Web広告はビジネスにとって欠かせないツールとなっています。
電通の発表によれば、2023年のインターネット広告費は3兆3,330億円に達し、前年比で107.8%と大幅に増加していることがわかります。
特に、リスティング広告はユーザーの検索行動に対応して広告を的確に配信できるため、マーケティング手段として非常に有効です。
しかし、その効果を最大限に引き出すためには、適切なアカウント構造設計が不可欠となります。
では、なぜ適切なアカウント構造設計が必要なのでしょうか。
それは、不適切なアカウント構造がもたらすデメリットを避けるためです。
以下に、その具体的なデメリットを列挙します。
アカウント構造の問題点 | デメリット |
キーワードの過度な一般化 | 関連性の低い広告表示が増え、広告効果が希薄化。無駄な広告費を消費し、投資対効果(ROI)が低下。 |
適切なキャンペーンとアドグループの分割がない | 広告の成果を詳細に分析・管理することが難しくなり、最適な広告配信を行うための戦略策定が困難に。 |
ターゲティング設定の不適切 | 関心のないユーザーに広告が表示され、広告予算が無駄に消費。さらに、適切なターゲットに対して広告が届かないことで機会損失を生じる可能性。 |
リスティング広告の効果を最大限に引き出すためには、アカウント構造設計の正確な理解と実践が必要です。
特にGoogle広告とYahoo広告のような主要な広告プラットフォームにおいては異なる特性と機能を持つため、それらの特性を理解し、適切な戦略を立てることが求められます。
この記事では、Googleリスティング広告におけるアカウント構造について詳しく解説します。
参考:『2022年 日本の広告費 | 電通』
関連記事:『リスティング代行業者の選び方17選!おすすめの代行業者まで紹介!』
Contents
リスティング広告のアカウント構造とは
リスティング広告のアカウント構造は、広告キャンペーンの設定や管理を行うための基本的なフレームワークです。
適切に設計されたアカウント構造は、広告の効果を最大限に引き出すための必須条件となります。
アカウント構造の重要性
リスティング広告のアカウント構造設計の重要性は、広告配信の精度と効率性に直結します。
適切なアカウント構造により、具体的なターゲットに対して適切なメッセージを届けることが可能となり、無駄な広告費を抑制しながら最大の広告効果を得ることができます。
また、適切なアカウント構造は、広告のパフォーマンス分析と最適化を容易にします。
具体的なキャンペーンやアドグループのパフォーマンスを明確に理解することで、改善策を迅速に実施し、広告の効果を一層高めることが可能となります。
参考:『Google広告の構成について|Google広告ヘルプ』
アカウント構造の基本的な要素
引用:『検索広告のアカウント構造(階層構造)について|Yahoo!広告ヘルプ』
Googleリスティング広告のアカウント構造は、主に「アカウント」、「キャンペーン」、「広告グループ」の3つの要素から構成されます。
要素 | 概要 |
アカウント | 広告配信を行う主体です。一つの企業が複数の商品やサービスを持っている場合でも、一つのアカウントで管理します。ログインメールアドレス、パスワード、お支払い情報が登録されます。 |
キャンペーン | 広告の目的やターゲットに合わせて設定します。予算や地域、言語などの配信設定はキャンペーンレベルで行います。 |
広告グループ | 各キャンペーン内に設定され、具体的な広告内容とキーワードをまとめたものです。一つのキャンペーン内には複数のアドグループを設定することが可能です。 |
これらを適切に設計・管理することで、広告の配信効率と効果を最大限に引き出すことが可能となります。
なお、Yahoo広告のアカウント構造はGoogleとは異なり4つの要素で構成されています。
詳しくは以下を参考にしてみてください。
参考:『検索広告のアカウント構造(階層構造)について|Yahoo!広告ヘルプ』
参考:『Google広告の構成について|Google広告ヘルプ』
関連記事:『【保存版】リスティング広告の用語28選!マーケティングの基本を解説』
リスティング広告の効果的なアカウント構造設計
