広告ランクとは？品質スコアとの関係性やランクを上げるポイント4つ

Google広告では「広告ランク」という指標によって、リスティング広告やディスプレイ広告が表示されるのかどうか、またどの位置に掲載されるのかを決定づけられます。

自社の広告をなるべく多くのユーザーに効率よく届けるためには、広告ランクの数値を上げることが重要です。

広告ランクは、「品質スコア」をはじめとする、複数の要素によってランク付けされており、取り組み次第でランクアップが可能となります。

この記事では、広告ランクの仕組みやランクを上げるための方法をご紹介します。

Google広告を運用しているけれど、なかなか上位に掲載されない…とお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

リスティング広告運用

広告ランクとは？

まずは広告ランクが何を決定する指標であるのか、そしてランクを上げることによってどのようなメリットがあるのかを解説します。

広告の掲載可否、位置を決定する要素

Google広告には、広告ランクは、リスティング広告やディスプレイ広告の掲載に関連する「広告ランク」という指標があります。

広告ランクによって、以下の内容が判定されます

広告の掲載可否、掲載位置は、以下の流れによって決定されます。

①広告の各オークションで、掲載の可否を判定する広告ランクが算出される

Google広告は、特定のキーワードや広告枠に対してオークション形式で掲載位置や広告費が決定されます。

Googleでは質の高い広告を掲載するために、広告ランクの最低ライン（広告ランクの下限値）を設けています。

基準を下回った場合は、広告が掲載されません。

広告のオークションでは、最初に広告の掲載可否を判定するための広告ランクが割り出されます。

②掲載順位を決定するための広告ランクが算出される

次に、ランクが下限値を上回っている広告のなかで掲載順位を決定します。

①で説明した掲載可否判定のための指標とは別に、掲載順位を決定するための広告ランクが割り出されます。

ランクの高い順に、上位の枠が割り当てられるのが特徴です。

たとえば、リスティング広告で自社の広告が最上位に表示された場合、同じキーワードを入札している広告のなかでもっとも広告ランクが高いということになります。

Yahoo!広告にも同様の指標があり、こちらは「オークションランク」という名称が使用されています。

なお、この記事では、Google広告における品質スコアについての解説を主軸に解説します。

参考：『広告ランクについて｜Google広告ヘルプ』
参考：『掲載順位の決定方法｜Yahoo!広告ヘルプ』

Google広告では、広告がクリックされるたびに費用が発生する「クリック課金」の仕組みが採用されています。

以下の記事では、クリック課金広告（PPC広告）についてご紹介しているので、あわせて参考にしてください。
関連記事：『Web広告【PPC広告とは？】 代表3種類や費用の仕組みを解説！』

広告ランクを上げることによるメリット

広告ランクを上げることで、おもに以下のメリットが発生します。

広告を上位に掲載できる

広告ランクが上がると、自社の広告を上位の枠に掲載できる可能性が高まります。

ユーザーの目に入りやすくなるので、広告のクリック率向上も期待できるでしょう。

SEOを手がける米国の企業First Page Sageが発表したデータによると、Googleのリスティング広告の最上位枠の平均的なクリック率は2.1％、上位から2番目の枠は1.4％です。

できるだけ広告がクリックされる確率を上げるためには、上位掲載を目指すのが効果的です。

クリック単価を抑えられる

A社とB社で入札単価が同一の場合、広告ランクの高い方が上位に表示されます。

Googleでは、正式に広告ランクの算出方法を開示はしていませんが、一般的に「入札価格」と「品質スコア」のかけあわせによって広告ランクが決定されると考えられています。

広告ランクが上がるほど費用を抑えて出稿できるようになるため、コストパフォーマンスの高い運用が可能です。

参考：『Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2024』
参考：『広告ランクと品質スコアの違い、計算方法、広告品質詳細、関連要素を解説』

リスティング広告の仕組みを詳しく知りたい方は、以下の関連記事をチェックしてみてください。
関連記事：『検索連動型広告とは？仕組みと運用開始までの12のステップを解説』

