多くの企業は自社サイトへの流入数を増やすためにSEO対策を行っているのではないでしょうか。
検索結果の上位表示を狙った施策をSEO対策と言いますが、近年では「SXO」対策という新たな施策も登場しています。
SXOとは「検索体験の最適化」のことで、ユーザーにとって満足度の高い検索体験を提供するための施策ですが、SEOとの違いがよく分からないという人も少なくありません。
そこで本記事ではSEOとSXOの違いや対策方法などを解説していきます。
関連記事:『【初心者向け】SEOライティングで上位表示を狙うための9つのコツ』
Contents
SEOとは
SEOとは、Search Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)の略で、日本語では「検索エンジン最適化」という意味になります。
具体的には、Googleなどの検索エンジンが理解しやすいように、Webサイトを最適化することを「SEO」と呼びます。
SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンで、あるキーワードを検索した際に特定のWebサイトを検索結果の上位に表示させるための対策のことです。
Googleでは「クローラー」と呼ばれる、Webサイトを巡回して、その情報を登録していくロボットがあります。
このロボットが定期的にWebサイトを巡回し、検索結果ページに最新データを反映しています。
つまり、SEO対策にはクローラーも考慮する必要があります。
seoClarityが公開した検索順位別クリック率データによると、検索結果の上位に表示されるWebサイトほどクリック率が高いことが分っています(2021年11月時点)。
つまりSEO対策によって、検索結果の上位に表示されれば、検索エンジンからの流入数が増え、ユーザーにWebサイトの情報をきちんと届けることができます。
SEO対策
- コンテンツ施策
- 内部施策
- 外部施策
引用:『2021 CTR Research Study|seoClarity』
参考:『Google検索における情報の整理方法』
SXOとは
SXOとはSearch Experience Optimization(サーチ・エクスペリエンス・オプティマイゼーション)の略で、日本語では「検索体験の最適化」という意味になります。
具体的には、検索意図に合致したコンテンツを提供し、ユーザーの検索体験を最適化することを「SXO」と呼びます。
SXO対策とは、ユーザーが求めている内容のコンテンツを提供し、コンテンツを通じてユーザーの検索体験を向上させるための対策のことです。
SXO対策によって、Webサイト内での滞在時間が長くなり、ユーザーの満足度を高めることができます。
滞在時間が長いということは、ユーザーはそのWebページに興味があり、満足している可能性が高いということです。
反対に直帰率が高いということは、ユーザーにとって有益な情報が無い可能性があります。
直帰率とは、サイトに流入したセッションのうち、最初のページだけを見てサイトを離脱してしまったセッションの割合のことです。
詳しいSXO対策については後ほど解説します。
参考:『「SXO」の意味や使い方 わかりやすく解説|Weblio辞書』
関連記事:『【初心者向け】SEOの専門用語34選!マーケティングの基本を解説』
SEOとSXOの違い
SEOとSXOの違いを簡単にまとめると以下の通りです。
- SEO:検索結果の上位に表示させることを狙ったもので、Webサイトへの訪問者数増加を目的としている
- SXO:ユーザーにとって有益なコンテンツを提供し、ユーザーの満足度を高めることを目的とする
SEOでは、検索アルゴリズムに従い、検索エンジンに評価されることで、Webサイトの検索順位を高めます。
一方SXOでは、有益な情報を提供し、ユーザーに評価されることで、コンテンツに対するユーザーの満足度を高めます。
つまり、SEOは「検索エンジン」を対象とし、SXOは「検索するユーザー」を対象としているということです。
では、なぜSXOは重要なのでしょうか。
それは、SEO対策によって検索結果の上位に表示されても、コンテンツ内容が薄ければ「このサイトは役に立たない」と判断され、数秒でユーザーが離脱してしまう可能性があるからです。
この場合は、SXO対策としてコンテンツ内容を充実させ、ユーザーの利便性を重視したサイト設計をする必要があります。
SEOとSXOの違いは検索アルゴリズムの歴史を知ることで理解しやすくなると思います。
関連記事:『【SEOとコンテンツマーケティング】2つの違いとは?各施策を解説』
検索アルゴリズムの歴史
ここからは検索アルゴリズムとそれに伴うSEOの変化の歴史を振り返っていきましょう。
西暦 | できごと |
1990 | 世界初の検索エンジン「Archie」が登場 |
1994 | カテゴリ別に登録された「ディレクトリ型」検索エンジンが流行 |
1996 | 世界中のWebサイト情報を自動収集する「ロボット型」検索エンジンが登場 |
2011 | Googleが、低品質なWebサイトの検索順位を下げる「パンダアップデート」と呼ばれる検索アルゴリズムのアップデートを行う。 |
