文を指定するだけで、Microsoft広告はこれらの情報を活用し、潜在的な顧客に最も響く広告を動的に組み立てます。
効果的な広告の組み合わせは自動的に抽出され、低パフォーマンスの広告は表示されなくなります。
このようにして、広告内容が顧客の検索ニーズと一致することで、全体のキャンペーン効果を最大化します。
参考:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
参考:『Bing スマート検索での Microsoft Advertising』
バーティカル広告
バーティカル広告では、動的データフィードを使用して質の高い広告を作成することができます。
バーティカルという言葉には様々な意味がありますが、「バーティカル=業界」を指し、業界に特化したという意味を持ちます。
Microsoft AIを活用して、特定のキーワード要件を必要とせずに、これらのカスタマイズ広告を自動的に作成します。
その結果、クリック数が増加し、クリック率(CTR)が向上し、クリック単価(CPC)が低下することが見込まれます。
現在、該当するコンテンツは下記の通りです。
- 自動車
- クレジットカード
- クルーズ
- 健康保険
- 専門サービス(例として、医師や病院、保険や不動産、税金など)
- ツアーとアクティビティ
参考:『Microsoft Advertisingで作成可能な広告タイプ』
参考:『バーティカル広告』
参考:『バーチカル(Vertical)の意味とは?SaaSのマーケティング関係者が知っておくべきこと』
まとめ
本記事では、Microsoft広告について、基本的な情報や特徴について解説しました。
この記事を読んで、Microsoft広告の最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。