広告ランクを決定づける要素

広告ランクを決定する要素は複数あります。

Googleの広告ランクは、おもに以下の6つの要素をふまえて算出されています。

それぞれの要素の詳細をみていきましょう。

入札単価

入札単価は、ユーザーによって広告がクリックされるごとに発生する費用のことを指します。

Googleの広告管理画面では、クリック1回ごとに最大でいくら支払うのかを指定することができます。

設定するのは最大金額であるため、通常は少ない金額を支払うことになります。

入札価格は、広告ランクを決定付ける要素のなかでは、広告主がコントロールしやすい項目です。

後述する品質スコアが競合と比較して低いと予想される場合、入札単価を調整することでランクアップをするという方法もあります。

ただし、安定的な広告運用を行うためにも、入札価格を上げるタイミングや金額などは予算配分や適切な時期などを考慮しましょう。

参考：『広告ランクについて｜Google広告ヘルプ』
参考：『広告ランクとは？計算式・品質スコアとの違い・改善方法を徹底解説！』

広告とランディングページの品質

Googleは、検索を行うユーザーに対して質の高い検索結果ページを提供することを目的とし、いくつかの要素を測定・評価しています。

これらをもとに広告の品質を示す指標として算出されるのが、品質スコアです。

参考：『広告ランクについて｜Google広告ヘルプ』

広告ランクの下限値

前述のように、Google広告では、広告の質を保つために広告ランクの下限値を設けており、これを下回ると広告が掲載されません。

広告ランクの下限値はオークションの際に動的に決定され、広告の品質や掲載順位、ユーザーシグナルや属性、また検索キーワードの性質によって変動します。

もし入札したキーワードで掲載可能な広告が自社のものだけで競合が発生していない場合は、下限値によって割り出された予約料金を支払って出稿することになります。

参考：『広告ランクについて｜Google広告ヘルプ』
参考：『広告ランクの下限値: 定義｜Google広告ヘルプ』

オークションにおける競争力

同等の広告ランクである2社が競合する際、同じ掲載順位になる確率もほぼ同等です。

広告ランクが高いほど上の枠に掲載される可能性が高まりますが、上位獲得の確率を上げるためにクリック単価が高まるケースもあります。

参考：『広告ランクについて｜Google広告ヘルプ』

ユーザーの検索行動の背景

ユーザーがキーワードを検索する背景も、広告ランクに影響を及ぼします。

検索されたキーワード、ユーザーの所在地、検索に使用されたデバイス、時刻、検索キーワードの性質、同ページ内のほかの広告や検索結果の内容などが加味されます。

参考：『広告ランクについて｜Google広告ヘルプ』

広告アセット、その他の広告フォーマットの効果

広告アセット（旧・広告表示オプション）とは広告を構成するコンテンツのことを指します。

Googleでは、リスティング広告の効果を高めるために、基本となる「広告見出し」「説明文」以外にもさまざまなビジネス情報のアセットを追加することが可能です。

アセットの種類

広告ランクは、アセットやそのほかの広告フォーマットによって広告の効果が高まることを見込んだうえで決定されます。

参考：『広告ランクについて｜Google広告ヘルプ』
参考：『アセットについて｜Google広告ヘルプ』

以下の記事では、アセットの種類や機能を解説しています。

アセットを活用して広告のパフォーマンスを高めたい方は必見です。
関連記事：『Google広告の広告表示オプションとは？12種類の機能と入稿STEPを紹介』

品質スコアとは

「2-2.広告とランディングページの品質」でご紹介したように、広告ランクの決定には、広告の品質が関与しています。

広告の品質を数値化したものが、品質スコアです。

ここでは、品質スコアの詳細や、Googleの広告管理画面からチェックする方法を説明します。

Google広告の品質を1〜10の段階で示す指標

品質スコアとは、ほかの広告主と比較をした広告の品質を示す指標です。

スコアは、1〜10までのいずれかにランク付けされます。

なお、このスコアはキーワードごとに確認が可能です。

品質スコアは、自社の広告やランディングページにおける改善点を探り、品質を向上するのに役立ちます。

