Amazonは世界中に多くのユーザーを抱えています。
実際、米国にあるロジスティクス会社のContimodによると、世界で3億1千万人以上のユーザーがAmazonを利用しているというデータがあります。
さらに、ECサイト利用者の92%が「Amazonで商品を購入したことがある」と回答していました。
よって、Amazonのプラットフォームは、自社製品を訴求するのに有効であると言えるでしょう。
しかしながら、Amazonでは世界約970万の企業が販売をしており、競合他社が多く存在することも事実です。
そのため、Amazonユーザーに向けて効果的に広告配信を行い、自社製品やサービスを訴求することがポイントとなります。
そこで、今回は同プラットフォーム上における広告配信手法の一つであるAmazon DSPについて解説します。
参考:『Amazon Statistics: The Ultimate Numbers Must Know in 2024』
参考:『Amazon DSP|Amazon ads』
Amazon広告の種類については以下の記事で紹介しています。
関連記事:『7種類のAmazon広告を使いこなそう!最新の動画広告とは?』
Contents
Amazon DSP広告とは
参考:『SSP(Supply-Side Platform)とは?を初心者にも分かりやすく解説します』
まず、Amazon DSPの「DSP」とは、Demand Side Platformの略語です。
DSPとは、広告主である企業側が、Web広告枠の買い付け、配信、運営そして分析などを行うことができるプラットフォームを指します。
DSPと対になって機能するプラットフォームにSSP(Supply Side Platform)があります。
SSPは、媒体側が、広告枠や最低落札価格などを登録するためのプラットフォームです。
広告主側のDSPと媒体側のSSPは両輪となって働くシステムであり、片側だけでは通常、機能しません。
そして、「Amazon DSP」は、Amazonが提供する、広告主側の運営プラットフォームです。

Amazon DSPでは、Amazonの顧客データを活用して、自社のターゲットに向けて音声広告、ディスプレイ広告、動画広告、ストリーミングTVなどを効果的に配信できます。
参考:『Amazon DSPの広告の特徴・仕組み~配信方法まで解説』
参考:『Amazon DSP広告とは?配信の仕組から配信面、活用方法まで徹底解説』
参考:『Amazon広告・DSP代理店(広告運用代行)おすすめ人気20社比較!選び方や費用相場も解説』
参考:『SSPとDSPにはどのような違いがありますか?|Amazon Ads』
参考:『Amazon DSP|Amazon Ads』
DSPとSSPの仕組みやメリットについて以下で詳しく解説しています。
関連記事:『DSP、SSPとは?仕組みとメリット6つを詳しく解説』
Amazon DSP広告とAmazonスポンサー広告との違い
Amazon広告は、大きくわけて「Amazon DSP広告」と「Amazonスポンサー広告」の2種類があります。
そしてAmazonスポンサー広告には3種類あります。
以下に、主たる違いを一覧にしました。
Amazon DSP広告【Amazonサイト内・外で露出】 | Amazonスポンサー広告 【Amazonサイト内を中心とした露出】 | |||
スポンサープロダクト広告 | スポンサーブランド広告 | スポンサーディスプレイ広告 | ||
主な目的 | 幅広い潜在顧客にリーチする | 閲覧者を購入者へと転換する | ブランド認知度を高める | Amazonサイト外にも配信範囲を広げる |
広告配信をするにあたりAmazonストアでの販売 | 必要なし | 必要 | 必要 | 必要なし |
ターゲティングのセグメント設定 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 |
Amazonサイト外での広告配信 | ◎ | × | × | 〇 |
Amazon トップページへの広告配信 | 〇 | × | × | 〇 |
Amazon検索結果ページへの広告配信 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Amazon商品ページへの広告配信 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
自社で直接運用 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
上記の中でも特に大きな違いが以下の2つです。
- アプローチできる見込み顧客が異なる
- 運営形態が違う
参考:『ビジネスの成長にスポンサー広告を活用|Amazon Ads』
参考:『Amazon DSPとは?特徴・配信面・ターゲティング・費用などを解説』