それでは、成果につながるアカウント構成を作り出すためには、何を意識すべきでしょうか。
より広告運用の成果が上がるアカウント構成にするために意識すべきポイントを詳しく解説します。
キーワード属性ごとの広告グループを作成する
引用:『リスティング広告のアカウント構成はどう考える?基礎と作成手順を紹介|LINEヤフーfor Business』
複雑なアカウント構成は、広告効果を下げる可能性があります。
反対に、商品やサービスのテーマごとにキャンペーンを判別し、ユーザーのニーズごとに広告グループを分けるといったシンプルで管理しやすいグループ分けは、広告の成果を高めるために重要な要素となります。
以下では、属性ごとのキーワードとグループ設計の考え方を整理し解説します。
ニーズに基づくキーワード属性の分析
引用:『リスティング広告のアカウント構成はどう考える?基礎と作成手順を紹介|LINEヤフーfor Business』
ユーザーのニーズにマッチしていない広告は、いくら魅力的な情報を訴求していても効果が出にくくなります。
広告グループとキーワード、そして表示する広告は、すべて一貫してユーザーニーズにマッチするよう作成することが重要です。
以下にニーズに基づくキーワード属性の分析のステップを示します。
Step1.ターゲットユーザーの理解
購入者として想定されるユーザーがどんなニーズを持っているか分析します。
年齢、性別、職業、家族構成、趣味嗜好、居住地など、様々な属性を整理し、顧客のペルソナを描き出します。
Step2.ニーズの洗い出し
ペルソナごとに抱える課題やニーズを明確にします。
購入に至るきっかけなどを深堀りし、具体的な広告メッセージを考え出します。
Step3.キーワードの設定
上記で明らかにしたニーズに基づき、ユーザーが検索しそうなキーワードを設定します。
これが広告グループを作る基盤となります。
参考:『リスティング広告のアカウント設計|成果を出すためのポイントを徹底解説!』
属性ごとにグループを分ける理由と効果
属性ごとに広告グループを分けるという戦略は、広告運用の成果を大きく向上させます。
これは、キーワードの種類ごとに細かく広告メッセージを設定することで、ユーザーの検索意図と広告がより一致しやすくなるからです。
以下で、この戦略を採用する理由と効果を示します。
高いマッチ率
広告を属性ごとにグループ分けすることで、広告主は検索キーワードと広告内容をより直接的に関連付けることができます。
この戦略を用いると、検索したキーワードと広告がマッチしやすくなり、ユーザーの関心を引く可能性が高まります。
結果として、広告のクリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)の向上が期待できます。
広告の管理効率化
キーワードごとにグループを分けることで、各グループのパフォーマンスを一元的に把握することが可能となります。
これにより、改善が必要なグループを迅速に特定し、効率的な広告最適化を実施することができます。
広告運用の複雑さの軽減
属性ごとに広告グループを分けると、広告運用が複雑化するのを防げます。
例えば、ある商品に対して複数のキーワードがある場合でも、それぞれのキーワードに対応する広告グループを作成すれば、それぞれの広告がどのキーワードに対応しているのか明確になります。
このように、キーワード属性ごとの広告グループ作成は、広告の成果を最大化するために必要な戦略です。
キーワード選定から広告グループの設定、そして最適化に至るまで、このフローをしっかりと理解し、適用することで、広告運用の成果を大きく向上させることができます。
参考:『リスティング広告のアカウント構成はどう考える?基礎と作成手順を紹介|LINEヤフーfor Business』
関連記事:『リスティング広告の正しいキーワード選定手順とは?3ステップで解説』
キーワードマッチタイプごとのに広告グループを作成する
キーワードは、ユーザーが検索している語句と広告を一致させるために使用される単語やフレーズです。
キーワードがユーザーの検索語句と一致すれば広告がオークションの候補に入りますが、その際にどの程度厳密な一致を求めるか指定するのが、キーワードのマッチタイプです。
広告のキーワード設定には、いくつかのマッチタイプが存在します。
