Webマーケティングにおいて、メルマガは多くの企業が取り入れている施策です。
実際に、グローバルに活躍するマーケッターのZhou氏によると、世界のマーケティング担当者のうち82%がメ-ルマーケティングを取り入れているというデータがあります。
その背景には、メルマガのROI(Return of investment:投資利益率)が高いということがあります。
同氏の調べによると、新規顧客を獲得するには、FacebookやTwitterのようなSNSよりもメルマガの方が40倍効果的だとしています。
加えて、59%の見込み客がメルマガが購買の意思決定に影響を与えていると述べています。
しかしながら、自社のメルマガが開封されて読まれなければ、そのような意思決定にはつながりません。
そこで、今回のコラムでは、メルマガの開封率を上げるためのコツをご紹介します。
参考:『Email Marketing ROI Statistics: The Ultimate List in 2024』
メルマガの「開封率」とは
参考:『メルマガの開封率を上げる7つのポイントを解説!平均開封率やKPIの計測方法もご紹介!』
メルマガの開封率とは、「配信したメールの何割が送付先で開封されたか」を表す数字です。
開封率は以下の式で算出できます。
開封数÷送信したメール件数×100(%)=開封率(%)
例えば、メールが1,000件の受信者に到達し、開封された数が200だとします。
200÷1,000×100=20%
よってこの場合、開封率は20%となります。
メールは開封されなければ、リンクのクリックやコンバージョンに至らないため、メルマガの効果を知る上で、開封率は重要な指標です。
しかしながら、先のZhou氏の調べによると、50%のマーケターがメルマガのROIを十分に把握できていないと回答していることが明らかになりました。

自社のメルマガのパフォーマンスを測る上で一つの目安になるのが、各業界における開封率の平均値です。
【業種別平均開封率】
業種別 | 平均開封率 |
広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン | 26.41% |
建築・建設 | 16.86% |
観光/エンターテイメント/ホスピタリティ | 27.59% |
教育(大学、社会人) | 12.77% |
コンサルタント/HR/人材 | 20.33% |
ファイナンス | 17.94% |
医療 | 28.14% |
保険 | 17.92% |
製造/物流/エンジニアリング | 17.03% |
NPO/行政サービス | 32.65% |
不動産 | 26.65% |
小売/消費サービス | 24.28% |
教育(小中高) | 16.73% |
テクノロジー/通信 | 20.33% |
フィットネス | 24.46% |
※2023年の集計結果
参考:『平均メール開封率・クリック率レポート (2024年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報』
メール配信ソフトをグローバルに提供するBENCHMARK社のデータによると、上記のように開封率は業界によって異なります。
自社が属する業界平均を目安として、メルマガ開封率の目標設定を行い、次の「2.メルマガの開封率を上げるための5つのポイント」で解説している改善策を取り入れてみることをお勧めします。
参考:『Email Marketing ROI Statistics: The Ultimate List in 2024』
参考:『平均メール開封率・クリック率レポート (2024年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報』
参考:『メルマガの開封率を上げる7つのポイントを解説!平均開封率やKPIの計測方法もご紹介!』
関連記事:『コンバージョン測定とは?確認方法や計測できる9種のCVを解説!』
メルマガの開封率を上げるための5つのポイント
次にどのようにしたら、メルマガの開封率を上げることができるのか5つのポイントをご紹介します。
- 「読む価値がある」と感じさせる件名・タイトルを付ける
- 本文プレビューを活用する
- 開封されやすい曜日・時間帯に送る
- 迷惑メール判定を避ける
- 最適な頻度で送る
「読む価値がある」と感じさせる件名・タイトルを付ける
開封率には、件名が大きな影響を与えています。
【メルマガを開封するかどうかは何を見て決めているか?】