アプローチできる見込み顧客が異なる
スポンサー広告では、スポンサーディスプレイ広告以外は、主としてAmazonサイト内部に広告が表示されるため、Amazonで積極的に商品を検索している「顕在層」にアプローチするのに有効です。
それに対して、Amazon DSPでは、Amazonのショッピングサイト外のPrime VideoやkindleなどグループのWebサイト広告スペースへの配信が可能です。
さらに、『東洋経済オンライン』『デイリースポーツonline』などのAmazonが提携している外部の媒体に広告を露出することができます。

このように、Amazon DSPを活用することで、デジタルプラットフォーム上の幅広いターゲットに広告を露出できるため、購買意欲がまだ醸成されていない「潜在層」にもアプローチすることができます。
参考:『Amazon広告をユーザーの段階に合わせて選ぶコツ』
参考:『Amazon DSP|Amazon Ads』
参考:『Amazon DSPの広告の特徴・仕組み~配信方法まで解説』
参考:『Amazon DSPとは?配信面やクリエイティブなど基本的な特徴を解説』
運営形態が違う
Amazonスポンサー広告は、自社内で担当者が直接運用できます。
一方、Amazon DSPは利用条件が定められており、Amazonに運用を依頼するか、Amazonが認定している広告代理店に依頼をする必要があります。
なお、Amazonのマネージドサービスを利用する場合の最低出稿料金は、¥3,000,000/月としています。
広告代理店に依頼する場合は、「完全報酬制」「月額固定費 + 運用手数料」など企業によって料金体系が異なるため、自社の予算状況等にも合わせたパートナー選びが重要です。
参考:『Amazon DSP|Amazon Ads』
参考:『Amazon DSPとは?特徴・配信面・ターゲティング・費用などを解説』
参考:『Amazon広告・DSP代理店(広告運用代行)おすすめ人気20社比較!選び方や費用相場も解説』
参考:『DSP広告とは?配信の仕組から配信面、活用方法まで徹底解説』
参考:『Amazon Advertising 広告媒体資料 (2023年10月~12月)』
関連記事:『Amazonスポンサープロダクト広告の始め方と6つの運用ポイント』
Amazon DSPの3つの特徴
Amazon DSP広告には、以下の3つの特徴があります。
- Amazon DSP広告の配信・遷移先を使い分けできる
- 高度なセグメント設定ができる
- ブランドセーフティな広告配信ができる
それぞれ、解説して行きます。
Amazon DSP広告の掲載面・遷移先を使い分けできる
参考:『【Amazon広告基本編】AmazonDSPの全てが丸わかり!』
Amazon DSP広告では、広告の配信・遷移先をそれぞれ用途に合わせて使い分けできます。
Amazon DSPの広告掲載面
上記の「2-1.アプローチできる見込み顧客層が異なる」でもご紹介しましたが、Amazon DSP広告は、Amazonへの「オンサイト」配信とAmazon外部の提携先への「オフサイト」配信ができます。
【目的】
- オンサイト:購入意欲の高いユーザーにリーチ
- オフサイト:潜在・検討ユーザーにリーチ
このように、Amazon DSPでは自社の目的に合わせて、広告の掲載面を選択できます。
Amazon DSP広告からの遷移先
Amazon DSPで配信した広告からの遷移先をAmazonサイト内への「インリンク」と外部サイトへの「アウトリンク」で使い分けることができます。
インリンクは、自社がAmazon内で商品を取り扱っている場合に、詳細ページやストアのページに誘導し購入を促進する際に効果的です。
一方アウトリンクは、自社サイトやLPなどに誘導させたい時に効果的です。
特に、自社がAmazon内で製品やサービスを扱ってない場合でも、Amazonのオーディエンスにアプローチができるというメリットがあります。
上記のように、Amazon DSPでは、広告の掲載面と遷移先を戦略的に組み合わせることで、ターゲットへの訴求力を高めることができます。
参考:『【Amazon広告基本編】AmazonDSPの全てが丸わかり!』
参考:『【Amazonストアがなくても配信できる⁉】今大注目の「Amazon DSP」の強みを徹底解説』
参考:『Amazon DSP広告とは?配信の仕組から配信面、活用方法まで徹底解説』
関連記事:『Web広告におけるリーチとは?混同しやすい4つの用語との違いも解説』
高度なセグメント設定ができる
Amazon DSPの特徴として、詳細なセグメント設定により自社のターゲットとするオーディエンスにアプローチできるという点があります。
主な6のセグメント設定を紹介します。
- ホットカスタマーターゲティング
- ライフスタイルターゲティング
