Google広告のP-MAXに新たに追加された「検索テーマ」機能は、機械学習の欠点を解消し、早期にパフォーマンスを高めやすくしてくれます。
本記事では、「検索テーマ」を活用する4つのメリット、「検索テーマ」をどのようなケースで活用するとより効果的であるかを解説していきます。
参考:『P-MAXで検索テーマを活用して関連性の高い新たなトラフィックに配信する Google広告ヘルプ』
関連記事:『【2024年1月更新】Google広告を含むWeb広告アップデート情報まとめ』
Contents
Google広告のP-MAXとは
こちらでは、P-MAXとそのデメリットについて解説いたします。
P-MAXとは
Google広告のP-MAXとは、Performance Maxを省略したもので、広告効果を最大限にすることを目的としたキャンペーンです。
具体的にP-MAXでは、以下の広告枠を一括で管理し、広告配信することができます。
- Google検索ネットワーク
- Google広告ディスプレイネットワーク
- YouTube
- Gmail
- Googleマップ
- Discover
- Googleショッピング
また、機械学習により、配信面と入札価格を自動で最適化し、手動管理の作業時間も削減できます。
これまで特定の広告枠にしか配信していなかった場合は、P-MAXを活用することで、パフォーマンスが向上し、新たなオーディエンスへリーチが期待できます。
参考:『P-MAX(ピーマックス)とは?Google広告のキャンペーンタイプを徹底解説!』
参考:『P-MAXキャンペーンの新たな機能「検索テーマ」とは』
P-MAXの機械学習は一定の時間が必要
一方で、P-MAXの機械学習は多くのデータを基に分析する必要があるため、パフォーマンスを最適化するためには、一定の時間が必要になるといったデメリットが存在します。
このデメリットを解消するのが「検索テーマ」機能です。
参考:『P-MAXキャンペーンの新たな機能「検索テーマ」とは』
P-MAXについては、こちらで詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
関連記事:『Google広告P-MAXキャンペーンとは?機能と入稿の5ステップを解説』
P-MAXの「検索テーマ」とは
P-MAXの「検索テーマ」とは、P-MAXに設定できる任意のキーワードです。
キーワードを設定することで、広告主が持つ独自の分析情報をGoogle AIに直接提供し 、機械学習の期間を短縮することができます。
そして、これまでリーチできていなかったプレースメントに簡単に広告を配信することができます。
以下は「検索テーマ」とはどのような仕様なのかについてまとめています。
- 「検索テーマ」は任意の機能
- アセットグループごとに25個まで設定が可能
- ターゲットとしたいユーザーが使用している検索語句を指定すると、より関連性が高いユーザーに広告を表示できる
- URLやアセットに基づいて、広告を配信する検索クエリに自動で追加される
- 除外設定、除外キーワードは「検索テーマ」にも適用される
- 「検索テーマ」のキーワードの優先順位は検索キャンペーンの「フレーズ一致」、「インテントマッチ」のキーワードの優先順位と同じ
- Google広告の管理画面で分析情報の確認ができる
- 分析情報にはAPI※1を介してアクセスすることが可能
- 「検索テーマ」に設定したキーワードの検索ボリュームが少ない場合は加味されない
このような仕様であることで、「検索テーマ」にはさまざまなメリットがあります。
参考:『#152 Google広告P-MAXの新機能「検索テーマ」について』
参考:『P-MAXで検索テーマを活用して関連性の高い新たなトラフィックに配信する Google広告ヘルプ』
参考:『P-MAXキャンペーンで検索テーマを使用する Google広告ヘルプ』
参考:『Google広告、P-MAX「検索テーマ」とは?特徴や使い方を解説』
P-MAXの「検索テーマ」を活用する4つのメリット
「検索テーマ」を活用することでもたらす4つのメリットを「検索テーマ」の仕様に基づいて解説します。
- 機械学習を短縮できる
- より関連性が高いユーザーへ広告を表示できる
- 設定管理が容易
- 具体的な分析情報を確認できる
機械学習により短期間で最適化できる
上述したように、通常P-MAXの機械学習はWebページなどから情報を収集するため、最適化されるまでに時間がかかります。
Google広告のベストプラクティスでは、少なくともP-MAXキャンペーンを約6週間実施するのがよいとされています。
しかし、 「検索テーマ」に広告主が直接情報を提供することで、学習期間を短縮することができます。
参考:『【Google広告】P-MAXの新機能検索テーマ機能とは』
参考:『すべての業種向けの P-MAX キャンペーンの最適化のヒント』
より関連性が高いユーザーへ広告を表示できる
「アセットグループごとに最大25個まで設定が可能」、「URLやアセットに基づいて、広告を配信する検索クエリに自動で追加される」の2つの仕様により、より関連性が高いユーザーに広告を表示でき、広告のクリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。