実際、先にご紹介したBENCHMARK社のデータによると51.5%の人が「件名・タイトルを見て開封するかどうか決める」と回答しています。
メルマガのタイトルを作成する際は、4Uの原則を意識することがポイントです。
4Uは、世界的に著名な起業家で多くの書籍なども出版している米国人、マイケル・マスターソン氏が提唱しました。
- Urgent:緊急性
- Unique:独自性
- Ultra specific:超具体性
- Useful:有益性
以下にそれぞれ解説します。
Urgent:緊急性
緊急性とは、見込み顧客にメルマガを「今すぐ開封しなくてはならない理由」を訴求することです。
緊急性を伝えるには、時間の要素をタイトルに盛り込むことが効果的です。
例えば、「今だけ」「期間限定」「明日まで」などがあります。
【「緊急性」を訴求する件名:例】
- BtoB:「【終了まで後10日】税理士による無料の法人化相談会」
- BtoC:「明日まで20%オフ!おうち時間を充実させる最新グッズ」 など
このように期間を限定する単語を使うことで、受信者の開封を動機づけ、コンバージョンにつなげることが期待できます。
Unique:独自性
独自性とは、メルマガが「新たな視点や情報であること」の訴求による他社メルマガとの差別化です。
【「独自性」を訴求するタイトル:例】
- BtoB:「2024年版!業務効率化ツールの選び方と活用方法」
- BtoC:「最新美容アイテムで、自宅でエステ気分を味わおう!」 など
【1日何通のメルマガを受信している?】
なぜ、独自性による他社メルマガとの差別化が必要なのでしょうか?
BENCHMARK社の調べによると、仕事では64%の人が1日6通以上、プライベートでは66.2%以上の人が1日6通以上受診していることが明らかになりました。
このように、6割以上の人が1日に複数のメルマガを受信しているため、独自性の高い情報や提案をメルマガのタイトルに盛り込み、他にはない価値をアピールすることで、開封につなげることが期待できます。
Ultra specific:超具体性
超具体性とは、件名に効果、ターゲット層などを数値とともに記載することで、メルマガの内容を訴求し、開封を促進することです。
【「超具体性」を訴求するタイトル:例】
- BtoB:「生産性を今日から10%向上!知っておきたいビジネスツール5選」
- BtoC:「朝から晩まで潤う50代におすすめの美容液」 など
このように見込み顧客のニーズが高そうなキーワードを盛り込むことで、開封の動機づけを効果的に行うことができます。
Useful:有益性
有益性とは、見込み顧客がメルマガを「開封することによるメリット」の訴求です。
【「有益性」を訴求するタイトル:例】
- BtoB:「失敗しない!クラウド型セキュリティソリューションの導入のステップとメリット」
- BtoC:「今すぐ飛びつきたい!暑い夏も快適に過ごせる最新の涼感グッズ」 など
このように、タイトルでメルマガを読むことで得られるベネフィット、悩みや課題の解決方法を明確に伝えることで、メールを開封する動機づけを行うことができます。
参考:『【40サンプル付き】開封率が上がるメルマガタイトル(件名)の作り方』
参考:『メルマガの開封率を上げる方法とは?開封率の高い業界や、効果を測定する方法を解説』
参考:『最後まで読まれる記事を、今日から書こう!4Uの原則に学ぶ見出し作成テクニック』
参考:『開封率アップ必至! 「4Uの原則」を使用したメールの件名作成術』
関連記事:『コンテンツマーケティングのROI分析&5つの段階に応じた目標設定』
本文プレビューを活用する
参考:『メルマガの開封率を上げるには?効果のある方法8選と業界別平均を徹底解説』
本文プレビューとは、メール受信一覧で「差出人」「件名」に続いて表示されるメール本文のことで、「プリヘッダー」とも呼ばれています。
上記でご紹介した、BENCHMARK社調べで「メルマガを開封するかどうかは何を見て決めている?」で「本文プレビュー」で決める人は第2位の20.7%だったため、開封率に影響を与えていると言えます。
本文プレビューでポイントとなるのが、内容と文字数です。
本文プレビューでいれると効果的な内容
本文プレビューは、タイトルと連動させることがポイントです。
以下にタイトルとの相乗効果を図る本文プレビュー例を2つ紹介します。
【例1:タイトルの内容を詳しく説明する:有益性】
- タイトル:【限定販売】クリスマスコフレで今年1年間のご褒美を!
