マーケターの方は、一度はインバウンドとアウトバウンドの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
Webマーケティングのインバウンドとアウトバウンドの違いを理解しておくことで、より効果的なマーケティング施策が打てるようになります。
本記事では、Webマーケティングにおけるインバウンドとアウトバウンドの違いについて解説します。
Webマーケティングにおけるインバウンドとアウトバウンドの違い
Webマーケティングにおけるインバウンドとアウトバウンドには4つの違いがあります。
マーケティングの手法
1つ目がマーケティングの手法です。
インバウンドマーケティングは、有益な情報を提供して顧客を惹きつけて、興味・関心を持ってもらうことで、顧客からのアプローチを促す手法です。
つまり、顧客主導のマーケティング手法となります。
2000年代にインターネットが急速に普及して以降、顧客は商品を購入する前に価格や性能などをネット上で調べるようになりました。
このように消費者の購買プロセスが変化したことにより、顧客と良好な関係を構築するためのインバウンドマーケティングに取り組む企業が増えてきました。
その一方で、アウトバウンドマーケティングは、顧客に積極的にアプローチして購買促進を促す手法です。
つまり、企業主導のマーケティング手法となります。
自社やサービスの認知度が低い場合は、顧客に存在を知ってもらわなければいけません。
企業が顧客に積極的にアプローチし、自社やサービスの認知度を上げていきます。
2000年代からインバウンドマーケティングに注目が集まっていますが、アウトバウンドマーケティングは攻めの戦略として欠かせない施策です。
参考:『【図解】インバウンドマーケティングとは?基礎から成功事例まで解説』
参考:『アウトバウンドマーケティングとは?特徴から実践方法まで解説!』
マーケティングの目的
2つ目がマーケティングの目的です。
インバウンドマーケティングの目的は、顧客と良好な関係を維持することです。
顧客にとって有益な情報を発信して良好な関係を築きお問い合わせを獲得します。
押し売り要素がないため、相手に不快感を与えずに自然とアプローチができます。
その一方で、アウトバウンドマーケティングの目的は、自社商品の認知拡大と購買を促進することです。
顧客へ積極的にアプローチできるため、不特定多数の人にアプローチすることが可能です。
参考:『【図解】インバウンドマーケティングとは?基礎から成功事例まで解説』
参考:『アウトバウンドマーケティングとは?特徴から実践方法まで解説!』
マーケティングの即効性
3つ目がマーケティングの即効性です。
インバウンドマーケティングは、顧客に自社が発信する情報を見つけてもらう必要があります。
つまり、顧客主導型のため即効性を求めることはできません。
その一方で、アウトバウンドマーケティングは、顧客へ積極的にアプローチする手法のため即効性が見込めます。
決裁者と繋がれば、すぐに商談・契約に至るケースもあります。
売上目標を達成するためには2つの施策を併用して取り組むことが大切です。
参考:『【図解】インバウンドマーケティングとは?基礎から成功事例まで解説』
参考:『アウトバウンドマーケティングとは?特徴から実践方法まで解説!』
コンテンツの資産化の可否
4つ目がマーケティング施策で制作したコンテンツの資産化の可否です。
インバウンドマーケティング施策のために制作したコンテンツ(ブログ・SNS・動画)は将来も使い続けられる資産となります。
例えば、SEO対策でブログを書いて上位表示されれば、長期的にPV数やCV数が稼げます。
その一方で、アウトバウンドマーケティング施策のために出稿した広告(オンライン広告・オフライン広告)は資産になりません。
参考:『DEMAND CENTERアウトバウンド vs インバウンド – 両利きのBtoBマーケティング施策の考え方』
インバウンドマーケティングとは
Webマーケティングにおけるインバウンドとアウトバウンドの違いを知った上で、それぞれの特徴について理解を深めておくと効果的な施策が打ちやすくなります。
ここでは、インバウンドマーケティングの特徴、やり方について解説します。
インバウンドマーケティングのメリット
インバウンドマーケティングは顧客に売り込む手法ではないため、自然と受け入れてもらいやすく、顧客と良好な関係を築きやすいです。
また「自社ホームページを閲覧してくれたか?」「セミナーへ参加してくれたか?」などで、顧客の購買意欲を計測できます。
参考:『インバウンドマーケティングとは|事例や成果を出す5ステップを解説』
インバウンドマーケティングのデメリット
インバウンドマーケティングは、顧客に自社発信の情報を見つけてもらう必要があります。
そのため、顧客が自社の存在をそもそも知らない場合は情報を見てもらいにくいです。
つまり、自社の認知度が低い場合は期待する効果が見込みづらくなります。
参考:『インバウンドマーケティングとは? メリット・デメリットを紹介!質のいい記事制作が成功のポイント!』
インバウンドマーケティングのやり方
インバウンドマーケティングのやり方は5STEPです。
- マーケティングの目的を明確にする
- ターゲット顧客のペルソナを設定する
- 顧客が興味・関心を寄せそうなコンテンツ(ブログ・SNS・動画)を作成する
- コンテンツで情報を発信して見込み顧客にアプローチする
- PDCAを回す
インバウンドマーケティングを成功させるためには、顧客に満足してもらえる実用的な情報を発信することが大切です。