参考：『品質スコアとは｜Google広告ヘルプ』
参考：『検索キャンペーンの品質スコアについて｜Google広告ヘルプ』

品質スコアのチェック方法

品質スコアの数値は、Google広告の管理画面で確認を行います。

手順は次の通りです。

①広告管理画面を開き、左側のメニューアイコンのなかから「キャンペーンを選択」を選択

「キャンペーン」をクリックして表示されるメニューのなかから「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」を開き、「検索キーワード」をクリックします。

②キーワードの表示項目の画面を開く

画面右側に表示される「表示項目」のアイコンをクリックします。

画面に、「キーワード表示項目を変更」というウィンドウが出現するので、項目のなかから「すべての列」を開いてください。

③表示したい品質スコアの項目を選択

品質スコアのなかで、キーワードごとの広告配信結果のレポートに指標を表示したい品質スコアの項目を選択し、適用ボタンをクリックします。

品質スコアの項目は以下の4つです。

なお、「履歴」と表示されているものを選ぶと、過去の品質スコアもチェックできます。

参考：『検索キャンペーンの品質スコアについて｜Google広告ヘルプ』

品質スコアの構成要素

品質スコアを構成するのは、下記の要素です。

これらの3つを総合し、品質スコアの数値が決まります。

各要素が何を評価しているのかをチェックしていきましょう。

参考：『検索キャンペーンの品質スコアについて｜Google広告ヘルプ』

こちらの記事でも品質スコアについてご説明しています。

本記事をあわせて読むことで、理解が深まるはずです。
関連記事：『品質スコアとは？具体的な改善方法3つを紹介！注意点も解説』

推定クリック率

推定クリック率は、特定のキーワード検索で表示された広告が、ユーザーにクリックされる可能性を表す指標です。

【平均より上】【平均値】【平均より下】のいずれかのステータスが示されます。

平均より下であった場合は、主要なキーワードと広告文の関連性が高まるよう、改善を行いましょう。

推定クリック率は、広告との関連性が低い広告の発見に活用することができます。

なお、算出には、掲載順位やアセットなどの、広告の視認性に関連する要素は考慮されません。

参考：『Google広告の推定クリック率について｜Google広告』

以下の記事では、リスティング広告のクリック率を上げる方法を解説しています。

あわせて参考にしてください。
関連記事：『リスティング広告でクリック率（CTR）を上げる7つのポイント』

広告の関連性

広告の関連性は、広告とユーザーの検索意図がどの程度一致しているのかを示す指標です。

つまり、表示される広告がユーザーの欲しがっている情報、知りたがっている内容に近いと判断されると評価が高くなります。

ステータスは、推定クリック率を同じく【平均より上】【平均値】【平均より下】に分けられます。

参考：『検索キャンペーンの品質スコアについて｜Google広告ヘルプ』
参考：『Google広告「広告の関連性」とは？品質スコアを高める具体的な施策を紹介』

ランディング ページの利便性

ランディングページの利便性は、広告の遷移先となるページが、ユーザーによって有用であるかを示しています。

ランディングページ内に記載されている情報が、ユーザーの検索意図に合うのか、またページ内の移動のしやすさやリンクの数なども考慮されます。

加えて、ユーザーがクリックした広告と、ランディングページの内容が合致しているかどうかも重要です。

そのほかの指標と同じく、【平均より上】【平均値】【平均より下】にステータスが分けられます。

参考：『ランディング ページの利便性』
参考：『検索キャンペーンの品質スコアについて｜Google広告ヘルプ』

広告ランクを上げるためのポイント4つ

広告ランクを上げるためには、入札金額を増やしたり、先述の品質スコアに関連する各要素の評価を高めるといった方法が有効です。

品質スコアを確認し、自社の商品・サービスにとって重要度の高いキーワードとそれに紐づく広告から順に着手してください。

Googleでは、ユーザーにとって有益で利便性が高い広告やランディングページを提供することで、自然とパフォーマンスが高まり目標達成につながるという方針を示しています。