- ASINリターゲティング
- 自社の顧客データを利用したターゲティング
- デモグラフィックターゲティング
- コンテクストターゲティング
ホットカスタマーターゲティング
ホットカスタマーターゲティングは、Amazonにおける特定の商品カテゴリにおいて、何らかの行動を起こしたユーザーをターゲットとする方法です。
Amazonの商品カテゴリは約2,500種類あると言われており、その中から、自社の商品が属するジャンルに興味・関心を示しているユーザーをターゲットとして絞り込むことで、効率よく広告配信ができます。
参考:『【Amazon広告基本編】AmazonDSPの全てが丸わかり!』
加えて、ホットカスタマーでは、過去30日間のAmazonでの行動履歴に基づいてさらに細かくサブセグメントに分類することができます。
【サブセグメントの例】
- ビューアブル:商品詳細ページを閲覧したユーザー
- カートイン:商品をカートに入れたユーザー
- 購入者:商品を実際に購入したことのあるユーザー
- リピート購入者:同じ商品や同カテゴリの商品を複数回購入したユーザー
など
例えば、「ビューアブル」や「カートイン」のユーザーは購買意欲が高まっているため、プロモーション期間中での広告配信など、コンバージョンにつなげることを目的とした施策が効果的でしょう。
また、「購入者」や「リピート購入者」に対しては、関連した商品の広告配信でクロスセルを促すことで、新たなコンバージョンが期待できます。
このようにホットカスタマーターゲティングでは、Amazonのプラットフォーム上におけるユーザーの直近の行動履歴を活用して最適な広告配信ができるため、購買促進につながる可能性を高めることができます。
参考:『【Amazon広告基本編】AmazonDSPの全てが丸わかり!』
参考:『Amazon DSPとは。特徴や仕組み、セグメントやクリエイティブを紹介』
参考:『Amazon DSP広告とは?配信の仕組から配信面、活用方法まで徹底解説』
参考:『Amazon DSPとは?特徴・配信面・ターゲティング・費用などを解説』
ライフスタイルターゲティング
ライフスタイルターゲティングでは、Amazonのプラットフォーム上の閲覧と購買履歴に基づいて、ユーザーのライフスタイルでセグメントを絞り込むことができる機能です。
ライフスタイルでは、過去1年間の検索内容や閲覧・購入履歴などから約100種類以上のサブカテゴリを割り出しています。
【サブカテゴリの例】
サブカテゴリの種類 | サブカテゴリ |
EC購買 | ‐Amazonヘビーユーザー (高額商品の閲覧・購入層)など |
ファミリー系 | ‐ファミリー層 ‐プレママ・プレパパ ‐子育てパパ・ママ(指定なし・小学生) ‐父の日ギフト購入層 など |
ペット系 | ‐ペットオーナー ‐犬・猫オーナー など |
健康系 | ‐健康志向 ‐カロリー関心層 ‐トクホor機能性表示食品 など |
生活・食生活系 | ‐生活家電好き ‐商品購買層 ‐日用品購買層 ‐飲料購買層 ‐グルメ など |
趣味系 | ‐旅行好き ‐料理好き ‐釣り好き ‐自動車ファン ‐スポーツファン ‐ゴルフ好き ‐ハイキングトレッキングファン ‐ゲーマー インテリア好き など |
興味関心系 | ‐語学学習関心層 ‐デジタルライフ関心層 ‐コスメ・ビューティ関心層 ‐アート&デザイン関心層 ‐キャリアアップ志向 ‐エンタテイメントファン など |
特殊系 | ‐エヴァンゲリヲンファン ‐妖怪ウォッチファン など |
例えば、自社がワインを販売している場合、「飲料購買層」「グルメ」などのカテゴリでブランド認知度向上や新規顧客獲得のための広告を配信することが有効でしょう。
このように、ライフスタイルでは、ターゲットの関心と関連性の高い広告配信により、効果を高めることができます。
参考:『Amazon DSPとは。特徴や仕組み、セグメントやクリエイティブを紹介』
参考:『Amazon DSP広告とは?配信の仕組から配信面、活用方法まで徹底解説』
参考:『Amazon DSPとは?特徴・配信面・ターゲティング・費用などを解説』
参考:『【Amazon広告基本編】AmazonDSPの全てが丸わかり!』
ASINリターゲティング
ASIN(Amazon Standard Identification Number)とは、Amazon内で商品を識別するためのコードです。
ASINリターゲティングは、これらの商品コードを元に、Amazon内で特定の商品や類似商品、ブランドに興味を示したユーザーに対して広告を再配信し、購買を促進できます。
ASINで広告を再配信できるセグメントには以下の3つがあります。
【ASINリターゲティングの種類】
セグメントの種類 | ユーザーの行動 |
購買セグメント | ・特定の商品を購入したユーザー ・特定のブランドに属する商品を購入したユーザー |