2012 | Googleが、スパム行為やブラックハットSEOを行なっているWebサイトの検索順位を下げる「ペンギンアップデート」と呼ばれる検索アルゴリズムのアップデートを行なう。 |
2015 | Googleが、ユーザーの検索意図により近い検索結果を表示させる「ランクブレイン」というAIを使用した検索アルゴリズムを導入する。 |
202☓ | 検索意図に合致したコンテンツを提供し、ユーザーの検索体験を最大化する「SXO」という概念が注目され始める。 |
低品質なコンテンツが乱立(1990年~)
1990年に世界初の検索エンジン「Archie」が登場し、1994年に「ディレクトリ型」検索エンジン、1996年に「ロボット型」検索エンジンが登場しました。
当時は、いかに多くのサイトに自社サイトのリンクが貼られているか(被リンク)を重視するアルゴリズムが中心となっており、SEOのために大量の被リンクを設置した低品質なコンテンツを提供するWebサイトが乱立していました。
その結果、検索結果の上位には、検索ワードと関係がないWebページが並ぶことになります。
参考:『インターネット歴史年表|JPNIC』
検索アルゴリズムのアップデート(2011年~)
低品質なコンテンツを減らすために、Googleは「パンダアップデート」と「ペンギンアップデート」と呼ばれる検索アルゴリズムのアップデートを行ないました。
- パンダアップデート:低品質なWebサイトの検索順位を下げる(2011年)
- ペンギンアップデート:スパム行為やブラックハットSEOを行なうWebサイトの検索順位を下げる(2012年)
この2つのアップデートにより、被リンクの大量設置、スパム行為、ブラックハットSEOといった不正行為を行なっていたWebサイトの検索順位が下落することになりました。
※ブラックハットSEOとは、質の低いコンテンツの検索順位を不正な方法によって上昇させる方法です。
(例:被リンクの大量設置、コピーコンテンツ、隠しテキストや隠しリンク、ワードサラダ、クローキング)
その後、SEOには「コンテンツの質」が重要であるという考え方が根付きました。
参考:『Official Google Blog: Finding more high-quality sites in search』
参考:『良質なサイトをより高く評価するために|Google 検索セントラルブログ |Google Developers』
SEOから「SXO」へ(2015年~)
2015年にGoogleが「ランクブレイン」を導入したことで、コンテンツの質や良質なリンクだけでなく、「検索意図に合致したコンテンツの内容となっているか」が重要視され始めます。
そして現在、いかにユーザーが求めるコンテンツを優先的に提供するかという発想(=SEO)から、ユーザーにコンテンツを通じていかに満足してもらうかという次元(=SXO)に進化しつつあります。
例えば、自動車メーカーの最終目標は「自動車の購入」ですが、通常はWebサイトでは購入せず、ディーラーがいる店舗販売が主体なため、Webサイトのコンバージョンはディーラーへの送客です。
この場合は、ディーラーへの送客につながる導線を整備して、ユーザーの検索体験を向上させる必要があると考えられます。
参考:『RankBrain(ランクブレイン)とは|用語集|株式会社アイレップ』
SXO対策
では、SXOの対策としてできることにはどのようなものがあるのでしょうか。
以下のようなものが考えられます。
ユーザーニーズを探る
ユーザーが求めているものを把握し、検索ニーズに合ったコンテンツを提供しましょう。
例えば、「キャンプ 初心者」と検索したユーザーには、おそらく以下のニーズがあると想定できます。
- キャンプに必要な道具を知りたい
- 初心者におすすめのキャンプ場が知りたい
- 初めてのキャンプを楽しく過ごすプランが知りたい
ここでの検索ニーズに合ったコンテンツとは、ユーザーが検索したキーワードをいかに多く含むのかではなく、ユーザーの検索意図に合ったコンテンツです。
なお、検索意図にあった広告の作成方法については以下の記事で解説しております。
関連記事:『検索意図をリスティング広告に活かすための5つの考え方とは?』
E-E-A-Tを高める
E-E-A-Tとは、経験(Experience)、Expertise(専門性)、Authoritativeness (権威性)、TrustWorthiness (信頼性)の頭文字をとった言葉です。
この経験、専門性、権威性、信頼性を高めたコンテンツを制作することで、Googleに高品質なコンテンツだと評価され、ユーザーからも信頼され、満足されるWebサイトと認識される場合が多いです。
また、専門家に記事を執筆してもらったり、動画を使用するなどのコンテンツの質を高める方法も良いでしょう。
参考:『有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成|Google検索セントラル』
参考:『品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-TにExperienceのEを追加|Google検索セントラル』
