SEO対策施策として耳にすることが多いXMLサイトマップ。
ユーザーがWebページを訪問した際に直接影響のない施策でないことから、わかりづらいWeb施策の1つです。
この記事を読んでいる方の中にも、XMLサイトマップとはどのようなものか、また、どのように作成すればよいのか疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
XMLサイトマップとは、検索エンジンにWebサイトを認知させるための施策です。
検索エンジンでは、クローラと呼ばれるソフトウェアの働きで一般公開されているWebページにアクセスし、そのページを移動することで、サイトを認知し、情報整理を行います。
Webページを認知し、情報を整理することをインデックスと呼びます。
参考:『Google 検索における情報の整理方法|Google Search』
XMLサイトマップを用いることで、Webページ上におけるクローラの移動速度を促進することにつながり、構造が複雑で見つかりづらいページも、見逃されることなくインデックスさせることが可能です。
当記事では、インデックスを促す際に重要なXMLサイトマップについて紹介します。
関連記事:『オウンドメディアでコンテンツを資産に! 目的と6つのメリットを紹介』
Contents
XMLサイトマップとは
XMLサイトマップは前述の通り、XMLをコーディングして作成するサイトマップです。
XMLサイトマップを作成することで、ページ検出の手助けをすることが可能です。
そもそもXMLとは何なのでしょうか。
XMLは文章を構造化することを目的としたマークアップ言語の1つです。
タイトルがどこなのか、重要な部分はどこなのかなどをコンピューターに認識させるために使用します。
参考:『マークアップ言語とは – Markup Languageの種類とその歴史』
XMLはマークアップ言語の中でもデータ記述に特化した言語です。
コンピューターに対し効率よく情報伝達することが可能です。
サイトマップには、XMLサイトマップと他に、HTMLサイトマップがあります。
HTMLは見た目を綺麗にすることを目的としたマークアップ言語であることから、インデックス施策として活用することはできません。
このような特徴の差から、インデックスを促す際はXMLサイトマップが活用されます。
参考:『XMLとは?IT初心者にもわかりやすい基礎知識とHTMLとの違い』
インデックスとは検索エンジンのクローラによって認知されることを意味します。
インデックスされることで、SEO評価が得られるようになるため、ページ上位表示を狙うためには欠かせない施策です。
参考:『インデックス(index)とは?確認方法とSEO評価を解説』
ページの上位に表示されることで多くのユーザーから認知されることにつながります。
SEO施策を行うseoClarityが2021年11月に行った、170億個のキーワードに対する7,500億件のインプレッション、300億件のクリックに対する調査では、検索順位に対するクリック率は以下のようになりました。
結果から分かるように、上位表示されればされるほどクリック率が高く、上位表示されるための第一歩としてインデックスを欠かすことはできません。
Googleのガイドラインでは、クローラがサイトを認識し、インデックス登録し、ランク付けするプロセスをスムーズに行うためには以下の3つの基本事項が重要であると述べています。
- 技術要件: Google 検索でウェブページを表示させるためにウェブページに必要なもの。
- スパムに関するポリシー: 掲載順位が下がったり、Google 検索の検索結果から完全に除外されたりする原因となる行動や手法
- 主なベスト プラクティス: Google 検索結果でのサイトの表示を改善するための主な方法。
引用:『Google 検索の基本事項』
XMLサイトマップとは、クローラに対しWebページの認識を促す施策です。
ページ数が多く大規模なサイトでは、XMLサイトマップを設置しなかった場合、ページ全てをクローラが徘徊することが難しく、インデックスされないページが生じてしまう恐れがあります。
Googleでは、サイトマップを作成しない場合においてもほとんどのページはクローラが徘徊を行うことで認知し検出します。
それでは、XMLサイトマップを導入すべきケースとする必要のないケースにはどのような違いがあるのでしょうか。
XMLを導入すべきケースとする必要のないケース
GoogleのWebページでは、XMLサイトマップを導入すべきなWebページとして以下の4つを紹介しています。
導入すべきケース | 理由 |
サイトサイズが非常に大きい場合 | その場合、新しいページや更新されたばかりのページの一部がGoogle のウェブクローラによるクロール対象から漏れることがあります。 |