閲覧セグメント | ・特定の商品を閲覧したユーザー ・特定のブランドに属する商品の詳細ページを閲覧したユーザー |
類似セグメント | ・類似商品の詳細ページを閲覧したユーザー ・自社もしくは関連するブランドキーワードで検索したユーザー |
例えば、ASINリターゲティングは、自社商品の再購入の促進に効果的です。
さらに、自社商品に加え、競合他社の商品へのターゲティングもできるため他社製品・ブランドからの乗り換えの訴求もできます。
参考:『【Amazon広告基本編】AmazonDSPの全てが丸わかり!』
参考:『Amazon DSPとは。特徴や仕組み、セグメントやクリエイティブを紹介』
参考:『Amazon DSP広告とは?配信の仕組から配信面、活用方法まで徹底解説』
参考:『Amazon DSPとは?特徴・配信面・ターゲティング・費用などを解説』
参考:『Amazon DSP広告とは?3つの特徴や配信面、利用方法などを解説!』
自社の顧客データを利用したターゲティング
Amazonは、広告主のシステムに保存されている顧客データを、ファーストパーティシグナルと呼んでいます。
Amazon DSPには、自社のファーストパーティシグナルと一致もしくは類似した属性を持つオーディエンスを広告配信先として設定できる機能があります。
この機能を利用したい場合、まず自社の顧客リストをAmazon DSPにアップロードします。
すると、Amazon側でその情報を匿名化し、Amazonの保有するシグナルと照合して、ターゲットを洗い出してくれます。
このような機能を活用したターゲティングは、以下のような場合に効果的です。
- 顧客を再活性化したい場合
- 既存顧客と類似した特性を持つ新規顧客にアプローチした場合 など
自社のWebサイトやCRMなどで蓄積した顧客データをベースとしたオーディエンスの抽出により、Amazon DSP広告の配信対象プラットフォームにおいて、高い精度でターゲット層にリーチすることが可能です。
参考:『Amazon DSPとは。特徴や仕組み、セグメントやクリエイティブを紹介』
参考:『Amazon DSP広告とは?配信の仕組から配信面、活用方法まで徹底解説』
参考:『Amazon DSPとは?特徴・配信面・ターゲティング・費用などを解説』
参考:『シグナルベースのマーケティングとは?』
デモグラフィックターゲティング
デモグラフィックターゲティングは、Amazonが保有するユーザーデータやサードパーティデータから以下のような属性を推測し、オーディエンスの作成ができる機能です。
- 性別
- 職業
- 子供の有無
- 年齢
- 世帯年収
など
例えば、特定の年齢層や性別をターゲットとしている製品を訴求したい場合、デモグラフィックデータに基づいてターゲットオーディエンスを作成し、広告配信を行うことでキャンペーンの最適化を図ることができます。
参考:『Amazon DSPとは。特徴や仕組み、セグメントやクリエイティブを紹介』
参考:『Amazon DSP広告とは?配信の仕組から配信面、活用方法まで徹底解説』
参考:『Amazon DSPとは?特徴・配信面・ターゲティング・費用などを解説』
コンテクストターゲティング
コンテキストターゲティングは、2023年に新たにローンチされた手法です。
コンテクストターゲティングでは、ユーザーがリアルタイムに視聴しているコンテンツに基づいて広告を配信できます。
例えば、自社がスポーツウェアを販売している場合、スポーツ関連のコンテンツを見ている時に広告を表示させることができます。
このようにユーザーがリアルタイムに興味を持っているコンテンツに関連した製品やサービスを広告表示ができるため、効果的なターゲティング方法と考えられています。
参考:『Amazon DSPとは?配信面やクリエイティブなど基本的な特徴を解説』
参考:『Amazon DSPは全世界でコンテキストターゲティングGAを開始』
ブランドセーフティな広告配信ができる
ブランドセーフティとは、自社のWeb広告が不適切なコンテンツと一緒に表示されることを防止し、ブランドの評判を守ることを意味します。
ブランドセーフティがなぜ重要かというと、不適切なコンテンツと自社の広告が同ページに掲載されると、見込み顧客がその関連性から、ブランドに対して否定的な意見を持つ可能性があるからです。
そして、Amazon DSPを活用するメリットは、自動化された手順で、関連性の高い広告インプレッションをオーディエンスに配信するプログラマティック広告を、ブランドセーフティの高い配信ができる点です。
例えば、以下のような広告配信はブランドセーフティではありません。
- ビーガン製品を扱うブランドの広告の狩猟や釣りに関するアプリへの配信
- カクテルの作り方に関するコンテンツでの子供向けの教育玩具広告表示 など
実際、ブランドセーフティでない広告配信がされるリスクはどのくらいなのでしょうか?