ただし、「検索テーマ」に設定したキーワードの検索ボリュームが少ない場合は加味されないのでキーワードを設定するときは注意が必要です。
参考:『【Google広告】P-MAXの新機能検索テーマ機能とは』
参考:『Google 広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて Google広告ヘルプ』
参考:『Google広告、P-MAX「検索テーマ」とは?特徴や使い方を解説』
Google広告の設定管理が容易
「検索テーマ」は、Google広告の管理画面で設定している内容が一部適用されます。
また、検索キャンペーンで設定するキーワードの優先順位が「検索テーマ」でも適用されるため、以下のような内容の管理が容易となります。
- 除外ワードの管理
- ランディングページへの誘導の設定管理
- キーワードの優先順位の管理
除外ワードの管理
Google広告の設定画面内に「ブランド除外」、「アカウント単位の除外キーワード」を設定する項目があります。
それらの項目を設定していると、広告表示を制御することができます。
「検索テーマ」にも自動適用されることで、それぞれに設定する手間が省け、除外ワードの管理が容易となります。
ランディングページへの誘導の設定管理
Google広告の設定画面内の「最終ページURLの拡張」、「ページフィード」、「URLが次を含む」を設定する項目があります。
それらの項目を設定していると、ユーザーが広告をクリックしたときに、設定しているランディングページ (商品購入ページや問い合わせページなど)にユーザーを誘導できます。
「検索テーマ」にも自動適用されることで、それぞれに設定する手間が省け、ランディングページの誘導設定の管理が容易となります。
キーワードの優先順位の管理
「検索テーマ」で設定されたキーワードは、検索キャンペーンで使用される「フレーズ一致」や「インテントマッチ」のキーワードと同じ優先順位となります。
キーワードの優先順位については詳しく「5.P-MAXの「検索テーマ」を使用する際のキーワードの優先順位の付け方」で解説しています。
優先順位が統一されていることで、個別に調整する必要がなく、管理が容易になります。
参考:『P-MAXで検索テーマを活用して関連性の高い新たなトラフィックに配信する | Google広告ヘルプ』
参考:『Google広告で特定のページを広告から除外する方法』
参考:『P-MAXによる広告効果の最大化: アカウント単位の除外キーワード設定機能が実装』
参考:『動的検索広告のフィードの設定方法をどこよりも分かりやすく解説!』
参考:『Google 広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて | Google広告ヘルプ』
参考:『【P-MAX】新機能「検索テーマ」の活用術』
具体的な分析情報を確認できる
「検索テーマ」では、Google広告の管理画面で以下のような情報確認が可能です。
- クリック数
- 表示回数
- 検索ボリューム
- 関連するコンバージョン指標(コンバージョン数、コンバージョン率、コンバージョン値)
- 検索カテゴリーの詳細レポート
- 広告が配信された検索カテゴリー
上記情報は期間を指定して表示することが可能です。
参考:『P-MAXで検索テーマを活用して関連性の高い新たなトラフィックに配信する | Google広告ヘルプ』
参考:『Google Ads API | Google広告ヘルプ』
P-MAXの「検索テーマ」の活用で効果が期待できるケース
P-MAXの「検索テーマ」機能は、以下のような場面で効果を発揮します。
• 商品やサービスに関する詳細情報や最新情報がランディングページに記載されていない。
• 新規市場に参入したばかり、あるいは新しい商品やサービスをリリースしたばかりで、キャンペーンの過去の運用データが十分にない。
• P-MAXでのリーチ(P-MAXにおける検索広告枠を含む)を拡大し、重要なビジネステーマを包括的に網羅したい。
• キャンペーンをすばやく軌道に乗せ、パフォーマンスを短期間で最適化したい。
「検索テーマ」は、上記のような基になるデータが不十分な場合に効果を発揮します。
データが不十分な場合は、効率的な広告運用が難しくなります。
そこで「検索テーマ」を活用することで、データが少ない段階でも、より早く最適なパフォーマンスに向上させることができます。
参考:『【アップデート】P-MAXの検索テーマとは?活用場面など詳細を解説』
P-MAXの「検索テーマ」を使用する際のキーワードの優先順位の付け方
ここでは、より効率的に「検索テーマ」を活用できるよう、キーワードの優先付けについて解説します。
検索語句が複数キーワードの競合
1つの検索語句に対して、複数の関連キーワードが設定されている場合でも、それらがオークションで競い合うことはありません。
たとえば、「スカイダイビングのトレーニングコース」という検索語句に一致するように、「スカイダイビング コース」「スカイダイビング トレーニングコース」のように複数のキーワードを設定していた場合、これらのキーワードがオークションで競合することはありません。
この場合は、1つの検索語句に対して1つのキーワードのみが広告表示に選ばれます。
参考:『Google広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて Google広告ヘルプ』