サイトが新しく、外部からのリンクが少ない場合 | Googlebotなどのウェブクローラは、ページからページヘリンクをたどることによってウェブをクロールします。そのため、他のサイトからのリンクがないページはGoogle のクローラに検出されないことがあります。 |
サイトに動画や画像などのリッチメディア コンテンツが多数含まれている、またはサイトがGoogle ニュースに表示されている場合 | サイトマップがあれば、状況に応じて Google検索でサイトマップからの追加情報が考慮されます。 |
Webページの規模が大きい場合や、外部との接点が少ないサイトに関しては、適宜サイトマップを作成し、対応する必要があります。
また、Googleには、検索する際に画像や動画、ニュースなどカテゴリを絞って検索をする機能があります。
ユーザーがカテゴリごとの検索を行った際の表示を促す際にサイトマップは非常に有用です。
これに対し、以下のようなケースではサイトマップを導入する必要はないと紹介しています。
導入する必要のないケース | 説明 |
サイトのサイズが小さい場合 | サイトのページ数がおよそ 500 ページ以下の場合にサイズが小さいと考えます。検索結果に表示する必要のあるページのみをこの合計ページ数に加算します。 |
サイトはサイト内で完全にリンクされている場合 | Google がホームページからリンクをたどって、サイト内の重要なページをすべて見つけられるということです。 |
検索結果に表示させたいメディア ファイル(動画、画像)やニュースページが多くない場合 | サイトマップは、サイト内の動画ファイル、画像ファイル、またはニュース記事を Google が探して理解するうえで役立ちます。画像、動画、ニュースの検索結果に表示する必要がない場合、サイトマップは必要ありません。 |
ページ数が500未満の場合は、サイトマップは必要がないと言われています。
Googleでは、適切にリンクされている場合はほとんどのサイトをクロールするため、上に該当した場合は、現状サイトマップを作成する意義は薄いです。
XMLサイトマップの作成方法
XMLサイトマップの作成方法は以下の3つです。
- 自らコーディングを行う
- 自動作成ツールを活用する
- WordPressを使用している場合であればプラグインで作成する
自らコーディングを行う
自らXMLサイトマップを作成する場合は、テキストエディタを用いてコーディングを行います。
コーディングを行なったのち、xmlの拡張子で保存することで作業完了です。
<要素名> を開始タグ、 </要素名> を終了タグとし、開始タグと終了タグの間に要素の「内容」をテキストで記述することでサイトマップを作成することが可能です。
コーディング時使用可能な要素は以下の通りです。
属性 | 説明 | |
<urlset> | 必須 | 全体のタグを囲む要素です。 |
<url> | 必須 | URLの親タグです。 |
<loc> | 必須 | ページのURL。URLは、Webサーバーが必要とする場合、プロトコル(httpなど)で始まり、末尾のスラッシュで終わる必要があります。 ※2,048文字以内 |
<lastmod> | オプション | ページの最終更新日を表記します。 |
<changefreq> | オプション | ページがどのくらいの頻度で更新される可能性が高いかを記載します。 ・hourly(1時間) ・daily(毎日) ・weekly(毎週) ・monthly(毎月) ・yearly(毎年) ・never(更新しない) などがあります。 |
<priority> | オプション | 優先順位を指定することが可能です。 0.0~1.0が有効な値であり、ページのデフォルトの優先度は0.5です。 |
参考:『Sitemaps XML format』
関連記事:『WordPress初心者ガイド!企業サイトの作り方を4ステップで解説』
自動生成ツールを活用する
自動生成ツールを活用することで、ミスなく直感的にXMLサイトマップを作成することが可能です。
XMLサイトマップを自動生成する際によく使われるツールの1つに「sitemap.xml Editor」があります。
引用:『サイトマップを作成-自動生成ツール「sitemap.xml Editor」』
URLや最終更新日などの情報を記入し作成をクリックするだけでサイトマップの作成が完了します。
「sitemap.xml Editor」で設定可能な要素は以下の5つです。
要素 | 説明 |
最終更新日 | 「する」を選択することで自動取得します |
サイトの更新頻度 | 記述しない アクセスの旅 1時間ごと 毎日 1週間ごと 1月ごと 1年ごと 更新しない 以上の8項目から選択可能です。 |
優先度 | トップページを1.0とし、改装に応じて自動設定します。 |
除外ディレクトリ | 含めたくないディレクトリがある場合は指定します。 |