それぞれのマッチタイプは、広告が表示される検索クエリ※の範囲を定めます。
そのため、マッチタイプによって広告グループを分けることで、更に精度の高い広告配信が可能となります。
参考:『検索クエリとは?キーワードとの違いや分析方法について|LINEヤフーfor Business』
参考:『リスティング広告のアカウント設計|成果を出すためのポイントを徹底解説!』
マッチタイプの種類と特徴
Google広告では、一般的に以下の3つのマッチタイプが利用できます。
それぞれのマッチタイプについて詳しく見てみましょう。
引用:『キーワードのマッチタイプについて|Google広告ヘルプ』
マッチタイプ | 説明 | メリット | デメリット |
インテントマッチ | キーワードの同義語や関連する検索を含む、最も広範囲の検索に広告を表示します。 | 多様な検索内容に対して広告を表示できる。 | 広範囲すぎて、ニーズに対応していない場合がある。 |
フレーズ一致 | キーワードを含むフレーズの検索に対して広告を表示します。その他の単語が前後についていてもマッチします。 | 特定のフレーズを検索するユーザーに対して広告を表示できる。 | 広告の表示範囲がインテントマッチより狭まる。 |
完全一致 | キーワードと全く同じ、または非常に類似した検索に対してのみ広告を表示します。 | 特定の検索内容だけを対象にでき、ニーズに非常に近いユーザーに対して広告を表示できる。 | 広告の表示範囲が最も狭い。 |
ユーザーの検索意図(インテント)を捉える機能の本質に合わせ、2024年7月からマッチタイプの「部分一致」が「インテントマッチ」の名称へ変更されました。
参考:『キーワードのマッチタイプについて|Google広告ヘルプ』
参考:『検索広告の部分一致を「インテントマッチ」へ改称した理由とは | Think with Google』
マッチタイプごとの広告グループ作成
各マッチタイプによって広告グループを作成することで、広告の配信範囲を細かくコントロールすることが可能となります。
また、広告グループごとに異なるマッチタイプを設定することで、広告の成果を最大化するための適切な入札額を設定することが可能となります。
例えば、インテントマッチの広告グループでは、広範囲のユーザーに対して広告を表示するため、一覧性を追求する場合に有効です。
しかし、一方でニーズとのミスマッチが発生しやすいため、入札額は控えめに設定します。
フレーズ一致の広告グループでは、特定のフレーズを検索するユーザーに対して広告を表示します。
ユーザーの検索意図と広告内容がより一致する可能性があるため、入札額はインテントマッチよりも高めに設定します。
そして、完全一致の広告グループでは、特定の検索語句だけを対象に広告を表示します。
これは、最もニーズに近いユーザーに対して広告を表示することができ、最高の広告効果を期待できるため、入札額は最も高めに設定します。
各マッチタイプの特性を理解し、それぞれの特性に合わせた広告グループ作成と入札額設定を行うことが、リスティング広告の効果を最大化するための重要なステップです。
参考:『アカウント構成を考える時の注意点-広告グループ編』
関連記事:『リスティング広告のマッチタイプ3種類を解説【正しい効果測定も紹介】』
キーワードの「量」と「質」を考慮する
広告運用においてキーワードは極めて重要な要素です。
しかし、ただ多くのキーワードを選ぶだけではなく、その「質」も重要で、適切な検索ボリュームとコンバージョンのバランスを確保する必要があります。
検索ボリュームとコンバージョンのバランス
設定したキーワードは検索ボリュームが高く、そして高いコンバージョン率を持つものが理想的です。
しかし、多くの場合、検索ボリュームが高いキーワードは競合も激しく、コンバージョン率が低くなる可能性があります。
逆に、検索ボリュームが低いキーワードは競合が少なく、コンバージョン率は高いですが、広告のリーチが小さくなります。
検索ボリュームとコンバージョン率のバランスを考慮してキーワードを選択しましょう。
参考:『リスティング広告のアカウント設計|成果を出すためのポイントを徹底解説!』
キーワードツールの活用法