- 本文プレビュー文:ポーチつきなのに、なんと5,000円以下で買える限定クリスマスコフレです。
【例2:タイトルとセットになる緊急性を伝える】
- タイトル:【最大20%OFF】あったかグッズに利用できる割引クーポン配布中
- 本文プレビュー文:≪11月15日まで≫完売続出した防寒グッズや、セラミックヒーターにも利用できます。
このように、メールのタイトルでは伝えきれない訴求ポイントを本文プレビューに記載することで、見込み客がメルマガを開封する動機づけの相乗効果を図ることができます。
本文プレビューの文字数
本文プレビューに表示される文字数は各メーラー(メールソフト)によって異なります。
また、ユーザーが個別に文字サイズや設定などを変更しているなどの理由により
表示される文字数が異なりますが、以下が目安になります。
メーラー(メールソフト) | 文字数の目安 |
Gmail | スマートフォン:20文字程度 PC:40文字前後 |
Outlook | 30文字前後 |
Yahoo!メール | 表示されない(設定で変更可能) |
iPhone標準のメーラー | 45文字程度 |
表示される文字数に幅があることから、受信者にアピールしたい内容をキーワードは、本文プレビューのできるだけ冒頭に入れることが有効でしょう。
このように、タイトルと本文プレビューの相乗効果を高めることでメルマガ開封率の増加が見込めます。
参考:『メルマガの開封率を上げるには?効果のある方法8選と業界別平均を徹底解説』
参考:『「プリヘッダー」の最適化は開封率アップに繋がる!表示されない理由も解説します』
参考:『プリヘッダーとは?メルマガ開封率を上げる大きなポイント』
関連記事:『Gmail広告とは?配信できる4つのキャンペーンと出稿方法を解説!』
開封されやすい曜日・時間帯に送る
メルマガは自社の製品やサービスの受け手に最適なタイミングで送ることが重要です。
開封されやすい時間帯
先にご紹介したBENCHMARKによると、メルマガの開封率は、仕事のメールは12時~15時台(25.8%)と一番高くなっています。
これは、ビジネスパーソンがお昼休みやその後の気分転換でメルマガを読んでいるからだと考えられます。
一方、プライベート用アドレスだと21時~23時台(24.3%)が最も高くなっています。
これは、就寝前のリラックスしている時間であるからだと考えられます。

このように、BtoBかBtoCであるかによって開封率の高い時間帯を選択することが重要です。
開封されやすい曜日
曜日 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
開封率 | 20.3% | 22.0% | 21.8% | 21.8% | 21.7% | 21.6% | 20.5% |
グローバルなメールマーケティング企業のCampaign Monitorによると、月曜日の開封率が22.0%と最も高いというデータがあります。
もし、メルマガを新たなターゲットに向けて配信する場合は、このようなマーケティングデータに基づいて月曜日配信からスタートしてみるのも手でしょう。
ライフスタイルから開封されやすい時間と曜日を考える
上記にご紹介したのは、一般的なデータで、配信時間と曜日の目安としては有効です。
しかしながら、自社のターゲットや、製品・サービスによって、開封されやすい時間や曜日は異なることも考えられます。
メルマガを新たに立ち上げる際は、どの時間と曜日が効果的であったかの配信実績がないため、ターゲットのライフスタイルから仮説を立てるのも有効です。
以下に仮説の立て方の例をご紹介します。
メルマガの内容 | ターゲット | 時間の候補 | 曜日の候補 |
BtoB | ビジネスパーソン | ・通勤途中にスマホのメールを確認する8時~9時頃 ・出社直後の9時~10時頃 ・昼休み前後12時~13時頃 ・一旦業務が落ち着く夕方16時~17時頃 など | ・自社がターゲットとする業界の公休日として月曜日が多いためCampaign Monitorのデータで2番目に開封率が高い火曜日vs水曜日に配信し検証してから絞り込む |