参考:『インバウンドマーケティングとは?メリットや効果・実践方法を紹介』
インバウンドマーケティングの施策
インバウンドマーケティングの施策には以下のようなものがあります。
- Webサイト
- SNS
- ブログ
- イベント
- ホワイトペーパー
- 動画コンテンツ
- メルマガ
- コミュニティ
- 書籍
参考:『インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティング』
インバウンドマーケティングの成功事例
引用:『経営ハッカー』
ここではインバウンドマーケティングを実際に導入した事例をご紹介します。
freee株式会社はクラウド会計ソフトfreeeなどを提供している会社です。
クラウド会計ソフトfreeeのユーザー数は39.9万社(2024年5月時点)と多くの人に愛用されています。
同社はクラウド会計ソフトfreeeを愛用してもらうために、自社運用メディア「経営ハッカー」で事業主に役に立つ情報を発信しています。
経営ハッカーは「会計」「会社設立」「経理・財務」「人事・労務」「上場準備」「働き方改革」の情報を発信しており、月間400万PVと多くの人に見られているメディアです。
会計ソフトfreeeのYouTube公式チャンネルも運営しており、2024年時点で4万人近い登録者数がいます。
顧客に有益な情報を与えながら、事業者と良好な関係を築くことに成功しています。
参考:『経営ハッカー』
参考:『インバウンドマーケティングの成功事例12選|手順も併せて解説』
freee株式会社が取り組んで成果を出しているオウンドメディアについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
関連記事:『オウンドメディアでコンテンツを資産に! 目的と6つのメリットを紹介』
アウトバウンドマーケティングとは
次にアウトバウンドマーケティングの特徴、やり方について解説します。
アウトバウンドマーケティングのメリット
アウトバウンドマーケティングのメリットは、自社やサービスの存在を知らない人にもアプローチできることです。
そのため、自社やサービスの知名度の低さに悩んでいる方は取り組んだ方がよいでしょう。
決裁者と繋がりサービスに興味・関心を持ってもらえれば、商談化、契約に繋がる可能性もあります。
そのため、売上目標を達成するために新規顧客を獲得したいという際にもおすすめの施策です。
参考:『アウトバウンドマーケティングとは?特徴から実践方法まで解説!』
アウトバウンドマーケティングのデメリット
アウトバウンドマーケティングのデメリットは、顧客に「しつこい営業だ」と不快感を与えてしまい、拒否される場合があることです。
相手に対してしつこくアプローチすると嫌がられてしまい、最悪の場合は企業イメージが低下しまうことになります。
そのため、相手の反応を見ながら施策を打つようにしましょう。
参考:『アウトバウンドマーケティングとは?特徴から実践方法まで解説!』
アウトバウンドマーケティングのやり方
アウトバウンドマーケティングのやり方は6STEPです。
- 自社サービスに興味・関心を持ってくれる顧客は誰かを考える
- 広告を出稿する媒体を選ぶ
- 出稿したい広告媒体にお問い合わせする
- 広告を出稿するためのクリエイティブを作成する
- 広告を出稿する
- 広告の効果を測定して改善する
アウトバウンドマーケティングを成功させるためには、自社サービスに興味・関心を持ってくれる顧客は誰かを考えて、その人が接触する媒体に好むクリエイティブ広告を配信することが大切です。
そのため、自社サービスに興味を持ってくれる顧客像を明確にするため、ペルソナを作成しましょう。
参考:『アウトバウンドマーケティングとは?特徴から実践方法まで解説!』
アウトバウンドマーケティングの施策
アウトバウンドマーケティングの施策には、以下のようなものがあります。
- 営業電話
- 展示会
- ダイレクトメール
- 屋外広告
- マスメディア広告(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- ソーシャルメディア広告
- 動画広告
参考:『インバウンドマーケティング と アウトバウンドマーケティング』
アウトバウンドマーケティングの成功事例
ここではアウトバウンドマーケティングを実際に導入した事例をご紹介します。
株式会社リブセンスが運営するアルバイト求人サイトは「ジョブセンス」から「マッハバイト」へサービス名を変更しました。
マッハバイトの知名度を上げるために、YouTube動画広告のバンパー広告を活用しました。
マッハバイトの広告は、最速で洗車を行うなどユーモアあるクリエイティブで印象付けて、話題を集める工夫をしています。
このような工夫をした結果、マッハバイトの動画はSNSを中心に拡散されて400万回以上の再生数を記録し知名度アップすることができました。
参考:『バンパー広告とは?YouTubeの動画広告の仕組み、課金方式と費用相場、実際の活用事例を紹介』
株式会社リブセンスが取り組み成果を出している動画広告について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『動画広告3つの効果!動画広告の制作方法や成功事例まで解説!』
インバウンドとアウトバウンドに関してよくある質問
最後にインバウンドとアウトバウンドに関してよくある質問をご紹介します。
Q.Webマーケティングを成功させるためのコツは?