同一タイトルURLの除外 | Webサイト内にある同一タイトルを除外します。 |
WordPressを使用している場合であればプラグインで作成する
WordPressを使用し、Webページを作成している場合であれば、プラグインを導入することで簡単にXMLサイトマップを作成することが可能です。
URLを打ち込む手間もかからないため、最も簡単な手法です。
XMLサイトマップ作成におけるおすすめのプラグイン
XMLサイトマップを作成する上でおすすめのプラグインは以下の3点です。
- XML Sitemaps
- All in One Seo Pack
- Yoast SEO
それぞれ特徴があるため、ニーズに合わせて使い分けましょう。
XML Sitemaps
引用:『XML Sitemaps』
- 自動でGoogleやBingに通知する機能がある点
- 設定の自由度が高い点
以上の2点がXML Sitemapsの特徴です。
自動通知機能が備わっていることで、Webサイトの運用の負担を軽減することが可能です。
また、優先度などについて、詳細に設定できることから、望んだ形のXMLサイトマップを作成可能なツールです。
どのプラグインを使用するか迷った場合は1度XML Sitemapsをダウンロードし、サイトマップの導入を開始してみてはいかがでしょうか。
ダウンロード数が100万件を突破しているなど、多くのユーザーから愛されているツールです。
All in One Seo Pack
引用:『All in One Seo』
All in One Seoの最大の特徴は画像XMLサイトマップの作成が可能であることです。
画像XMLサイトマップとは画像に特化したサイトマップのことです。
一般的なXMLサイトマップと異なり、画像検索での上位表示を目指す際に用いる施策です。
検索ボリュームや競合が多いキーワードの場合、画像検索で上位表示を狙うことも手段の1つです。
また、All in One Seoでは、XMLサイトマップ以外のSEO施策も一括管理することが可能です。
少しでも少ないツールでSEO対策を行いたい方は1度導入を開始してみてはいかがでしょうか。
Yoast SEO
引用:『Yoast SEO』
Yoast SEOもAll in One Seoと同様にXMLサイトマップだけでなく、SEO全般の対策を行うことが可能なツールです。
XML SitemapsやAll in One SEOと比較しできることに大差ありませんが、設定方法などで違いがあります。
XML SitemapsやAll in One Seoが使いづらいと感じた方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。
プラグインでXMLサイトマップを作成する上での注意点
プラグインは簡単にダウンロードでき、簡単に開始可能であることからXMLサイトマップを作成する上で非常に有効な手段です。
プラグインでサイトマップを作成する際は、XMLサイトマップを複数プラグインで同時に作成しないように注意しましょう。
Yoast SEOを他のサイトマップを作成している状態でダウンロードしようと試みた場合、以下のような文言が表示されます。
XML Sitemaps プラグインを Yoast SEO と併用すると問題が起きる可能性があります。 Yoast SEO と XML Sitemaps の両方が XML サイトマップを生成できる状態です。複数のサイトマップは検索エンジンにとって良くないだけでなく、サイトの速度を遅くする原因にもなります。
検索エンジンにとって都合が良く、ユーザーにとって近いやすいWebページにするためにサイトマップ作成プラグインを複数導入しないことに注意しましょう。
関連記事:『Webページの表示速度を上げる改善策7選!計測方法も紹介』
まとめ
XMLサイトマップは、クローラインデックスを促す際に非常に有用な施策です。
インデックスされなかった場合、ユーザーが検索エンジンで検索した場合も表示されず、ユーザーを取り逃がしてしまいます。
基本的にクローラはほとんどのサイトを徘徊しており、インデックス漏れはほとんどないと言われています。
しかし、大規模なサイトや外部リンクが少ない場合はインデックスされていない可能性もあるため、XMLサイトマップを作成し、導入するようにしましょう。
XMLサイトマップはプラグインを使用することことで簡単に導入することが可能です。
XML Sitemapsなどのプラグインを活用することで短時間でXMLサイトマップを作成することが可能です。
また、当記事を読んでサイトマップが難しいと感じた方は代理店など専門家に相談することも手段の1つです。
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監修者
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