BtoC | ビジネスパーソン | ・通勤途中にスマホのメールを確認する8時~9時頃 ・昼休み前後12時~13時頃 ・退勤後の18時~19時頃 ・夕食を終えた20時以降 ・休日:10時以降、午後の時間、夕食後〜就寝前 | ・自社がターゲットとする業界は土日休みのため、Campaign Monitorのデータで開封率の高い月曜日に配信 ・休み前の金曜日の配信も検証 ・月曜vs金曜配信を検証してから絞り込む |
専業主婦・主夫向け | ・朝食と昼食の間である10時〜11時 ・子供が帰宅する前の14時〜16時 ・夕食と片付けを終えた頃の20時以降 ・休日の場合:10時以降、午後の時間、夕食後〜就寝前 | ・Campaign Monitorのデータで開封率の1位・2位である月曜vs火曜vs水曜で配信し検証してから絞り込む | |
学生向け | ・通学時間帯の8時〜10時頃 ・昼休み前後12時~13時頃 ・アルバイトが終わり帰宅後~就寝前の21時〜23時 | ・学業以外にもアルバイトを入れているなど、自由時間に強い個人差があるため、休日vs平日で比較し、そのあとで曜日を絞り込む |

このように、ターゲットのライフスタイルを考慮した上で、自社の製品やサービスを訴求するのに適した時間や曜日の仮説を立て、実際の配信結果を検証し、改善して行くことが開封率を上げるポイントと言えます。
参考:『メールマガジン購読状況調査 2023年度版』
参考:『メルマガを配信する時間と曜日の”正解”は?読者の行動時間と調査データから仮説を立てよう』
参考:『Ultimate Email Marketing Benchmarks for 2022: By Industry and Day』
関連記事:『顧客分析とは?ユーザー行動を紐解く7つの手法と注意点をプロが解説』
迷惑メール判定を避ける
受信者に配信許可を貰ったはずなのに、迷惑メールと判定されてしまっているという事態を回避することで、開封率の改善につながります。
GmailやYahoo!などのメールソフトは、迷惑メールを防ぐため、それぞれが独自の基準で対策を行っています。
加えて、迷惑メールの判定基準は更新されているため、対応が必要です。
例えば、2024年2月に、Gmailでは新たな「メール送信者のガイドライン」を導入しており、要件を満たさない場合は、メールの受信を拒否されたり、受信者の迷惑メールフォルダに格納されてしまう可能性があります。
「こうすれば必ず迷惑メールにならないという方法はない」とはされているものの、迷惑メールと判断されないための対策を行うことで、そのリスクを軽減することができます。
以下に基本となる6つの対策をご紹介します。
参考:『初心者でも分かる!迷惑メール判定理由と回避方法』
参考:『迷惑メール(スパムメール)扱いされないための対策とは?!』
参考:『メール送信者のガイドライン|Google Workspace管理者ヘルプ』
独自のドメインのメールアドレスを取得する
Gmailなどのフリーアドレスではなく、独自ドメインのアドレスを取得して配信することで、信頼性が高まり、迷惑メール判定されるリスクを軽減できます。
配信速度を調整する
メールを一斉配信する場合、短時間に大量の配信をすると迷惑メール判定を受けるリスクが高くなります。
例えば、先にご紹介したGmailの「メール送信者のガイドライン」では、個人用Gmailアカウント宛てに1日あたり 5,000 件を超えるメールを送信する場合は、ドメインにおよびDKIMメール認証を設定するなどの要件を満たす必要があるとしています。
なお、 SPFは、メールの改ざんを検知する送信ドメイン認証技術です。
一方、 DKIMは、正規のIPアドレスからメールが送信されたかどうかを認証する送信ドメイン認証技術です。
一定量のメールを同時に送るためには、適切な調整を図りながら自動送信してくれるメール配信システムを利用することが効果的だと言えます。
引用:『ユミルリンク株式会社』
例えば、ユミルリンク株式会社の提供するCuenote FCはGmailの「メール送信者のガイドライン」に準拠しているため、毎時1,000万通のメルマガ一斉送信も遅延することなくスムーズに行えると同社は述べています。