マーケティングを成功させるためのコツは、インバウンドとアウトバウンドの特徴を良く理解して、両方の施策に取り組むことが大切です。
企業では月間売上目標や年間売上目標を立てていることが大半ですが、顧客主導型のインバウンドマーケティング施策のみに取り組んでいると、会社側の都合で売上を伸ばすことが難しくなります。
売上目標を達成するためには、企業主導型のアウトバウンドマーケティングも欠かせません。
そのため、両方の施策に取り組みましょう。
参考:『アウトバウンド営業とは?インバウンド営業との違いと事例』
Q.インバウンドとアウトバウンドのどちらから取り組むべきですか?
どちらのマーケティング施策から取り組むべきかは、企業の状況や目的に応じて変わります。
サービスの認知度が高く、顧客と良好な関係を構築していきたいと考えている企業はインバウンドマーケティングがおすすめです。
その一方で、会社を立ち上げたばかりや新商品を販売したばかりの場合は認知度が低いため、アウトバウンドマーケティング施策で積極的にアプローチした方が良いです。
そのため、自社の状況を踏まえて、どちらの施策から取り組むべきか検討しましょう。
参考:『アウトバウンドマーケティングの極意!BtoBマーケターが知るべき最新手法と実践ノウハウ』
Q.インバウンドマーケティングが向いている企業とは?
インバウンドマーケティングは業種・業態など問いません。
見込み顧客と良好な関係を構築したい企業は取り組むべきでしょう。
敢えて説明するなら、BtoCよりBtoBの方がインバウンドマーケティングと相性が良いです。
BtoBは意思決定者が複数名いて、決裁まで時間がかかります。
サービスの比較・検討期間が長いため、その期間中に顧客と良好な関係を築いていかなければいけません。
このような特徴があるため、BtoCよりBtoBの方がインバウンドマーケティングと相性が良いと言われています。
参考:『インバウンドマーケティングとは?基本と効果的な実践方法を解説』
Q.マーケティング施策を打つ際のリソース不足に悩んだ場合の対応策は?
インバウンドとアウトバウンドの施策にはさまざまなものがあり、並行して取り組むことが重要だとお伝えしました。
さまざまな施策があるため、自社で運用するのが難しいと感じることもあるかもしれません。
そのような場合は広告代理店に相談しましょう。
広告代理店を上手く活用すれば、社内にリソースがなくても、さまざまな施策が打てるようになります。
参考:『広告代理店の役割は?依頼するメリット・デメリット、インハウス運用との比較』
施策別におすすめの広告代理店をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:『Google広告代理店!運用代行に強いおすすめ代理店12社を紹介』
関連記事:『Twitter運用代行に強い!おすすめ広告代理店10選を厳選して紹介!』
関連記事:『Instagram広告の運用代行に強い!企業向けおすすめ代理店9社を紹介!』
関連記事:『Facebook広告運用代行に強い10社の広告代理店を徹底比較』
まとめ
インバウンドとアウトバウンドには4つの違いがあります。
大切なことは、インバウンドとアウトバウンドの特徴を理解した上で2つを組み合わせてマーケティング施策を打つことです。
この記事では、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの施策の種類や、やり方まで解説しているため、これを機会にマーケティング施策を見直してみてください。
もし、マーケティング施策のノウハウやリソース不足に悩んだら、広告代理店にお任せするのも1つの選択肢です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。