品質スコアは、改善点を探るためのヒントとして活用すると良いでしょう。

参考：『品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める5つの方法｜Google広告ヘルプ』

入札金額を上げる

品質スコアをはじめとする、広告ランクを決定付ける要素に対するGoogleの評価が同等の場合は、入札金額が高い方がより上位の枠を獲得できます。

常に予算を潤沢に使うのが難しい場合は、集客を増やしたい時期にあわせて入札金額を強化するなど、計画的に運用してみてはいかがでしょうか。

参考：『広告ランクとは？計算式・品質スコアとの違い・改善方法を徹底解説！』

リスティング広告の入札単価の設定に迷っている方は、こちらの記事が役立つでしょう。
関連記事：『キーワードの入札単価とは？単価の決め方5種と設定方法を解説！』

キーワードと広告の関連性を向上する

ユーザーの検索意図に沿った広告は、品質が高く評価されます。

広告に使用するテキストと、検索キーワードや検索意図を合致させることで、関連性を高めましょう。

また、対策キーワードをテーマ別にグループ化して、より関連性の高い広告配信を行いましょう。

たとえば、同じスポーツジムの広告でも、​​「ダイエット目的」と「体力作り目的」であれば、検索キーワードや有効な広告の訴求方法が異なります。

参考：『品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める5つの方法｜Google広告ヘルプ』

広告のクリック率を上げる

もし推定クリック率のステータスが【平均よりも下】【平均的】であった場合は、配信中の広告のクリック率を高める対策をとりましょう。

広告文をユーザーの検索意図と一致させるほか、クリックを促す文言を用意して効果を測ります。

たとえば、期間限定のキャンペーン中で商品を30％OFFの金額で購入できる場合、「3月末まで限定！全品30％OFF」と入れるなど「今クリックしなければ」とユーザーの行動を喚起するテキスト作成を試してみてください。

Google広告の公式ヘルプページでは、以下の文言が行動を促すフレーズの例として挙げられています。

関連記事：『キーワードの入札単価とは？単価の決め方5種と設定方法を解説！』

なお、CTRを上げるための施策として、あらかじめ登録した広告見出しや説明文をユーザーの検索キーワードに合わせて組み合わせる「レスポンシブ検索広告」を利用するという方法もあります。

ぜひ、以下を参考にして取り入れてみてください。
関連記事：『CTRを高める施策！レスポンシブ検索広告を使用するメリット2選』

ランディングページを改善し、利便性を高める

ランディングページの利便性を高めるためには、ユーザーの検索キーワード、広告で訴求する内容、ランディングページで訴求する内容に一貫性をもたせる必要があります。

たとえば、英会話の上級者がさらなるスキルアップのためにスクールを探し、「TOEIC900点を目指す」というフレーズの広告をクリックして遷移したランディングページで「英会話初心者でも安心」「初心者多数！」訴求されていたら、期待はずれだと感じるでしょう。

もし、ニーズ別にランディングページを制作するのが難しい場合は、既存のWebサイトのページのなかからニーズに合うものを設定するというのも一つの方法です。

広告からランディングページに流入したユーザーのコンバージョン率が高ければ、ニーズに合うページを提供できていると判断できます。

さらに、ページの読み込み速度を改善したり、サイトをモバイル向けに最適化させたりと、より快適な閲覧環境を用意することも重要なポイントです。

参考：『品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める5つの方法｜Google広告ヘルプ』

ランディングページの改善方法は、以下のコンテンツに詳しい方法を掲載しています。
関連記事：『LPO（ランディングページ最適化）とは？基礎知識と改善ポイント5選！』

まとめ

この記事を読んで、広告ランクの最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。

弊社ではリスティング広告運用代行というサービスを展開しております。

リスティング広告の運用経験を豊富に蓄積している他、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。

蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。

また、薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。

お客様のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談下さい。

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