このようにメールソフトのガイドラインに準拠したメール配信システムを導入することで、迷惑メールに判定されるリスクを防ぎ開封につなげることが期待できます。
定期的に配信リストを見直す
宛先不明や何らかの理由で到達しなかったアドレスに対し、何度も配信を行うとメールソフトから「迷惑メール」と判断されてしまうリスクがあります。
例えば、AさんのGmailアドレスが有効でなくなっているにも関わらず、何度もメルマガを配信し続けると、「このサーバーから配信されるのは迷惑メール」だと判断されてしまう可能性があります。
そうなると、配信リストにあるGmailを使用する他のユーザー宛てのメルマガまでも迷惑メールに判定されてしまうということが起こる可能性があります。
そこで、有効でないアドレスは配信リストから排除するよう定期的に見直すことで、迷惑メールに振り分けられてしまうリスクを避けることができます。
過度に装飾文字を使用しない
記号や罫線などは、フィッシング詐欺などのメールで使用されることが多い傾向にあるため、自社のメルマガに必要以上に入れすぎると、同様に迷惑メールと判断されてしまう可能性があるため注意が必要です。
【迷惑メールと判定される可能性の高い装飾の例】
♪.:*:’゜☆.:*:’゜♪.:*:’゜☆.:*:・’゜♪.:*:・’゜☆.:*:・’゜♪.:*:・’
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
◆○★◆○★◆○★◆○★◆○★◆○★◆○★◆○
など
短縮URLをできるだけ使用しない
参考:『短縮URLとは?メリットやデメリット、おすすめのサービスを解説』
短縮URLとは、日本語の入ったURLやGoogle検索ワード入りなど、文字列の長いものをツールで短く変換したものを指します。
引用:『bitly』
代表的な短縮URL生成ツールにbitlyがあります。
例えば、日本橋駅のGoogleマップのURLはbitlyを使うと以下のように短縮できます。
【東京都 日本橋駅Googleマップ正規URL】
https://www.google.co.jp/maps/place/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%A9%8B%E9%A7%85/@35.6821236,139.7721337,17z/data=!3m1!4b1!4m6!3m5!1s0x60188956345d4085:0xcb5f08241b1fc227!8m2!3d35.6821193!4d139.7747086!16zL20vMDlxaDAw?hl=ja&entry=ttu&g_ep=EgoyMDI0MTAyOS4wIKXMDSoASAFQAw%3D%3D
【東京都 日本橋駅のbitlyを使った短縮URL】
http://bit.ly/3YAKKgr
短縮URLは、このように、長くなりやすいURLの見た目をスッキリさせることができるため、X(旧Twitter)などの文字数の限られたSNS上投稿で見かけたことがある、もしくは実際使用しているという方もいるのではないでしょうか。
このように利便性の高い短縮URLですが、近年フィッシング詐欺などの悪徳業者が、リンク先を隠すために短縮URLをメールに記載する傾向があるとされています。
そのため、ツール自体の信頼性が高くても、短縮URLをメルマガに使用すると、メールソフトから迷惑メールと判定されてしまう可能性があります。
もし、長いURLをシンプルなデザインで記載したい場合は、画像や本文テキストにハイパーリンクを貼ったりする、短縮URLの使用を避けることで、迷惑メール判定のリスクを軽減できます。
迷惑メール分析に対応した配信ツールを使う
先に述べたように、Gmailを始めとして、迷惑メール判定の基準が更新されているため、今まで問題なく配信できていた自社のメルマガが受信者に届いていないというトラブルが起こることがあります。
引用:『株式会社リンク』
メルマガがユーザーの受診箱に最適に振り分けられ、開封につなげるためには、迷惑メール分析に対応した配信ツールを導入することも一つの方法です。