キーワード選定においては、Google広告のキーワードプランナー以外にも様々なキーワードツールが存在します。
これらのツールは検索ボリュームや競合状況、予想コンバージョン率などの情報を提供し、より質の高いキーワード選定をサポートします。
以下に一部のキーワードツールを紹介します。
ツール名 | 特徴 |
Googleキーワードプランナー | Googleが提供する無料のツール。検索ボリューム、予想クリック数、予想コストなどの情報を提供。 |
Ubersuggest | 1日あたりの回数制限はあるものの無料で使えるキーワード調査ツール。具体的な検索ボリュームの数値を確認することができる。 |
Keyword Surfer | Chromeの拡張機能として提供されている検索ボリューム調査ツール。Googleの検索結果にキーワードとサジェストの検索ボリュームが表示される。 |
Aramakijake | Google検索やYahoo検索での検索ボリュームを確認できる無料ツール。一切の登録やインストールが必要なく気軽に使える。 |
これらのツールを活用し、「量」と「質」を考慮したキーワード選定を行いましょう。
それぞれのツールには特徴と利点がありますので、自分のニーズに合わせて選びましょう。
その一方で、これらのツールが提供する検索ボリュームはあくまで予測値であり、実際の検索ボリュームとは差があることは認識しておくことが重要です。
参考:『【実践】簡単にできる検索ボリュームの調べ方を紹介!無料調査ツール4選』
関連記事:『Googleキーワードプランナーの使い方とは?5つの便利機能を解説』
Google・Yahoo!で提唱されている3つのアカウント構造
上の内容を踏まえ、ここからはGoogle・Yahoo!で推奨しているアカウント構造についてご紹介します。
Googleでは「hagakure」「GORIN」、Yahoo!では六連の「Step1.基盤構築」のアカウント構造が推奨されています。
上で紹介した効果的なアカウント設計と合わせて理解しておくことで、さらに効果的なリスティング広告のアカウント構造を作成できる可能性があります。
Hagakure
Hagakureは、Google広告のアカウント設計を効率化するための戦略で、広告運用をよりシンプルかつ効率的に行うことを目指しています。
この構造では、一つの広告グループに多くのインプレッションを集中させ、データを大量に蓄積することで、機械学習をより効果的に利用することが期待されます。
たとえば、ある電子商品店が、異なる種類の製品(例えば、スマートフォン、ノートパソコン、デジタルカメラ)の広告を展開する場合、Hagakureのアプローチでは次のような広告グループ構造を持つことになります。
広告グループ | キーワード例 |
スマートフォン | 「スマートフォン 価格」、「スマートフォン おすすめ」、「スマートフォン 比較」、「スマートフォン 高性能」 |
ノートパソコン | 「ノートパソコン 価格」、「ノートパソコン おすすめ」、「ノートパソコン 比較」、「ノートパソコン 高性能」 |
デジタルカメラ | 「デジタルカメラ 価格」、「デジタルカメラ おすすめ」、「デジタルカメラ 比較」、「デジタルカメラ 高性能」 |
Hagakureの主な特長としては以下のような点が挙げられます。
運用工数の削減
一つの広告グループで複数のキーワードをまとめることで、作成時間や管理の手間を削減できます。
インプレッションの蓄積
同一の広告グループで多様なキーワードを使うことで、大量のインプレッション(表示回数)を蓄積しやすくなります。
機械学習の活用
大量のインプレッションデータを用いて、自動入札などの広告運用の最適化を行いやすくなります。
ただし、広告との関連性が下がり、クリック率に影響を与える可能性もある点に注意が必要です。
具体的には、一つのグループで多くのキーワードを扱うため、それぞれのキーワードが広告と直接関連しない可能性があります。
このような状況がクリック率の低下を引き起こす可能性があります。
この問題に対する具体的な改善策としては、次のようなアプローチが考えられます。
適切なキーワード選択
広告グループごとに適切なキーワードを慎重に選択し、広告の関連性を保つことが重要です。