参考:『【P-MAX】新機能「検索テーマ」の活用術』
P-MAXの「検索テーマ」の優先順位
以下は、オークションに参加する際に、どのキーワードが優先されるのかを示した表です。
優先度 | 一致特性 | 解説 |
1 | 検索語句と同一の完全一致キーワード | 「スカイダイビング ライセンス」という検索語句に対して、検索キャンペーンと同一の完全一致キーワード [スカイダイビング ライセンス] が、他のインテントマッチキーワードやフレーズ一致キーワード、またはP-MAXキャンペーンよりも優先されます。 |
2 | 検索語句と同一のフレーズ一致キーワードとインテントマッチキーワードまたは検索テーマ | 「スカイダイビング ライセンス」という検索語句に対して、同一のP-MAX検索テーマ「スカイダイビング ライセンス」が、フレーズ一致キーワード「スカイダイビング」よりも優先されます。 この場合、フレーズ一致キーワードは検索語句と同一ではありません。 |
3 | 関連性: AI(人工知能)に基づくキーワードの優先順位付け | 「近くのスカイダイビングの認定資格」という検索語句は、いくつかの広告グループ内のキーワードと一致する可能性があります。 この場合、検索語句と最も関連性の高い広告グループの中で、最も関連性の高いキーワードのみが考慮されます。 |
4 | 広告ランク | 複数の検索広告キーワードまたは P-MAX 検索テーマが上記の条件に基づいて優先度が同じである場合は、広告ランクが最も高い広告を生成する広告グループまたはアセットグループが優先されます。 |
参考:『Google広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて Google広告ヘルプ』
先述した通り、「検索テーマ」は検索キャンペーンの「フレーズ一致」、「インテントマッチ」のキーワードと同じ優先順位が適用されます。
たとえば、ユーザーが「スカイダイビング ライセンス」と検索した場合は、以下のような優先順位になります。
- 完全一致キーワードの「スカイダイビング ライセンス」
- 次に検索語句と同一の「フレーズ一致」、「インテントマッチ」のキーワード、「検索テーマ」で設定しているキーワード
参考:『Google広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて Google広告ヘルプ』
参考:『【P-MAX】新機能「検索テーマ」の活用術』
P-MAXの「検索テーマ」の広告ランクについて
複数の検索広告キーワードまたは「検索テーマ」の優先度が同じである場合は、広告ランクが最も高い広告を生成する広告グループまたはアセットグループが優先されます。
広告ランクに関する品質スコアのメリットや改善方法はこちらで解説していますので、ぜひ併せてお読みください。
関連記事:『品質スコアとは?具体的な改善方法3つを紹介!注意点も解説』
前提として、広告を表示できるのは、事前に広告主がキーワードを設定している検索語句をユーザーが検索したときです。
検索キャンペーンとP-MAXキャンペーンの同時使用を考えている場合、キーワードの優先順位を理解しておくことで、より効率的に広告運用が可能です。
参考:『Google広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて Google広告ヘルプ』
参考:『【P-MAX】新機能「検索テーマ」の活用術』
P-MAXの「検索テーマ」の設定方法
最後に、「検索テーマ」を設定する方法を解説します。
①「キャンペーン」のアイコンをクリック
Google広告の管理画面で、サイドバーより「キャンペーン」のアイコンをクリックします。
②「キャンペーン」プルダウンをクリック
セクションメニューでさらに「キャンペーン」のプルダウンをクリックします。
③「アセットグループ」をクリック
プルダウンで表示されたメニューから「アセットグループ」をクリックします。
設定済みのアセットグループが、アセットグループカードとして表示されます。
④「シグナル」の横にある鉛筆アイコンをクリック
シグナルを編集するためにアセットグループカードの右側にある「シグナル」の横にある鉛筆アイコンをクリックします。
⑤「シグナル」カードで「検索テーマ」を選択
シグナルの編集画面が出てきますので、「検索テーマ」を選択します。
⑥キーワードを入力
ターゲットとしたいユーザーが使用している検索語句を、キーワードとして指定します。
⑦「保存」をクリック
最後に保存ボタンを押して完了です。
これにより、キーワードを機械学習に反映させることができます。
参考:『P-MAXキャンペーンで検索テーマを使用する Google広告ヘルプ』
参考:『P-MAXキャンペーンの新たな機能「検索テーマ」とは』
まとめ
今回は、Google広告P-MAXの「検索テーマ」を活用する4つのメリット、「検索テーマ」をどのようなケースで活用するとより効果的であるかなどを解説しました。
この記事を読んで、Google広告P-MAXの「検索テーマ」での最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
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