例えば、株式会社リンクが提供するベアメールは、配信前に迷惑メールにならないか診断できるサービスを提供しています。
テストメールを本配信の前に送付することで、メールが届かない要因となる問題点やその改善策を提案してくれます。
引用:『学校法人 河合塾』
実際、学校法人 河合塾は、共通テストリサーチの際、Gmailの「メール送信者のガイドライン」への十分な対応ができておらず、受験生にメルマガが届かないという問題が発生しました。
ベアメールによる迷惑メールスコアリング分析機能により、送信環境の可視化と問題の洗い出しをすることで、同問題を解決できたと述べています。
このように、最適なタイトルやコンテンツを作成したとしても、迷惑メール判定を受けてしまうと、ユーザーの受信箱に振り分けられないため、開封につながりません。
迷惑判定を受けないための対策は、メルマガ開封率を上げるための重要な施策と言えるでしょう。
参考:『メール送信者のガイドライン|GoogleWorkspace管理者ヘルプ』
参考:『短縮URLとは?メリットやデメリット、おすすめのサービスを解説』
参考:『短縮URLとは?メリット・デメリットと無料サービス11選』
参考:『迷惑メールスコアリングの診断とDMARC分析機能で、多岐にわたるメール送信環境の適正化を実現』
最適な頻度で送る
メルマガは見込み顧客との定期的かつ継続的なコミュニケーションとして効果的な手段です。
しかしながら、配信頻度が高すぎると、「受信者に開封してもらえないのではないか」と思われるかもしれません。
参考:『メルマガ開封率の平均は?開封率を上げる方法6選を調査データと合わせて解説!』
先にご紹介したメール配信ソフトを提供しているユミルリンク株式会社の調べによると1日に1件でも「多い」と感じる層も20%程度はいるものの、約43%のユーザーが同企業から1日に2~3件以上のメルマガが送られた場合に「多い」と感じると回答していることが明らかになりました。
加えて、メルマガの配信頻度とROIの相関性に関するデータも参考にして自社のメルマガの配信頻度を決めることも有効でしょう。
冒頭にご紹介したマーケターのZhou氏のデータによると、メルマガの配信頻度とROIには以下のような相関性があることが明らかになりました。
月のメール配信頻度 | ROI |
9~16通 | 46:1 |
2~4通 | 31:1 |
1通 | 13:1 |
同氏の調べによると最もROIが高かったのは、月に9~16通であったと述べています。
これはメルマガを2~3日に1通送っているというペースになります。
逆に、最も低いROIは、月に1通のメール配信で13:1でした。
このことから、メルマガの配信頻度が少なすぎると、ユーザーとの関係性と受信ボックスでの存在感が薄れてしまうというような理由から、開封率やコンバージョン率が低下してしまうということが考えられます。
しかしながら、このようなメルマガの開封率を上げるための最適な施策は、自社の事業内容やターゲットの状況などによって最適な施策は変わるでしょう。
上記のポイントやデータを参考としつつ、メルマガの開封率を分析しながらトライ&エラーを継続することで自社の施策を改善して行くことが望ましいでしょう。
参考:『Email Marketing ROI Statistics: The Ultimate List in 2024』
参考:『メルマガ開封率の平均は?開封率を上げる方法6選を調査データと合わせて解説!』
参考:『メルマガの開封率を上げる方法とは?開封率の高い業界や、効果を測定する方法を解説』
関連記事:『eマーケティングの7種類の手法とは?顧客獲得の戦略まで解説』
まとめ
是非この記事を参考に、メルマガ開封率の改善を検討してみて下さい。
株式会社Unionは、Webマーケティング全般のご相談 を承っております。
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監修者
2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。