例えば、特定の製品やサービスに直接関連するキーワードを選び、広告グループ内のキーワードが一貫性を保つようにします。
広告コンテンツの最適化
広告テキストは可能な限り選択したキーワードに適応するように作成します。
これにより、広告の関連性が高まり、クリック率の低下を防ぐことが可能になります。
定期的なパフォーマンスレビュー
Hagakure構造を使用して広告運用を行う場合、定期的にパフォーマンスをレビューすることが重要です。
これにより、問題が発生している広告グループやキーワードを特定し、適切な対策を講じることが可能になります。
このように、Hagakure方式は機械学習と広告運用を最適化する強力な手段ですが、その成功は適切な管理と継続的な改善に大きく依存しています。
参考:『hagakureって何?いまさら聞けないアカウント構造の概念を徹底解説!』
GORIN
GORINは、Googleが2016年頃から提唱している広告運用指南で、ユーザーが求めている情報を適切なタイミングで正確に提供することを目指しています。
インターネットの普及により、ユーザーの行動はますます複雑化していますが、Google広告の機械学習技術が進化し、この複雑化したユーザーの行動に対応しつつ広告の効果を最大化することが可能になりました。
GORINの利用によるメリットは以下の3点に集約されます。
広告運用・広告管理の簡易化
GORINは「1つのリンク先に対して1つの広告グループ」の形を推奨しています。
これにより、広告運用における管理が一元化され、広告運用者の作業効率が向上します。
インプレッション数やクリック率など、広告運用に必要なデータが1つの広告グループで集約されるため、分析や戦略立案の過程が容易になります。
機械学習による自動化
GORINは機械学習を駆使して広告運用を推進します。
1つの広告グループに集約されたデータを用いて機械学習を進行することで、広告運用の自動化が進みます。
この結果、広告運用者の手間を軽減しながら、精度の高い広告運用が可能となります。
手動運用では達成困難な最適化
以前の広告運用は基本的に手動で行われていました。
しかし、GORINは「興味関心のあるターゲットに対し適切な広告を配信する」ことに重きを置いています。
一度アカウントを設定すれば、機械学習と自動化を駆使して、手動運用では到達困難な広告運用の最適化を実現します。
これらの利点は、広告運用者にとって時間と労力を大幅に節約すると同時に、広告運用の効果を最大化する可能性を提供します。
それはGORINの活用によって、広告運用がより効果的かつ効率的になることを示しています。
参考:『GORINとは?Google広告の基本構造を理解しよう』
六連「Step1.基盤構築」
六連とは、Yahoo!広告の運用において効果を上げるために推奨されている手法です。
「基盤構築」「最適入札」「効果効率」「拡大成長」「最適表現」「成果維持」の6つのステップから成り、そのうちの「Step1.基盤構築」においてアカウント構造について掲示されています。
基盤構築では、アカウントの基礎を固めて土台を構築し、シンプルな機能を活用することで機械学習による最適化の効果を発揮することができます。
なお、基盤構築においては以下の4つのKPIが設定されています。
KPIとはKey Performance Indicatorの略称で、重要業績評価指標を意味します。
- エンティティ数
- ユニーククエリー率
- 3種広告表示アセット利用金額率
- インプレッション損失率(予算)
それぞれ詳しくご紹介していきます。
関連記事:『【Yahoo!広告】公式が推奨する運用方法「六連」とは?導入の6STEP』
エンティティ数
引用:『STEP1 基盤構築|Yahoo!広告推奨運用手法「六連」| LINEヤフーfor Business』
エンティティ数とは、キャンペーンや広告グループ、広告などの数を指します。
エンティティ数は「コンフリクトの回避」において重要な指標となっています。
本来コンフリクトとは「衝突、対立」を意味しますが、ここでは1つの検索キーワードに対して登録したキーワードが複数反応してしまっている状態を意味します。
複数のキーワードが反応することで広告のインプレッションが分散してしまい、広告自体の品質が正確に算出されない可能性があります。