Integral Ad Scienceが米国で実施した調査では、デジタルメディア専門家の56%が、プログラマティック広告はブランドリスクインシデントに対して脆弱であると考えているというデータがあります。
Amazon DSPでは、ブランドセーフティな広告配信が可能なため、ブランドイメージを守りながらターゲット層にアプローチすることが可能です。
参考:『ブランドセーフティの初級ガイド|Amazon ads』
参考:『Amazon DSP広告とは?配信の仕組から配信面、活用方法まで徹底解説』
参考:『Amazon DSP Announces Next-Generation Ad Tech for Precise Full-funnel Reach and Performance』
参考:『Amazon DSP|Amazon ads』
参考:『【解説】Amazon DSP広告の特徴・スポンサー広告との違いとは?バランスよく活用するメリット』
Amazon DSPとスポンサー広告の相乗効果を図る
参考:『Amazon広告をユーザーの段階に合わせて選ぶコツ』
Amazon広告を考える上で、「ファネル」をご紹介したいと思います。
「ファネル」は、幅広く集客した見込み顧客が「認知」→「検討」→「購入」のフェーズに進むにつれて絞り込まれ少数になることを、上記のように図式化したものです。
どのフェーズをターゲットにするかによって、Amazon DSPとスポンサー広告を取り入れることで相乗効果を図ることができます。
例えば以下のような施策が考えられます。
- Amazon DSPでAmazon提携の外部サイトに広告配信を行い認知を拡大
- 広告で製品を知ったユーザーの検索結果にスポンサープロダクト広告で表示
- ユーザーが製品ページから離脱
- Amazon DSPでASINリターゲティングを図り購入を促進
スポンサーディスプレイ広告でもリターゲティングを行なうことはできますが、Amazon DSP広告は「3-2.高度なセグメント設定ができる」でご紹介したように、より細かいターゲティング設定ができるため、ユーザーに合わせた精度の高い訴求が可能となります。
このような、Amazon DSP広告とスポンサー広告の違いを活かし、顧客のステージごとに最適な広告配信を組み合わせることで、相乗効果が期待できます。
参考:『Amazon DSP広告とは?配信の仕組から配信面、活用方法まで徹底解説』
参考:『【解説】Amazon DSP広告の特徴・スポンサー広告との違いとは?バランスよく活用するメリット』
関連記事:『広告戦略に役立つマーケティングファネル!3つの種類を解説』
Amazon DSPのキャンペーン事例
実際にAmazon DSPを活用したキャンペーンの事例を2社ご紹介します。
ブロードバンドサービス会社の事例
1つ目の事例は、米国内で600万以上の世帯と、約33.5万社の企業にケーブルおよびブロードバンドサービスを提供している大手通信会社のキャンペーンです。
同社は、Amazonではサービスを販売していないのですが、同プラットフォーム上にいる見込み顧客にアプローチしたいと考えました。
そこで、Amazon DSPで自社のファーストパーティーシグナルを活用し、類似した属性を持つターゲットオーディエンスを作成し、広告を配信しました。
その結果、以前キャンペーンを実施した他メディアと比較してコンバージョン単価が40%削減されたと言います。
このように、Amazon DSPで自社の製品・サービスと親和性の高い見込み顧客に広告配信をすることで、広告費のROI(Return On Investment:投資収益率)を高めることができます。
参考:『大手通信ブランドが持つ豊富なファーストパーティの信号を活用して、Amazon Adsがキャンペーンの最適化をサポートしました。』
エミレーツ航空の事例
引用:『エミレーツ航空』
エミレーツ航空は、世界85か国、158都市に就航しています。
同社は、Amazon DSPを活用して、米国におけるデジタルプラットフォーム上のユーザーにエコノミークラスを訴求する以下のキャンペーンを実施しました。
- 動画広告:Prime VideoやFreeveeなどで、チャンネルのプレミアムコンテンツの横に配置される広告枠(スキップされないため高い訴求力がある)で配信
- 音声広告:スマートスピーカーやその他のコネクテッドオーディオデバイスでAmazon Musicを利用しているユーザーに音声広告を訴求
その結果、キャンペーンの動画広告では想起率が12%向上し、音声広告では9%増加しました。
加えて、ブランド好感度も6%上昇したと言います。
このように、Amazon DSPを戦略的に取り入れることで、ブランド認知を高められるだけでなく、ブランド力も向上できます。
参考:『エミレーツ航空がストリーミングTV広告、デジタル広告、音声広告で米国の旅行者にリーチする』
参考:『Amazon DSP|Amazon ads』
まとめ
この記事を読んで、Aamzon DSP広告の最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionは、広告運用をはじめとするデジタルマーケティング全般のご相談を承っております。
Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
お客様のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談下さい。
監修者
2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。