関連記事:『SEOはガイドラインに沿って運用!Googleの5つの公式見解』
モバイルフレンドリー
モバイルフレンドリーとは、ページがスマートフォン用に表示が最適化され、ユーザーがモバイルのWebサイトを快適に閲覧できる状態のことです。
2016年にGoogleがモバイルファーストインデックス(MFI)移行を発表したことで、モバイルフレンドリーが重要視されています。
モバイルフレンドリーでは、レスポンシブ対応することがGoogleで推奨されています。
まだレスポンシブ未対応の場合は対応しましょう。
引用:『モバイルフレンドリーを導入する|Google Developers』
ページの表示速度の改善
サイトを訪れた際のページ表示速度も重要な対策の一つです。
2018年にGoogleでは、Speed Updateが採用され、ページの表示速度が遅いと自然検索結果の順位低下や、ユーザービリティにもマイナスな評価がおこなわれます。
具体的に表示速度が何秒以内という基準は存在しません。
ページ速度のチェックにはGoogleが提供している下記サイトを利用してみましょう。
参考:『PageSpeed Insights』
ページ速度の改善には、下記を改善してみるとよいでしょう。
- 画像サイズを小さくする
- 外部ファイルを圧縮する
- gzip圧縮をする
- AMPを導入する
関連記事:『Webページの表示速度を上げる改善策7選!計測方法も紹介』
検索キーワード挿入を見直す
検索キーワードの挿入を見直すことも効果的です。
一昔前のSEO対策としては、検索エンジンから高評価を得るために必要以上にキーワードを入れる方法がありましたが、これではユーザーにとって読みにくく、無価値なコンテンツになりかねません。
また、以前広く利用されていたSEO用語の一つに「ワードサラダ」というものがあります。
これは文法的には正しいものの、意味が成り立っていない文章のことで、特定の技術を活用した自動生成ツールによって作成されていました。
今ではスパム行為として認定されているものの、当時はワードサラダを利用することでアクセス数を増やし上位表示を狙うアフィリエイターが続出しました。
SXOで評価されるためには、ユーザーのことを第一に考えた読みやすいコンテンツであることが重要です。
キーワードを無作為に入れるのではなく、ユーザーが一番欲しい情報を意識したコンテンツ制作をしましょう。
参考:『サイト運営で重要となるSXOとは? SEO対策との違いやSXO対策方法を紹介』
参考:『「ワードサラダ」とは?◯◯なリスクがあるからダメ絶対!?』
関連記事:『リスティング広告のクリック率が向上するキーワード選定方法5選!』
文字・レイアウト・デザイン・カラーなどの見やすさ
サイト内の文字や配色、デザインなどを見やすく改善することも大切です。
ユーザーが自然と目を向ける視線誘導の一つに、「Zの法則」があります。
これは、ユーザーの視線が左上から右下にかけてZを描くように移動する傾向のことで、この法則性を活かすことでWebサイトのユーザービリティ向上が見込めます。
例えば、ユーザーの視線が最終的に到達する可能性が高い右下部分にお問い合わせボタンや購入ボタンを設置することで、ユーザーファーストでシンプルなレイアウトが評価されます。
また、若者の文字離れや高齢者にとっての読みやすさを考慮した文字サイズを意識したり、ところどころに画像やイラストを挿入することもポイントです。
情報量が多くなりすぎてしまいそうな場合は、ページネーション(ページ割り)で複数のページに情報を分けることでユーザーの見やすさを保つことができます。
参考:『サイト運営で重要となるSXOとは? SEO対策との違いやSXO対策方法を紹介』
参考:『視線誘導の8法則 | ユーザーが迷わない情報設計のために』
セキュリティ対策を行う
ブラウザとサーバー間のデータを暗号化してやり取りすることを「SSL」と言います。
コロナ禍によってユーザーが店舗に足を運んで買い物をする機会が減り、代わりにECサイトなどオンラインでの購買行動が増加したことから、このSSLのシステムが広く利用されるようになりました。
ユーザーの氏名や住所、クレジットカード番号などの個人情報を暗号化することで、これらの顧客情報が第三者に盗み取られることを阻止できます。
こういったセキュリティを強化しておくことで、ユーザーの使いやすさだけでなく安全性や信頼性を守ることにもつながります。
また、外部からのウイルスや不正アクセスといったさまざまな脅威から効率的に保護できるシステムに「UTM(総合脅威管理)」があります。
UTMには6つのセキュリティ対策機能が集約されて搭載されているため、あらゆるネットワーク攻撃からの包括的な保守が可能です。
参考:『SSLの仕組み|情報セキュリティ関連の技術|基礎知識|国民のための情報セキュリティサイト』
参考:『UTMとは何かをわかりやすく解説 クラウド型のメリットも紹介』
参考:『サイト運営で重要となるSXOとは? SEO対策との違いやSXO対策方法を紹介』
まとめ
この記事を読んで、SEO対策やSXO対策が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。