そのため、インプレッションの分散を回避するために訴求軸が同じキーワードをまとめたり、対象外のキーワードを活用することが推奨されています。
参考:『コンフリクトとは|IT用語辞典』
ユニーククエリー率
引用:『STEP1 基盤構築|Yahoo!広告推奨運用手法「六連」| LINEヤフーfor Business』
ユニーククエリーとは、検索キーワードに対して登録キーワードが1つの広告グループのみで反応している状態を指します。
この割合を示すユニーククエリー率によって、インプレッションが分散してしまっているかどうかを確認することができます。
同じキーワードが登録されていない場合でも、アカウント内で複数の登録キーワードが反応することでインプレッションが分散してしまうことがあります。
そのため、上のエンティティ数で述べたように同じ軸のキーワードを広告グループにまとめるなどの対策が必要です。
3種広告表示アセット利用金額率
引用:『STEP1 基盤構築|Yahoo!広告推奨運用手法「六連」| LINEヤフーfor Business』
ここでは、広告表示アセットである「テキスト補足アセット」「カテゴリ補足アセット」「クイックリンクアセット」の3つをすべて設定することを推奨しています。
これらの広告表示アセットを網羅的に活用することで広告の占有面積が拡大し、広告効果のアップが見込まれます。
インプレッション損失率(予算)
引用:『STEP1 基盤構築|Yahoo!広告推奨運用手法「六連」| LINEヤフーfor Business』
インプレッション損失率とは、広告の配信機会において日予算や入札価格などが原因で実際に広告表示ができなかった回数の割合を指します。
広告キャンペーンの日予算設定が配信機会に対して十分ではない場合、配信機会の損失や広告パフォーマンスにも影響が出てしまう恐れがあります。
インプレッションを取りこぼさないためにも、配信コストに対し設定しているキャンペーンの日予算金額が十分か確認することが大切です。
参考:『インプレッションシェアとインプレッションシェア損失率について【検索広告】| Yahoo!広告ヘルプ』
参考:『STEP1 基盤構築|Yahoo!広告推奨運用手法「六連」| LINEヤフーfor Business』
参考:『検索広告 推奨運用資料|Yahoo!』
関連記事:『検索広告のインプレッションシェアとは?損失率を改善する4つの施策』
まとめ
本記事では、リスティング広告のアカウント構造設計の重要性とその実装について解説しました。
リスティング広告のアカウント構造は、広告運用の効果を最大限に引き出すための重要な要素であり、その設計がユーザーとの接点である広告の質を左右します。
このアカウント構造の設計は、キーワード属性やマッチタイプごとの広告グループ作成といった要素により行われ、キーワードの「量」と「質」のバランスを適切に管理することが求められます。
さらに、Googleが推奨する最新の運用戦略、Hagakure、GORIN、MUGENの考え方を取り入れることで、リーチの拡大と最適化を両立させることが可能です。
これらの戦略は、効果的な入札戦略と広告の品質向上、そして広範なリーチを目指すことで、広告運用の成果を一段と向上させます。
しかし、これらの戦略の実装や広告運用は専門的な知識と経験を必要とします。
本記事を読んで、リスティング広告のアカウント構造設計や運用が難しいと感じた方は、Webマーケティングの経験が豊富な代理店に任せることも有効な手段です。
株式会社Unionでは、Web広告のプロがお客様の課題を解決するWeb広告運用サービスを展開しております。
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また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能な認証を受けておりますので、広告運用のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案します。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。